硬化療法は,単独で応用するにしろ,ストリッピング手術や結紫術と併用するにしろ,下肢静脈瘤治療において大きな役割を担つている。しかし,その治療成績には硬化療法の手技が大きく関与する.そこで,治療成績の向上および合併症の減少のために特に以下の基本的手技を強調した (1)注入する硬化剤の量は原則0.5mlまでとする (2)硬化剤の濃度を,静脈瘤の太さに応じて変化させる (3)硬化剤の注入は,下肢を挙上させるいわゆるempty vein手技でおこなう.また硬化剤注入中,注入後におこなう指による注入部位への継続した圧迫も,empty vein手技にかなっている (4)硬化療法後には適切な圧迫療法を加える。