下肢静脈瘤に対する血管内治療のわが国への導入から20年間の自らの経験を述べた.2000年にエコー診断と低濃度大量局所浸潤麻酔(TLA麻酔)による日帰りストリッピング手術を開始し,その経験を生かして,2002年に血管内レーザー焼灼術(EVLA)を導入した.初期のEVLAは皮下出血,疼痛,再疎通が頻発したが,波長1470 nmレーザーとradial fiberによって欠点は克服された.2011年に血管内治療が保険適用され,その後はさまざまなデバイスが保険適用となり,2019年には非焼灼治療であるVenaSealクロージャーシステムが認可された.2017年に新設されたガイドライン委員会は,2010年に発表した血管内治療のガイドラインを2019年に改訂し,不適切治療撲滅のために精力的に活動を行っている.現在,下肢静脈瘤に対する血管内治療は,外科治療の9割を占める標準治療となっている.