人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第34回 (2020)
選択された号の論文の892件中301~350を表示しています
  • 吉田 龍人, 安野 貴人, 藤井 純一郎, 大久保 順一, 天方 匡純
    セッションID: 2H5-GS-13-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    地球温暖化に伴う気候変動によって災害が激甚化しており、災害発生時の被害の早期発見が求められている。そうした中、常時インフラを定点監視し、遠隔地の被災状況がリアルタイムで確認できるCCTVカメラは、被害発見の有用なツールとなる。しかし、膨大な数のカメラから被害を検出するのは目視によって行われており、緊急時において被害発見の遅れや見逃しが懸念される。そこで本研究では、GANを用いた異常検出によって、CCTVカメラの画像から、災害による被害を自動で検出する手法を検討し、その結果について示す。

  • ONGGO Barata, 太田 丞二, 堀越 琢朗, 横田 元, 森 康久仁, 須鎗 弘樹
    セッションID: 2H5-GS-13-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    継続的な治療における今後の治療方針の決定や治療効果の評価のために,各治療のステップに応じてCT画像を複数の時期で撮影することが一般的に行われている.したがって,現在の状態を写したCT画像中の注目すべきスライスが,過去に撮像したCT画像のどのスライスに対応しているかを特定する必要がある.そこで,深層距離学習を用いて異なる時期に撮影したCT画像中の各スライス間の類似度を測り,注目スライスと最も類似したスライスを特定する方法論を提案することが本研究の目的である. モデルの学習には,クエリー,ポシティブ,ネガティブの3つの画像を1組にしたトリプレットロスを利用した.注目するスライスの上下β枚のスライスは臓器の構造が類似していると仮定し,学習時のポシティブ画像として扱い,それ以外のスライスをネガティブ画像とした.9,062枚のCT画像を利用し学習を行い,テストでは,異なる時期に撮影されたCT画像を利用した.学習結果のモデルを用いて,時期が異なるCTスライスの位置を推定したところ,経験豊富な放射線技師の視覚評価と同等の結果を得ることができた.

  • 長谷川 駿, 上垣外 英剛, 奥村 学
    セッションID: 2H6-GS-9-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    現在のコピー機構は要約モデルの一部として訓練データから暗黙的に学習されているため,どのような単語をコピーするかは明示的になっていない.そこで本研究では適切なコピーが行われるよう,あらかじめ訓練データにおける原文表現の利用個所を推定し,その推定結果を教師にコピー機構を学習する手法を提案する.さらに,文要約手法に用いられているにも関わらずコピー機構が用いられてこなかったTransformerベースのモデルにおけるコピー機構の有効性を明らかにする.要約文生成データセットGigawordにおける自動評価を用いた実験の結果,Transformerベースのモデルでもコピー機構が有効であること,そして提案する教師ありコピー機構によりTransformerベースとLSTMベースの両方のモデルで性能が向上する事が確認された.特に,Transformerベースのモデルでは最大でROUGE-1,2がそれぞれ0.30,0.28ポイント向上し,有意差がみられた.

  • 曽 傑, 中野 有紀子
    セッションID: 2H6-GS-9-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    料理に関するユーザの嗜好を引き出す対話システムの実現に向け,我々はすでにグラフ構造を持つ大規模知識Freebaseに基づき,話題を選択し,質問を生成する手法を提案している.本稿では,これを実装した機構を搭載した対話システムを開発し,その評価実験の結果を報告する.実装した対話システムには,次の2点の特徴を持つ.(1) 知識グラフのエンティティ間の関係を話題とみなし,話題どうしの関連の強さをWikipediaに基づき学習し,関連話題を選択する.(2) 質問生成時に欠損しているエンティティを知識グラフ埋め込みにより予測・補完することで,様々な料理や材料に関連する話題提供を行う.評価実験の結果,知識グラフ埋め込みを用いた補完により,関連話題を用いた質問生成の成功率は61%向上した.また,提案システムを用いたユーザの入力からは,料理名や材料名,一般名詞といったユーザ嗜好情報となる単語をより効率的に収集できること,さらには,得られた単語は互いに意味空間上での距離が近く,関連性が高いことがわかった.

  • 橋爪 友莉子, 山本 幹雄
    セッションID: 2H6-GS-9-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,ニューラルネットを用いた言語変換・生成に関する研究の発展は著しいが,文の集合である文書から文書への変換・生成を目的とするタスクは,それほど多くない.本稿は,文書の中でも特に宿泊施設のレビュー文書からそれに対する宿泊施設側の応答文書のたたき台の生成を目的とする.応答文書の中には定型文のような文も混ざっているが,相手のレビュー文書の内容を汲み取った返信をすることが求められる.またレビュー文書と応答文書は必ずしも1対1,もしくは順序通りに対応しているとは限らないため,文単位ではなく,文書単位の変換が必要になる.文の集合である文書を扱うために,文書表現と文表現を同時に学習する階層的Encoder-Decoderモデルをベースとし,少ないデータでより汎用的な文表現を獲得するためにBERTによって事前学習した文の分散表現を入力とする比較的単純なモデルを提案する.提案手法では,従来の文変換や文書表現獲得のために用いられていたモデルを利用する手法より,詳細にレビュー文書の内容を汲んだ応答文書を生成することができた.

  • 井上 裕樹, 的場 成紀, 成松 宏美, 杉山 弘晃, 東中 竜一郎, 平 博順
    セッションID: 2H6-GS-9-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    我々は,「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを通じて,センター本試験および追試験の英語問題の自動解答に取り組んできた.本研究では,不要文除去問題に対して,ニューラルネットワークモデルの転移学習による解答手法を試みた.我々はこの不要文除去問題に対し,これまで様々な手法を試みてきた.その中で,これまで汎用言語表現モデルBERTを適用した手法が最も高い正解率が得られる手法であった.BERTが発表されて以降も,様々な汎用言語表現モデルが提案されている.本研究では,汎用言語表現モデルXLNetおよびRoBERTaを用いる.これらのモデルは,BERTと同じく転移学習することで,様々なタスクに応用することができる.BERTによる転移学習では疑似的に作成した不要文除去問題を学習データとしていた.この疑似的な学習データの作成方法には様々な方法が考えられる.我々は疑似的な不要文除去問題を作成するにあたり,疑似的な不要文の抽出方法とそれらを既存の文章へ挿入する位置についてどのような方法を取れば質の高い疑似問題が作成できるか検討を行なった.

