人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第33回 (2019)
選択された号の論文の735件中201~250を表示しています
  • 岡田 和夏, 和田 勇歩, 東藤 大樹, 横尾 真
    セッションID: 2E1-J-1-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    我々は,充足可能性問題を解くソフトウェアであるSATソルバーを用いた計算機科学的アプローチで,多次元離散空間上の単一施設配置問題の解析を試みる.エージェントの選好は,自身の所在地から施設の配置位置までの距離が小さい程,効用が高いとする単峰的選好と,自身の所在地から施設の配置位置までの距離が大きい程,効用が高いと考える単溝的選好の2種類とする.本論文では,まず,グラフとエージェントの選好から,自動でCNF形式のSATインスタンスを生成するアルゴリズムの提案を行い,パレート効率性および架空名義操作不可能性に関する施設配置問題のSAT符号化を行った.次に,PicoSATを用いて実際に多次元離散空間上の施設配置問題を解き,パレート効率性および架空名義操作不可能性を同時に満たすメカニズムの存在性が,理論的結果と一致することを確認した.最後に,SATソルバーによって,サイズ2×3の格子空間において単溝的選好の場合,パレート効率性,架空名義操作不可能性,および全射性を同時に満たすメカニズムが存在しないことを示した.

  • 石橋 遼, 森山 甲一, 武藤 敦子, 松井 藤五郎, 犬塚 信博
    セッションID: 2E1-J-1-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    モンテカルロ木探索の派生手法であるNovelty-Based Pruningは、探索範囲を削減することで多くのノードを探索できるように改良した手法である。しかし、この手法では新しくルートノードを設定することによってノードの持つ情報が失われ、無駄な探索をしてしまうという問題がある。本研究では、その問題を解決して探索ノード数を増加させることを目的として、探索で得られた木を再利用するという手法を提案した。しかし、この手法では探索ノード数を大きく増加させることは出来なかった。

  • 中田 豊久
    セッションID: 2E3-J-12-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    主催者側に参加者の意識を向けるために,イベント会場などの同じ場所に集まった約200人の参加者が全員で行うゲームについて提案します.本研究では,大学の大教室でこのゲームを使用した例を示します.授業の場合には,参加者は学生で,授業への参加意識が高まれば出席率,成績などが影響を受けると考えます.そして実験結果から,出席率や授業評価アンケートには改善は見らせませんでしたが,テストの得点には一定の改善が見られることが示されました.

  • 松井 壮太, 松村 真宏
    セッションID: 2E3-J-12-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    In this study, we consider an shikake, an embodied trigger for behavior change, to prevent umbrellas theft. We put a poster with a questionnare asking “Have you ever had a sad feeling from umbrella stolen?” on an umbrella stand to appeal to the feeling of guilty. People was able to vote for the questionnaire using build-in stickers. We conducted experiments at University campus for 111 days in total and revealed that the number of umbrella theft was reduced if the poster was set up. We concluded that a poster with a questionnaire seemed to be effective for umbrella theft prevention.

  • 香取 真知子, 瓜生 大輔, 稲見 昌彦, 檜山 敦
    セッションID: 2E3-J-12-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本研究では, 対面した状態での会話を促進する, 写真を利用したプラットフォームの提供に着目した. そして自分と相手が所有している写真群の中から類似写真を選んで提示することで, 初対面同士では共通点を見出し会話を誘発することができ, 親しい者同士では近況報告とともに新しい会話を誘発することができるスマートフォンアプリの開発を行なった. 本研究で開発中の「類似写真を提示するアルゴリズム」がどのような動作するか, またアプリの使用によりどのような経験が得られるかを明らかにするために, 計10組の検証を行なった. 検証は初対面同士の組と親しい者同士の組に分けて行い, それぞれの検証では類似写真を提示するmodeAとランダムで写真を提示するmodeBの2種類を行なった. その結果, 初対面同士では, 類似性の高い写真を提示することにより, 会話が誘発されることが確認された. 一方で親しい者同士では人間関係によって得られる体験が異なるため, より細かく分類した上での検証や改良の必要性が示唆された.

  • 喜多 敏博, 長岡 千香子, 平岡 斉士
    セッションID: 2E3-J-12-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    音声ユーザインターフェイス(Voice User Interface; VUI)は、Google Home や Amazon Echo 等のスマートスピーカーや、音声操作に対応したスマートフォン等で用いられ、ハンズフリーで、また、直感的に利用できる等の特徴を持つ。 LMS(Learning Management System)でVUIが利用可能になれば、LMSでの学習活動がより手軽に行うことができ、学習意欲の喚起等に役立つことが期待できる。 また、LMSのヘルプドキュメントをVUI経由で音声によって検索し検索結果を聞くことができれば、LMS教材の作成者の作業効率向上につながる可能性がある。 本研究では、オープンソースLMSのMoodleでの小テストを受験することのできる音声アプリと、Moodleのオンラインドキュメント MoodleDocs を検索できる音声アプリを開発したので報告する。

