順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
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ISSN-L : 0022-6769
15 巻, 1 号
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目次
福田保教授退官記念講演「熱傷」
石倉武雄教授最終講義「平衡感覚機能障害について」
特集「脳神経疾患」
原著
  • 関 六郎, 住田 邦夫, 土屋 寛, 新沢 章二, 森 務
    1969 年 15 巻 1 号 p. 105-112
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
  • 篠原 将郎
    1969 年 15 巻 1 号 p. 113-125
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
    ウマ食道平滑筋組織より単一に精製した平滑筋ミオシンATPaseの性質を, 骨格筋ミオシンと比較しながら主として熱失活およびNEMによるSH基の化学的修飾の面から調べた。 1. 平滑筋ミオシンATPaseは熱に対して安定であり, 骨格筋の場合に観察されるATPによる熱失格に対する保護作用が全くみられないばかりか, ATPは逆に僅かながら熱失活を促進した。しかしNEMで修飾されるとATPによって熱失活が保護されるようになった。 2. 他の平滑筋から得られたミオシンと同じく, Ca++-ATPaseを指標とした尿素変性は, 2.5Mまでは強い活性化がみられ, 以後尿素濃度の増加と共に急激に失活し, 4Mでほぼ完全に活性を失う。EDTA-ATPaseを指標にした場合は2Mまでは変性は軽く, 以後急激に失活して4Mで完全に活性を失うという二相を示した。骨格筋ミオシンではCa++-ATPase活性は1Mの尿素で既に活性化から阻害に反転した。 3.25℃, pH7.0でミオシンsubunit (2×105) 当り4モルのNEMで修飾すると, Ca++-ATPase活性 (0.5MKCl) は40分後でも骨格筋のように活性化されず, 反って僅かに阻害れれる。このとき修飾反応液にATPが存在しても, 骨格筋の場合と異なり修飾速度は変らない。EDTA-ATPaseおよびK+-ATPaseの阻害やMg++-ATPaseの活性化は骨格筋ミオシンと同じように観察されたが, その程度はいづれも小さい。 4. 平滑筋ミオシンATPaseは骨格筋ミオシンの場合と異なり, NEM修飾によってpH及びKCI依存性に大きな質的変化は起らない。 以上のことから平滑筋ミオシンのATPase活性中心構造は骨格筋ミオシンと較べてよりrigidであり, ATPによって誘発される変化も小さいことが推定される。ミオシンの分子レベルで得られたこれらの結果から, 骨格・平滑両筋の収縮速度などの生理学的差異が考察された。 稿を終るに当り終始御指導を戴いた山口正弘講師に深く感謝致します。また適切な御助言と御校閲を戴いた関根隆光教授, 並びに実験上種々の御援助を戴いた教室員の方々に深く感謝致します。
医学会記録(159回)
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