日本応用数理学会年会予稿集
最新号
選択された号の論文の217件中1~50を表示しています
9月19日(第1室~第6室)
S01 分子動力学の数理
  • 飯高 敏晃
    セッションID: S01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    We introduce Order-N algorithm for calculating linear response functions
    by using polynomial expansion method and its applications.
  • 光武 亜代理, 杉田 有治, 岡本 祐幸
    セッションID: S01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    "我々は、シミュレーションを行う際、エネルギー極小状態にトラップされない効率の良いサンプリングを行うために、拡張アンサンブル法を用いてきた。拡張アンサンブル法とは、従来のカノニカルモンテカルロ法が、ボルツマン因子に基づいてサンプルするのに対し、非ボルツマン因子を用いて状態を効率良くサンプルする方法である(マルチカノニカル法、シミュレーティド・テンパリング法、レプリカ交換法)。最近、従来の方法を結合することにより、新しい拡張アンサンブル法の開発を行った(レプリカ交換マルチカノニカル法、マルチカノニカルレプリカ交換法(Y.Sugita and Y.Okamoto,Chem.Phys.Lett.329(2000)261)、レプリカ交換シミュレーティッド・テンパリング法(A.Mitsutake and Y.Okamoto,Chem.Phys.Lett.332(2000)131)(review; A.Mitsutake,Y.Sugita,and Y.Okamoto,Bioplymers(Peptide Science)60(2001)96)。ここでは、これらの方法について述べる。"
  • 米谷 佳晃, 横井 康平
    セッションID: S01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    自然界では、温度と圧力の条件や作り方が違えば、同じ分子でも様々な結晶構造を形成する。分子動力学(MD)シミュレーションでそのような結晶構造を発生させるアプローチの1つは、結晶-結晶相転移を誘起することであるが、それには1つの困難がある。それは、相転移が構造あるいはエネルギーの大きな変化を伴う場合には、転移前よりも転移後の結晶構造の方が安定であったとしても、現実的に可能なシミュレーション時間内にはなかなか起こらないことである。この問題の解決策として、定圧MD法で用いる可変MDセルの形のゆらぎを増大させ、結晶-結晶相転移を促進することを提案する。これは、分子系とMDセルを別々に温度制御し、結晶の秩序を失わないように分子系の温度を低くしておきながら、MDセルの変形を大きくするようにMDセルの温度を高くしておくことにより可能になる。講演ではその方法のベンゼン結晶への適用例を示す。
  • 宮崎 慶, 岡野 大和, 泰岡 顕治
    セッションID: S01
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    LNGやCNGに代わる天然ガスの貯蔵手段として,水を含む結晶状態であるクラスレートハイドレートが注目されている.クラスレートハイドレートは水分子が籠状の構造を持ち,その中にゲスト分子と呼ばれる分子(たとえばメタン)などが包摂されてできている結晶である.本研究では貯蔵の基礎的研究として,メタンハイドレートの分解・生成過程を分子レベルの知見を得るために,分子動力学シミュレーションを行った.分解過程の結果から,メタンを包み込んでいる籠が崩壊した後に,慶賀平衡状態に向かうまでに要する時間が長いことを見いだした.また,分解・生成過程の結果より,メタン分子同士が互いに近距離にないことが,生成を促進する可能性があると考えた.
