順天堂医学
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44 巻, 3 号
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目次
Contents
特集 スポーツ医学
  • 坂本 静男, 中嶋 佳子, 田中 健毅, 相沢 邦彦, 田中 洋子, 飯島 敏彦
    1998 年 44 巻 3 号 p. 231-240
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    これまでの内科的疾患の治療の中心は, 薬物療法であったが, 最近では食事療法とともに運動療法が注目されるようになってきている. 特に生活習慣病 (以前の成人病の概念に近い) に対する治療として, 注目されてきている. またこの数年来の国民医療費の急激な増大から, 保険医療費の漸減といった観点からも重要視されている. 確かに生活習慣病の原因の多くは, 不適切な食事摂取内容と運動不足とが主たるものである. そのような背景もあり, 内科的疾患特に生活習慣病に対する運動療法が実施されてきている. 運動トレーニングを行うことにより, 循環器系・呼吸器系・内分泌系・筋骨格系などに有益な効果が得られるが, その効果を利用するのが運動療法である. 糖尿病に対する運動療法はかなり以前より実施されており, 運動実施によりインスリン感受性亢進が得られると考えられている. 最近保険適用になったこともあり, 高血圧症に対する運動療法実施も今後増えていくように思われる. 高血圧に対する運動の効果発現機序はいまだ明らかではないが, カテコラミン・タウリン・プロスタグランディンEなどの関与が推測されている. 小児より中高年者までの肥満・高脂血症・脂肪肝の増加により, 脂質代謝異常に対する運動療法は, 今後ますます重要視されると予測される. 脂質代謝異常に対する運動の効果発現機序には, LPL・LCATなどが関与していることが考えられている. これらの内科的疾患特に生活習慣病に対して運動療法を行っていく上で注目すべきことは, 運動強度は中等度 (50-60% VO2max, ニコニコペース) が最適であることである.
  • --変形性膝関節症と骨粗鬆症について--
    黒澤 尚
    1998 年 44 巻 3 号 p. 241-248
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
  • 高澤 晴夫
    1998 年 44 巻 3 号 p. 249-253
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
特集 都民公開講座「糖尿病と付き合う」
原著
  • --訪問看護ステーションの位置づけと役割--
    杉本 正子
    1998 年 44 巻 3 号 p. 271-285
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 全国訪問看護ステーションの在宅ホスピスケアの現状を把握し, 在宅ホスピスケアを推進していく上での医療制度全体における訪問看護ステーションの位置づけと役割について考察することを目的とした. 対象と方法: 全国の訪問看護ステーション1485所の所長へ質問紙調査, 5人の医師を対象に聞き取り調査を実施した. 結果: 在宅ホスピスケアは約7割のステーションが実施していると答え, 関わった患者は年平均13.7人, 在宅で看取った患者はわずか3.2人であった. 在宅ホスピスケアの経験のある看護婦のいるステーションでは在宅ホスピスケアの実施率が高かった. また現在在宅ホスピスケアを実施していないステーションも在宅ホスピスケアへの関心が強かった. ステーションが考える在宅ホスピスケアの実施と実際に在宅ホスピスケアを実施している開業医の考える実施にはズレがみられ, ステーションの実質的な24時間対応の必要性が示唆された. 在宅ホスピスケアの発展には, 病院や開業医など医師との連携が大切であり, このためには医師や看護婦への在宅ホスピスケア教育, 行政や病院そして地域にあるホスピスなどのバックアップが必要である. また一方で一般住民への在宅ホスピスケアへの普及・周知も重要である. 結論: ステーションが末期がん患者に対して24時間体制で臨み, 医師らの協力があればステーションが在宅ホスピスケアの要になることは十分に可能である. 在宅ホスピスケアの普及や医師・看護婦, 住民への教育に行政がバックアップし, 病院や地域のホスピスがより地域に開放できる部分を提示できれば, わが国の医療システムの中で在宅ホスピスケアは現状から飛躍的に進むと考える.
  • 佐藤 秀紀, 中嶋 和夫
    1998 年 44 巻 3 号 p. 286-293
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 精神薄弱者更生施設職員の勤務開始前と終了時の疲労状態を調べ, 疲労自覚症状に及ぼす個人的属性および労働環境の影響について検討した. 対象と方法: 設置されて3年以上が経過している北海道の精神薄弱者更生施設32施設の直接処遇職員を調査対象とした. 調査の主な内容は対象者の個人的属性・施設労働環境・疲労自覚症状とした. 結果: 施設職員の勤務後の訴え率は勤務前の訴え率に比して高く, また疲労の型は精神作業型であった. さらに疲労自覚症状のうち, 「ねむけとだるさ」には「年齢」「婚姻状況」「施設経験回数」「1週間当たりの勤務時間」「1ヵ月の当直日数」の5項目において関連性が見られた. 「注意集中の困難性」には「1ヵ月の当直日数」が関連していた. 「局在した身体違和感」においては「性別」と「1ヵ月の当直日数」の2項目が関連していた. 結論: 3つの疲労自覚症状に「1ヵ月の当直日数」が共通して関連していたことなどから, 前記職員の健康管理にとって, 労働環境の改善, 勤務内容および勤務形態の適正化をはかることの重要性が示唆された.
