日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
Print ISSN : 0369-5662
ISSN-L : 0369-5662
70 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 第1部 分光増感 (中) 1930年代以降の増感色素
    大石 恭史
    2007 年 70 巻 6 号 p. 334-347
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    1930年代以降の分光増感色素の進化とそれが写真産業にもたらしたインパクトを次の観点に重きを置いて歴史的に概観した: 1. シアニン色素の新合成法, 2. メロシアニンの発見, 3. 高性能増感色素の出現, 4. 感材感度の大幅向上, 5. 感材メーカーの有機化学力, 6. 企業内研究
  • 岡野 幸夫, 追田 真也, 高橋 裕, 政木 康生
    2007 年 70 巻 6 号 p. 348-353
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    Bayer配列の色分解フィルタをもつ撮像素子からの出力をA/D変換して得られるRAW画像 (Bayer-RAW画像) は, デジタル画像処理が施されていない. このBayer-RAW画像からは光学系のMTFを知ることができ, 傾いた白黒エッジを撮影したBayer-RAW画像から, MTFを計算した.色分解フィルタの緑色に対応したMTFは緑画像を分離後一次元補間をして計算し, 青色及び赤色に対応したMTFは分離画像を再サンプルして計算した. 白色画像に対する光学系のMTFはBayer-RAW画像のホワイトバランス画像から計算した.
  • 多くのサンプルを一枚のシート上に系統的に配置する方法の提案
    青木 直和, 佐藤 大輔, 山本 真理, 小林 裕幸
    2007 年 70 巻 6 号 p. 354-357
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    色の主観評価実験において, 評価サンプルの色を系統的に変化させ, それを系統的に配置すると, 多くのサンプルを負荷なく主観評価できる.前報において私たちは, 一枚の全紙大のシート上にa, bをそれぞれ系統的に変化させた数十枚の名刺サイズのポートレート写真を一覧表に配置させ, 従来法によるものと有意差のない結果を得るとともに, 評価時間を大幅に短縮することができることを示した. しかし, Lの要因を加え複数のシートを用いる場合, シートごとの相対評価となるため, データの補正を必要とした. 本研究は, この問題に対応するためL, a, bの三次元の要因をもったサンプルを1枚のシート上に系統的に配置する新しい方法を提案する. 一枚ずつランダムに提示する方法による結果と比較することにより, この新しい提示方法が精度の高い評価法であることを示した.
  • 岡野 光俊, 佐藤 良直
    2007 年 70 巻 6 号 p. 358-363
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    5種の異なる置換基を有するポリゲルマンの真空蒸着を検討し, 代表的シグマ共役系高分子であり機能性材料としても注目されるポリゲルマンは, 真空蒸着により薄膜化可能であることが初めて示された. ゲルパーミエイションクロマトグラフィーの手法により求めた, 薄膜を構成するポリゲルマンの重量平均分子量 (Mw) は, ポリスチレン換算で約1000であったが, 実際の分子量はより大きな値と考察された. 得られた薄膜では, シグマ共役系高分子の特徴的な紫外可視吸収と蛍光が見られた. ポリジブチルゲルマンを用いた詳細な検討において, 以下が示された. (1) 紫外可視吸収スペクトルの測定角度依存性から, 高分子鎖の配向が強く示唆された. (2) 赤外吸収スペクトルにより薄膜中のGe-O-Geの含有量が評価され, 原料高分子と有意の差が認められないことから, 蒸着の過程における酸素取り込みはないことがわかった. (3) 結晶性の高いポリゲルマン分子では, 蒸着後1日程度で膜にシワが認められるため膜の安定性が低いと考えられた. 最後に, ポリゲルマン (シグマ共役系高分子) の持つ高分子としての特殊性と可能性が蒸着メカニズムと共に論じられた.
  • 上山 治貴
    2007 年 70 巻 6 号 p. 364-367
    発行日: 2007/12/25
    公開日: 2011/02/17
    ジャーナル フリー
    天体のような微弱光を対象とする画像は, 撮影に数分から数時間という長い時間が必要である. しかしその結果得られるデータは階調が豊かとは言い難いものが多い. 従来の8ビット階調の画像処理では階調が失ってしまう. そこで専用のシステムを構築する必要があった. 撮像した画像を記録するためのフォーマットの選定, 画像処理ソフトウェアの設計がキーとなる. 32ビット階調を採用することで, 階調再現を重視した処理システムの構築に成功したので, ここに報告する.
feedback
Top