巻号一覧
67 巻, 2 号
選択された号の論文の21件中1～21を表示しています
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北瀬 和世, 仲田 薫子2004 年 67 巻 2 号 p. 96-100
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー植田正治写真美術館は1995年の開館以来, 所蔵する1万2千点のプリントで植田正治70年の制作活動を紹介する展覧会をこれまでに30以上企画してきた. 貴重なオリジナルプリントを守りながら, 植田正治が体現した「写真すること」のよろこびを伝えていくために, 美術館はどういう役割を果たすのか. これはその美術館活動について述べたものである.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3551K) -
奈良市写真美術館の取り組み説田 晃大2004 年 67 巻 2 号 p. 101-104
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー奈良市写真美術館は, 1992年4月14日に開館し, 今年で13年目を迎える.収蔵作品である入江泰吉のフィルムやプリントを中心に, 写真保存についての現状と課題を報告する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3413K) -
川崎 由美子2004 年 67 巻 2 号 p. 105-107
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー-雪舟の郷記念館建設の経緯-島根県西部に位置する益田市は万葉歌人の柿本人麿と水墨画家雪舟の終焉地として広く知られ,市内のあちこちに両人ゆかりの遺跡がある。当記念館は雪舟が眠る大喜庵に隣接して平成2年10月オープンした. そもそも当市にある雪舟の遺跡保存を主とする雪舟美術館建設は雪舟の425回忌が執り行われた昭和4年,全国的に湧き上がった雪舟終焉地保存会の事業として計画されたが,その後一時立ち消えとなっていた.平成になって益田市はふるさと創世事業で雪舟筆「益田兼堯像」を購入するという幸運に恵まれ,それまで途絶えていた美術館建設が再燃,当記念館の建設へとつながった.
このような経緯を持つ当館は「益田兼堯像」を中心とした雪舟作品の保存,公開,調査研究と市内に現存する雪舟遺跡, 及び人麿をはじめとする郷土ゆかりの歴史資料の収集保存,調査研究を行うことを目的としている.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2418K) -
菅 建彦2004 年 67 巻 2 号 p. 108-112
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー「岩崎・渡辺コレクション」は, 明治30年代の日本の鉄道の蒸気機関車, 駅舎, 橋梁等の構造物など記録した写真資料で, 国有化以前の日本の鉄道の姿を伝える貴重な記録である.コレクションの主体は3,347枚の乾板で, 若き企業家渡辺四郎と岩崎輝彌が高名の写真師小川一真に撮影させたものである.現在使用している複製用陰画フィルムは, 40年前に乾板を引き伸ばして得た印画を撮影したもので, 早晩劣化を免れない.貴重な資料を末永く活用するためにディジタル画像化などの対策を講じることが重要な課題である.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (4985K) -
松田 泰典, 小谷 尚子2004 年 67 巻 2 号 p. 113-118
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー感光性材料を用いた複写技術によって作成された図面や文字資料は, 文書館や図書館などで大量に保管されている. これら複写資料は今後歴史的な価値を生じるとともに劣化が進み, 近い将来保存対策を考えるときが来るであろう.本論では, 感光性材料を用いた複写技術の歴史, 図面資料の保存に関するアンケート調査結果, 光および熱エネルギーによる強制劣化試験結果について述べた, 感光性材料を用いた複写資料を収蔵する施設では, その保存対策に苦慮していること, ジアゾタイプでは熱による変退色が著しいことが明らかとなった.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2729K) -
西村 寿美雄2004 年 67 巻 2 号 p. 119-123
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー文化財保存におけるコロタイプの役割を, 便利堂が昭和10年 (1935) におこなった法隆寺金堂壁画原寸大撮影をはじめとした数々の事業を紹介しながらその重要性を記し, 同時に, コロタイプ工房を取り巻く環境の変化と, 現在, コロタイプ技法を保存し普及させるために便利堂が取り組んでいる活動の内容を述べたもの.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (4118K) -
久保田 富弘2004 年 67 巻 2 号 p. 124-126
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー東京・永田町にある総理官邸内に, 写真資料室が設けられている.その一角にある資料室で, いま歴代総理の写真を中心に, 国の主要な行事など, 後世に残す映像を収める作業が進められている.
官邸写真室が歴代総理の写真記録に携わって35年, 当時の佐藤総理から現在の小泉総理まで, 18人の歴代総理の映像が撮り溜めされていて, その数量はカラー・モノクロフィルム合わせて約40万コマに及ぶ.
