静脈血栓塞栓症に対する予防の必要性が高まっており,各種理学的予防法(膝窩静脈5方法:下肢挙上,弾力ストッキング着用,足型および下腿型間欠的空気圧迫法,神経筋電気的刺激法,総大腿静脈7方法:上記+足関節底屈,背屈)の静脈血流増加効果について健常20肢を対象に超音波パルスドプラ法で評価した.
膝窩静脈における評価にて,下腿型間欠的空気圧迫法は血流量および血流速度の双方を,足型間欠的空気圧迫法と神経筋電気的刺激法は血流速度を有意に増加させ,下腿の血栓予防に有効である可能性が示唆された.
また,下腿型間欠的空気圧迫法,足関節背屈,底屈の血流量および血流速度増加効果は総大腿静脈にまで及ぶことが示された.