広告は日本の戦後,経済の発展と共に歩みを続け大きく開花していった.20世紀後半の広告は時代の写し鏡として,文化・ 芸術の歴史の中に大いなる足跡を残して来た.21世紀を迎えメディアの変遷とともにその役割も目的も変わって来た.この講演はその初期の力強い広告群を実例を引用してご紹介するものである.
本会が創立90周年を迎えた機会に,本会の国際貢献を銀塩の写真科学分野を中心にしてまとめた.活動の舞台は1889年に始まりほぼ4年毎に開催された国際写真科学会議(後に国際画像科学会議)であった.本会は1935年に初めて技術報告を発表し,1967年には第20回大会を東京で開催するに至った.本会はその後も国際活動に邁進し,全6回の東西国際シンポジウムを共催し写真科学で中心的な役割を果たした.
原子核乾板は研究目的に適合したOn Demand設計の時代を迎えている.設計では,大きなサイズの潜像核と小さなサイズの亜潜像核を弁別し,飛跡検出のS/N比の向上が求められている.本報では,印刷製版感光材料での超硬調画像形成法のリス現像・造核現像・選択現像の技術に関してレビューする.これらの超硬調化技術をベースに原子核乾板に適用できる飛跡検出のS/N比向上法に関して考察を加える.
前報[T. Tani, T. Uchida, Jpn. J. Appl. Phys., 54, 065001(2015)]では大気中での銀ナノ粒子の酸化劣化は,ゼラチンを 用いてそのフェルミ準位を銀ナノ粒子より高く調整することにより抑制できることを示した.本研究では,粒子の周囲(大気由来の被膜,媒体)のフェルミ準位が大気からの種々の活性気体によって決められ,大気由来の被膜はその成分が吸着と脱着を繰り返しつつ変動し補給されていることを示す実験結果を得た.また,水溶液の滴定からゼラチンが強い緩衝能を有し,銀ナノ粒子への大気の変動の影響を和らげることが示唆された.