  • 張 浩達, 上垣外 英剛, 高村 大也, 奥村 学
    セッションID: 2H6-GS-9-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    広告文を作成する上で,人々の興味をどれだけ引くことができるかは非常に重 要なポイントである.本研究では,そのような広告文が満たすべき条件として 以下の二つを考える. ・広告の主題となるキーワードが文頭や広告文の前半に出現する. ・読み手にとって適切な長さである. 現状このような広告文を自動で生成するのは難しく,人手による作成は人件費 や時間を必要とする.そこで本論文では,既存の文生成手法に拡張を行い,複 数の言語モデルを用いて,上の二つの条件を満たす文をキーワードから自動生 成する手法を提案する.提案する手法は,キーワードが左詰めされ,かつ文の 長さが指定した範囲の広告文を生成することを可能にした.また,複数の言語 モデルを用いることで,単一モデルのみを用いた場合と比べ,よりよい文が生 成されることを確認した.

  • 中村 篤祥, 櫻田 健斗
    セッションID: 2I1-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    実数属性に対する閾値を用いた分岐条件を各ノードにもつ決定森は、同じ属性かつ類似した閾値の条件をまとめて条件共有化を行うことにより単純化できる。我々は、決定森に属する各決定木上の訓練データに対する決定パスを、できるだけ変えずに分岐条件の共有化を行うことにより、精度の劣化を抑えながら単純化を行うアルゴリズムMin_DBNを開発した(PKDD ECML2019で発表)。本稿ではこのMin_DBNを、バギング、ブースティング、ランダムサブスペース法に基づく様々なアンサンブル学習法で構築した分類・回帰を行う決定森に適用した場合の効果について、実験により有効性を検証する。実験の結果、extremely randomized trees, ランダムフォレストなど、ランダム性の高いものほど効果は大きいが、データによってはAdaBoostで作成した決定森に対しても効果があることがわかった。また、バギング系のアンサンブル学習法に対し、学習時に用いられた木毎の訓練データのみをその木に適用する改良法を提案し、有効性が実験により確認された。

  • 佐々木 秀彰, 浦野 昌一
    セッションID: 2I1-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年、AIや機械学習といった技術と金融をかけ合わせたFinTechが注目されている。その中で、景気は経済活動の動きを示したものであり投資のための意思決定の指標となるため重要である。しかし、景気は各産業と複雑な関係になっているので、個人がそれら全てを分析するのは難しい。そのために、現在、未来の景気を高精度に予測、分析する手法が必要であると考える。本稿では、予測特性の異なる統計学的手法と機械学習的手法を並列的に組み合わせた予測モデルを提案する。今回は組み合わせる手法としては重回帰モデルとランダムフォレストを用いることとする。一つの手法を使うことがリスクとして考えられるため予測特性の異なる手法を組み合わせることでリスクの低減を行う。更に景気動向指数予測に対して有効な説明変数の選定、学習の改善を行い、予測精度の向上を目指す。

  • 鷲見 和昭, 篠崎 公昭, 源間 康史, 瀧塚 寧孝
    セッションID: 2I1-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本稿では、ドル/円に関する主体別にみた投資家センチメントを分析するため、日本における取引情報蓄積機関や金融機関からの通貨オプション取引報告データを用いて、ランダムフォレストによる要因分析を行った。同センチメント指数は、「コールオプションの買い・プットオプションの売り(ドル/円の上昇を予測)」と「プットオプションの買い・コールオプションの売り(ドル/円の下落を予測)」の差分によって構築した。分析結果をみると、米国のイールドカーブは事業法人・機関投資家双方のセンチメントに影響する一方、米国の通商政策に関する不確実性は事業法人のセンチメントへの影響が大きいことが窺われる。最近は、ドル/円の下落に備えたヘッジポジションが増加しており、これは米中の通商交渉を巡る緊張や米国イールドカーブの逆転による実体経済の減速懸念が寄与している可能性がある。

  • 木村 知広, 津本 周作, 平野 章二
    セッションID: 2I1-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    【目的】 退院時要約及び関連する診療情報にテキスト処理と機械学習の手法を適用,各症例のDPCを推定するシステムを開発する。システムによって正確な推定が行われれば,推定と実際のDPCとに相違がある場合に絞り,DPCコーディングに問題があるかを充分な時間で検討することが可能となる。 【方法】 抽出した退院時要約でキーワードの分割表を作成。次いで,対応分析を行い,各キーワードとDPCについて布置座標を与え,DPC毎に距離の値によってキーワードのランク付けを行う。それを用いて,文書内のキーワードの有無についての表形式のデータ集合を生成し,分類学習手法を用いて分類器を構築する。 【結果】 検証結果から,SVM,決定木が最大78%程度の正答率であるのに対し,深層学習が86%以上,Random Forestでは90%以上の正答率を示した。 【考察】 診療文書の記載内容からテキストマイニングにより疾患の予測が可能となることが示唆された。この結果を踏まえて,退院時要約の記載内容からDPCコードが推定できるとすれば,実際に退院患者に付与されたDPCコードが正しいかチェックを行うなど応用が可能と考える。

  • 塚本 真伍, 吉廣 卓哉, 池上 春香, 松橋 珠子, 松本 和也
    セッションID: 2I1-GS-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    和牛は世界から注目される高級食材であり、和牛の肥育農家は高い利益を目指して、日々肉質を高めるべく肥育方法を改善している。しかし、各農家はこれまでの経験による知識やノウハウに頼って肉牛を肥育しており、肥育方法の移転や継承が困難である。科学的な根拠に基づいた肥育方法を確立し、効率的な肥育方法を日本に広めることが、和牛の生産性を高めることにつながる。ブランド牛の販売価格は屠殺時に専門家により評価される枝肉成績によって大きく左右される。枝肉成績は6項目の主要形質を含み、その中で最重要視される項目の一つが枝肉重量である。枝肉重量は出荷される牛肉の総量を決めるため、農家の利益に直結する重要な評価指標である。本研究では、数十頭の肉牛の肥育過程で得られた肥育データとタンパク質発現量データに対して、回帰分析とランダムフォレスト法を組み合わせることで、高精度に枝肉重量を予測する手法を提案した。肉牛の導入時体重は枝肉重量と強い相関を持つことが判明しており、回帰分析により導入時体重の影響を固定した上でランダムフォレスト法を適用した。評価の結果、従来手法より提案手法の予測精度が高いことを確認した。

