2, 4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-S-トリアジンNa塩 (以下DCT-Naと呼ぶ) で硬膜したゼラチン膜より温水で抽出した成分について, 溶出ゼラチン量の定量, ゲルパーミエーションクロマトグラフィー (GPC) 測定, アミノ酸分析による解析からDCT-Naによる硬膜反応には, 高pHと低pHでは全く違う2種類の硬膜反応があることが示唆された。
さらに, DCT-Na, ホルマリン各単独, あるいは, DCT-Na/ホルマリン併用系での硬膜について, 架橋点数の経時変化, 各硬膜剤を添加したゼラチン液の分子量分布の経時変化について, DCT-Na/ホルマリンによる架橋反応とホルマリンの場合について比較し, 解析も行った。これらの実験から, DCT-Naによるゼラチンの硬膜反応を解明することができた。
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