K03 特別講演03
  • 三村 昌泰
    セッションID: K03
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    1952年、A.Turingによって形態形成、細胞分化過程など生物系に現れる重要なイベントに拡散導入不安定性が本質的な役割を果たしていることが主張され、そこに反応拡散系がモデルとして登場したのである。残念ながら、彼の理論はあくまでも数理の視点からの主張であったため、生物界においては認められなかったが、その後1990年代に入り、彼の理論は実際の化学反応系において確認され、「拡散導入不安定性理論」」は非線形非平衡系理論において花開き、自己組織化、散逸構造などの言葉で語らえれることになったのである。本講演ではバクテリアコロニー形成、微小重力場の燃焼、自己触媒反応等非線型非平衡現象を紹介し、それらを記述する数理モデルを数理解析とそれを相補する計算機解析をハイブリッドに用いる計算機支援解析法から考察し、系が示す多用な時空パターン形成・変貌を理解する。
W02 自己組織化現象の数理モデルとシミュレーション
  • 山本 啓三, 宮島 佐介, コーシャル ラジンダー, 山田 裕子, コーシャル マンジュリカ
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    " 我々は前回の講演で高額所得のランキングがベキ乗を示す簡単なモデルを提案した。今回はそのモデルがどうしてベキ乗を示すのかについて検討した。我々はこのモデルがベキ乗を示すのはフラクタル性によるものと考えている。そのフラクタル性を示すの原因はその機構内に入れ子構造が存在するためと考えている。そこで、このモデル内にどのような仕組みで入れ子構造が構成されるのかを調査した。システム内の構成員が現在の所有額になるまでに何人の人たちと競争したか。その競争に参加した者を一つのtree構造のまとめ、そのtreeの大きさ(参加者数)とその件数についてのフラクタル性を調査することにより、構成されている入れ子構造を見つけることができた。 treeの大きさ=(順位)^-1.96 , treeの数=(treeの大きさ)^-1.57"
  • 望月 敦史
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    魚類の体表の縞模様には2つの一般的な特徴がある。第1に体軸に平行な縞と垂直な縞の2つのタイプが普遍的であり、それ以外の縞は少ないこと。第2にごく近縁の種であっても、全く異なるタイプの縞模様を持ちうることである。これまで魚類の体表模様の自律的形成は、反応拡散機構により説明されてきたが、これらの強い方向性については説明されていない。皮膚の空間構造に注目し、特定方向には物質がより速く移動するような異方的拡散を取り入れたモデルを、数値計算と解析により研究した。その結果、縞模様形成に関わる複数の物質の間で拡散の異方性がわずかでも異なると、得られる縞の方向が定まると分かった。またその方向は、異方性の大小関係により、異方的拡散の方向と平行であるか垂直であるかのいずれかに決まる。以上より魚類体表の一般的特徴がうまく説明できる。時間が有れば生物の形態形成について数理モデルを用いた研究を他にも紹介したい。
  • 長山 雅晴
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    円盤状のカンフェンを水面に乗せると,間欠的に運動することが実験で報告されている.カンフェンは界面活性剤の一つであることから,水面の表面張力が変化することで対流も発生している.カンフェンの間欠運動にはこの対流現象が大きく関与しているのではないかと考えられている.本研究では対流現象を考慮した数理モデルを考えることによって間欠現象と対流の関係を考察する.
  • 眞山 博幸
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    熱力学的開放条件下で1次相転移(凝縮状態とランムコイル状態の2状態間の高次構造変化)を示すT4DNA単分子鎖が、自ら時空パターンを作り出す現象(周期的な高次構造変化)について報告する。具体的には、メゾスコピックな1次相転移系の外場応答性と局所的な非平衡条件を競合させることで、時空間パターンが発現すると予測し、次のような実験を行った:cw Nd:YAGレーザー(波長 1064 nm)の光ピンセットを用い、レーザー焦に局所的に熱力学的開放条件を構築して非平衡度(局所加熱による温度勾配)を設けると同時に、そこにDNA凝縮体を捕そくした(予め局所加熱により凝縮状態のDNAが解けるように1次相転移の温度依存性をデザインした)。その結果、周期的な高次構造変化が観測された。理的には熱力学的開放条件下に配置されたメゾスコピックな1次相転移系から発現するリミットサイクル振動として記述される。
