日本写真学会誌
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67 巻, 1 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 加藤 康裕, 佐藤 幸蔵
    2004 年 67 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    弊社は1995年から「夢・化学-21~ 夏休み子供化学実験ショー」(主催: 日本化学会, 日本化学工業協会他) に出展してきた. このイベントは子供たちに化学への興味を深めてもらうことを目的に始まり, で毎年夏休みに, 化学系企業がそれぞれ趣向を凝らした実験ショーを実施している.
    弊社はハロゲン化銀写真に関連した化学実験ショーを実施し, 好評を博してきた. 中でも, 暗室で処理する必要のない超低感度感光材料を用いたカラー写真の現像実験の人気が高く, 子供たちに大変喜ばれている. ハロゲン化銀写真をより親しみやすいものとし広めていくために, 引き続きこのような活動を行っていきたい。
  • ひの市民大学子ども学部科学コース講座を通して
    伊東 宏明, 中津留 弓子
    2004 年 67 巻 1 号 p. 9-12
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    小・中学校の学校週5日制が施行され, 子どもたちに「ゆとり」ある生活の中で, 自ら学び自ら考える力や豊かな人間性などの「生きる力」を育むため, 学びの場を提供する地域社会の連携がより重要性を増している. そのような中で, コニカミノルタ (株) では地域に密着した写真教育の一環として, 日野市教育委員会主催のひの市民大学子ども学部科学コース講座にて講義を行っている. 本稿では講義までの一連の経緯や, 講義内容と狙い, 子どもたちの反応, 教育委員会の意見等を紹介する.
  • 2002年「おもしろ高分子展」高分子ゲルにて
    椋木 康雄
    2004 年 67 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    高分子学会設立50周年記念の「おもしろ高分子展 (2002.8.10~25, 国立科学博物館)」において, 写真フィルムのバインダーとして使用されている高分子-ゼラチン-についてのコーナーを展示した. ゼラチンの特性とゾル/ゲル変化が, 写真フィルムにどのように利用されているか, 実演を踏まえて紹介し, 夏休み中の小中高生を中心とした見学者達に, 高分子の特性とおもしろさを体験してもらった.
  • 山野 泰照
    2004 年 67 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    天体写真の世界は, 冷却CCDカメラやデジタルカメラの進化によって, これまでフィルムカメラでは撮れなかったような画像がアマチュアでも簡単に撮影できるようになった. ここでは事例を示しながら, 天体撮影におけるデジタルイメージングの価値を紹介する.
  • 石橋 賢司, 西垣 順二, 兵頭 健一, 田鍋 和仁, 瀧本 俊太
    2004 年 67 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    単眼投映式のデジタルブラネタリウム「Super-MEDIAGLOBE」を開発した. 超高精細QXGA (2048×1536画素) プロジェクタを採用するとともに, ドーム上に精密に投映する160度魚眼レンズを開発した. また, 恒星や惑星などの天体を3Dモデルにて作製し, リアルタイムに宇宙空間飛行をシミュレートできる3Dプラネタリウム機能を搭載した. これにより, 単眼投映式というコンパクトでありながら, 高精細かっ, 臨場感の高いプラネタリウムを実現した.
  • 中西 秀彦
    2004 年 67 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    オンデマンド印刷は, 一般的には少部数・短納期のコンピュータを駆使した印刷技術と捉えることができる.ただし, 組版を印刷会社でおこなうことはコスト上問題があり, 多くの場合顧客データをそのまま印刷している.これは顧客と印刷会社間でのソフトウエアの共通認識がなければ困難でもある.機械のマニュアル類をデータベースに蓄積しておき, 必要があり次第印刷するといった本来の意味でのオンデマンド印刷は, それだけで会社が成り立つほど, 多くの需要がある.
    出版に目を向けると, 絶版本をスキャニングして蓄積するといった当初の試みは成功しなかったが, インターネット受注による個別の全集製作, 本屋の店頭でのオンデマンド印刷といった試みがなされている. しかし, まだ, 品質的, 価格的には実験段階であり, 商業ベースとして成功しているとは言い難い. 今後, 価格面での競争力向上が鍵だろう.
    オンデマンド印刷はコンピュータと密接な関係があり, 印刷機というより情報処理端末である. オンデマンド印刷の前提にはプリプレスのフルデジタル化があり, 今まではこのデータ生成そのものに苦労してきた. CTPの普及とともにフルデジタル化は達成されつつあり, これからオンデマンド印刷の新時代がはじまる. そして最終的にはオフセット印刷の代替品としてではなく, One to Oneマーケティングや弱視者のための大活字本といったオンデマンドでなければならない商品を生みだすことで, 新たな印刷技術として定着するだろう.
