固体ターゲットへの大強度超短パルスレーザーの照射により発生するレーザープラズマX線は, パルス幅が~10psの極短パルスであるため, 時間分解観測に有用である.東京大学大学院原子力工学研究施設では, 時間分解Bragg X線回折の成功に続いて, このX線源を超高速の動的なX線撮影に適用するための研究を行っている.現状, X線強度不足 (3×10
4photons/cm
2/shot at a sample) によりシングルショット撮影に成功しておらず, 試算では少なくとも10倍の強度が必要であると思われる.また, レーザーと固体ターゲットとの相互作用をシミュレートしたところ, レーザーのプリパルスによって生成するプラズマ分布を制御できれば, X線強度が増加すると考えられる.強度増強後には, 10psレーザー固体アブレーション過程を行う予定である.
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