  • 朝倉 浩一
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    開放化学系において自触媒過程が機能すると、平衡から遠く離れた秩序が自己組織化されることがある。この場合、孤立系では秩序の破壊者である反応及び拡散といった散逸過程は秩序の創造者として機能するため、このような秩序は散逸構造と呼ばれ、生命現象はその代表例といえる。様々な自己組織化現象を説明する非線形動力学モデルが、これまでに数多く提案されてきたが、これら数理モデルの全てが実際の化学系における自触媒機構を詳細に考慮したわけではない。本発表では、反応速度が生成物濃度に単純に比例して増加するような一次の自触媒系は実際には稀であり、より複雑で高次の自触媒過程が機能したために、化学系に自己組織化がもたらされる場合が多いことを紹介する。また、化学反応の進行を数理的にシミュレーションすることにより、化学系における自触媒反応機構が解析された結果を報告する。
  • 有尾 一郎, 高橋 浩樹
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    古典的な対称性の研究は,その対象とする系に対称性が存在するか否かということに力がおかれてきた.近年,いくつかの動的現象に対して対称性が見え隠れする事実が発見され,数学的な解釈がなされてきた.たとえば,ミルククラウン現象は,ミルクの滴が液面に落下した瞬間に一様な液面から円形(無限対称性)の壁が立ち上り,その先端からいくつかのミルク玉が跳ね上るとき有限な対称性へ低下する典型的な物理現象である.このように対称性が低下することを「対称性の自発的破れ」あるいは単に「対称性の破れ」と呼ばれている。近年対称性の利用法として群の表現に基づくブロック対角化法(BDM)が,MUROTA・IKEDAらによって対称構造物の並列FEM解析法として開発されてきた.一様に均質な構造系には幾何学的要因が暗黙のうちに隠れており,本研究は群積の変換則を開発することによって,高次対称性からの対称性破れ現象の過程としてとらえ、系の階層的対称性の喪失の仕組みを数値解析的に明らかにする.すなわち,周期境界を持つ格子構造を仮定し,群積(群のテンソル)で記述されたBDMを用いることによって,「隠れた対称性」と対称性の系列を数値的に見つけ出す.この群積によって,ある均質場に支配される偏微分方程式を対称性を張る空間に変換し,系の階層的対称性の喪失レベルを変換後の行列表示にて追跡し,対称性の階層構造を再現する方法を提案する.
  • 志澤 一之
    セッションID: W02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    金属結晶中に存在する膨大な集団転位の自己組織化によって発現するPSB構造やCell構造の数理モデルを複雑系の熱力学に基づいて,可動転位密度と不動転位密度の連立反応-拡散方程式として構築する.得られた方式系に線形安定性解析を施し,Turing構造の発生条件および自発的特性長を予測する.また,上記の反応-拡散方程式に対する数値シミュレーションを行い,PSB構造ならびにCell構造の2次元空間パターニングの形成過程を再現する.
K02 特別講演02
  • 石川 史郎
    セッションID: K02
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    「測定なくして科学なし」とは昔から言われている言葉であり、「測定」の重要さは誰もが認めるところである。ところが、「測定理論」と称されるべき科学理論が一般に認知されているかというと疑問であると思う。このような状況を踏まえて、この講演では、「 測定理論 」のあるべき姿としての一つの提案をしたい。まず、システム理論は次の式からスタートするのが標準である。
    dx(t)/dt=f(x(t),u1(t),t), x(0)=x0 (状態方程式)
    y(t)=g(x(t),u2(t),t) (測定方程式)
    また、量子力学は次の形で書ける。「量子力学」=「Schrödingerボルンの測定理論」すなわち、システム理論と量子力学は同じ形-「時間発展のルール」と「測定」-で定式化されている。ここで我々は上の二つの「測定」を統合し、一つの抽象的な「測定理論」を提案する。この理論はシステム理論、量子力学においては基本的であることはその構成方法から当然であるが、統計学、情報理論等も統一する基礎理論であると考える。
