日本応用数理学会年会予稿集
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選択された号の論文の217件中101~150を表示しています
S04 数値経済学
  • 中山 幹夫
    セッションID: S04
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    We define a kinship-recognizing machine-player (KRP, for short) playing the one-shot Prisoner's Dilemma, which is a generalization of the self-recognizing player discussed by Howard. The KRP can recognize similar opponents as well that are kin to itself, thereby enabling mutual cooperation in a wider class of players. The kinship relation is defined as a computable equivalence relation, describing that two players are kin to each other if they share an ancestor in common. We show the existence of a KRP and the fact that any KRP entails an altruistic player that sacrifices itself to the opponents that are kin to the KRP. It is also discussed that the ability of KRP cannot be extended further to the recognition of all members of any other class of KRP.
  • 松久 隆
    セッションID: S04
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    "This paper investigates the class of rational expectations models for a mixed strategy Nash equilibrium of a finite strategic form game G. The purposes are two points: First to introduce a group structure on the class of rational expectations models for a mixed strategy Nash equilibrium of the game as models for the modal logic S4, and secondly to characterize the class RS4(G) of the rational expectations models by the class ES4(G) of all the models with common-knowledge of conjectures about the other players' actions. We prove the following theorem: The class ES4(G) is a non-empty subsemigroup of the semigroup RS4(G).
  • 田中 久稔
    セッションID: S04
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    株価や為替レートなどの資産価値の変化分率が、正規分布に比べてより厚い裾野(Fat Tail)を持つことは古くから指摘されている。(Manderbrot 1963, Fema 1965)。この性質を説明するために、いままでにもいくつかのモデルが提案されてきた。それらはいずれもエージェントの行動あるいは市場の構造に特殊な仮定を追加することにより、モデルを大数の法則や中心極限定理から解放するという方針を採っているように見受けられる。
    この論文では、非線形や局所的相互作用を持ち込まないシンプルなモデルであっても、Fat Tail 分布の再現が可能であることを示す。このモデルの本質的な仮定は、以下の二つである。:〈投資決定の独立性)多数の投資家が存在し、それぞれが他の投資家や前期の自分の決定から独立に投資決定を行う、(ワルラス型価格調整〉資産価値は、その資産に対する超過需要に比例して変化する。すなわち、t期における価格変化をΔSt,超過需要EDtをとれば、Pを調整パラメーターとしてΔSt=PEDtとなることを仮定する。したがって、この仮定から導かれるモデルは中心極限定理の支配下にあり、そのダイナミックはガウス仮定によって記述されることになる。しかしそれにもかかわらず、比較的ゆるい条件のもとで、このモデルを用いて変化率の Fat Tail分布を再現することが可能である。まず、導かれたモデルを Fokker-Plank 方程式と呼ばれる線形編微分方程式に変換することにより、価格の調整速度パラメーターがある水準を越えると価格過程の定常分布が単峰形へと変化することが証明される。次に、具体例の計算機シミュレーションにより、双峰形定常分布を持つ価格過程が、定常分布の一方の峰から他方へと頻繁に飛び移ることを観察する。ある定常状態からもう一方の定常状態へと遷移する過程において、資産価値の大きな変化率が生じ得るのである。
  • 三浦 良造, 藤田 岳彦
    セッションID: S04
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    従来のバリアオプション(ワンタッチオプション)では、原資産があるバーにぶつかればすぐに「契約消滅驍烽A人工的金融操作で空売りをし、オプションライターが支払いを免れるような不正がある程度可能である。そこで、ストッピングタイムτを一つ固定し、τ以前を「安全領域」(そこでは、デリバティブは契約消失なし)、τ以降満期までを「警告領域」(契約消滅の可能性あり)とする。必ずしもストッピングタイムではないτより大きい値をとる確率変数σ=σ(τ)をとってきて、σ以降満期までを「ノックアウト領域Aデリバティブがそこにいれば、契約消滅とする。この新しい枠組みを用いればバリアオプションの設計は以前より Flexibleになると考えられる。このような枠組みにあるオプションを]戸っ子オプションA講演ではこの範疇にあるいろいろなオプションの例とその価格付けを紹介する。
