硬膜されたゼラチン膜の膨潤度, ゾルフラクション, 架橋点数, ゾル成分の分子量分布の測定を行い, ゼラチン膜の硬膜性について研究した. 使用した硬膜剤は, 2, 4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-S-トリアジンNa塩 (以下, DCT-Naと呼ぶ), グルタルアルデヒド (以下GAと呼ぶ) であった. オリジナルゼラチンの粘度と2種類の硬膜剤で硬膜剤濃度を変化して硬膜したゼラチン膜の膨潤度, 架橋点数の関係, ゼラチンタイプと硬膜度の関係について研究した.その結果, 以下のことが解った.
(a) ゼラチンの硬膜は, ゼラチンの種類には関係なく, 硬膜剤濃度が支配因子である.
(b) ゼラチンの硬膜反応は, ゼラチン原料, ゼラチン製造法に影響されない.
(c) 同一硬膜度のゼラチン膜のゾルフラクションは, ゼラチン液粘度と関係がある.
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