これらの写真は, 昭和から平成へと移る時代の中で, 激動する我が国政治史を綴る貴重な映像であり, これを内閣の記録として長期保存するための作業がようやく緒につきはじめた.デジタル時代の現今だが, 銀塩フィルムのアナログ保存の現状と, 将来に向けたデジタル検索による情報公開を紹介する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2634K) -
池本 喜巳2004 年 67 巻 2 号 p. 127-129
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー私が山陰を記録しようと思ったのは, 1978年にアルル国際写真フェスティバル (フランス) や1980年のフォトキナ (ドイツ) に植田正治のアシスタントとして同行し, そこで当時の写真界のトップレベルの作品に出会った事が要因となっている.特にダイアン・アーバスの『フリークス』に衝撃を受け, しぼらく写真が撮れない時期が続いた.そこで, 自分は写真が持つ記録性に焦点を当て, 地元である鳥取を中心とする山陰の人物・風景を記録するようになった.撮影当初は不安もあつたが, 何十年と撮影を続けて行き, また撮影した被写体が消失していくのを目のあたりにした際, 作品に時代という味が出て来て, 熟成していくことに気付いた.今は撮り続けてきてよかったと感じており, 今後も自分の生きている地方・山陰を記録し続けて行こうと思っている.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2390K) -
中村 一郎2004 年 67 巻 2 号 p. 130-135
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー写真画像の長期記録保存を重要視する文化財写真における「デジタルアーカイブ」の有効利用と, 現段階での弊害を最終成果物である「調査報告書」との関連から考察する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (3470K) -
金澤 勇二2004 年 67 巻 2 号 p. 136-140
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー丸善株式会社が創業130周年記念事業として宮内庁正倉院事務所所蔵の「聖語蔵経巻」4960巻のカラーCD-R化事業を進めている.第I期として2000年7月に「隋・唐経篇243巻」を完成, 2001年から始められた第II期の「天平十二年御願経篇 (五月一日経) 750巻」が2003年末に完成した.この事業のカラーマイクロフィルムの撮影からデジタル化・カラーCD-R製作までを紹介する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (5169K) -
桝井 修平2004 年 67 巻 2 号 p. 141-147
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー2003年2月1目 (TV放送開始50周年) にオープンしたNHKアーカイブス.NHKがこれまでに放送した映像資産を「伝える・活かす・公開する」をキーワードに最新のデジタル技術を用いて構築した.このNHKアーカイブスの概要を説明する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (6145K) -
日本最古の大型海牛, 発見・発掘体験の記録山形 由史2004 年 67 巻 2 号 p. 148-151
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー自然科学系の学会誌や理科教育の雑誌と日本写真学会誌との共通点に関しては明確ではないが, 化石は, 何百・何千万年単位の文化財保存という観点で共通性があるかもしれないということで, 寄稿することにしました.
文化財の中にも, 今まで一般に知れることなくどこかに埋もれていたものが, 何かの機会に発見・発掘され, その意義が見直されたりすることがよくあるようです.古生物学における貴重な化石の発見・発掘も, そうした文化遺産の発見・発掘の経緯によく似ていることもあるのではないかということで, この学会誌のページを埋める意義をそのあたりに求めて, 気楽に読んで頂けることを期待しております.
原稿には, 先頃科学教育研究協議会編集の理科教育雑誌「理科教室」に投稿したものを, 少し手直しして転載します.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2633K) -
阪神・淡路大震災における復旧事業を事例に村上 裕道2004 年 67 巻 2 号 p. 152-159
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー阪神・淡路大震災の文化財建造物修復事業を通して, 文化財価値の保存と安全性の調和について検討された.本論は, その経験に基づき「調和手法」を提案するものである.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (6975K) -
水口 仁2004 年 67 巻 2 号 p. 161-167
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリージケトピロロピロールは水素結合系の赤色顔料である.我々は対称心を持つ2種類のピロロピロール誘導体の1: 1混晶 [1, 4-ジケト-3, 6-ジフェニルピロロピロールと1, 4-ジケト-3, 6-ジ (t-ブチルフェニル) ピロロピロール] と両者の混成構造を持つ非対称な誘導体 [1, 4-ジケト-3-モノ (t-ブチルフェニル) ピロロピロール] の結晶構造ならびに電子構造が酷似していることを報告した。本研究ではその詳細な発現メカニズムを解明することを目的とし, 両者の単結晶を育成し, 結晶構造を明らかにすると共に偏光反射スペクトルの手法により電子構造を検討した.その結果, 双方の晶系は三斜晶系, 空間群はP1であり, 結晶学的パラメーターも非常によく類似していることが明らかになった.双方の結晶構造で共通していることは “1つの分子のt-ブチル基とそれに対峙するフェニル基” が交互に配列し, 結晶中の分子の環境が全く等価であることである.この局所的類似性が結晶構造と電子構造が酷似する要因であることが結論にされた.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1015K) -
