デジタル写真プリントにおける画質の第一決定要因は画像が包含する情報 (データ) 量である。このデータ量は画像を構成する画素 (ピクセル) 数とそれの階調数からなる。したがって画像を構成する画素数は画像において最も重要な画質要因となる。本報告では, デジタルカメラとデジタルプリンタによって電子式に制作した出力画像の画素数とそれらの解像度を主体にした画質の関係について, シミュレーション画像を用いて主観並びに客観的な評価により検討した。主観評価は観察による感性テストであり, 客観評価は画像の微細構造の顕微解析によった。
二種の評価の結果, 本研究の手持ちサイズの出力プリントでは, 画像画素数と解像度を主体とする画質には明確な相関性があった。これは, 今後のデジタル写真における画像入力装置の光電変換デバイス (イメージャ) の精細性 (画素数) が出力画像の画質に及ぼす影響を明確にするために有用な結果である。
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