  • 木村 友彰, Dinesh MALLA, 曽我部 完, 坂本 克好, 山口 浩一, 曽我部 東馬
    セッションID: 2I4-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    異常検出分野では、大量な異常データの取得が困難であることは周知の問題である。さらに多くの場合、前兆を考慮した異常データの定義は実に曖昧である。特に時系列データやシーケンシャルストリーミングデータが対象となる場合は、異常性は静止的確定状態より動的な信念状態として扱うのが合理的である。この観点から、異常検知問題を異常状態と異常発見という“行動”、そして正しい異常検知ができれば“報酬”を与えるという強化学習の枠組みにキャスティングすることができる。信念状態とする異常データの検出と予測は、強化学習における部分観測マルコフ問題と一致することが理解できる。本研究は部分観測マルコフ決過程(POMDP)を用いた異常前兆予測検知手法を提案する。研究ではゲームにおいて圧倒的な性能を出した深層強化学習アルゴリズムAlphaZeroを部分観測マルコフ決定過程下で適用することができるように拡張し、その有効性を検証することを目的する。

  • 加藤 佑一, 高木 健太郎, 陶 亜玲, 内藤 晋, 田口 安則, ブデアント テグー, 中田 康太
    セッションID: 2I4-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    異常検知技術は、実社会のさまざまな場面で使われている。異常は稀なため、正常データのみを用いる半教師あり学習の異常検知手法が精力的に開発されている。しばしば適応される手法としてk近傍法とAutoEncoder(AE)がある。k近傍法では、正常と異常データの距離が十分大きい必要がある。AEは、異常データが再現されないとは保証できない。そこで我々は、ニューラルネットワークとk近傍法を組み合わせたアルゴリズムを考案した。異常データへの再現力を抑えるため、出力を正常データの重ね合わせに制限し、異常の近傍点で再構成させないため、その重みはニューラルネットワークの訓練データの学習で決定する。その異常検知性能を、0-9までの手書き文字データMNISTで、k近傍法とAEと比較した。ある1つの数を異常とし、それを学習データから抜いて学習を行い、テストデータを予測させた。テストと予測データの差分絶対値を用いて異常検知させ、その性能をROC曲線下面積で評価した。本手法、k近傍法(k=6, 重み=距離)およびAEの0-9のその面積平均はそれぞれ0.850、0.822、0.623となり、本手法が高い性能を示した。

  • 及川 皓生, 近藤 正章
    セッションID: 2I4-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,IoTの普及により膨大な量のセンサ情報が取得可能になってきている.これらのセンサ情報を活用することで,人工知能技術は飛躍的な進歩を遂げるようになった.しかし,データ量の爆発的な増加にともない,全てのデータをクラウド上のサーバなど,一箇所に集めて処理することは難しくなってきている.これを解決するために,データをそれが取得されるエッジ側で格納し直接的に処理をする,エッジヘビーデータの概念が注目を集めるようになってきている.しかし,エッジは計算・記憶資源が少なく,全取得データを保存することは現実的でない.よって,エッジで効率的に保存するデータを選択する手法が必要であるが,これまでデータの重要性を考慮したエッジでのデータ管理手法の検討は十分に行われていない.本稿では,データ分布の密度を考慮した効率的なデータ管理手法を提案する.また,提案手法をデータの取捨選択による効率的な画像認識タスクの学習とエッジでの異常検知技術に応用し,その有効性を評価する.評価の結果,提案システムは単純にデータを取捨選択するのに比べて高い精度を達成することがわかり,エッジヘビーデータに有効であることが確認された.

  • 大坪 洋介, 大谷 直也, 近末 恵美, 杉山 将
    セッションID: 2I4-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    精密機器の量産の工程では,ときに設計仕様を満たさない不良品が発生する.本研究は,生産工程の最終段階で取得された正常時の製品の性能データと異常時の性能データから,不良要因となる部品パラメータを検知することを目的とする.量産品の場合,工程の上流にある部品パラメータのデータはほぼ取得できず,また数百の部品がロット単位で管理されている.そこで本研究は,生産工程シミュレータと密度比推定を利用した不良要因手法を提案する.数値実験によって手法の適用範囲を明らかにし,実際の工程で取得されたデータに手法を適用した.得られた結果は,設計情報のドメイン知識と比較し合理的なものであった.

  • 佐藤 大和, 平林 美樹, 堤 誠司, 尾亦 範泰, 安部 賢治, 河津 要
    セッションID: 2I4-GS-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    再使用ロケットの信頼性向上とコスト低減を両立するために,機械学習による故障検知・診断技術を適用した再整備が求められる.一方,再使用ロケットエンジンは推力が可変であり,運用状況によって動的に変化するオペレーショナルシーケンスに対して柔軟な対応が求められる.機械学習は十分な数の学習データを必要とするが,膨大な時間とコストを必要とする液体ロケットの試験のみで異常データやシーケンスの変化まで含まれる学習データを用意することは現実的ではない.本研究では,一次元的にモデル化した縮約モデルを組み合わせ,システム全体の性能を計算できるシステムレベルシミュレーション(SLS)によって学習データを生成することとした.しかし,ロケットエンジンには,故障検知・診断において重要である一方,SLSで再現できない現象が多く存在する.そこで,再現が可能な現象を説明変数として混合ガウスモデルによって分割し,SLSで再現できない現象を目的変数としてクラスタ毎に回帰モデルを学習させることで再現が困難な現象を生成できた.これらを組み合わせることで,開発済みの故障検知・診断技術の学習データとして利用できる見通しが得られた.

  • 神嶌 敏弘, 馬場 雪乃, 鹿島 久嗣
    セッションID: 2I5-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    モデル中の変数間の独立性を強調する技術は社会的バイアスを削減するために利用されている.だが,この技術は他の種類のバイアスの除去にも適用できる.そこで,本研究では嗜好データ獲得における認知バイアスの除去をこの考えに基づいて除去できるかを検証する.

