日本写真学会誌
Online ISSN : 1884-5932
Print ISSN : 0369-5662
78 巻 , 3 号
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特集:2014年の写真の進歩
  • 2015 年 78 巻 3 号 p. 106-134
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー

    「写真の進歩」 は,毎年一度時期を決めて前年一年間の写真技術の動きを振り返ることにより,日々進歩を続ける写真技術の全体像を時系列的に俯瞰することを狙いとして,継続的に取り組んでいる企画です.
    執筆陣は,技術委員会傘下の各研究会の代表者を中心に,それ以外の識者も加えた各分野の専門家により構成されています.各執筆者は担当の分野に応じた観点から,主として前年一年間に発表された技術(文献),製品,作品,統計等について,可能な限りその特徴・傾向・分析などのコメントを加えつつ紹介します.なお具体的な内容については各執筆者の意向を尊重しています.
    例年の「写真の進歩」は,写真学会ホームページ(http://www.spstj.org/)の 「学会誌からのトピックス」(http://www.spstj.org/book/pickups.html)にも掲載されていますのでご利用下さい.
    今年は本特集筆頭に位置する 「写真産業界の展望」 の執筆者がカメラタイムズ社の植村彰治氏に交代しました.この機に,近年新規情報が得られなくなった銀塩感光材料とフォトプリンターの統計を廃し,替わりに写真用品に関する統計を報告に加えるなど,構成を新たにしております.昨年まで長年ご担当頂いた日本カメラ博物館の市川泰憲氏にこの場を借りて謝意を表します.

特集:2014年のカメラ
一般論文
  • 久下 謙一, 能條 健太, 島地 耕平, 田代 弘生, 川崎 三津夫, 丸尾 美奈子
    2015 年 78 巻 3 号 p. 165-168
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー

    金膜を高周波スパッタリングによるシリカ膜で覆うことで,金膜写真の耐擦過性・耐水性の向上を図った.膜強度を鉛筆硬度法で測定した.シリカ膜コーティングにより,金膜写真の耐擦過性が向上し,また水没による膜強度の低下も改善した.効果はシリカ平均膜厚に依存し,耐擦過性・耐水性のどちらも200 nm付近で最大の効果を示した.しかし同じ平均膜厚でも場所により,下地の金膜の粗さによる膜強度の違いを生じた.適切な膜形成により,金膜写真の耐久性は大きく向上すると見込まれる.

  • 久下 謙一, 水口 剛太朗, 伊瀬谷 夏輝, 宮川 信一
    2015 年 78 巻 3 号 p. 169-173
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー

    銀塩写真感光材料を用いた放射線飛跡の蛍光標識化法による検出において,蛍光発光色素のオキサシアニン色素(NK863, 3,3’-diethyl-2,2’-oxacyanine iodide, IUPAC:3-ethyl-2-[(3-ethyl-2(3H)-benzoxazolylidenem)ethyl]benzoxazolium iodide)の製造バッチが異なると,飛跡を作るヨウ化銀粒子上で光らないという現象が生じた.この原因の解明の過程で,この色素と構造が類似したオキサカルボシアニン色素(NK85, 3,3’-diethyl-2,2’-oxacarbocyanine iodide, IUPAC:3-ethyl-2[-3-ethyl-2(3H)-benzoxazolylidene-]1-propenylb]enzoxazolium iodide)を調べたところ,両者とも単独では媒染剤となるヨウ化銀上でほとんど発光しないが,両者を混合すると強い緑色発光を示すことを見出した.この発光はヨウ化銀上で特異的に起こり,NK863色素にNK85色素が微量混入しても起こった.ヨウ化銀上で両色素が特異的な作用を持ち,前者の色素の吸収した光により後者が発光すると考えられた.

  • 山下 清司, 大島 直人, 高田 俊二, 久下 謙一
    2015 年 78 巻 3 号 p. 174-181
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー

    ハロゲン化銀結晶表面下には格子間銀イオン過剰層からなる空間電荷層が存在するため,臭化銀微粒子は高イオン伝導度殻部と低イオン伝導度核部からなる2重構造粒子とみなせる.電気的2重構造粒子の誘電損失応答を記述したPaulySchwan/Hanai理論をこの系に適用して,誘電損失応答の粒子サイズ依存性を計算で求めた.計算と対応させるために臭化銀微粒子の誘電損失応答を測定したところ,良い一致をみた.両者の対比から,高イオン伝導度を示す空間電荷層の厚みを約0.06μmと見積もった.

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