R03 精度保証付き数値計算の最近の話題(1)
  • 小林 健太
    セッションID: R03
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    水面波の運動を記述したNekrasov方程式の正値解については、局所的な一意性は知られているものの、大域的に一意であるかは長い間未解決問題であった。
    我々は数値的検証法を用いることによって、この方程式の正値解の大域的な一意性を証明する事ができた。
  • 荻田 武史, 大石 進一
    セッションID: R03
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    一般密行列に対する連立一次方程式の数値解の精度保証には,バナッハの摂動定理に基づいた方法がある。その方法を大別すると,(1)LU分解とその事前誤差評価を利用した方式,(2)LU分解の逆行列を利用する方式,そして,(3)逆行列を利用する方式,があり,順に計算量が少ない。特に,(1)の方式は数値解を得る手間と同じ計算量で数値解の精度保証が可能である。しかしながら,扱う行列のサイズが大きくなると,(1)の方式では事前誤差評価で得られる誤差がかなり過大評価となり,場合によっては精度保証が失敗することがある。本報告では,PCクラスタ上で最大1万次元程度の大規模な密行列系に対して上記の精度保証法を適用し,それぞれの方式の適用可能範囲と性能を示す。
  • 中尾 充宏, 渡部 善隆
    セッションID: R03
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    2階楕円型境界値問題の解の数値的検証では、これまで、問題を有限次元へのprojectionとその誤差部分の二つに分け、前者には区間Newton型反復の直接計算を行い、後者には誤差のa priori評価による逐次型反復を用いてきた。対象方程式が1階微分の項を含まない場合には、実用上十分効率的であることが既に多数の検証例から実証されている。これは、前者はNewton法の局所縮小性が働き、後者には近似空間の近似度を上げれば必ず縮小化が起こるという検証原理が基盤になっている。一方、1階微分項をともなう場合には、後者で評価した誤差が適切に有限次元反復に反映されず、その結果、近似空間の近似度を上げても検証達成が困難な場合が起こりうることが判明した。ここでは、そのような難を克服する一つの方法を提案し、それが実際に有効であることを検証例を挙げて示す。
  • 杉浦 洋, 加藤 智之
    セッションID: R03
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    複素変数の四則演算,指数関数,対数関数などの基本関数について,入力変数ベクトルの定義域を多重円板(各変数の定義円板領域の直積)で与えたとき,その値域を包含する円板を計算するシステムを円板算法システムという.このシステムにより,基本関数による任意の合成関数について,変数の変動による関数値の変動の厳格な評価がえられる.
    さて,基本関数に対しては,入力多重円板上でその関数が解析的かどうかは簡単に判定できる.合成関数に関しては,円板算法システムにおけるその関数の計算過程で,全ての基本関数に対する入力多重円板が特異を含まなければ,その入力多重円板上で解析的である.
    この原理による,複素関数の解析性の判定能力をもつ円板算法システム,Cdomain とその応用について発表する.
R03 精度保証付き数値計算の最近の話題(2)
O12 変分法と関連する数値計算
R06 メッシュ生成の数理と実際(1)
  • 小野寺 誠, 西垣 一朗, 針谷 昌幸
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    近年,3次元CADで作成したCADモデルを解析形状としてCAEに利用することにより,製品の信頼性向上,開発期間の短縮が図られている.しかし一方では,CADシステムの中では特に問題を生じない微小形状であっても,このCADモデルを直接解析に利用した場合,この微小形状付近に歪みの大きい解析メッシュが生成され解析精度が悪化するといった問題が生じており,この微小形状を修正する作業が頻繁に発生している.また、CADモデルは実製品形状を厳密に表現しているため,これから作成される解析メッシュの要素数が増大し,解析計算時間が膨大になるという問題も生じている.そこで、本研究では解析作業時間の低減,解析信頼性の向上を目的に,CADモデルを解析に適した形状に変換する3次元CAD/CAE連携技術を開発した.