  • 吉井 佑輝, 甲野 佑, 高橋 達二
    セッションID: 2I5-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    人間にはある目的基準を超える収益が得られる手順を発見するとそれに満足し,探索を打ち切るといった満足化と呼ばれる意思決定傾向が存在する.この傾向を強化学習に応用したのが Risk-sensitive Satisficing (RS) である.深層強化学習は人間が行うようなレトロゲームのプレイや運動制御などへ強化学習の適用範囲を広げた.しかし,情報を自ら探索しなければならない点は変わらない一方で,ニューラルネットによる関数近似を用いることで効率的な探索に関する議論を困難にしている.そこで RS を強化学習に反映することで素早く合目的的な探索を実現することが可能になると考えられ,実際に RS はバンディット問題のようなトイタスクの強化学習課題において優れた成績を有している.本研究では RS を関数近似に拡張した Linear RS(LinRS) における目的基準の設定について検証を行うために,文脈付きバンディット問題での実験を行う.それにより,既存アルゴリズムに比べて確率的な環境で優れた成績を有することが分かった.また,基準値と近似誤差の関係から,目的水準に補正が必要であることが分かった.

  • 南 朱音, 小林 優希奈, 甲野 佑, 高橋 達二
    セッションID: 2I5-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    複雑な入力情報から取るべき行動を推論する深層強化学習は,強力な関数近似器での学習(Deep Learning)が発展の核となった.強化学習には教師あり学習とは異なり,自分でデータ収集しなければならない探索の概念を持ち,単純な強化学習の一種であるバンディット問題では最適な探索アルゴリズムが明らかになっている.しかしながら関数近似を用いる文脈付きバンディット問題では最適な探索が保証されなくなる.そこで本研究では従来とは異なる探索アルゴリズムの検証を行った.人間は報酬の目標水準を持ち,それを満たす行動を速やかに探索する性質(満足化)が知られている.この満足化を応用した文脈付きバンディットアルゴリズムに応用した linear Risk-sensitive Satisficing (LinRS) は人工的な分布を用いた課題では既存アルゴリズムと比較しても良い成績が得られている.本研究では実世界から実測データでの文脈付きバンディット問題での検証を行った.人工データより実世界データの成績は悪化すると言われており,その対処法として LinRS における適切な探索のための目標水準の調整について議論する.

  • 飯塚 玲夫, 小野 雄生, 野中 賢也, 阪井 優太, 後藤 正幸
    セッションID: 2I5-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究では,都内タクシーのプローブデータを活用し,機械学習を用いて,適切なタクシー配車に結び付く意思決定支援モデルの構築を行う.従来,タクシーの配車はドライバーの経験や勘に依存してきた.そのため,長年の経験により得られる知識の有無により顧客獲得数に格差が生じる.例えば,駅周辺では,顧客が長い列を作ってタクシー待ちをしている状況がみられる一方で,多くのタクシーが客待ちをしているケースもある.また,場所により,顧客の望む輸送距離にも差異が生じている.しかし,顧客を獲得する見込みが高い地点を全てのドライバーが知る訳ではない.また,ドライバーは分析結果の数値のみを与えられた場合,出力が複数あり解釈することが容易ではない.そのため,経験の有無に依らず,顧客の効率的な獲得を可能とする分析手法及びその可視化手法が望まれる.そこで,タクシーが駅に到着してから顧客を拾うのに要する待ち時間と顧客がタクシーで移動した距離を各駅の指標とする.これらを用いて,各駅におけるタクシーの利用傾向に関する可視化・分析を行い,ドライバーの意思決定を支援するための施策案を示す.

  • 成田 悠輔, 矢田 紘平
    セッションID: 2I5-GS-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    機械学習を利用した意思決定を行う際、過去に使われたことのない新しい意思決定アルゴリズムの性能を予測したい場面が多々ある。私たちは、過去に使われたアルゴリズムの下で蓄積されたデータを用い、新たなアルゴリズムの評価を行う方法を提案する。この方法は次の観察に基づく。機械学習を利用して意思決定を行う場合、そこから生成されるデータには、選択がランダムに行われるA/Bテスト的状況が含まれるという観察だ。例えば、多くの確率的な強化学習・バンディットアルゴリズムは選択をランダムに行うため、ほとんどA/Bテストそのものである。また、教師付き学習で予測された何らかのスコアがある基準値を上回るかどうかで選択を変えるアルゴリズムを考える。この場合、基準値付近では、ほぼ同じ状況であるにもかかわらず異なった選択が行われるため、同じくA/Bテスト的状況とみなせる。私たちはこの観察を一般の機械学習アルゴリズムについて定式化し、アルゴリズムが自然に生成したデータを用いてアルゴリズムを改善する手法を提示する。この手法が使える場面は、ウェブ広告配信から裁判の判決や金融機関の審査、そしてデータ駆動教育・医療まで多岐にわたる。

  • 島 孔介, 武藤 敦子, 森山 甲一, 犬塚 信博
    セッションID: 2I6-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    我々は普段から様々な行動をしており,中でも歩行行動は日常生活においてなくてはならない行動の1つである.歩行において必要となる動きは,脚を交互に前に出すのみだが,これとは別に人によっては肩を揺らす,手を大きく振るなど様々な動き方がある.我々はこのような動き方の違いには世代や出身による文化的特徴,身体的特徴,また性格的特徴と関連があると考え,動き方と特徴との関係を分析する. 本研究では,歩行における両手先の加速度データから文字列を生成する.この文字列は,加速度データ中に動作が現れるタイミングや動作の長さによらず,動作が行われる順序として生成され,また行われた動作の長さを重みとして保持した文字列である.これを用いて,同じグループ内では同じ文字列を共有し,異なるグループ間では同じ文字列を共有しない人のグループ分けを行う.加速度データにあわせて身長や体重,体にもつ違和感などの身体的特徴や,週の平均歩数や運動強度を取得し,また性格的特徴としてエゴグラムを取得することで,動き方に基づく人のグループと特徴間の関係の分析を行う.

