日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
Print ISSN : 0369-5662
ISSN-L : 0369-5662
61 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 渡辺 和男
    1998 年 61 巻 2 号 p. 72-76
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    コラーゲンの構造と性質について, ゼラチンのそれらと対比させて記した。コラーゲンとゼラチンは同じアミノ酸組成を示すにもかかわらず, コラーゲンの性質 (たとえば, 粘度, 保湿性, タンパク質分解酵素抵抗性) は, ゼラチンのそれとはまったく違う。これは, コラーゲンとゼラチンの構造の違いによるのだろう。コラーゲンは3重ヘリックス構造であるのに対し, ゼラチンはランダムコイル構造である。コラーゲンの特異な性質は, そのユニークな分子構造に起因するのだろう。
  • ゼラチンの物理抑制性評価法の一提案
    柴 史之, 大川 祐輔, 大野 隆司, 小林 裕幸
    1998 年 61 巻 2 号 p. 77-82
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    コントロールダブルジェット法による生成粒子数に関する理論式に基づき, 単分散ハロゲン化銀粒子の核生成過程におけるゼラチンのいわゆる物理抑制性の評価を試みた。式中の拡散係数は反応律速の条件においても核形成の速度を反映しており, これをゼラチンの影響の尺度として用いることが提案された。臭化銀を用いた実験により, いくつかのIAGゼラチンについて拡散係数を求め, この評価法の有用性を検討した。
  • 谷 貞子, 谷 威廣
    1998 年 61 巻 2 号 p. 83-87
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    IAGゼラチン中の単糖と還元末端糖を, カルボニル基の修飾試薬として2-アミノ安息香酸を用いたHPLC法により定量した。還元末端糖の測定は, 修飾反応後酸加水分解をして末端糖を遊離してから行なった。単糖の含量は, ほとんどのゼラチンでは10ppm以下だったが, グルコースを100ppm前後含むゼラチンもあった。還元末端糖としては, ガラクトース, グルコースが多く, それぞれ平均40ppm, 30ppm含まれていた。IAGゼラチン中の還元糖総量は70-220ppmであった。
  • 安井 三雄, 宮本 知左子, 藤村 庄, 尾野 凱生, 木村 良晴
    1998 年 61 巻 2 号 p. 88-94
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ゼラチンにアリル基を導入したアリル化ゼラチンを用いてポリ乳酸への固定化を試みた。種々な反応条件と固定化率との関係を調べ, 種々な手法によって得られた複合体の特性化を行った。固定化方法は開始剤を含んだアリル化ゼラチンをジメチルスルポキシドで膨潤させて, ポリ乳酸フイルム表面上で界面重合させた。溶媒はアリル化ゼラチンと重合開始剤のみを溶かす有機溶媒で行うことを特徴としている。最適な反応時間, 温度, および開始剤濃度はそれぞれ, 4時間, 80℃, および10mMであった。ゼラチンのエステル化率が低いと, フイルムは淡黄色の透明となり, 内部層でも共重合を, また一方エステル化率が高くなると, フイルム表面で不溶性のゼラチン層が形成されて単独重合が主体となった界面共重合が起きることがわかった。エステル化率が40%, および80%の時, 固定化率はそれぞれ約10%, および60%となり, ポリ乳酸フイルム表面上に, 耐水性や固定化量の制御が可能なゼラチンの簡便な固定法が見出せた。
  • 青柳 象平, 井田 雅裕
    1998 年 61 巻 2 号 p. 95-97
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ガラスビーズ, シリカゲル, 珪藻土, 沸化カルシウム, 硫酸バリウム等の粒子に対するゼラチンの吸着性を調べた。いずれの物質に対しても非可逆的吸着が見られた。グアニジン塩酸塩による溶離・回収試料のSDS電気泳動パターンは元ゼラチンのものと異なり, また吸着剤により互いに異なる。それ故, これらの物質への吸着はハロゲン化銀に対する場合と同様, ペプチド選択的であり, その選択性は吸着剤により異なることが分かった。
  • 本田 凡, 永島 利晴, 高橋 成明
    1998 年 61 巻 2 号 p. 98-101
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    雛感材位相型加グラムの画像保存・性について検討した。その結果, 従来のモノクロ銀画像の暗所保存性アストでは極めてよい結果が得られたが, キセノン光照射テストでは焼きだし姓じた.しかし, この焼きだしによってホ・グラム画像情報は破壊されない事が確認され, そして漂白処理などによって焼きだしが生じたフィルムの修復は, 原理的に可能であることが推察された。
  • 系統的配置法の提案
    山本 真理, 一谷 修司, 犬井 正男, 大川 祐輔, 大野 隆司, 小林 裕幸
    1998 年 61 巻 2 号 p. 102-105
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    多数の画像を効率的に主観評価を行うために, 新しい主観評価方法として「系統的配置法」を提案する。この方法は, 1枚のシートに, a*-b*をそれぞれを系統的に変化させた36枚の名刺判相当の写真を一覧表に配置したものである。ここでは, 好ましい肌色の評価のためにその有用性について検討した。その結果, 従来法と比較したところ, 主観評価値に有意差はなく, 評価時間を短縮することができた。
feedback
Top