  • 小宮 英敏
    セッションID: S04
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    最適化理論で重要な役割を果たしている Farkasの補題は凸集合の分離定数と深く関連しており、分離定数の議論にのせる前段階として有限錐の閉性が重要な役割を果たしていることがよく知られている。本講演では、この有限錐の閉性と数理経済学で現れる Shapley-Folkmanの定理や Caratheodryの定理との関係を論ずる。
K04 特別講演04
  • 富田 勝
    セッションID: K04
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    E-CELLプロジェクトは細胞全体をまるごとコンピュータ上に構築すること究極の目的として96年に発足した。E-CELLは酵素反応や膜輸送、遺伝子発現などの化学反応をルールとして個々に定義するとそれらを擬似並列に実行し全体の振る舞いをシミュレートする。このE-CELLシステムを用いて、我々は昨年までに127個の遺伝子からなる仮想の「自活細胞モデル」を完成させた。
    また最近ではE-CELLを用いてヒト赤血球細胞のシミュレーションを完成させた。現在ではこのモデルの酵素活性を人工的に阻害することによって、先天性貧血の原因であるGGPD欠損症などの遺伝病における赤血球細胞の状態をコンピュータ上に再現することを試みている。また、心筋細胞、神経細胞、ミトコンドリアなどの細胞モデルも構築している。
O06 並列計算1:数値解析における反復法の役割(1)
O06 並列計算1:数値解析における反復法の役割(2)
  • 速水 謙
    セッションID: O06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    "Aをnxnの特異な実行列, x, bをn次元の実ベクトルとし,連立一次方程式Ax=bまたは最小二乗問題minx in Rn ||b-Ax||2を考える. これらは,例えば偏微分方程式に全周ノイマン条件を課し,離散化する際などに生じる. このような特異な系に対してクリロフ部分空間解法であるGCR(k)法を適用することを考える.
    このとき, 任意の右辺項b,および初期近似解x0に対して,GCR(k)法が破綻せず,かつ残差R(A)(Aの像)成分が0に収束するための必要十分条件は,「Aの対称部M(A)がR(A)において定値,かつR(A)とkerA(Aの核)が直交していること」であることを示す.
    また,bがR(A)に含まれる場合(系が consistentな場合)は必要十分条件は,「Aの対称部M(A)がR(A)において定値」であることを示す."
O07 並列計算2:大規模数値計算
  • ブレイル ジェロム, 相曽 秀昭
    セッションID: O07
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    "Coupled methods require a significant amount of computation time and
    storage in order to obtain a solution, particularly for
    multi-dimensional problems. Therefore, single processor
    computers are not feasible in this case. We can reduce this time
    using parallel computers. The parallelization of our implicit
    method is based on domain decomposition strategy.
    "
  • 中島 研吾, 江連 真一, 奥田 洋司
    セッションID: O07
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    並列計算機による大規模シミュレーションにおいて,データの準備(有限要素法の場合メッシュ生成),計算結果の可視化処理は大きな技術的課題である。本研究では,適応格子による細分化(Adaptive Mesh Refinement,AMR)におけるメッシュの階層性を使用して,「メッシュ生成 から シミュレーション から 可視化処理」という一連のプロセスを並列計算機上で効率的に実施するための手法を開発した。まず,領域分割された初期メッシュから細分化メッシュを並列計算機上で生成し,シミュレーションを実施する。続いて,メッシュの階層性を逆にたどることによって,計算結果をより粗い格子にマッピングして可視化する。可視化環境,使用可能な計算機リソース,および計算結果の特性によって細分化レベル,細分化領域を自由に設定することが可能である。本講演では,津波シミュレーションにおいてこのような手法を適用した場合の実例を紹介する。
  • 塩谷 隆二, 玉井 亮嗣, 金山 寛, 大石 篤哉
    セッションID: O07
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    "直接時間積分を用いた非定常有限要素解析は,微小時間ごとに有限要素解析を繰り返し行うことにより実現されるため,一般に,定常解析と比較すると解析時間が増大する.大規模解析においては,繰り返しの各ステップの有限要素解析の時間そのものが大きく,特に解析時間の増大が問題となる.マルチタイムステップ法は解析領域の各部分領域で異なる時間増分を採用する手法である.領域分割法に基づく並列解析においては各部分領域での解析の独立性が高いため, 本手法を適用しやすい.本研究では,領域分割法による並列動弾性解析システムに対して, マルチタイムステップ法を適用することにより,解析の高速化を図った."