  • 塩瀬 隆之, 木村 亮介, 近藤 崇司, 松浦 真, 松浦 智子, 小竹 めぐみ, 小笠原 舞
    セッションID: 2E3-J-12-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本研究はミニフューチャーシティーと呼ばれるデジタルインフラを導入した仮想の街を開発し、そこでの目的は子どもたちに新しい経済社会のモデルとしてのライクエコノミーをシミュレーション体験してもらうことである。具体的には、電子マネーやロボット店員があらかじめ導入された仮想の街で、記録されたデータを子どもたち自身がどのように使いこなすかを観察し、たとえば時間の経過とともに情報価値が下がることなど、情報の教科として座学で習うような知識を主体的に獲得できたことについて報告する。

  • 青柳 志織, 川合 康央
    セッションID: 2E4-OS-9-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    インターネットコミュニケーションは情報化社会において日々進化している.これらのコミュニケーションの中で,「ネットスラング」と呼ばれるインターネット独自の俗語がしばしば使用されている.本研究では「(笑)」や「w」等,4種類の笑いを表現するネットスラングに着目し,それらの意味用法が同じかどうかを明らかにすることを目的とした.笑いを表現するネットスラングを比較することによって,笑いの種類と笑いの対象が各スラングで異なる傾向があることがわかった.

  • 奥村 紀之, 奥村 嶺
    セッションID: 2E4-OS-9-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本稿では,顔文字の原形推定におけるマルチクラス分類をフィードフォワード型ニューラルネットワークで実装した事例について報告している.ニューラルネットワークには層ごとにユニットが配置されるが,ユニット数の妥当さは自明ではなく,実験的に決定する必要がある.そこで,ユニット数と分類正解率の観点から,ユニット数の最適値について調査を行った.その結果,本タスクにおいて,経験則として尤もらしいとされるユニット数である6500ユニットを利用することが最適であることが分かった.

  • 酒井 伴彰, プタシンスキ ミハウ, 桝井 文人
    セッションID: 2E4-OS-9-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本稿では,文章から特定される感情から絵文字を完全に自動的に生成することに関する研究における予備研究を提示する. 理解しやすい絵文字を完全に自動生成することが実現可能かどうかを検証するために,まず特定のアルゴリズムに従っていくつかの感情別の絵文字を生成し,次に生成された絵文字の有効な印象についてユーザーに尋ねる調査を行います. 調査は,人間の参加者によって認識された感情と絵文字の生成に使用された顔文字パーツに割り当てられた感情スコアの間の類似性を明らかにした.これは,将来的に完全に自動化された絵文字を生成することが可能であることを示唆している.

  • 栗 達, ジェプカ ラファウ, プタシンスキ ミハウ, 荒木 健治
    セッションID: 2E4-OS-9-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    近年、ソーシャルメディアは私たちの生活に欠かせないものとなっている。インターネットスラングは、日常のオンラインコミュニケーションで使用される非公式の言語であり、感情表現として多く用いられる。同様に、絵文字は、感情のグラフィカル表現の手段としてソーシャルメディアで広く使用されている。したがって、インターネットスラングや絵文字がソーシャルメディアに与える影響を十分に理解することが重要である。本論文では、最も人気のある中国のソーシャルメディアプラットフォームであるWeiboの感情分析のために、中国語インターネットスラングと絵文字を考慮した畳込みニューラルネットワークモデルを提案した。実験結果より、提案手法が感情の極性を予測するための性能を著しく改善したことを確認した。

  • 塩田 茂雄, 中島 圭佑
    セッションID: 2E5-J-6-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    Twitter APIのキーワード検索機能により収集した大量のツイートを分析し,以下の共通の特徴が見いだされることを述べる.(1)日常的なキーワードで検索するとオリジナルツイートが半数以上を占めるが,重大な出来事に関する非日常的なキーワードで検察するとリツイートが大半を占める.(2)単位時間あたりのリツイート数の変化は,急峻なピークを迎えたのち昼夜変動を繰り返しながら減衰するという定型パタンに従う.(3)検索を行うキーワードに関わらずリツイート数は(べき分布のような)裾の長い分布に従う.(4)リツイート数と(ツイートを行ったユーザの)フォロワー数との相関は小さい. さらに,上記の中から3番目の特徴に焦点を当て,この特徴が,ツイートの内容だけでなくそれまでのリツイート回数を加味してリツイート対象を選ぶという人間の行動モデルから説明できることを示す.

  • 小山 耕平, 浅谷 公威, 榊 剛史, 坂田 一郎
    セッションID: 2E5-J-6-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    ソーシャルメディアは世論形成に影響を与えている。特に、特定の情報がソーシャルメディア上にて急速かつ広範に拡散する減少はネット炎上と呼ばれ、政府の政策や企業の株価などに大きな影響を与えている。さらに、新聞やテレビいった従来のメディアがネット炎上を後追いで報道する事例も増加し、ネット炎上の社会的影響力は強くなりつつある。ネット炎上は企業の不祥事などに対して、改善を促す効果がある一方、ネット炎上の対象となることを恐れ、情報発信の萎縮を引き起こしているとの指摘もある。本研究は、「ネット炎上」発生メカニズムの一端を解明することを目的に、Twitter上で高頻度にネット炎上に参加するユーザー群を想定して分析を行った。分析の結果、高頻度でネット炎上に関与する「高頻度炎上関与ユーザー群」の存在が確認され、かつ、高頻度炎上関与ユーザー群は密な情報ネットワークを形成しており、フォロワー数が多いことが確認された。以上の分析より、高頻度参加ユーザーは共振構造を持ち、ネット炎上の拡散に影響を与えていることが推測される。