  • 木口 亮, 藤田 智紀, 宮澤 昇吾, 吉田 祐樹, 北西 由武
    セッションID: 2I6-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年様々なセンサーデバイスが発売され,手軽に生体情報を個人で収集できるようになった.身近なセンサーデバイスの一つとしてウェアラブル端末がある.ウェアラブル端末は100種類以上が存在し,活動量や睡眠時間等を取得することができる.ウェアラブル端末は,臨床研究等での活用も進んでおり,従来では取得できなかった日常のデータを獲得でき,新たな評価の可能性が拡がってきた.しかしながら,日常的にデータが取得できるようになった一方で,様々な状況で欠測が起こるようになった.充電中はデータが当然欠測するが,人によっては入浴中や料理中,着け忘れ等で欠測するだろう.欠測は可能な限り少なくすることが精度の高い解析を実施する上で重要であり,ウェアラブル端末を使用する上で,充電中以外の欠測は可能な限り発生しないようにコントロールすることが望ましい.本研究では,取得データに加えて,欠測のパターンや時間,リズムやサイクル等に基づき,機械学習を活用して,着用者の行動を予測し欠測理由を判別して,その結果を踏まえたウェアラブル端末の有用性を考察した.なお,本研究は,Fitbit Charge3で収集したデータに基づき実施した.

  • 稲垣 青空, 中村 凌子, 大澤 僚, 深見 俊和, 宗政 一舟, 高木 友博
    セッションID: 2I6-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年, ユーザーの位置情報や訪れた施設のカテゴリが含まれる行動ログを用いて行動予測を行う研究が盛んである. しかし, ユーザーの嗜好を表現するユーザー埋め込み表現に着目した研究は十分になされていない. そこで本研究ではユーザーの訪れる場所の前後関係を加味した遷移の嗜好を捉えることを目的として, 行動ログにおけるカテゴリをノード, カテゴリ間の遷移をエッジとする行動グラフに対し, グラフ畳み込みネットワークを適用することでその特徴を捉え, 行動予測に用いるモデルを提案する. 行動予測実験ではグラフ畳み込みによって抽出されたユーザー埋め込み表現が精度向上に有効であることを示す.

  • 伊藤 史世, 張 志穎, 雲居 玄道, 後藤 正幸
    セッションID: 2I6-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,ユーザの購買行動に関するデータは,購買履歴に留まらず,購買アイテムのカテゴリや店舗情報,ユーザの属性など様々な種類の補助情報が取得できる.そのため,これらを統合的に分析し,マーケティング施策へ活かすことへの期待が高まっている.このようなモデルとして,ユーザと購買アイテム,並びに補助情報との関係性をモデル化することでユーザの嗜好を学習するKnowledge Graph Attention Network(以下,KGAT)が提案されている.このモデルでは,アイテムの補助情報を用いることでユーザの嗜好に解釈を与えることができ,この解釈性はマーケティング施策の立案においても有用となり得る.しかし,KGATではユーザの属性情報については考慮されておらず,ユーザの購買行動を俯瞰するような分析には不十分であると考えられる.そこで本研究では,アイテムの補助情報を活用したKGATを,さらにユーザとその属性情報の関係性も考慮したモデルへと拡張することで,より多角的な分析を可能としたモデルを提案する.また,実際のECサイトの評価履歴データに提案手法を適用し,提案手法の有用性を示す.

  • 松井 孝太, 草川 隼也, 安藤 圭理, 沓掛 健太郎, 宇治原 徹, 竹内 一郎
    セッションID: 2J1-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    所望の構造出力(ここでは各要素が相関を持つ多次元ベクトルを指す)を達成する入力パラメータを見つける逆問題のための能動学習法を提案する. 理論的な貢献として,ブラックボックスなベクトル値の目的関数に対して出力の要素間の相関を明示的にガウス過程モデルに取り込むことにより,少ない観測点数で所望の構造出力とモデルによる予測との間の誤差を最小化するための新たな獲得関数を提案した.また,提案法を人工の形状探索問題,多出力のベンチマーク問題および炭化ケイ素結晶成長モデリングの実データを用いた成長速度分布の探索問題に適用し有効性を検証した.数値実験の結果,提案法は相関を考慮しないモデリングに比べて高速に所望の出力を発見できることを確認した.

  • 河野 慎, 熊谷 亘, 松井 孝太, 岩澤 有祐, 松尾 豊
    セッションID: 2J1-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    ベイズ最適化は,ブラックボックス関数を確率モデルに基づいて,可能な限り少ない観測点で最適化する技術であり,その予測にガウス過程(GP)回帰が一般的に広く使われている.本研究では、評価対象の関数に類似した関数に低コストで問い合わせが可能な状況でのベイズ最適化に取り組む.本論文では、予測の不確実性を考慮した深層生成モデルであるニューラル過程(NP)を代理モデルとして使用したベイズ最適化手法BONPを提案する.NPはメタ学習に利用することができる一方で,多くの場合与えられた観測点を無視し、under-fittingを引き起こしてしまう問題がある.この問題を回避するため,観測点を関数空間に写像する新しいDot-CNPも提案する.実験では,1次元の合成関数を使用した回帰問題と3種類のテスト関数におけるベイズ最適化問題を扱い,提案した方法の有効性を示した.

  • 岩山 幸治
    セッションID: 2J1-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    確率的な外的要因の影響を受け、同じ入力に対しても異なる値を取りうるようなブラックボックス関数の逐次的最適化問題を考える。このような問題の典型的な例として、栽培管理の最適化があげられる。収穫は、栽培管理の方法だけではなく、栽培時の気象条件からも大きな影響を受ける。この例においては、入力は栽培管理、気象条件が外的要因に対応する。このような問題を外的要因の影響下における期待値のベイズ最適化として定式化し、従来のGP-UCBアルゴリズムを拡張したGP-UCB-Exアルゴリズムを提案する。シミュレーションの結果は提案アルゴリズムが、従来のGP-UCBよりも、このような問題に対して良い性能を発揮することを示している。

  • 光廣 正基, 星野 崇宏
    セッションID: 2J1-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    マーケティングや経済学などの分野では,同時に観測されない変数間の関係を調べるため,異なる情報源から取得した複数の多変量データを統合する必要がある.統計的データ融合は,マルチソースデータをシングルソースデータとして統合する手法であり,統計的マッチングや統計モデルベースのアプローチがよく使用されている.中でも共変量とアウトカム変数の背後に共通因子を仮定する潜在変数モデリングでは,各変数が潜在変数との線形関係を仮定しているため,非線形な関係まで捉えることができない.また,主成分分析法を拡張したガウス過程潜在変数モデルという手法が提案されており,この手法は非線形関係の特徴抽出を得意とする.本研究では,欠測メカニズムを考慮し,ガウス過程潜在変数モデルを用いたデータ融合法を提案する.欠測するかどうかが潜在変数に依存するNMARな欠測データに適用するため,割り付け変数に離散選択モデルを仮定する.さらに,ガウス過程から生成される各変数の分布は正規分布だけでなく,離散値も適用可能とする.