  • 鈴木 正昭, 奥田 洋司, 矢川 元基
    セッションID: O07
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    大規模な数値シミュレーションを短時間・高精度で行うには並列計算技術の利用が必要不可欠であり,特に近年進歩の著しい超並列計算機の性能を十分に引き出すことが重要となる.現在,超並列計算機のアーキテクチャとしてはHitachi SR8000,「地球シミュレータ」などに代表されるSMP(Symmetric Multiprocessor)クラスタ形式の採用が一般的となっているが,そのようなアーキテクチャに対してはMessage PassingとLoop Directiveを組み合わせたハイブリッド並列プログラミングモデルが適していると考えられる.一方,最近の材料・生物分野の活発な研究を受けてナノスケール現象の大規模分子動力学解析の需要が拡大している.本研究ではMPI/OpenMPハイブリッド並列プログラミングをタンパク質立体構造予測分子動力学計算に適用,Hitachi SR8000/MPP上で実行してその並列性能を評価した.
  • 櫛田 慶幸, 奥田 洋司, 矢川 元基
    セッションID: O07
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    大規模な有限要素解析のために用いられる連立一次方程式のソルバーには共役勾配法に代表されるクリロフ部分空間を用いる反復法を用いることが多い。共役勾配法の収束性は係数行列の性質によるため、通常、行列の性質を改善し収束性を向上させるために前処理と呼ばれる操作を行う。他方、並列有限要素法では各プロセッサーエレメントは計算を担当する行列要素成分のみを保持する。計算効率の低下を防ぐため、前処理に必要な演算も自プロセッサー内に保持される情報のみで完了するような工夫がなされ、そのような工夫を局所化と呼ぶ。しかし、局所化することにより前処理の効果は低減し、共役勾配法の収束性は悪化する。そのため、本研究では、並列有限要素法に局所化された前処理を適用し、前処理された行列の条件数を算出し、共役勾配法の反復数とあわせて局所化による前処理の効果の低減の度合いを評価した。
O13 メッシュフリー法の数理
  • 萩原 世也, 津乗 充良, 池田 徹, 宮崎 則幸, 渡辺 隆之, 金 伝栄
    セッションID: O13
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    エレメントフリーガラーキン法は有限要素法(FEM)で必要とされる節 - 要素のコネクティビティ情報なしに構造物の解析を行うことができるメッシュレス法の一つであるエレメントフリーガラーキン法(EFGM)をベースとして,それらとともに破壊力学パラメタ解析コードの作成を行い,また,入出力プリ・ポストプロセッサとなるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を開発し,ユーザフレンドリな構造および破壊解析のGUIを備えたインテグレートシステムを開発を行った.
  • 増田 佐知子, 野口 裕久
    セッションID: O13
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    Wavelet法を用いてシェルの解析を行った.曲面の幾何学形状はマッピング法を用いて2次元空間に写像し,仮想仕事の原理におけるひずみと応力の成分表示には埋め込み座標系の基底を用いている.この定式化は面外せん断変形を許すものであるが,キルヒホッフの制約条件が成立する非常に薄いシェルの解析においてせん断ひずみエネルギーの過大評価により精度が極端に落ちるshere locking現象が起こることで知られている.また曲率を持ち伸びが生じないという制約条件の成立する薄いシェルの解析では、membrane locking現象も起こる.これらを回避するために、面内変位場,面外変位場,回転場に対し,制約条件を満たすことができるように異なる次数のBスプライン関数を基底に用いる手法を提案した.この手法を用いることで完全にlockingが回避できることを数値解析例によって示し,wavelet法の有用性を示した.