  • 大川 遥平, 前田 竜冶, 陳 騰揚, 宇津呂 武仁, 河田 容英
    セッションID: 2E5-J-6-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    検索エンジンが果たすべき重要な責務として,有益な情報を掲載するページと,有益な情報は掲載しないが,SEO対策の結果ウェブ検索上位に順位付けされるページをいかにして識別するか,という課題が挙げられる.本論文の予備調査においては,クエリをGoogle検索エンジンで検索した際の上位50件のウェブページのうち, ノウハウ知識を掲載するページの割合は,50%以下であった.これより,検索エンジンのユーザーは有益な情報が掲載されているウェブページを判別するのが困難なことが予想される.このことをふまえて,本論文では,ノウハウ知識を含むウェブサイトをドメイン単位で自動的に判定することを目的とし,その分類方法を提案する. 提案する分類方法は,ウェブページの収集,トピックモデルを用いたウェブページのクラスタリング,各ドメインの特徴抽出,SVMのトレーニングからなり,それらの手法について記述する.また,評価実験の結果において,一定以上の再現率・適合率が達成できたことを示す.

  • Reyhan AYDOGAN, Katsuhide FUJITA, Tim BAARSLAG, Catholijn M. JONKER, T ...
    セッションID: 2F1-E-3-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    There are a number of research challenges in the field of Automated Negotiation. The Ninth International Automated Negotiating Agent Competition aimed to encourage participants to develop effective negotiating agents, which can negotiate with multiple opponents more than once. This paper discusses essential research challenges for such negotiations as well as presenting the competition set-up and results. Results showed that winner agents mostly adopt hybrid bidding strategies and take their opponents' preferences as well as their strategy into account.

  • Shota SUZUKI, Naoko YAMAGUCHI, Tomohiro NISHIDA, Ahmed MOUSTAFA, Daich ...
    セッションID: 2F1-E-3-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    This paper proposes an approach that aims to extract the discussion structure from large-scale text-based online discussions. The ultimate goal is to develop an automated facilitation agent that is able to extract discussion structures from large-scale online discussions. To support this facilitation agent, an extraction approach is needed. Towards this end, we adopt the issue-based information system (IBIS), as a suitable format for structuring online discussions. In this context, we model the task of extracting an IBIS structure as it consists of node extraction and link extraction. Towards this end, a deep neural network based approach is employed in order to perform these two extraction subtasks. In order to evaluate the proposed approach, a set of experiments has been conducted on the data collected from the discussions in the online discussion support system called D-Agree. The experimental results show that the proposed approach is efficient for extracting online discussion structures.

  • Shan LIU, Ahmed MOUSTAFA, Takayuki ITO
    セッションID: 2F1-E-3-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    The International Automated Negotiating Agents Competition (ANAC) and the Pacific Rim International Automated Negotiation Agents Competition (PRIANAC) are being held annually in order to bring together the researchers from the multi-agent automated negotiation community. In this paper, we present a negotiating agent that is capable of searching the suitable bids that obtain high joint utility values near Nash bargaining solution by using a novel bid searching strategy. The proposed agent has participated in both competitions and finished in second place in the social welfare category in ANAC 2018 and in first place in the social welfare category in PRIANAC 2018.

  • Taiki TODO
    セッションID: 2F1-E-3-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    The main objective of this paper is to analyze some variants of the classical top-trading-cycles (TTC) algorithm for slightly modified models of the housing market. Extensions of TTC for such modified models are not necessarily strategy-proof, as pointed out by Fujita et al.\ (2015), and thus some alternative analysis of agents' selfish behavior is needed. In this paper, the incentive ratio, originally proposed by Chen et al.\ (2011), of the variants of TTC algorithm is analyzed in both (i) the multi-item exchange and (ii) an exchange model with a specific form of externalities.

  • 神崎 陽平, 大野 啓介, 高屋 英知, 栗原 聡
    セッションID: 2F1-E-3-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    都市部では、交通渋滞による一時的および経済的損失が悪化しており、我々の生活に大きな影響を与えている。 交通渋滞の原因として、一般道路では不適切な信号切り替えが挙げられる。 一般的な信号制御におけるパラメータ操作は、人間の手による経験に基づいて設定され、決して最適ではない。したがって、交通行動を改善するために信号機を制御することは、交通渋滞を解決するための方法になる。 本研究では、マルチエージェントシステムとDeep Q-Networkを組み合わせる。 この際エージェントとして交差点を使用し、交差点が複数ある道路環境で実験を行った。 その結果、エージェントはエージェント間で相互に情報を交換することで適切なパラメータ操作を行えることが示された。

  • 伊藤 孝行, 柴田 大地, 鈴木 祥太, 山口 直子, 西田 智裕, 平石 健太郎, 芳野 魁
    セッションID: 2F3-OS-5a-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    オンライン上のクラウド(Crowd)スケールの議論の支援が次世代の民主主義プラットフォームとして注目を集めている.大規模な合意を形成できれば,これまでには不可能だった,大規模な人数による意思決定が可能になる.そこで,筆者らは複数の実フィールドでオンラインの議論支援システムCollagreeを開発し,幾つかの社会実験を行い有用性を確認している.ここでは,炎上を防ぎながら議論を適切にリードするために人間のファシリテータがオンライン議論をファシリテートした.課題は,規模が非常に大きいことから,人手でファシリテーションを行うのが困難な点である.オンラインで24時間休むことなく議論を管理することは非常に難しい.そこで本研究では,自動ファシリテーションエージェントを実装することで,大規模な人数の人たちの意見を効率的に収集し,合意を形成するシステムを実現する.評価として,名古屋市と協力して,名古屋市次期総合計画の中間案に対する市民の意見集約の場の一つとして,本システムを導入した.その結果,自動ファシリテーションエージェントは予想以上にうまく動作し,参加者からの投稿数が増加する傾向が見られた.

