要約:ラジオ波を用いた下肢静脈瘤に対する血管内治療(RFA)の治療成績を評価するため,大伏在静脈型の下肢静脈瘤に対してわれわれが経験したRFA の短期成績について報告する.2006~2007 年にClosurePlus
™ を用いて24 例24 肢に,2009~2010 年にClosureFast
™ を用いて24 例35 肢を経験した.ClosurePlus
™ では,上部10 cm を0.5 mm/sec,その末梢側は1 mm/sec,85˚C で焼灼した.ClosureFast
™ では,最上端は40 秒,以下は6.5 cm ごとに20 秒ずつ120˚C で膝下まで焼灼した.6 カ月での閉塞率はClosurePlus
™ 24/24,ClosureFast
™ 30/30 で,いずれも100%であった.術後VFI は,ClosurePlus
™,ClosureFast
™,ともに速やかに低下した.術後深部静脈血栓症および肺血栓症症例などの重大な合併症はなく,中等度以下の皮下出血を,ClosurePlus
™ で9 肢(38%),ClosureFast
™ で10 肢(29%)に認めたが,高度の皮下出血を来した症例は認められなかった.ラジオ波を用いた下肢静脈瘤に対する血管内治療は,本邦での使用経験がまだ極めて少ないが,2014 年6 月に保険収載され,今後,合併症の少ない極めて有用なデバイスとして期待される.
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