嶋田 勝徳2004 年 67 巻 2 号 p. 168-174
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー印刷インキ用有機顔料はアゾ顔料と縮合多環顔料に大きく分けられる.印刷インキ用有機顔料の耐候性は, 化学構造, 結晶型, 粒子径などの顔料自身の要因と, 使用される用途や環境など外部要因との組み合わせで決定される.有機顔料の耐候性評価は実際の使用条件での評価が重要である.代表的な市販顔料の耐光性のデータを示し, 顔料の化学構造および粒子径と耐光性との関係を示した.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (899K) -
御子柴 尚2004 年 67 巻 2 号 p. 175-179
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー銀塩カラー印画紙は画像堅牢性が高く, 保存性の点で高く信頼されている.銀塩カラー印画紙に利用されている画像堅牢化技術について解説を行った.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (664K) -
脂肪酸誘導体とロイコ染料の分子会合を利用したサーモクロミズム丸山 淳2004 年 67 巻 2 号 p. 180-183
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリーロイコ染料型リライタブル感熱記録材料の熱応答性を向上させるためには, 可逆顕色剤と呼ばれる脂肪酸誘導体の分子設計が鍵となる.本稿では, 可逆顕色剤の分子設計について述べ, 更に, 異なる熱応答性を有する可逆顕色剤を組み合わせた二色リライタブル感熱記録材料について報告する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (708K) -
市川 勝弘, 藤田 広志2004 年 67 巻 2 号 p. 184-190
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー我々は, バーパターンを用いた医用画像ビューアの新しいMTF測定法を開発した.本手法によって, ディスプレイのみの評価ではなく, コンピュータのビデオインターフェースとディスプレイ (CRTディスプレイを対象とする.) のオーバーオールの解像特性を簡便に測定できる.ディスプレイに表示したバーパターンを, 一眼レフレックス方式のディジタルカメラで撮影し, 画像データから得られた波形データに標本化定理に基づいた波形再生法による補間処理を行った後, 周波数解析することによりMTFを測定する.この手法を用いて, 2機種の画像ビューアについて実測した結果, 本手法は十分な再現性かつ簡便性があり, これによって到来しつつある医療現場でのモニター診断において, 有用な方法であることが証明された.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (2602K) -
大関 勝久, 谷 忠昭2004 年 67 巻 2 号 p. 191-197
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー現像かぶりは現像液からハロゲン化銀粒子への電子注入によるかぶり中心 (銀クラスター) の形成に依るが, 粒子内部の強力な電子トラツブが現像かぶりの発生速度に影響を与えなかったことから, 現像液からの電子は臭化銀粒子の伝導帯へは注入されなかったことが分かった.また, 化学増感中心が一時的な電子トラップであることを考慮すると, 現像液からの電子は化学増感中心へも注入されなかったと考えられる.しかしながら, 化学増感中心は頻度項および活性化エネルギーの増加を伴いながら現像かぶりの発生速度を増加させた.
この結果は, 現像かぶり発生の最初の段階が, 現像液から表面の銀イオン対への電子注入による直接のAg2形成であることを示唆している.銀イオン対は電子受容準位が高いほど密度が大きいが, 生成したAg2は不安定であり, 化学増感中心はそのような不安定なAg2を安定化することで, Ag2の凝集による現像かぶり中心の発生を促進するものと考えられる.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (1797K) -
中川 邦昭2004 年 67 巻 2 号 p. 198-206
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
ジャーナル フリー京都での写真撮影の始まりを検討し, 定説であった堀与兵衛ではなく, 堀内信重が先駆であること, また, 彼が撮影条件の一定しない屋外で, すぐれた技術を駆使して観光写真を撮影していたことを示す.知恩院の寺徒の家に生まれた堀内信重は, 江戸時代末期に京都で亀谷徳次郎と出会い, 写真術を修得した.堀内は被写体が特定でき, 写真業を生業とした, 京都で最も古い写真師であると判定される.知恩院を訪れた参拝客や観光客を対象に写真撮影の営業を行なっていた彼は, 京都で初めての観光写真家であったと考えられる.
堀内の写真について, 当時の風俗との関係, 同時代の写真や絵画からの影響などについても考察する.抄録全体を表示PDF形式でダウンロード (10256K) -
西城 浩志2004 年 67 巻 2 号 p. 207-209
発行日: 2004/04/25
公開日: 2011/08/11
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