日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
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61 巻, 4 号
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  • 滝川 厚, 向 典子, 西原 貞光
    1998 年 61 巻 4 号 p. 207-211
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    写真濃度差, 照射線量, 一次X線含有率を測定して, グリッド比3: 1の胸部病室撮影用散乱X線除去用グリッドの性能を評価した。3: 1のグリッドは従来の6: 1, 8: 1のものと比較して散乱X線の除去効果は劣るが, 適当な撮影条件を選べば少ない線量で十分な写真コントラストと一次X線含有率を得ることができる。我々は病室での胸部撮影には, 3: 1のグリッドを使って90kV程度の管電圧で撮影することを推奨する。
  • 小縣 裕二, 橋爪 由美子, 稲本 一夫, 瀧川 厚, Reza A. ZOROOFI, 佐藤 嘉伸, 田村 進一
    1998 年 61 巻 4 号 p. 212-220
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    散乱X線は, 画質を低下させる。通常, 散乱X線は, 被検体直後に散乱X線除去用グリッドを配置し, 画像形成前に除去する。
    今回, CRシステムと画像処理技術を用いた新しい散乱X線除去法 (GLG法) を提案する。GLG法は, グリッドをIP2枚ではさむように配置する。この方法では, 従来の被検体直後にグリッドを配置する方法に比べ, 大幅に患者の被曝線量を低減できる。ファントム撮影の結果, 極端な画質の劣化はなかった。
  • 浅井 義行, 尾崎 吉明, 窪田 英明, 松本 政雄, 金森 仁志
    1998 年 61 巻 4 号 p. 221-227
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    我々は, X線写真粒状の新しい評価尺度として, 物理的に求めたウィナースペクトルを視覚のMTFを使って心理物理的に修正し, 2次元の積分をして求める心理物理的RMS粒状度のσpを提案し, その濃度依存性が肉眼で粒状を観察した主観評価結果とよく一致することを報告した [J.Photogr.Sci., 43,103 (1995)]。本論文では, 非対称増感紙-フィルムシステムのフロントとバックの増感紙の感度比を変えて粒状の程度が異なる試料を作成し, 各々について求めた物理的粒状とσpの濃度依存性を主観評価結果と比較した。その結果, 物理的評価結果は主観評価結果と一致しなかったが, σpはよく一致した。このように, X線写真粒状の新しい評価尺度としてのσpの有用性を確かめ, さらにその信頼性を高めることができた。
  • 有村 秀孝, 窪田 英明, 松本 政雄, 金森 仁志
    1998 年 61 巻 4 号 p. 228-235
    発行日: 1998/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は医療用増感紙-フィルム系に対する特性曲線の形の管電圧依存性を調べることである。管電圧50kVから100kVで5種類の系の特性曲線を測定した。それは両面増感紙/両面乳剤フィルム系 (dual system) を使って作成したX線写真の (1) 両面乳剤,(2) フロント乳剤と (3) バック乳剤の特性曲線とフロント増感紙またはバック増感紙からの光を遮断したdual system (single system) を使って作成したX線写真の (4) フロント乳剤と (5) バック乳剤の特性曲線である。ダブルクロスオーバー光を考慮して特性曲線の形の管電圧依存性を理論的に調べるために, SilbersteinとVybornyの特性曲線の式を変更した。その式を使うために, フロント増感紙が発する露光量に対するバック増感紙の発する露光量の比 (相対露光量) の管電圧依存性を求めた。相対露光量は特性曲線の形に最も影響を及ぼす要因である。結果として, 測定した5種類の特性曲線の形は管電圧にほとんど依存しなかった。本研究で用いた系に関して, 変更した式を使い, 次の2つのことを示した。(1) 管電圧50kVから100kVまでの相対露光量の0.538から0.667の範囲ではdualsystemの特性曲線の形はほとんど変化しない。(2) 相対露光量が0.4以下になる低い管電圧ではdualsystemの両面乳剤の特性曲線の形が明かに変化する。
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