  • 中村 仁昭, 高田 司郎, 岩貞 智, 塩路 直大
    セッションID: 2J4-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本稿の目的は、種類に依存しないある商品をある基準に正確に複数の機器に分ける「振り分け器」の制御に関する学習方式を提案することである。本稿の深層Q学習では、まず、商品重量の計測値と目標値の差(計量誤差と呼ぶ)が小さいほど即時報酬が大きくなるような報酬関数を設定し、状態行動価値Q値を推定するDQN(Deep Q Network)を用いて、DQNから出力される(通常とは逆の)最も小さいQ値に対応する機器を行動選択の対象とする。選択された機器は最も計量誤差の累計が大きくなっていると判断でき、この機器を制御対象として計算誤差を小さくする操作を施す。このような深層強化学習を繰り返すことで全ての機器の計量誤差を小さくしていくことができ、ある基準に正確に商品を振り分けることができるようになる。本稿では、その学習方式とシミュレーション結果を提示する。

  • 甲野 佑, 大村 元気, Tomohiro KATO, 内田 祐介
    セッションID: 2J4-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    深層学習は計算機の進化とともに,膨大な数のパラメータの学習が可能となり複雑で高精度なモデルを作成可能にした.しかしながら,モデルを運用する場合,通信環境やリクエスト数,搭載デバイスなどの制限が存在し,近年は精度を保ったままモデルサイズを縮小する研究が注目されている.本研究では CNN 上での構造的で効率的な圧縮手法の中でも,深層強化学習による圧縮手法 AMC (AutoML for model compression) に着目した.AMC は Off-policy 強化学習によって過去の探索情報を再利用し効率的なチャネル削減により圧縮を行う.AMCは探索中の推定精度が削減後の簡易精度で削減後に改めて学習したモデルの精度とは異なるという問題を抱えている.一方で AMC は広義には強化学習アルゴリズムや削減すべきチャネルの優先度付けアルゴリズムの種類を限定していない.そこで本研究では強化学習アルゴリズムの変更と,簡易報酬を MetaPruning というチャネルの削除と再学習後の重みの推定値を予め学習する手法と組み合わせ,予測した重みによる精度を報酬としてより効率的に探索する手法を提案した.

  • 近藤 巧麻, 松井 藤五郎
    セッションID: 2J4-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本論文では、最新の深層強化学習アルゴリズムを複利型に拡張し、より多くの状態変数を用いて金融取引戦略を獲得する方法を提案する。従来研究では、2つの状態変数のみを用いており、深層強化学習の利点が活かされていない。また、単純化したDQNを複利型に拡張した学習アルゴリズムを用いており、最新の深層強化学習への適用はまだ行われていない。そこで本論文では、最新の深層強化学習アルゴリズムを複利型に拡張し、多数の状態変数で表現された複雑な環境において金融取引戦略を獲得する。また、提案手法を従来研究と同じ日本国債を対象とした取引戦略の獲得に適用し、その有効性を確認する。

  • 吉田 直樹, 野田 五十樹, 菅原 俊治
    セッションID: 2J4-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    多くのドライバがライドシェアに参加したことで, 都市部では乗客を乗せていない空車が渋滞を引き起こし問題となっている. これを解決するために, エージェントが待つべき位置を決定する効率の良い戦略が必要である. このために筆者らは, 深層強化学習を用い, 乗客の需要予測からエージェントにサービスエリアを割り当てるSAAMSを提案する. 本稿では特に, 分散制御と集中制御におけるサービスエリアの分担の特徴と性能の比較を試みる. 実験結果から, 分散制御では分業が創発され, また需要の動的変化にも適応できることを示す.

  • 高柳 里紗, Dinesh MALLA, 酒井 剛, 曽我部 東馬
    セッションID: 2J4-GS-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    近年、情報処理技術や画像処理技術の発展により、スポーツ界においてもデータの活用やAI技術の導入が盛んに行われている。本研究ではアメリカンフットボールにおける新たなコーチングの提案を目的としている。アメリカのプロリーグであるNFLのトラッキングデータを用い、選手の位置情報から一人一人の守備範囲を可視化し、深層強化学習を用いて戦術予測と戦略最適化を同時に行うことを目的とする。本研究で用いた方法を利用することで新たなコーチングと選手間の盛んなコミュニケーションのツールとして活用可能であることが示唆される。

  • 中田 光, 横田 理央
    セッションID: 2J5-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    実世界では常に移り変わる分布から得られる膨大なデータを継続的に学習し,学習したデータから知識を蓄え,その知識を活用して学習を行うモデルの構築が求められる.しかし,継続的に学習を行ったモデルは致命的忘却により過去に学習したデータに対する精度が低下し,致命的忘却を防ぎつつ継続的に学習を行うことは深層学習および機械学習における長年の課題の一つとなっている. 本研究では教師なし表現学習に着目し,学習するそれぞれの異なるタスクが継続的に与えられる条件のもと学習を行った場合の,教師なし表現学習の致命的忘却に対する堅牢性の調査を目的とする.画像分類データセットによる教師なし表現学習を対象とし,数クラス毎に分割した画像分類データセットを既存の教師なし表現学習手法により継続的に学習し,比較を行った.本調査の結果,教師なし表現学習は教師あり学習および蒸留による学習と比較し,致命的忘却が緩和される結果が得られた.

  • 川島 寛乃, 河野 慎, 熊谷 亘, 松井 考太, 中澤 仁
    セッションID: 2J5-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    継続学習において,逐次的に複数のタスクを学習した際に過去のタスクの精度が著しく下がる破滅的忘却を防ぎながら,かつタスクの増加に対応できる手法の研究が盛んに行われている.本研究では,過去のタスクのネットワークの保存,訓練データを追加した学習を行うことのない新たな手法として,Neural Processの構造を基にしたAmortized Continual Learning Model(CALM)を提案する.CALMはタスク固有の重みを算出するTask Weight Encoder(TE)および入力データの特徴量抽出を行うFeature Extractor(FE)の2つのニューラルネットから構成される.入力画像の特徴量にタスク固有の重みを適用することで,全タスクで共通のネットワークを用いながら,タスク固有の出力を可能とする.実験ではSplit-MNISTのタスク増分学習に取り組み,提案手法を用いた際に逐次的に学習した場合もタスクの精度が保たれることを検証した.

