日本では, 高齢化社会が大きな社会問題となっており, 医療情報の提供や高齢者の健康情報管理を充実し, 高齢者やその家族が安心して豊かに生活する社会を構築することが必要とされている.したがって, 高齢者から健康情報などをリアルタイムに取得するセンシング技術の開発が重要である. 本報告では, ディジタルカメラを用いて撮影した肌の分光画像に対して逆光散乱解析を行うことにより, 肌におけるメラニン・酸化ヘモグロビン・脱酸化ヘモグロビンの色素分布をリアルタイムに推定しモニタリングする手法を紹介する. 画像入力機器として, ディジタルビデオカメラを用い, 実時間で色素の2次元空間分布を表示することができる. 変換には予め計算済みの3つの色変換参照テーブルを用い, 機器依存の処理と非依存の処理を分割して実装することで全体的に機器依存性を軽減している. 実際に, 無酸素運動下などにおける酸素飽和度の変化などを測定した結果を示し, 本手法の有効性を示す.
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