  • 吉野 京太郎, 稲葉 正和, 藤澤 智光, 矢川 元基
    セッションID: O13
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    有限要素法による亀裂進展問題の解析では、頻繁にメッシュの再生成を行う必要があり、大規模解析ではメッシュ生成の処理時間の増大が深刻なものとなる。さらに、従来のメッシュ生成法には逐次的な処理が多く含まれるため、超並列解析においては、メッシュ生成部分が解析全体の致命的なボトルネックとなってしまう。一方で、節単位で有限要素解析を進めるフリーメッシュ法では、各節の周囲に局所的に要素を生成することにより、要素生成から求解までをシームレスに並列処理することが可能である。しかし、従来のフリーメッシュ法で複雑形状を取り扱うためには、極端に検索半径を大きくとる必要があり、計算量の増大が著しかった。本研究では、多階層型バケットと包装法を応用することによって、複雑形状に対しても高速でロバストに局所要素を行えるアルゴリズムを開発した。さらに、亀裂進展問題の並列解析を行い、その並列化効率について検討を行った。
  • 藤澤 智光, 矢川 元基
    セッションID: O13
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    フリーメッシュ法では、各節の周囲に局所的な要素を生成させながら有限要素解析を行う。この局所要素生成では、空間中のの配置が定まればデローニ分割が一意に決定することを利用して、節毎に独立した処理を行う。したがって、性質のよい有限要素で解析を行うためには、節を適切な位置に配置することが重要となる。一方、MacQueen法は、重心ボロノイ分割の生成(ボロノイ多角形の生成がその多角形の重心と一致しているような列)を確率的に求める方法であり、これで得られた列を用いてデローニ分割を行えば、アスペクト比のよい有限要素メッシュを得ることができる。本研究では、MacQueen法に近似した処理を並列計算機環境で実現するアルゴリズムを開発した。さらに、この並列節生成法をフリーメッシュ法に応用することにより、節生成から有限要素解析までを完全に並列処理することを可能にした。
G09 微分方程式(1)
G10 微分方程式(2)
  • 矢野 忠, 江沢 康生, 和田 武
    セッションID: G10
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    Schroedinger方程式またはSturm-Louville型微分方程式の固有値をspline関数を用いて、改良したMilne-spline法でいくつかの例外的な場合を除いて、よい精度で求められることを示してきた。1992年の文でCoulombポテンシャルと距離の2乗、3乗に反比例するポテンシャルをもつSchroedinger方程式の固有値が精度よく求められないと推測していたが、今回の計算で精度よく求められることがわかった。さらに、解析的解の分かっていない場合として我々が以前に導いていた、初期宇宙の内部空間を表す方程式について、その内部空間の基底状態のエネルギーを非正準量子化した場合と非アインシュタイン重力の場合について求めた。これらの基底状態が存在することから、宇宙の内部空間が安定に存在することが確からしいことを示した。
  • 江崎 信行, 三井 斌友
    セッションID: G10
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    移流拡散方程式の特性曲線差分法等で出現する変係数線型常微分方程式、
    y'=L(t)y+F(t)
    を安定に解く「並列化向きROW型数値解法」について、スキームをより一般的に拡張して、4次以上の公式の構成を考える。そして、その公式についての数値的収束性を解析する。また、実際に並列計算機上で例題に対する数値実験を行い、数値的収束性や安定性、並列化効果を確認し、従来の方法と比較・検証する。
G11 微分方程式(3)
G15 アルゴリズム
  • 山田 進, 佐々 成正, 林 昌世
    セッションID: G15
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    マルチグリッド法(多重格子法)は連立一次方程式を高速に計算できる反復解法であるが、この手法は計算過程で粗い格子を必要とするため、構造格子のように粗い格子を容易に得られるような問題にしか適用できない。この困難を解消するため、係数行列の情報から粗い格子を作成することのできる代数的マルチグリッド法(AMG)が提案されており、この解法は非構造格子からなる問題でも適用することができる。しかし、AMGは粗い格子を作成するために、セットアップと呼ばれる計算を行う必要がある。また、粗い格子ごとに係数行列の情報を保存する必要があり、大量のメモリを必要とする。そこで、本研究ではAMGの並列化についての調査を行い、並列化の方法について考察する。また、それに基づいて実際に並列化し、その解法の並列性能等を紹介する。
  • 塙 敏博, 生野 壮一郎, 神谷 淳
    セッションID: G15
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    プラズマのMHD平衡解を求める場合,Grad-Shafranov方程式の境界値問題は非線形固有値問題となる.同問題は非線形であるため,線形化した後SOR法を用いて計算し,固有値,関数値の近似値を修正しながら反復する手法を用いている.そのため,計算に時間を費やしてしまうという欠をもつ.さらに,殆どの計算は線形化方程式を解く手続きに費やしていることがわかっている. SOR法等の収束速度は長波長成分誤差の緩和速度に依存していることが知られている.一方,Multigrid法(MGM)は長波長成分誤差を高速に緩和する手法である.プラズマMHD平衡解は長波長成分を主にもっており, MGMが最適な手法であると考えられる.本研究では,MHD平衡解析にMGMを適用し,さらに,Message Passing Interface (MPI)を用いて並列化を行うことにより計算速度の向上を図る.