  • 福島 紀子
    1998 年 44 巻 3 号 p. 294-304
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 医療制度の中の薬局・薬剤師の機能として, 薬歴管理や服薬指導を医療効果の向上に役立たせるために, 解決すべき問題点を明らかにすることを目的とした. 対象と方法: A市薬剤師会に所属している薬局に勤務する薬剤師を対象に, 1996年10月から11月にかけて, 留め置き法で, 自己記入式調査票を用いた調査を行った. 薬局238店のうち191店から回答が得られ, そこで把握できる薬剤師441名から391名 (回収率88.7%) の回答を得た. 結果: 薬歴管理や服薬指導に対する取り組みに薬局の形態による差が示された. 調剤を主に行っている薬局の薬剤師は薬歴簿に記入する項目が多かったが, 医療効果を高めるためには不足している部分も見られた. 服薬指導を行うにあたっては薬歴簿が有効利用されていたが, 患者の病態についての理解など薬剤師職能の変化に応じた教育が課題であった. 医薬品の販売を主に行っている薬局, 調剤と販売を同じくらいの規模で行っている薬局では薬歴管理が不十分な面が見られ, 薬歴管理の有効利用の方法, 新しい医薬品情報の獲得が今後の課題となった. 結論: 医薬分業の体制下で, 医療効果を向上させるためには, 薬局の形態による課題の解決を図らなければならない. 薬剤師が行う薬歴管理を徹底させることと服薬指導を行うにあたっては薬歴の有効利用, 新しい情報の入手, 医療関係者との連携についての課題があることが示された. その対応として適切な教育研修の充実・連携のための協議会の利用を提言した.
  • -日本病院管理学会評議員へのアンケート調査の報告-
    楊 学坤, 今井 壽正
    1998 年 44 巻 3 号 p. 305-312
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 医療制度の中の薬局・薬剤師の機能として, 薬歴管理や服薬指導を医療効果の向上に役立たせるために, 解決すべき問題点を明らかにすることを目的とした. 対象と方法: A市薬剤師会に所属している薬局に勤務する薬剤師を対象に, 1996年10月から11月にかけて, 留め置き法で, 自己記入式調査票を用いた調査を行った. 薬局238店のうち191店から回答が得られ, そこで把握できる薬剤師441名から391名 (回収率88.7%) の回答を得た. 結果: 薬歴管理や服薬指導に対する取り組みに薬局の形態による差が示された. 調剤を主に行っている薬局の薬剤師は薬歴簿に記入する項目が多かったが, 医療効果を高めるためには不足している部分も見られた. 服薬指導を行うにあたっては薬歴簿が有効利用されていたが, 患者の病態についての理解など薬剤師職能の変化に応じた教育が課題であった. 医薬品の販売を主に行っている薬局, 調剤と販売を同じくらいの規模で行っている薬局では薬歴管理が不十分な面が見られ, 薬歴管理の有効利用の方法, 新しい医薬品情報の獲得が今後の課題となった. 結論: 医薬分業の体制下で, 医療効果を向上させるためには, 薬局の形態による課題の解決を図らなければならない. 薬剤師が行う薬歴管理を徹底させることと服薬指導を行うにあたっては薬歴の有効利用, 新しい情報の入手, 医療関係者との連携についての課題があることが示された. その対応として適切な教育研修の充実・連携のための協議会の利用を提言した.
  • -センター開設以来4年間の相談内容と相談後の経過の検討-
    一宮 洋介, 辻 昌宏, 高木 一郎, 野崎 裕介, 石塚 卓也, 江渡 江, 飯塚 美乃, 田中 茂樹
    1998 年 44 巻 3 号 p. 313-319
    発行日: 1998/12/21
    公開日: 2014/11/18
    ジャーナル フリー
    目的: 老年人口の少ない浦安地域に設置された老人性痴呆疾患センターに求められる機能と果たすべき役割を検討するため, 当センターの活動状況をまとめた. 対象: 平成6年6月から平成10年3月末までに当センターに専門医療相談のあった全ての事例を対象とした. 方法: 相談記録から各事例の相談形態, 性別・年齢・居住地・相談経路・相談者・相談内容についてまとめた. さらに診療録 (当院で専門医の診断を受けたもののみ) から診断および相談後の経過をまとめた. 結果: 専門医療相談は223件あり, 男性72名・女性150名・性別不明1名であった. 地域別では浦安市居住者が29%で最も多かったが, 一方で東京都内居住者も21%あった. 相談時に医療機関受診を指示したものが170例あり, このうち相談後に専門医の診断を受けたものは131例であった. 受診後の経過は当院通院65例 (現在通院中40例・通院後中断25例) ・当院入院7例・他院通院中7例・他院入院7例・特別養護老人ホーム入所10例であった. 臨床診断は脳血管性痴呆53例・アルツハイマー型痴呆47例・うつ病12例・神経症2例・その他17例であった. 結論: 浦安地域での痴呆老人に関する問題は少なくなく, センターに求められる機能は多岐にわたる. 十分な機能を果たしていくためには相談後の経過を検討することが重要であろう.
症例報告
てがみ
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編集後記
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