  • 佐藤 怜, 福地 一斗, 佐久間 淳, 秋本 洋平
    セッションID: 2J5-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    強化学習を実世界で活用する取り組みが盛んになっている.エージェントを実世界で環境と対話させて学習するには膨大なコストが掛かるため,ソースタスクと呼ばれるシミュレータ等のコストの低い環境で事前学習を行うことで,ターゲットタスクと呼ばれる運用環境での対話を短縮する方法が注目されている. 本研究ではソースタスクとターゲットタスクに状態観測の形式の点で差異が生じる状況に着目する. 提案手法では状態の潜在表現を求めるエンコーダを学習し,潜在表現から行動を出力する方策を学習する.提案手法は遷移確率を用いて状態観測の形式変化に頑健な潜在表現を学習することで,ソースタスクで学習した方策の転移を可能にし,ターゲットタスクでの環境との対話が限られる場合におけるエージェントの性能を改善する.実験ではターゲットタスクでの対話が限られる場合において,提案手法がより高い性能を得られることを示す.

  • 青山 優也, 山中 昌之, 中塚 光一, 鈴木 貴博, 畑 武志, 佐野 剛志, 吉岡 琢, 井澤 敦, 椎橋 徹夫
    セッションID: 2J5-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、床等の上下振動を低減するAMDにおける制御則を、強化学習を用いて学習することで、高い振動制御効果を得ることを目的とする。学習した制御則を用いたシミュレーション及び、実機システムに適用した実験により、従来の最適制御による制御則を上回る制振効果が得られることが明らかとなった。

  • 逆転オセロニアの場合
    迫田 真太郎, 大渡 勝己, 田中 一樹, 甲野 佑
    セッションID: 2J5-GS-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    ボードゲーム AI の分野において、ニューラルネットワークによる盤面評価と木探索を組み合わせる手法が注目を集めている。木探索を行うためには盤面の遷移則が既知である必要があるが、モデルベース強化学習と関連して盤面の遷移則を学習する研究も活発に進められており、中でも MuZero は Atari・囲碁・将棋・チェスといったゲームにおいて高い性能を示している。本研究では MuZero のアルゴリズムを教師あり学習として再定義し、より複雑なゲームである「逆転オセロニア」へ適用する手法について検討する。「逆転オセロニア」は不完全情報性や不確定性を持つゲームであるため、多面的な情報を複数ターンに渡って保持できるような遷移を学習する必要がある。MuZeroアルゴリズムを直接「逆転オセロニア」へ適用した場合、部分的に性能は向上するが、遷移の不確かさにより木探索に悪影響が出る場合もあることが確認された。分析から、遷移の不確かさを考慮した木探索を行うことでさらなる性能向上が見込める可能性が示唆された。

  • 中口 悠輝
    セッションID: 2J6-GS-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    近年、強化学習の研究が著しく進展し、複雑な意思決定や制御の問題において幅広く高い性能を示すようになった。しかし、適切な報酬関数を指定するのが困難でしばしば意図しない振る舞いが生じてしまい、人手による緻密な報酬関数設計が要求されるのが問題となっている。逆強化学習は熟練者のデモンストレーションから報酬関数を推定するが、推定された報酬関数にはダイナミクスに依存する不定性があるため、他のダイナミクスに転移することができない。そこで本研究では、転移可能な報酬関数を構成するため、複数のダイナミクスの下で生成されたデモンストレーションを用いてこのダイナミクス依存の不定性を固定する定式化を提案する。また、最大エントロピー逆強化学習に基づく通常の逆強化学習アルゴリズムにおいては最大エントロピー強化学習が順方向最適化のサブルーチンとなっているため、報酬関数の不定性についての既存の議論を通常の強化学習から最大エントロピー強化学習に一般化できることも示す。

  • MALLA Dinesh, 木村 友彰, 曽我部 完, 坂本 克好, 山口 浩一, 曽我部 東馬
    セッションID: 2J6-GS-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    異常検出で最も興味深いアプリケーションシナリオの1つは、シーケンシャルデータが対象となる場合である。たとえば安全性が重視される環境において、監視センサーにより収集されたストリーミングデータのスクリーニングからリアルタイムで異常が検出された場合、異常な観測を報告する自動検出システムが不可欠となる。しかしながら、これらの潜在的な異常が意図的または目標指向である場合、前兆予測が重要となるにも関わらず、現状では有効な検出手法は確立されていない。そこで我々は、逆強化学習(IRL)を使用した前兆を含めたシーケンシャルな異常検出のためのエンドツーエンドのフレームワークを提案する。この方法は、入力としてターゲットエージェントの行動履歴(他のメタ情報)を取り、IRLを介して推測される報酬関数を推論する。また、行動履歴の特徴を考慮したガウス回帰を基づくベイジアンアプローチIRLを採用する。公開されている実世界のデータに関する実証研究は、提案された方法が異常の特定に効果的であることを示す。

  • 三股 歩夢, 荒井 幸代
    セッションID: 2J6-GS-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    近年,監視カメラの普及が進み,幅広い分野における行動記録の活用が期待されている.その中でも行動履歴からの不審行動の検出は防犯やトラブル防止に重要である.しかし,監視者による検出は,その膨大な作業量はもちろん,経験に負う部分が大きいため,高精度な自動検出法への要請は大きい.自動不審行動検出の既存法は出現確率の低い行動を不審行動とみなすが,これでは実際は不審ではないが出現確率が低い行動が不審行動として誤検出され問題である.これを踏まえ,本研究は不審行動のデータ不要,リアルタイム検出可能,かつ既存法よりも高精度な自動不審行動検出の実現を目的とする.本研究は,多くの人がもつ「一般的な」意図に沿わない行動を不審行動とする.行動軌跡から報酬を推定可能な逆強化学習により人物動線データから導出される行動価値には,動線に潜在する意図が定量的に反映されるとして,導出された行動価値をもとに行動の不審さを評価する.擬似動線データにより実験した結果,既存法が誤評価する行動に対しても提案法は正確に評価可能であることを確認した.また,四つの指標により評価したところ,提案法は高い性能を示し有用なことを確認した.