  • 永吉 宏之, 等々力 賢, 鈴木 篤之
    セッションID: G15
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    人工知能の分野では、結果が明確、取り扱いが容易、等の理由により、ゲームの研究が行われてきた。その中で囲碁は1局面あたりの可能な手の数が多いため、探索する局面数が非常に大きく、チェスにおいて有効であったコンピュータの演算速度に頼った全幅探索法を用いて強いプログラムを作成することは困難である。そのため、強い囲碁プログラムを作成するためには探索する局面数を減らすことが必要である。従来、探索する局面数を減らすためにパタンなどの外部から与えられた知識を用いることが行われてきたが、評価関数との整合性を無視していた。そこで本研究では、外部知識を用いず、2つの指し手の評価値の間に成り立つ加法的な性質を利用し、2手間の距離に着目することにより統計的な処理を行うことにより、評価関数との整合性を持ちつつ探索局面数を小さくした手法を提案し、その有効性を示す。
G16 計算代数・離散数学
G17 情報理論・ソフトウェアの数理
  • 平松 章, コラコット プラチュムラク, 渕田 孝康, 村島 定行
    セッションID: G17
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    画像の可逆フラクタル表現の研究に関連して、離散画像の画素値をその解とするある種の連立方程式が現れた。フラクタルは画像の自己相似性を利用して画像を再現するがその際画像の中にドメインとレンジという縮小写像の関係にある領域対を探す。レンジで画像全体を蔽うようにし、それぞれのレンジに対して最適のドメインを探し、繰り返しドメインをレンジにコピーすれば元の画像ににたものが再現することは知られている。可逆フラクタル表現の実現には各画素値をアトラクターとする連立方程式が必要で、コピーを繰り返して画像を再現させるフラクタルの手法に合わせて、逐次近似型の解法を採用する。講演ではこの種の連立方程式の作り方と性質、画素値への収束の様子を述べ、可逆フラクタル表現の実現法、画像の可逆フラクタル表現が可能であることの意味などを議する。
  • 林 隆史
    セッションID: G17
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    ある位相差範囲内で、相関函数の値が0となるもの(位相差0の自己相関を除く)ものをZero-correlation-zone 系列(1次元)やZero-correlation zone行列(2次元)と呼ぶ。Zero-correlation zone 行列ものは、1次元のZero-correlation-zone系列を単純に拡張することでも生成できる。しかしながら、2次元であることを利用することによって、相関函数が0となる範囲を3倍まで高めることができるがわかった。本発表では、その方法と得られた行列の応用について論じる。
  • 山内 俊哉, 浦出 航平, 菅原 篤志, 村田 誠治, 山口 富士夫
    セッションID: G17
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    同次処理に基づく整数演算を用いることにより,多面体ソリッドモデラの集合演算の安定化を実現することができる.ソリッドモデラでは,ソリッドの座標変換と集合演算を繰り返してソリッドを作成する.同次処理に基づく整数演算を利用した場合,これらの過程において,整数値を表現するデータ長が際限なく増大していくことが問題となる.そこで,ソリッドモデラにおける整数値の最大データ長を制限する手法を提案する.この手法では,基本ソリッド及び座標変換行列のデータ長を制限し,集合演算をおこなう一方のソリッドを基本ソリッドに限定する.この手法を用いることにより,集合演算により作成されたソリッドの整数値の最大データ長を制限することが可能となる.
  • 秦野 和郎
    セッションID: G17
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    パソコンやディジタルカメラなどの低価格化、普及に伴って画像データを扱う機会が急速に増えてきている。画像データを扱う多くのソフトウェアが開発、販売されており、それらを使えば大抵のことは可能である。しかし、欠がない訳ではない。ここで問題にする画像解像度の変更も、データによっては好ましくない結果を与えることがある。たとえば、グラビア写真のような印刷物をスキャナで数値化すると、高い空間周波数域のノイズを含む画像データが得られるが、このような画像デー他の解像度を小さくすると(画素数を減らすと)高い周波数成分が低い周波数域に折り返されて画像の一部または全域に縞模様が現れる。反対に補間式を使って画像の解像度を大きくすると(画素数を増やすと)へりがぼやけてしまう。この現象がどのようなメカニズムで発生するかを二次元データの離散フーリエ展開の公式を使って検討した。
  • 辻 久美子, 青柳 美輝
    セッションID: G17
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    立体物体を3角形分割して認識する方法は現在広く行なわれている。そこで立体物体を四面体により分割しその集合体としてその物体を認識することを考えたとき、3角形を認識することが重要であることがわかる。そこで、いくつかの3角形がカメラで撮影された場合について考察し3角形の内接円の画像が認識に有効であることを著者らはすでに示したしかしアフィン変換に対して示しカメラ角度が制限される問題があった。この文ではカメラ角度を拡張することについて考察した。すなわち、投射 (perspective projection)に対し、内接円の画像の接がわかれば三角形が認識できることを示し、カメラ視の方向と3角形の面がなす角度を未知数とした方程式の数値計算のアルゴリズムを確立する。
  • 栃木 敏子, 伊東 拓, 櫻井 鉄也
    セッションID: G17
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    従来,Web上の数式はgifなどの画像に変換して表示を行っていたが,MathML(Mathematical Markup Language)を用いることで,数式の意味を記述することが可能となった.一方,Latent Semantic Indexing(LSI)法は,特異値分解に基づいて検索対象データと検索語の距離を計算し,近いものから順位付けを行う.本文では,MathML化した数式を検索対象として,LSI法を用いて数式の意味的検索を行う方法について述べる.Web上の数式に対して検索を行った実験例についても報告する.
