日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
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77 巻, 2 号
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特集:第2回アンビエント技術セミナー
  • 高武 正義
    2014 年 77 巻 2 号 p. 58-64
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/09/28
    ジャーナル フリー

    高精細TFTを実現する印刷技術として反転オフセット印刷法が再度注目を集めている.反転オフセット印刷法はパターン形成,転写のプロセスがインクの流動性の無い半乾燥状態で行われることから,他の印刷法では実現できない微細線と高品質な画線の形成が可能である.TFTの各機能層用の機能性インクには,適用する印刷法に合致した印刷特性とTFTとして要求される電気特性を合わせ持つことが要求される.反転オフセット印刷に特化した導電,絶縁,半導体インク等のTFTの各機能層用の機能性インクの開発が進められており,液晶(ポリマーネットワーク液晶)ディスプレイのバックプレーンとして機能することが原理検証されている.高精細印刷TFTの工業化実現のための印刷プロセスの課題は,微細線の形成と正確なパターン積層及びこれらを簡便に実現できるシンプルなプロセスの実現である.これら技術課題の解決を目指した最新のプロセス開発の取り組みとして反転オフセット印刷法によるウェットオンウェット印刷技術開発が進められている.ウェットオンウェット印刷はTFTの各機能層をあらかじめ積層形成した後に,これら機能インクのTFT機能層への改質(熱処理)を一括して行う印刷プロセス技術であり,TFT機能層ごとのインク改質工程(加熱工程)による基板フィルム変形による積層アライメントずれの問題を解決するとともに,プロセス工数の大幅な低減を可能とする.

  • 佐野 康
    2014 年 77 巻 2 号 p. 65-70
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/09/28
    ジャーナル フリー

    スクリーン印刷は,印刷の際のインキングのメカニズムが他の一般印刷と異なる 「先入れ先出し」 の原理のため,より高粘度のペーストを安定して印刷できることから,エレクトロニクスの多くの分野で利用されてきた.
    高精細印刷の為には,高メッシュのスクリーンを使用する必要がある.しかしながら高メッシュほどスクリーン版の強度が低下し寸法安定性を低下させる原因となっていた.
    近年,従来の2.5倍の強度を有する高強度ステンレス650メッシュが開発され 「無変形スクリーン版」 が製作できるようになった.
    「無変形スクリーン版」 の実用化により誰でもが高粘弾性ペーストでの高品質スクリーン印刷を実践できるスクリーン印刷 「第3世代」 がはじまった.新たなスクリーン印刷がプリンテッドエレクトロニックスの製品化を牽引すると期待する.

  • 福田 憲二郎, 時任 静士
    2014 年 77 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/09/28
    ジャーナル フリー

    溶媒に可溶な特徴を持つ有機半導体材料を利用した,印刷手法による柔軟な電子素子作製に注目が集まっている.本記事 ではインクジェット方式に着目し,印刷手法による電極や半導体の形成方法,機械的安定性の向上,全印刷型による有機トランジスタや有機集積回路の作製とその特性向上への取り組みについて紹介する.

解説
  • 乳剤時代の幕開けと感光材料の工業化
    高田 俊二
    2014 年 77 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/09/28
    ジャーナル フリー

    欧州で興った写真術は,アメリカでフィルム産業として発展し,現在日本でデジタル産業として定着している.本技術史 では,写真産業の流れを導いたコンセプトとその技術革新のレビューを行う.その第一弾として,1870年代のイギリスにおける乳剤時代の幕開けに焦点を当てる.携帯可能な乳剤の提案に基づく乾燥乳剤ペリクルの開発中に見出された高感度技術オストワルド熟成によって新しい写真乾板産業が興った.

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