  • 福田 直樹
    セッションID: 2F3-OS-5a-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本研究では,オンライン議論データを対象に分野横断型の議論過程の検索を実現するための寄港の設計に関する,初期のアイデアおよびその課題を述べる.本アイデアのプロトタイプの設計では,それらのデータをLinked DataあるいはKnowledge Graph構造で表現されるデータとして格納し,それらに対して共通規格に基づくクエリを介してアクセスできるようにしている.特長は,そのクエリによるアクセスを基点として,クエリの他分野への変換に基づいて分野横断型の検索を実現できるような機構を備えるような設計とした点である.

  • 石井 晃, 川畑 泰子
    セッションID: 2F3-OS-5a-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    意見を連続値として考えるオピニオンダイナミクス理論はBounded Con dence Model がよく知られて いる。しかし、これには人々の対立は含まれていない。本論文では人々の間に信頼と不信の関係を対人関係の係 数の正負で表現し、一次元軸上の意見の値も正から負を取り得るとして拡張した理論を提示する。さらにヒット 現象の数理モデルにならってマスメディアにおける影響も加味して、考察を行う取り組みを行った。本論文では、 計算シミュレーションで2 人、3 人、20 人、そして300 人の例を示す。また、この計算から算出される意見の分 布はソーシャルネットワーク上で測るコメントの意見の分布とが比較できる可能性がある。

  • 山口 直子, 西田 智裕, 柴田 大地, 鈴木 祥太, 芳野 魁, 平石 健太郎, 伊藤 孝行
    セッションID: 2F4-OS-5b-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本稿ではオンライン議論システムにおける,自動ファシリテーションエージェントの開発に係る学習用データを作成するためのアノテーションの提案手法について論じる.我々は複雑な社会問題の解消を目的としてオンライン議論システムを開発しており,その効果的な議論のためにIssue-Based Information System(IBIS)を議論モデルの構築に応用した.学習用の議論データは,議論モデルに基づいた議論を自ら行い収集した.収集した議論データを我々の定義した構成要素にラベル付けし,アノテーションを行った.提案アノテーション手法により作成した学習用データを用いて,我々は自動ファシリテーションエージェントのプロトタイプの開発を実現させた.提案手法により作成された学習用データは,エージェントの要素判別精度,および統制実験においておこなった被験者アンケートの結果より,有効性が高いことが示された.

  • 西田 智裕, 伊藤 孝紀, 芳野 魁, 柴田 大地, 山口 直子, 鈴木 祥太, 平石 健太郎, 伊藤 孝行
    セッションID: 2F4-OS-5b-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    筆者らは,web技術を活用した合意形成支援システムを開発し,まちづくりをテーマとしたオンライン議論による社会実験の検証をおこなってきた.これまでの社会実験では,筆者らが議論を主催してきた.しかし,今後に支援システムを実社会へ展開する場合,筆者ら以外の団体や個人が主催することになる.そこで,まちづくり団体の主催による社会実験をおこない,効果と課題を検証する.この検証により,インセンティブが参加者の行動へ大きな影響を与えることがわかった.

  • 益井 博史, 大島 崇弘, 谷口 忠大
    セッションID: 2F4-OS-5b-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本稿では,ディスカッション場における問題を解決するために提案された発話権取引を,モバイルアプリケーションを用いて大人数のディスカッションに導入し,参加者に与える影響を分析した.発話権取引は,制度設計によってコミュニケーション場の持つ課題を解決しようとする,コミュニケーション場のメカニズムデザインの一例であり,それがどのような場で適切に機能するのかを把握することはメカニズムを設計する上で重要である.我々は実験の中でディスカッションに参加する人数を変え,議論の内容,進行,発言量の偏りについて被験者がどう感じたかアンケートを取り,分析した.その結果,被験者は参加人数が4人から16人になっても,議論の進行に関して発話権取引の方がフリーディスカッションよりもスムーズだと感じていることがわかった.

  • 平石 健太郎, 柴田 大地, 西田 智裕, 山口 直子, 鈴木 祥太, 芳野 魁, ムスタファ アーメド, 伊藤 孝行
    セッションID: 2F4-OS-5b-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本稿では,投稿文書の分散表現を用いたフィルタリング手法を提案する.近年,オンライン上での議論が活発化している.ただし,これらの議論には無関係のスパムなどの有害なコンテンツが多数あり,また相手を侮辱したり差別したりする激しい発言がある.従って,不適切な発言を削除して安全にオンラインユーザーが参加できる議論環境を構築することが必要になる.不適切な発言を削除するには,文書の意味を理解し分類することが必要である.本稿では,doc2vecを文書のベクトル化,ELMoを単語のベクトル化に用い,ベクトル化された文書を文書類似度計算とディープニューラルネットワーク(DNN)を用いてフィルタを構築した.評価実験では提案手法が高い精度で不適切文書を分類できたことを示す.