  • 今里 淳, 酒井 譲
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    近年、解析者に解析モデルのメッシュを意識させない手法としてメッシュフリー解法の研究が盛んに行われている。メッシュフリー解法には種々あるが、この中で矢川らは有限要素法を基礎とし要素の情報は解析プロセス内部で局所的に生成するフリーメッシュ法を提案している。本研究ではフリーメッシュ法を実際の3次元問題に適用する上で、必要となる局所要素の生成理、節間の結合情報によらない解析モデルの定義について考察を行い、フリーメッシュ法による3次元ソリッドモデルへの解析システムを提案した。さらに本研究で構築した3次元フリーメッシュ法解析システムにCADで作成した3次元モデルを適用し、その有効性を検討した。
  • 下向 建秀, 荒木 教弘, 伊藤 亮平, 岩本 知治, 古川 茜, 神田 英貞
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    楕円型格子生成法は古くから用いられてきた手法であり、応用範囲も広い。本研究では、基本となる生成過程から実際の計算機上への実装及び可視化までの工程、並びにいくつかの応用例を示す。
  • 新山 健二, 加瀬 究
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    著者らは新しい枠組みのCADであるV-CADのデータを利用したメッシュ生成機能の開発を行っている。V-CADとは、物体の形状を表面のデータだけでなく、対象とする領域全体に配置されたセルと呼ばれる体積要素(ボリューム)を用いて表現するものである。物体形状を、中身を含む実体として表現することによって、既存のサーフェースCADでは困難であったCAEとの密接な連係を実現することが期待される。既にV-CADのデータ構造を直接利用した解析手法の検討が行われている。本講演では、既存の解析手法を利用する際に必要となるV-CADを利用したメッシュ生成機能の開発について、実際のデータに適用した例と併せて示す。
R06 メッシュ生成の数理と実際(2)
  • 稲葉 正和, 藤澤 智光, 奥田 洋司, 矢川 元基
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    空間中に分布するの集合から、三角形あるいは四面体の集合を得るデローニ分割は、得られた分割図形の外接円あるいは外接球の中に他のを含まないという性質を持ち、有限要素法のメッシュ生成法として広く用いられている。しかしながら、一般にデローニ分割を得るアルゴリズムには幾何学的な処理が多く含まれているため、計算機にとって負荷が重く、特に、大規模なメッシュ生成において計算時間の消費が著しいものとなる。そこで、本研究では、組み合わせ問題へ帰着させることによって、デローニ分割を高速に行うアルゴリズムを開発した。まず、全節を多階層型のバケットに格納した後に、各節が属するバケットとそれに隣接するバケットの組み合わせによって、高速にデローニ分割に近似した分割を得る。次に、厳密にはデローニ分割になっていない部分について修正処理を行う。以上の処理は節単位に行われ、高効率な並列処理が可能である。
  • 柳谷 貴之, 神田 英貞
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    管入口にベルマウスを持つ円管流の解析は少ない。本研究ではベルマウスの形状が円管流に及ぼす影響を研究した。管内の流れ場を差分法で解くことになるがそのときに生成する構造格子について研究する。その格子依存性を調べ、最適な格子を作る事を目指す。特に流入する境界部分では半径方向の格子幅が解に大きく影響するため境界条件の決め方と共に格子生成法を研究する。また、解適合格子についてもその有用性について考察する。
  • 山田 敦, 吉澤 武朗, 井上 恵介, 土井 淳
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    3次元形状に対して6面体メッシュを生成するための1つの手法として、認識モデルと呼ぶ立体を中間データとして生成する手法がある。認識モデルとは整数空間の立体であり、その構成面が全て座標平面に平行な面のみにより構成される。認識モデルの頂座標値は整数値で表現される。基形状の概形を模倣する認識モデルを生成できれば、それを1x1x1サイズの要素に格子状に分割しその格子を基形状に当てはめることにより、6面体メッシュを生成することができる。しかし自己干渉を含む認識モデルが生成された場合にはこのような格子状の分割が不可能となる。また認識モデルの幾何形状が基形状と大きく異なる場合には、生成される6面体メッシュの質が低下する。これら問題を解決するために本研究では、自己干渉しないための条件を制約条件とし、基形状の模倣度合いを目的関数に含む整数計画問題を解くことにより、認識モデルの頂座標値を決定する方法を提案する。
  • 江連 真一, 奥田 洋司, 中島 研吾
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    大規模並列有限要素解析を行うにあたり,メッシュ生成等のプリプロセスは,可視化処理等のポストプロセスと共に大きな問題となる.これらの処理はグローバルな領域を扱う必要が生じ,かつGUI操作等を伴うために並列化が難しい.そのため,単一プロセッサでは取り扱うことが不可能な規模のメッシュ生成は事実上不可能となる.