  • 板谷 英典, 平川 翼, 山下 隆義, 藤吉 弘亘, 杉浦 孔明
    セッションID: 2J6-GS-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    深層強化学習の代表的な手法であるAsynchronous Advantage Actor-Critic (A3C)は,ロボット制御やゲームタスクにおいて高精度な結果を獲得している.しかし,推論時におけるモデル内部の演算が複雑であるため,モデルの推論結果に対する判断根拠が不明確である.そのため,モデルがどのように判断し推論したか容易に説明できる仕組みが必要である.本研究では,Policy branchの特徴マップに対しAttention mapを用いてマスク処理を行うMask Attention A3Cを提案する.Atari2600を用いた実験により,スコアの比較及び獲得したAttention mapを用いた視覚的説明を行う.また,注視領域を反転させた場合においてもスコアを確認することで,獲得したAttention mapの有効性を示す.

  • 五藤 強志, 平川 翼, 山下 隆義, 藤吉 弘亘
    セッションID: 2J6-GS-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    複数のエージェントが存在する場合,自己利益だけを考えてエージェント同士が衝突したり,他エージェントに影響を与えるようなケースが発生する.このようなデッドロックが起きるような環境では,複数エージェントを同時に学習するマルチエージェント強化学習により,他エージェントを考慮しながら行動を行う必要がある. 本研究では,マルチエージェント強化学習に深層学習を導入する際に,単一ネットワークをエージェントごとの複数のブランチに分けて同時学習を行う手法を提案する.これにより,エージェント同士のインタラクションを考慮しつつ,学習を行うことが可能となる. 評価実験では,自動運転環境においてデッドロックが発生するような環境を想定し,各エージェントを個別に学習する従来手法と提案手法を比較する.また,提案手法によってエージェントがどのような行動を獲得したかを可視化し,インタラクションの効果を示す.

  • PIN-YU CHEN, HUNG-JUI CHANG, YUN-CHING LIU, YI-TING CHIANG
    セッションID: 2K1-ES-2-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    Linearly mixing or combining multiple images is a frequently used image processing methods in computer vision. Mixup, which is a kind of linear operations, shows its effectiveness on improving the performance of deep-learning-based models and increasing the robustness of trained models against adversarial attacks. However, the effect and the underlying mechanism of linear operations are little understood. In this study, we investigate the effect of linear operations on the task of image classification. We apply several self-referential linear-mixing operations to process images, and use these images to evaluate the performance of deep-learning-based image classifiers under different mixing parameters. The contribution of this study is on establishing a foundation to better understand the underlying mechanism of linear operations.

  • Tushar SINGH, Ashish Kumar GAURAV, Yasuhiro TSUCHIDA, Fadoua GHOURABI
    セッションID: 2K1-ES-2-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    Convolutional neural networks (CNNs) are becoming a key technology in processing and analyzing real-time video streams, such as security videos. When pre-processing video streams for training CNNs by splitting into image frames, we generate a large-scale image dataset from which a subset is used for training models. The random selection of a subset ignores the properties of the data and produces a repetitive dataset, which is not useful for training. This paper presents an image selection approach based on the autoencoder neural network. The autoencoder projects high-dimensional image feature vectors into a low-dimension latent space for effective analysis of image similarity. This approach allows not only to select representative images but also to facilitate the pseudo-labeling of unlabeled data. In this paper, through experiments with autoencoder, we show the benefits of this method in selecting images for training. We also explain the application to a semi-supervised image classification problem where our approach significantly enhances the accuracy comparing to random selection.

  • Shashank KOTYAN, Danilo Vasconcellos VARGAS
    セッションID: 2K1-ES-2-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    An imperceptibly altered image can mislead nearly all neural networks to predict inaccurately. These modified images are also known as adversarial examples are generated by a special class of algorithms known as adversarial attacks. Many defensive algorithms are proposed to prevent the neural networks from such attacks, but none have satisfying outcomes. Recently, an innovative algorithm is proposed which claims to evolve intrinsically robust neural networks using neural architecture search. Previously, neural architecture searches have been used in the development of many accurate state-of-the-art neural networks. We examine this new algorithm to understand the feasibility of such architecture search in the domain of adversarial machine learning. Thus, we illustrate that more robust architectures exist as well as open up a new realm of possibilities for the advancement and exploration of neural networks using neural architecture search.

  • Yeo Ree WANG, Atsunori KANEMURA
    セッションID: 2K1-ES-2-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    Extracting feature points and their descriptors from images is one of the fundamental techniques in computer vision with many applications such as geometric fitting and camera calibration, and for this task several deep learning models have been proposed. However, existing feature descriptor networks have been developed with the intention of improving the accuracy, and consideration for practical networks that can run on embedded devices has somewhat been deferred. Therefore, the objective of this study is to devise light feature descriptor networks. To this end, we employ lightweight convolution operations that have been developed for image classification networks (e.g. SqueezeNet and MobileNet) for the purpose of replacing the normal convolution operators in the state-of-the-art feature descriptor network, RF-Net. Experimental results show that the model size of the detector can be reduced by up to 80% compared to that of the original size with only a 11% degradation at worst performance in our final lightweight detector model for image matching tasks. Our study indicates that the modern convolution techniques originally proposed for small image classification models can be effectively extended to designing tiny models for the feature descriptor extraction and matching portions in deep local feature learning networks.

  • 小野 拓也, 森 純一郎
    セッションID: 2K1-ES-2-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    画像に含まれる異常データを認識・検出することはコンピュータビジョンの分野で重要な技術である。近年ディープラーニングにより異常検知を解決する方法が主流となっており、従来の手法よりも精度が高いことで知られる。異常検知問題はその性質上、異常データが極めて少数であり、データセットが著しい不均衡になっているケースが多い。そのため、教師あり学習を適用することは難しく、教師なし・半教師あり学習による解決が期待される。本論文では、画像データに対して半教師あり学習(AnoGAN, 畳み込みオートエンコーダーなど)及びクラスラベルを用いる距離学習(AdaCos, L2 softmaxなど)を用いた深層異常検知手法で最先端の手法の再現実装を行い、その有効性を評価した。結果としては、現状の深層異常検知手法では期待される性能を満たすことは難しく、改善の余地があるとの結論が得られた。最後にこれらの手法の問題点と、現状の研究課題について示した。

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