  • –インタラクティブシステムにおける意思決定のための要件化-
    福住 伸一, 佐倉 統, 中川 裕志
    セッションID: 2F4-OS-5b-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    本稿では、産業ロボットの規格の視点から、自律システムの社会受容性についての課題を述べている。産業用ロボットの操作者や関係者の安全面に関する規格を自動運転車(レベル3)に適用しようとすると、3つの新たな要件が必要なことがわかった。それらは、1) 機器単体ではなく、それらが存在する社会システム全体に対して、自律システムが存在することを認識させること、2) その上で、それらの機器がどのような状態で作動しているのかをシステム内で認識できるようにすること、3) たとえ安全対策が施された機器であっても、人間に近寄りすぎた場合などは、停止モードに入るとともにその状態を人間に知らせるようにすること、である。近年、ロボットや自律システムと人とのインタラクションに関する規格が策定されつつあるので、それらも踏まえて要件化をしていく

  • Ohsawa Yukio, Hayashi Teruaki
    セッションID: 2G3-OS-2a-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    Here we show the structural changes in the connections among (1) the variables in data jackets (2) words in the expected outcomes of data use, and (3) supposed data use (analysis/simulation) scenarios represented in the 1603 data jackets stored from 2014 through 2018 (business years). These respectively mean (1) the features of data to be provided or created, not necessarily on the allowance to share the data contents, (2) the social expectation about how and for what the data can be used if shared, and (3) the main process of data use. The changes in the structure of the co-occurrence are visualized by use of the traditional sequence of graphs with KeyGraph, where we found that the connections are emerging for the recent two years, that means the ideas of data users are evolving with communication in IMDJ.

  • 宮原 広翼, 江尻 祐介, 池田 栄次, 佐々木 泰芳
    セッションID: 2G3-OS-2a-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    IoT技術や各種センサーの進化によって、ヒト・モノに関連する膨大な情報をデータ化、蓄積できるようになってきた。同時にビッグデータ解析やAI(人工知能)の活用によって、新たな価値創出を目指す動きが世界的に加速している。  一方で、多くのデータが組織やシステムに閉じて蓄積されているため、組織を超えて相互利活用可能な状態になっておらず、データが経営資源として資産化されていない。富士通はブロックチェーン技術をベースに、信頼のおける関係者同士が参加し、データを用いたイノベーション活動を促進するサービス「Virtuora DX データ流通・利活用サービス」(以下、Virtuora DX)を発表した。  本システムでは、東京大学・大澤幸生研究室によって提唱された「データジャケット」と「KeyGraph」の概念を取り入れており、各企業が保有するデータの概要情報を安心・安全に共有・可視化することで、企業を超えたデータ流通・利活用とアイデア創出が可能となる。  本稿では、アイデア創出が必要な利用者の状況に応じて、「KeyGraph」の見方を柔軟に変更できる方法を考察・検討した。

  • 手塚 雄大, 王 立華, 林 卓也, Kim Sangwook, 為井 智也, 大森 敏明, 小澤 誠一
    セッションID: 2G3-OS-2a-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    データのプライバシーへの懸念が膨大なデータの利活用を妨げている.プライバシーを保護した上でデータ解析を行う技術は重要である.本研究では,Ring-LWEベースの準同型暗号を用いて三層ニューラルネットの内積演算を効率よく行えるプライバシー保護機械学習モデルを提案する.提案モデルは,入力データを暗号化して,その識別結果を受け取るクライアント,学習済モデルを用いて暗号化された入力に対する識別結果を計算するサーバで構成される.これにより,クライアントはデータのプライバシーを漏らすことなく,モデル製作者はモデルを公開することなくデータの解析を行うことができる.提案手法では,一つのクラスの推論処理に対して,10.549 [ms]の時間を要する.また,Sigmoid関数やReLU関数の場合に近い精度で推論処理を行える.

  • 早矢仕 晃章, 大澤 幸生
    セッションID: 2G3-OS-2a-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    実社会において、多種多様なデータが時々刻々と生成され、新たな種類のデータが続々と登場してきている。近年、データを交換可能な材として、異分野間でデータを交換・結合させることで問題解決する動きが活発になってきている。WebやSNSなどでは、データの複雑ネットワーク及びその成長過程を表現する様々なモデルが提案されてきた。しかし、データ市場における異業種のデータ固有の特徴に着目したモデルは十分議論されてきたとは言い難い。そこで本研究では、データ概要情報データジャケットを用いて異種のデータのネットワークが成長する過程を観察し、成長過程におけるネットワークのダイナミックな特徴の変化について考察した。動的なネットワークの特徴から、データプラットフォーマーとしていくつかの戦略を立案することができる可能性を示した。