    本研究では,並列計算機を利用して,単一プロセッサ上でメッシュ生成が可能な疎な初期メッシュデータから,大規模並列有限要素解析のための密な並列メッシュデータを作成するソフトウェアをParallel Mesh Relocatorと称し開発を行ってきた.このソフトウェアは,領域分割を行い,その後に,要素の階層的な細分割により要素を発生させることで大規模並列メッシュデータの作成を可能にする.本講演においては,開発したソフトウェアによる大規模並列メッシュ生成の実例を示す.
  • 篠田 淳一, 程 文杰, 萩原 一郎
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    ここでは散乱群からのメッシュ生成について考える。平面上の散乱群からの三角形メッシュの生成に関してはDelaunayの方法が有名である。計算量低減のために、Lawson、Green、Sibson、Lee、Schachter、Cline、Renkaらによってさまざまなアルゴリズムが提案されてきた。一方、三次元空間内の散乱群からの三角形メッシュの生成に関しては、90年代に入って多くの手法が提案されてきた。これらの手法においては、例えば、複雑な形状に対しては、群を分割して射影などを用いて個々にメッシュを生成したりしているが、その際の結合の問題や、ソリッドメッシュなどの中間体の生成による計算量の増大などの問題があった。本講演では、射影などを利用せずに直接、三角形メッシュを生成する手法を提案し、さらにその妥当性について考察する。
  • O. Egorova, A. Gonenc, I. Hagiwara
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    Automatic control of aspect ratios and generation of adequate meshes for the surface case are provided by mathematical analysis of initial distribution for the given triangular meshes. In this analysis basic mathematical theory of probability, Monte Carlo simulation, analysis by means of corresponding parameters and improving meshes are to be employed. The parameters like expectation and deviation are derived form statistics. The modification of meshes is done due to predicted distribution by adding or / and moving points. The stop condition for cyclic way of application is the equality of sample mean to desirable aspect ratio. The deviation provides corresponding error. The unique combination of well-known techniques and statistical analysis in a special way give us the method to refine an arbitrary mesh automatically following the distribution of aspect ratios in each step Moreover this approach provides handling a large amount of data.
  • 谷口 健男, 真鍋 友和
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    有限要素モデル生成において要素形状の改良は重要な研究テーマである.一度得られたメッシュの質的向上の一つとして幾何学的な側面での質的向上が挙げられるが,その向上を直接出来ず,トポロジー的な修正を経て始めて可能となる場合が多い.一例として,2次元の三角分割を想定すると,1に集まる三角形の要素数が6の場合には60°の角度を期待できることから,平均的にに集まる要素数を6にすることが望ましいと言える.対象が3次元になった場合,そして対象とする数が膨大となったとき,一度得られたメッシュ分割について個々のに集まる要素数を平均化した後,個々のを移動させて,良好な形状をした要素群を作る方法の確立が望まれる.本研究ではn系に対する3次元ドローニー三角分割結果から,任意に選んだ1を削除した(n?1)系のデローニー三角分割と更に1を追加した(n+1)系デローニー三角分割をn系の結果から直接得る方法を提案する.