9月21日(第1室~第6室)
O01 宇宙機システムにおける数理
  • 永井 大樹, 二俣 亮介
    セッションID: O01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    衛星の熱解析を行う際に、解析の対象物が大きくなったり複雑になったりすると、解析で用いる熱数学モデルの作成に多大な時間と労力が必要となる。従って、熱解析を効率よく、短時間に行うためにCADシステムを導入した解析手法が取られるようになっている。これにより、形状モデルの作成や変更に対して素早く対応することが可能となっている。本講演では、このCADシステムを利用した衛星熱設計手法と予測精度に関して、今年2月に打ち上げられたH2A2号機に搭載された実証衛星MDS-1を例として話をする。
  • 児子 健一郎
    セッションID: O01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    大型構造物を有する技術試験衛星VIII型の設計時見積もりの柔構造特性評価や制御系チューニングを目的として、柔構造物特性を軌道上で正確にシステム同定する実験を計画中である。この衛星の数値シミュレーションでのイナミクスモデルにおける非線形項として、柔構造物の関係するトルクと角速度ベクトルに影響される項がある。この項を通常微小として切り捨てる立場と切り捨てない立場があるが、切り捨てない場合は、同定精度が若干悪くなることが、検討の中から分かった。この項を予め除去するなどの前処理をしてからシステム同定を行うなどの方策が考えられる。本稿では、同定結果に与える影響とそれに対する考察を述べる。
  • 谷脇 滋宗, 狼 嘉彰
    セッションID: O01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    衛星姿勢制御用リアクションホイール(RW)は,主要な内部擾乱源であり,衛星システム設計においては擾乱特性を評価する必要がある.特に,次世代の高精度地球観測衛星や宇宙観測衛星では,これまでよりも低周波側を含む広帯域での擾乱管理が必要とされ,さらにその許容振幅も厳しいものとなっている.このような擾乱特性を評価するうえで,擾乱実測方法についても従来の方法では対応が難しくなっている.そこで本研究では,従来の方法では測定精度が不十分な低周波側の擾乱測定に優位な測定装置を設計・試作し,RWエンジニアリングモデルの擾乱を実測した.さらに,RW内部構造と擾乱との関係を明らかにするために,RW数学モデルを構築し,動力学解析を行った.特に,RW内部のロータ角速度と同期する擾乱以外に,より低周波微小擾乱が実測できたこと,RW内部玉軸受の接触条件と擾乱との関係を数値解析により定量的に評価したことが本研究の成果である.
  • 元田 敏和
    セッションID: O01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
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    ロケットや宇宙往還機などの宇宙機の誘導制御系は数学モデルに基づいて設計されるが、現実には空力モデルやアクチュエータモデルに含まれる機体モデル誤差、センサの計測誤差、環境条件の誤差など様々な不確定要因が存在する。このような条件の下においても打ち上げ時において、目標とする性能を達成することが求められる。したがって宇宙機の設計においては、システムの事前評価が極めて重要となる。モンテカルロシミュレーションは様々な不確定要因をランムにかつ同時に加えて数多くの飛行シミュレーションを行うものであり、非線形システムの不確定要因に対するロバスト性を直接評価できる実用的な方法である。本稿では航空宇宙機に対するモンテカルロシミュレーションによる評価と誘導制御系設計への応用について述べる。
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