  • 小池 誠
    セッションID: 2G4-OS-2b-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    平成30年不正競争防止法改正により、データ取引に関する一定の行為が不正競争と定められ、差止請求権、損害賠償請求権などの民事的措置が認められるようになった。ここで、データは知的財産の一種であるが、知的財産としては、特許法が定める発明、意匠法が定める意匠、商標法が定める商標、著作権法が定める著作物などがある。特許権、意匠権、商標権などの産業財産権は、不動産と同様に登録という一種の公示制度を採用しており、第三者は登録番号を確認することで、権利の有無及び内容について確認することができる。 しかしながら、データという無体物に関する財産権は、産業財産権と異なって、権利の有無が明確でなく、第三者がデータに関する権利について調査することも容易ではない。 そこで、産業財産権登録制度、著作権登録制度などを参考にして、データ登録制度を創設し、データに関する権利の有無を明確化することを提案する。

  • 上島 邦彦, 登坂 泰斗, 谷口 耕平, 早矢仕 晃章, 大澤 幸生
    セッションID: 2G4-OS-2b-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    商品市場の動向に関する複数の時系列データを用いて、季節変動やトレンド、広告・PR活動、突発的イベントなどを考慮した、マーケティング・コミュニケーション施策の効果検証に有益な示唆を得るためのデータ活用プロセスを設計し、適用した。関係者の協力を得ながら、15のツール・手法群を用いることで、15社による15種類のデータ流通を4ヶ月程度で実現した。本手法により、組織間のデータ活用に要する実施コスト、失敗リスクを低減することで、多くの権利関係者が介在する多種多様なデータを、なるべく低負荷で、速やかに、持続的に活用できることが期待される。

  • 神先 凌太朗, 中島 遼, 井上 綾, 田中 瞭, 小島 未央奈
    セッションID: 2G5-J-13-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
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    概要: ①人工知能(AI)が発達した未来社会においては, AIが裁判官を務める場合が考えられる. そこで本稿では, 裁判官とAI裁判官である場合の二つの状況において信頼度に影響を与える指標を明らかにしたい. 今回用いた指標は従来から言われている誠実さ, 能力(中谷内, 2018)に加え, 思いやりであると考えた. 思いやりという指標は裁判の現場でも述べられており(最高裁判所資料, 2013), Mayer(1995)の信頼に影響する能力, 正直さに加え慈悲という項目をおいていることとも関連が深い. ②:結果としては,裁判官,AI裁判官, のどちらにおいても思いやり条件で信頼度を高めるという有意差が見られた. しかし思いやり条件下において, 誠実さ, 能力も同様に上昇した. そのため, 思いやりが誠実さ, 能力に影響し, その片方, あるいは両方を経由して信頼度に影響していないとは言い切れない結果となった.

  • 永田 大貴, 篠田 夏映, 沼田 知里, 磯川 雄大, 濱中 杏香
    セッションID: 2G5-J-13-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、秘密共有の状況における人工知能システムの信頼への影響を検討した。 従来の人間関係構築に関する研究において、秘密の共有は信頼関係の構築に影響を及ぼすことが明らかにされており、 また、ロボットやコンピュータに対する人間の態度に関する研究では、人間はロボットやコンピュータに対して人間と同様の反応を示すことがわかっている。 したがって、我々は秘密共有が人工知能の信頼に影響を与えるかどうかに焦点を当てた。 信頼ゲームを組み込んだサーベイ実験を行い、その結果、秘密共有が人工知能との信頼関係の構築に良い影響を与えることがわかった。

  • 堀江 幸生
    セッションID: 2G5-J-13-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    強い人工知能と,神の想いで創造された魂の起源・人の価値・人を人たらしめるものとの間には,キリスト者に,聖書的な教えとは何かと言う神学的な葛藤を問い続ける.それは,キリスト者として信仰が試される場でもある.技術の進歩が遅い時,キリスト者は人工知能の領域における技術的成果の可能性が,神によって本質的に制限されているという主張には関係しないことが可能であったが,強い人工知能の誕生可能性が大きくなるに連れて無視できる事柄ではなくなった.本稿では,キリスト者の聖書的な理解が,強い人工知能と対峙すべきか否か,またそれを強い人工知能にどのように作用すべきかを考察した.結果は,強い人工知能の出現を神は妨げるものではないが,強い人工知能の倫理的な影響は慎重に考慮する必要があることを提示した.

  • 平田 勇人, 新田 克己
    セッションID: 2G5-J-13-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    判例は、事実データ、結論、原告と被告の主張、裁判官の判断理由が含まれた貴重な情報源である。判例を日本語のままで読み解くには負担がかかるため、判例を簡便に記述する方法を提案し、その有効性を評価することを目的とする。具体的には、ファクタ(事実と主張を表す命題)と法的トポス(価値判断の要素)を用いて記述し、裁判官の判決理由をトポス間の優先関係として分析することによって、精度の良い判決予測が可能になることを示した。

  • 小野 潔
    セッションID: 2G5-J-13-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    実務のAI開発ではAI 組込型の業務アプリケーションが広がっているが、そのAIの権利を守る法律が未整備である。一般企業の法務部では急速なAI理論の発展について行けていけないが実情であり、将来はAI権利トラブルが懸念される。AI組込型業務アプリケーションの開発では、ユーザー、AIベンダーとのAI権利に関する合意・契約が必要である。AIベンダーとユーザーの契約では、1.AIモデルを作成したプログラム、2.学習データ、3.パラメーターを含む学習済みモデル、4.AIモデルを組み込む業務プログラム、5.ノウハウについての権利を明確にする。特にDeep Learningでは転移学習/蒸留を含めた利用許諾の明記することが重要である。AIの権利を明確にするには、データサイエンティストを含めた当事者と弁護士のディスカッションからAI権利とその関係者をすべて洗い出すことが、第一歩である。また 個人情報をコントロールするプライバシー権利が世界的に強化されつつあり、今後は留意する必要がある。

