順天堂医学
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24 巻, 3 号
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目次
Contents
特集 臨床各科における感染症と化学療法の現況
原著
  • 岩垂 正矩
    1978 年 24 巻 3 号 p. 307-313
    発行日: 1978/09/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    妊娠16日目のラット胎仔肝細胞を初代培養し, 継代維持した後strain化した. この肝細胞を用いて各種薬物の細胞に与える直接の毒性について研究を行ない次の結果を得た. 1) strain化した細胞は発癌剤, 制癌剤に対して敏感に反応する系である. 2) 肝毒性を発現する既知薬物の細胞毒性に対する影響も検討したが, 毒性スクリーニングの一環として用いることが期待された. 3) line化した細胞の増殖率は2n=42で安定であり, 薬物の毒性スクリーニングの面で適していた.
  • 織田 貫爾
    1978 年 24 巻 3 号 p. 314-331
    発行日: 1978/09/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    6年間 (1971-1976) で5240のBrown変法による注射検査を施行した. この成績を材料とし, さらに内視鏡観察と生検を併用し大腸陥凹性病変の研究を行なった. 大腸の最小の微細陥凹単位 (網の目像, fine network pattern) を切除後腸X線像と標本の対比で確実のものとした. 実際の検査で, network patternの現出能の部位別, 年齢別差は広義の長過腸との関係が深かった. network patternの形は伸展度, 歪み, 捻れで変る. 微細構造描出の立場から検査方法を検討すると前処置として制限食指示群より, 検査食直接投与群の方がよかった. 潰瘍性大腸炎の病態把握の方法について検討した結果, X線像を徴細に分析することにより病期の判断が正確になった. さらに病態把握の診断能を高めるには病期によって内視鏡検査, 生検組織検査を必要とした. また, 経過観察により臨床的に寛解をみたもので正常なnetwork patternまで回復したものは10%で重症度に関係なかった. 陥凹性諸病変の診断と鑑別診断は病変をびまん性と非びまん性 (単発, 散在性) に, また正面像 (大きさ, 数, 深さ, 形, 辺縁の性状, ひだ集中) と側面像 (棘状突起, ニッシェ, 変形) から分析することが必要であった. 直腸炎のX線像は粗造型, 透亮型, 斑点型の3型に分けることができた.
  • 黒澤 彬
    1978 年 24 巻 3 号 p. 332-353
    発行日: 1978/09/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    経口, 経静脈, 点滴静注による胆道造影法は, 肝機能障害や黄疸があると造影できないことが多い. また, 明瞭な造影像がえられず, 診断が不徹底なものになる. 一方, 経皮経肝胆道造影では, 明瞭な像がえられ適確な診断がきでる. また, 黄疸の場合, 細胞性と肝外性を鑑別することもたやすい. 1968年10月から1975年12月までの7年3カ月間に806例に穿刺して89.3%の成功率であった. 従来肝内胆管径が5mm以下の拡張のない例では成功率は70%前後と報告されているが, 著者はこれを82.5%とすることができた. これは穿刺法の改良の結果である. 副作用としては, 胆汁性腹膜炎を2例経験したが, 開腹手術でことなきをえた. 胆道結石に対する診断能の検討の結果, 胆のう病変の診断にはDICとの弾力的な併用が必要であることがわかった. 胆管結石の発見は, 結石の大きさとその部の胆管径との比に関係し, その比が4/10以上なら必ずみつかり, それ以下であると見落しがおこる. 臨床検査とPTCでの診断能を比較してみて, 閉塞性黄疸で17%, 悪性腫瘍で25%PTCが診断の向上をもたらした. PTCに血管造影を併用して診断能をみると, 発見能と鑑別診断能に向上はあまりもたらされなかったが, 悪性腫瘍での浸潤の様相や範囲が容易にきまり, 手術適応の決定には欠かせないものであった.
症例報告
てがみ
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編集後記
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