日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
Print ISSN : 0369-5662
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76 巻 , 4 号
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特集:フレキシブル・プリンテッドエレクトロニクスと画像形成技術との接点
一般論文
  • 谷 忠昭, 飯野 裕明, 内田 孝幸, 半那 純一
    76 巻 (2013) 4 号 p. 318-323
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    電極と液晶性有機半導体の界面の電子構造に関する一連の研究の一環として,電極の表面分析をXPSで行い,仕事関数を種々の条件下で大気中光電子分光とケルビン・プローブ法で測定し,結果を分析した.大気中では,CrおよびAlは表面に酸化被膜が形成されていたが,Pt,AuおよびITOでは酸化被膜の形成は認められなかった.Pt電極について調べたところ,真空中で調製し大気に移した直後(~1分後)は本来の仕事関数(5.65 eV)に近い値を示したが,調製しGlove boxに移した直後(~3分後)では4.4 eVとなり,これを大気中に移すと約10分の間に5.1 eVにまで増加した.Pt電極の仕事関数は,電極表面への汚染炭素化合物被膜の形成がもたらすPush-back効果などにより4.4 eVとなり,大気成分の吸着で5.1 eVへと増加することが分った.
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  • 白山 眞理, 仲原 孝史, 青木 直和, 小林 裕幸
    76 巻 (2013) 4 号 p. 324-332
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    土門拳の写真集『筑豊のこどもたち』は,多くの人が手に取ることができるようにとの目的で100円写真集として出版された.それはB5サイズのザラ紙に75線で印刷されたものであった.土門にとって,やはり当時100円で売られていた岩波写真文庫の一冊として出版することも可能であった.これはB6サイズのコート紙に150線で印刷され,『筑豊のこどもたち』に比べ写真はより小さく,また1ページに多くの写真がレイアウトされている.また,付けられたキャプションはより詳細なものとなっている.本研究では,『筑豊のこどもたち』を岩波写真文庫のような画質,装丁,レイアウトに編集した新装版を作製し,それから受ける印象をSD法によって調べ,『オリジナル』と比較することで,土門がなぜ岩波写真文庫の1冊として出版せず,『オリジナル』のデザインにこだわったのかを検討した.その結果,岩波写真文庫風のレイアウトは,詳しく説明的だという印象を与え,第1因子は「写真集の印象」であり,本に対する印象が先行していること,一方,『オリジナル』は内容をストレートに伝えることができ,「子どもたちへの共感」が第1因子であることを示し,土門の意図を明らかにした.
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  • 井浜 三樹男
    76 巻 (2013) 4 号 p. 333-340
    公開日: 2014/08/27
    ジャーナル フリー
    ハロゲン化銀乳剤を用いた原子核乾板は宇宙線や素粒子の反応の研究に広範に活用されており,これらの飛跡を解析,解釈する上で,電離放射線に対するハロゲン化銀乳剤の潜像形成機構を理解することは極めて重要である.前報において,電離放射線に対する潜像形成機構を提案した.この機構の適用範囲と限界を明確にするため,分光増感を施し固有感度を大きく変化させた乳剤に実験を拡張した.その結果,分光増感を施した乳剤の電離放射線に対する相対感度も,極端に量子感度が低い場合を除いて,可視光に対する10–5秒露光の特性曲線から定量的に予測できることがわかった.すなわち,電離放射線に対するハロゲン化銀乳剤の潜像形成機構は,2次電子がハロゲン化銀粒子を通過した時に生成する電子/正孔対数に等しいフォトン数の可視光が,10–5秒間の短時間で吸収された場合の潜像形成機構と基本的に同一である.
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