  • 西村 祐樹, 金澤 真平, 楊 添翔, 後藤 正幸
    セッションID: 2H1-J-2-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    近年,メディアや娯楽の多様化に伴い,テレビ離れが危惧されている.テレビ放送局は日々テレビ視聴率を上げる施策を模索をしており,より魅力的な番組制作をする必要がある.魅力的な番組制作をするためには,テレビ視聴率と出演者,番組内容との関係性をモデル化し,これらの要因が視聴率に及ぼす影響を分析することが有効であると考えれる.本稿では,この複雑な関係性を捉えるため,ニューラルネットワークを用いてモデル化する.またこの時,出演者や番組内容などの高次元でスパースなデータに対し,積層自己符号化器や潜在ディリクレ配分法を用いた次元圧縮を行う.最後に,提案モデルを実データに適用し,その有効性を示す.具体的には,テレビ番組の視聴率を上げるための要因を分析し,テレビ番組の魅力度を向上させるための施策の考案を行う.

  • 辛 郷孝, 瞿 雪吟, 菅 愛子, 山下 泰央, 高橋 大志
    セッションID: 2H1-J-2-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、外食産業のPOSデータを用いて経営力向上に繋げるサービスの実現を目的とし、飲食店経営において最も大切な要素である顧客構成に焦点を当て分析を行う。本分析は、顧客構成に加え、新たに、時系列注文データを考慮に加えよりきめ細かい分類の可能性を探索するものである。顧客構成に関する、より精緻な知見を得ることで、より付加価値の高いサービスの提供、より効率的な経営の遂行などの効果が期待される。

  • 桑田 和, 杉崎 智哉, 三川 健太, 後藤 正幸
    セッションID: 2H1-J-2-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    本研究で対象とするファッションECサイトでは出品価格によって買取価格が決まるため,適切な出品価格の決定は重要な課題となっている.しかし,このサイトでは出品価格のまま購入されるアイテムと価格が下がってから購入されるアイテムの2種類が存在しており,容易に適切な出品価格を求めることができない.そこで, 本研究ではアイテムが値下がりせずに購入される最大出品価格の推定方法を提案する.提案手法では,出品価格のまま購入されるか否かの二値分類器を構築し,その後,入力データの説明変数である出品価格を変更しながら目的とする出品価格を推定する.また,このサイトの販売履歴データを用いて,提案手法の有効性を示した.

  • 鈴木 慶昭, 加納 学, 曽我 朗, 柳町 武志, 村尾 了, 髙木 雅哉
    セッションID: 2H1-J-2-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    多工程生産設備の生産性向上を目指して,装置組合せに依存する良品率の推定方法と良品率を考慮した生産スケジューリング方法を開発した.良品率推定にはField-aware Factorization Machines (FFM)が極めて有効であり,良品率を高 精度で推定できることに加えて,良品率に影響する特別な装置組合せを正確に特定できた.さらに,メイクスパン最小化と最終製品良品率最大化を同時に考慮した多目的生産スケジューリング問題をMILP問題として定式化し,NSGA-II と新しいディスパッチングルールを組み合わせることで,優れたパレート最適解を導出できた. ディスパッチングルールとしてFIFOを用いる場合,メイクスパンのみを目的関数とする従来法に比べて,単位時間あたりの良品数を12%向上できた.

  • 菅本 守, 藤本 直明, 尾上 宗玄, 弓林 司, 菅本 晶夫
    セッションID: 2H3-J-2-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    聴覚、視覚などの感覚では、強い刺激をより強調し、弱い刺激をより弱める働きがある。それを周辺抑制機構と呼び、生理学の分野ではよく研究されている。本論文の目的は、ハルダン・ケファー・ハートラインの定式化したをもとに、周辺抑制機構をもつニューラルネットワークを作り、ディープラーニングがどのように周辺抑制を行なっているかを研究することである。本論文において、ニューラルネットワークは、ハートラインの定式化とは異なるメカニズムを持っているという結果が得られた。

  • 山田 和樹, 森 陽紀, 陽川 哲也, 宮内 勇貴, 和泉 慎太郎, 吉本 雅彦, 川口 博
    セッションID: 2H3-J-2-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    本稿ではデータ並列深層学習における短期事前学習(Short-Term Pre-Training: STPT)を用いた適応的学習係数調節手法について記す.SPTPとは複数の学習係数を1エポック中の数イタレーションで評価を行う手法である.本手法は複数の学習係数を用いた短時間の事前学習だけで,未知のネットワーク構造に適したLRを選択し,深層学習モデルを素早く評価できる.従来は未知のモデルに対してハイパーパラメータの決定に,数多くのプロセスを要したが,本手法ではこれを短縮する.従って,本手法は最適な学習係数を素早く決定し,学習に必要な演算時間を削減できる.8つの学習係数,8並列のデータ並列を用いて本手法を用いた場合,従来手法と比較して87.5%の演算時間の削減に成功した.また,学習係数を固定した手法と比較して4.8%の精度向上を達成した.つまり,精度劣化を起こさず,少ない演算量で最適な学習係数を求めることができる.本手法は特に,従来手法と比較した場合,未知の深層学習モデルに対して効果を示す.

