順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
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26 巻, 2 号
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目次
Contents
特集 痛み―その外科的治療と神経ブロック―
原著
  • 鈴木 勝彦
    1980 年 26 巻 2 号 p. 158-169
    発行日: 1980/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    平滑筋アクチンをニワトリ砂のうより高収量かつ高純度で得た. 1. 砂のうアクチンは分子量やアミノ酸組成など, 骨格筋アクチンにきわめて似ていたが, Cys残基はひとつ多い6モルであった. 2. 調製時のCaの添加の有無でF-アクチンはF型とf型の2種類ができた. F型の物理化学的諸性質は, 骨格筋アクチンと同じであった. f型は粘菌アクチンで報告されているMg-ポリマーにきわめてよく似ていた. 3. F型アクチンを透析してCaを除くとf型アクチンに転換した. 4. Cys残基を切断処理した砂のうアクチンには骨格筋アクチンとは異なる移動度のSHペプチドが, 少くとも2本存在することが, SDS-ゲル電気泳動から確認できた.
  • 小林 二郎
    1980 年 26 巻 2 号 p. 170-182
    発行日: 1980/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    これまで, SLE, その他の膠原病の同一検体を用いて, millipore filter radioimmunoassay法による抗native DNA抗体と抗denatured DNA抗体の比較検討した報告はいまだない. 著者は, 仔牛胸腺からえられた未変性DNA (n-DNA) および変性DNA (d-DNA) にin vitroで125Iを標識し, SLE, その他の膠原病患者血清中の抗n-DNA抗体と抗d-DNA抗体をmillipore filter法により検索し, 以下の結論をえた. millipore filterはn-DNAのみならずd-DNAを74.4%濾過することを認めた. Complex formation時のincubationtimeは15分以上必要とし, 血清の非働化を必要とした. また, assay時の塩濃度は0.15M (Tris buffer) が最適であった. 抗n-DNA抗体価の高い血清はn-DNAとd-DNAにより抑制され, 抗d-DNA抗体価の高い血清は, d-DNAによってのみ抑制されることを認めた. 抗n-DNA抗体と抗d-DNA抗体は, いずれも正常人にくらべSLEで有意の高値を示したが, 抗d-DNA抗体はSLEのみならず, 他膠原病でも陽性を認め, 正常人でも少数例陽性を認めた. 抗n-DNA抗体価はSLEの臨床的活動性とよく一致した. millipore filter法による抗DNA抗体の検索は, 簡易で, 多数の検体を短時間で検索することができ, 再現性, 特異性にすぐれ有用である.
  • 新井 健男
    1980 年 26 巻 2 号 p. 183-197
    発行日: 1980/06/10
    公開日: 2014/11/21
    ジャーナル フリー
    従来, 顧みられなかった先天性胆道閉鎖症にみられる著明な脾腫に着目し, 病理組織学的検索を施行した. 乳幼児・小児期の臓器検索を試みる場合, 小児臓器としての特殊性, 即ち臓器発達段階にあり, 組織構成比が成人のそれと若干異なる点, 又, 病的状態においては, 外的又は内的刺激が小児臓器に加えられた場合に, 成人とは異なる程度・方向への反応がみられる点などを念頭において, 検索をすすめる必要がある. そこで先天性胆道閉鎖症剖検肝・脾及び門脈糸の病理学的検索を行うとともに, 十代及び成人バンチ症候群脾, 正常対照例として乳幼児. 10代及び成人例脾の脾洞形態をWeibe1理論を応用した諏訪の方法に準じた組織計測法を用いて, これらの門脈圧亢進による変化と年齢による所見の差異を検討した上で, 先天性胆道閉鎖症脾腫大の病理学的検討を行った. その結果, 著明な肝線維化とこれに原因する肝内門脈枝の閉塞を高度に認め, 脾は日齢にほぼ正比例する脾腫大と組織学的には“いわゆるバンチ脾”にみられる門脈圧亢進によると思われる所見を高率に認めた. 脾洞形態変化は, 組織変化の高度化 (脾洞増生) とともに, 単位体積中の脾洞が細長くなると“いわゆるバンチ脾”変化とその方向性を同一にするものであった.
抄録
順天堂医学投稿規定
編集後記
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