  • 武内 雅彦
    2004 年 67 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    デジタル印刷機には複数の方式がある. ここでは, それぞれの方式の特徴について述べ, 有版デジタル印刷機の技術動向を紹介する.
  • カラーオンデマンドパブリッシングシステムColor DocuTech 60/60V
    高木 純
    2004 年 67 巻 1 号 p. 40-43
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Color Docu Tech 60/60Vはカラープリントオンデマンド市場向け印刷システムである. 本文では印刷市場に参入するための条件である「画質」「用紙汎用性」「低ランニングコスト」に対するColor Docu Tech 60の取り組み, さらにはColor Docu Tech 60Vで改善された点について, 解説する.
  • 近藤 浩和, 渡辺 明, 豊福 貴司
    2004 年 67 巻 1 号 p. 44-48
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    電子写真方式を中心としたPODシステムの価格出力品質が商用印刷として実用レベルの領域に入りPOD市場が活性化されつつある. 従来PODはオフセット印刷の補完, 置き換えという位置付けから, PODシステムでしか実現できないバリアブルデータ印刷や個人向けサービスなどの新たな展開が始まりフロント環境も含めたシステム提供が重要となってきている. 本稿では, PODワークフローを実現するフロントエンドシステム周辺のワークフロー技術や画像処理技術について紹介する.
  • リアルタイムパブリッシングeBookの試み
    亀井 雅彦
    2004 年 67 巻 1 号 p. 49-51
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現在の書籍流通における問題点を概観し, それを解決する手段であるネットワークによる書籍配信, オンデマンド出版について述べる. さらに, これらの書籍配信における問題について考察し, われわれがたどりついた結論として, エンドユーザーとの接点におけるオンデマンド出版, リアルタイムパブリッシングシステムeBookについて紹介する.
  • 佐藤 秋男
    2004 年 67 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    カメラ付き携帯電話が普及し, より身近に撮りたいときに被写体を撮影することが可能となった. そのカメラ付き携帯電話のカメラ利用状況と撮影した画像のプリント手段について述べる, 特にここではプリント手段の一つであるキオスク端末について述べる.
  • 銀塩写真システムとデジタル写真システムのLCA
    長岡 晋作
    2004 年 67 巻 1 号 p. 56-60
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    近年, さまざまな環境問題が発生し, 環境に対する関心が高まっている. 本稿では,「写真を提供するサービス」を, 銀塩を使う「銀塩写真システム」と銀塩を使わない「デジタル写真システム」に分類し, それぞれの地球環境に及ぼす影響を, ライフサイクルアセスメント手法を用いて地球温暖化, 資源消費, 固形廃棄物の3つの観点で評価することを試みた. その中で, それぞれのシステムの環境面での特徴と違いを明らかし, 環境負荷低減のための着目点について考察した.
  • パギイ法合同審議会
    2004 年 67 巻 1 号 p. 61-66
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    パギイ (PAGI) 法とは, 写真用ゼラチン試験法合同審議会で定める写真用ゼラチンの試験法である.[PAGI] とは, Photographic and Gelatin Industriesの頭文字の組み合わせである. パギイ法は, 2002年に創立50周年を迎え, 2003年6月に第9版 (日本語版及び英語版) を刊行した. 刊行されている写真用ゼラチン試験法は世界に類を見ない. 写真用ゼラチンメーカーとユーザーである感材会社で構成する委員会活動によって, ゼラチン試験法の新設・改廃を半世紀に渡って行い, 試験法の出版を続けてきた. パギイ法の活動は, 世界中の写真用ゼラチン関係者からも注目されている. これらの活動により写真用ゼラチン試験法合同審議会は1996年度日本写真学会ゼラチン賞を受賞している. パギイ法とその活動について紹介し, 最新版第9版 (2002年版) を概説する. 最新版である第9版にはのべ26項目の試験法が記載されている
  • 鈴木 啓仁, 森多 浩三
    2004 年 67 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    酸処理オセインゼラチン (AOS), アルカリ処理オセインゼラチン (BOS) およびそれらをアミド化 (BOS-AM), フタル化 (AOS-PA) し等イオン点を変えたゼラチンを用いて, ゼラチンの等イオン点の硬膜剤との反応性に及ぼす影響について検討を行なった. 硬膜剤はムコクロル酸 (MCA) およびホルムアルデヒド (FA) を用いた. 硬膜剤との反応性は等イオン点の上昇に伴ない高くなることが明らかになった. アミド基は硬膜剤とは反応しないことが明らかとなり, 硬膜剤との反応性の等イオン点依存性はゼラチン分子形態の差によるものと推察した. 硬膜フィルムからのゾルフラクションは硬膜剤との反応性とは相関があるが, 元ゼラチンに含まれる低分子量成分の含量の影響の方が大きいことが明らかとなった.
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