  • 花安 勇人, 齋藤 建志, 吉井 佑輝, 甲野 佑, 高橋 達二
    セッションID: 2H3-J-2-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    エージェントが試行錯誤を行う現実の環境は,観測できない情報や様々な揺らぎから,一般的に非定常であると言える.非定常環境での有効な意思決定のためには,新しい環境への適応のために,過去の情報をうまく捨てる必要がある.結果として,定常環境より少ない情報である程度良い選択肢を選び意思決定していく必要がでてくる.そのような少ない情報からの意思決定のため,我々は人間の満足化と呼ばれる選択傾向を有した満足化価値関数を用いたRSアルゴリズムに着目した.我々はRSアルゴリズムを過去の情報を捨てながら選択するメタバンディットアルゴリズムや,忘却率付き更新と組み合わせ,定常・非定常環境下の両方における多腕バンディット問題で,既存アルゴリズムと比較し,その有用性を示した.

  • 小畑 崇弘, 倉橋 節也
    セッションID: 2H3-J-2-04
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    近年,変数選択とパラメータ最適化の重要性が高まっている.パラメータ最適化に関しては,優れた探索能力と高い柔軟性を備えた実数値遺伝的アルゴリズム(RCGA)への関心が高まっている.変数選択に関しては,伝統的に赤池情報量規準(AIC)やベイズ情報量規準(BIC)が選択基準として使用されている.これらの基準は,与えられたデータセットに対する分析モデルの相対的な質を推定するが,変数自体の重要性は評価しない. 本稿ではRCGAを応用した新しい変数選択手法を提案する.この変数選択手法は,2つの主要要素で構成されている.一つはRCGAにおける遺伝子の分散を利用した、各変数を比較する新しい変数選択基準であり,もう一つはRCGAによる最適化がどれだけ進んでいるかを表す進捗率を推計する方法である.提案手法の有効性は重回帰モデルへの適用を通じて確認される.

  • 浅野 秀平, 切通 恵介, 泉谷 知範
    セッションID: 2H3-J-2-05
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    製造業などの産業へのニューラルネットの応用に際し,どの特徴量が出力に対して重要な役割を持つか(アトリビューション)を抽出することは,モデルの信頼性や起きている事象を人が把握する上で非常に重要な課題である.Attentionは一般に自然言語処理などにおいて,時系列間の動的な依存関係を扱うために用いられている.本研究ではattentionを特徴量間の重みとして適用し,特徴量毎に独立したアトリビューションを抽出する手法を提案する.また,実センサデータを使って実験を行い,その有用性の検証を行なった.

  • Nicolas BOUGIE, Ryutaro ICHISE
    セッションID: 2H4-E-2-01
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    Reinforcement learning is a powerful method to solve tasks using a reward signal; however, it struggles in sparse reward scenarios. One solution to this problem is the use of reward shaping but, it requires complicated human engineering in complex environments. Instead, our solution relies on exploration driven by curiosity. In this paper, we formulate the curiosity as the ability of the agent to predict its knowledge about the task. The prediction is based on the combination of intermediate goals and deep learning. Our end-to-end method scales to high-dimensional state spaces such as images. As proof-of-concept, we present a preliminary implementation of our algorithm using only raw pixels as input.

  • 森鳰 武史, 野田 朋裕, 田中 将太
    セッションID: 2H4-E-2-02
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    空調機の生産計画を立てるためにはその出荷を予測することが重要であり、 ARIMAはその予測に使用されていた。しかし調査により、私たちが管理する主要製品の中に予測精度が良くないものがあることが判明した。私たちの目的は、その予測モデルをより正確にすることである。そのためにLSTMを出荷予測に適用したが、期待した精度を得ることができなかった。 本論は、そのLSTMのネットワーク構造にさらに現場の知識をResidual connectionとして追加し、それによって精度を大きく向上させたものである。

  • 磯沼 大, 森 純一郎, 坂田 一郎
    セッションID: 2H4-E-2-03
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/01
    会議録・要旨集 フリー

    近年、大量の参照要約を用いたヘッドライン生成モデルが成果を上げている。一方で、大量の参照要約を有する文書は稀であり、学習後のモデルはドメイン間で転用できない場合が多い。本稿では上記問題に着眼し、レビュー文書を対象に、教師なし学習によるヘッドライン生成モデルを提案する。具体的には、レビュー文書について、ヘッドラインが根、本文中の各文が各ノードを構成し、子の文が親の文を詳述する談話構造木として表現されることを仮定する。子の文から親の文を再帰的に推定することで、文書の談話構造と言語モデルを獲得し、その帰結としてレビュー文書全体の要約となるヘッドラインを生成する。実際のレビュー文書を用いたヘッドライン生成精度評価では、比較的長文の文書において、教師有りモデルに対し競合する精度を確認した。また、学習の過程で得られた談話構造木は子の文が親の文を詳述する関係を有し、生成されたヘッドラインはレビュー文書全体を抽象化していることが確認された。

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