光ディスク用シアニン色素膜の熱安定性に影響する要因を探るため, インドトリカルボシアニンのアモルファス固体膜の劣化速度を60℃, 相対湿度90%で測定した. 用いた色素は5-chloro-2-[7-(5-chloro-1, 3-dihydro-1, 3, 3-trimethyl-2
H-indol-2-ylidene)-hepta-1, 3, 5-trienyl]-1, 3, 3-trimethyl-3
H-indoliumと9種の無色陰イオンとの組み合わせからなる. 比較的親水的な陰イオンを有する色素膜は比較的疎水的な陰イオンを有する色素膜より早く褪色した. その速度は水の接触角から求めた親水性の順序と符合したことから, 表面に吸着した水分が律速段階に関与していることが示唆される.
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