  • 前田 利博, 山下 英生, 野口 聡
    セッションID: R06
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    3次元電磁場解析においては、計算時間および解析精度の面で有利な六面体要素に注目が集まっている。しかし、六面体要素を自動的に生成するためのアルゴリズムは確立されていない。そのため、要素分割にかかる時間は多大なものとなっている。我々は先に形状認識と木構造を用いた六面体要素自動分割手法を提案した。この手法では、形状認識により解析モデルを直交座標系に割り当てる。しかし、円筒形物体を直交座標系に割り当て要素分割を行うと、扁平な要素が生成されてしまうといった問題が生じる。特に電磁場解析の分野では、モータや発電機といった回転機などは円筒形物体であり、解析精度向上のために扁平要素の少ない要素分割が不可欠である。そこで本手法では、解析モデルを円筒座標系に割り当てることでこの問題を回避している。本手法により、良好な六面体要素を生成することができる。また、要素に粗密分布を与えることもできる。
O10 ソフトコンピューティング
  • 尾崎 慎一
    セッションID: O10
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    本発表ではイオン濃度のクラスタリング処理を用いたニューラルネットワークによる重金属イオンの濃度定量手法を提案する。吸光分光分析によって吸光スペクトルとイオン濃度の関係のデータを得ることが出来る。それをもとに吸光スペクトルからイオン濃度を予測する場合、多くは一対多の関係となる。そこで、ネットワークインバージョン法によるフィードフォワード型のニューラルネットワークを用いた。具体的には、イオン濃度の範囲を複数に分割し、それぞれの範囲においてイオン濃度を線形変換によって正規化を行なう。そして、それぞれの範囲で個別に吸光スペクトルとイオン濃度の関係をネットワークを学習し、これを用いてネットワークインバージョンによってイオン濃度を予測することでより精度の高い予測が可能になった。提案手法を吸光分光分析に基づく実験に適用し、その有効性が確認されている。
  • 鄭 民仲, 吉村 忍
    セッションID: O10
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    "Many tasks in engineering involve the process of extracting useful information from unorganized raw data. However, the task of making sense out of a large set of multidimensional data is a challenging one. To understand the meaning of raw data, it helps if their complexity can be reduced.
    It is the purpose of this study to develop a new interpretation method for multidimensional data using an evolutionary clustering algorithm and demension reduction. We present some tentative conclusions and recommendation for further study."
  • 岩瀬 英仁, 劉 浩, 姫野 龍太郎
    セッションID: O10
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、数値流体計算用血管モデルをすみやかに構築するために、画像から血管輪郭を自動的に抽出する方法を提案した。画像における血管領域の認識は遺伝的アルゴリズム(GA)のパターン認識を用いた。血管領域のテンプレートを用いて、すばやく正確に領域を抽出することが確認された。認識された血管領域は、画像エネルギーを最小化することで輪郭抽出するSnakeとよばれている方法を用いた。輪郭の初期値を自動的に設定し、変分法により輪郭を抽出するものである。Snakeを用いることですみやかに輪郭が抽出されることが確認された。
  • 古川 知成, 吉村 忍
    セッションID: O10
    発行日: 2002/09/18
    公開日: 2003/03/18
    会議録・要旨集 フリー
    正確な有限要素法解析を行うには、ユーザーが定義すべき特性モデル(固体力学解析においては材料モデル)と幾何モデル(有限要素モデル)の両方が正確でなければならない。著者らは、連続変数空間用遺伝的アルゴリズム(CEA: Continuous Evolutionary Algorithm)に基づく逆解析アルゴリズムに関する研究を行ってきたが、それを逆解析エンジンとする、非弾性構成方程式のパラメータ同定システムADVENTURE Materialを開発した。本システムを用いることにより、実験データから自動的に正確な材料パラメータを同定することができる。なお、このシステムは、オープンソースソフトウエアである汎用並列有限要素法解析システムDVENTUREの1モジュールとして開発され、無料公開されており、誰でも自由に利用可能となっている。本文では、特に本システムの逆解析アルゴリズムと実例を通した性能について報告する。
R02 一般化優対角行列と対称正定値行列
W01 組合せ論のエマージングアプリケーション
feedback
Top