日本写真学会誌
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62 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 細井 一邦, 平野 昭裕
    1999 年 62 巻 4 号 p. 269-275
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    35GHzマイクロ波光伝導法および110MHzラジオ波光伝導法を用いて, R中心とP中心を作り分けたAgBr乳剤粒子上の還元増感中心の電子および正孔物性について研究を行った。110MHzラジオ波光伝導信号によって, R中心を高感度に検出できることが分かった。また, 光正孔によって, 正孔捕獲性のR中心だけでなく, 電子捕獲性のP中心も漂白されることが示された。
  • 西谷 源展, 大釜 昇, 藤本 信久, 山田 勝彦
    1999 年 62 巻 4 号 p. 276-279
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    X線を使用した医療業務などで, 作業者個人の被曝線量測定法の1つとしてフィルムバッジが用いられる。フィルムバッジに使用されるバッジフィルムの濃度測定から線量を求める従来の方法では, 一般に, 測定の下限値が0.1mSvと言われている。そこで, このフィルムバッジにより0.1mSv以下のX線線量の測定を行う方法として, X線曝射により黒化した現像フィルムにX線を照射し, その現像銀の特性X線スペクトル測定から求めたカウント数と線量との関係を使用する方法を考案した。今回考案した方法では, 一般に言われる下限値のさらに10分の1の低線量レベルまで, 有意な測定が可能であることが示された。
  • 河村 フジ子
    1999 年 62 巻 4 号 p. 281-288
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ゼラチンについて, 基礎的研究は行われているが, 実用的研究は比較的少ない。そこで著者が, アルカリ処理, 酸処理の各ゼラチンを試料として行った最近の実用的研究を紹介したい。その内容を以下に述べる。(1) ゾルの加熱による分子量とゲルの破断特性値の変化 (2) ゾルの冷却条件がゲル化性とゲルの破断特性値に及ぼす影響 (3) 市販ゼラチンの品質: アルカリ処理-低温抽出ゼラチンとの比較 (4) 処理法の異なるゼラチンに, k-カラギーナンまたは寒天を加えた場合のゲルの物性 (5) 熱変性させたホエータンパク質を混合したゾルのゲル化性とゲルの物性
  • 安井 三雄, 松下 啓, 宮本 知左子, 隅田 卓, 藤村 庄
    1999 年 62 巻 4 号 p. 289-294
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    乾燥条件と構造の詳細な関係を粘弾性挙動より観察した。その結果, 温度が主因となってゼラチンゲルの微細構造に影響を及ぼしていた。結晶性のコールドゼラチンは損失弾性率・E''が37℃付近でシャープなピークを示すのに対して, 無定形のホットゼラチンのE''は幅が広くなり, また中間構造はピークが消失した。X線回折とE''で観察されるミセル構造と微細構造とは規則性の点で良い対応関係が見られた。このE''の挙動を利用して乾燥条件と構造との詳細な検討ができた。この結果を, ホット, コールド, および中間型の出現状態図として表わした。すなわち, 一般に凝固点温度以下ではコールド型となり, 35℃以上では完全なホット型となって, この両者の問の温度域が中間型となっていた。このことより中間型となる温度域が凝固点温度であることが示唆され, 7%RHの低湿度下では28から30℃の範囲にあり, また80%RHの高湿度下では25から30℃のより幅広い領域にあることから凝固点が湿度状態によって温度領域を持つと結論した。構造に及ぼす因子としては, 湿度よりも温度の方が大きかった。
  • 占部 茂治, 佐野 徹
    1999 年 62 巻 4 号 p. 295-301
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ゼラチン, 及びチオエーテル基又はイミダゾール基を含むコポリマーを, 銀或いは金イオンに対する還元性において評価し, 且つハロゲン化銀乳剤の粒子形成及び化学増感行程に用いる事によりその写真的特徴を比較し下記の結果を得た。
    (1) ゼラチンはチオエーテルコポリマーに比べ銀イオン, 金イオンの還元性が高い。(2) ゼラチンはこれらの合成ポリマーに比べ乳剤粒子の調製行程において銀核をハロゲン化銀粒子に形成している。(3) ゼラチンは硫黄増感において抑制作用を持ち, 感度/かぶり比を良くしている。(4) 金硫黄増感においてゼラチンは合成ポリマーに比べて高い感度とかぶりをもたらし, その原因はゼラチンの還元性によってハロゲン化銀粒子表面上に銀或いは金核が生成する事にあると考えられる。
  • 3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンによる修飾
    谷 貞子, 谷 威廣
    1999 年 62 巻 4 号 p. 302-307
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    IAGゼラチン中の還元性単糖と末端糖を, 3-メチル-1-フェニルー5-ピラゾロン誘導体にしてHPLC法により定量した。PMP誘導体は酸加水分解に安定であり, アミノ糖を含む多種類の糖を測定できた。還元末端にあるアミノ糖は銀に対する還元性が強かったが, そのようなアミノ糖はゼラチン中にはほとんど含まれていなかった。全グルコース含量が少ないゼラチンに, 遊離グルコースが多かった。グルコース以外の還元性糖は, アルカリ法ゼラチンに比べ酸性法ゼラチンに多かった。
  • 大野 隆司, 堀内 正登, 大川 祐輔, 小林 裕幸, 村椿 良司, 西田 信雄, 朴谷 修, 中川 泰伸
    1999 年 62 巻 4 号 p. 308-312
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    我々はゼラチンの分子量分布と物性を制御する新しい方法を開発した。ゼラチン溶液を加圧し対向衝突式ノズルから高速噴射した。試料ゼラチンの分子量分布, 粘度, ゼリー強度を測定した。試料中の高分子量画分即ちH1, H2, γ画分は減少し, β画分は増減しそしてα画分は増加した。噴射の繰り返しが多ければ多いほど試料中の高分子量画分は減少した。試料の粘度は減少したが, ゼリー強度は変化が少なかった。
  • 次田 誠
    1999 年 62 巻 4 号 p. 313-315
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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