PLANT MORPHOLOGY
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12 巻, 1 号
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  • Atsushi Sakai, Lena Suzuki, Osami Misumi, Tetsuya Higashiyama, Tsuneyo ...
    2000 年 12 巻 1 号 p. 2-9
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Summary: We developed a method for isolating chloroplast-nuclei(nucleoids)from a unicellular green alga, Chlamydomonas reinhardtii, using cell-wall-deficient mutant(cw15)cells. Because the cells drastically change the structure of their chloroplast-nuclei during the cell division cycle, we synchronized the cell division under a 12: 12-h light: dark regimen, and collected cells in the 8th h during the dark period for use as starting material, when chloroplast-nuclei were granular in shape and scattered randomly within individual chloroplasts. The cells were converted to protoplasts and disrupted by repeated passages through a narrow-bore needle, and the intact chloroplasts were purified by Percoll density-gradient centrifugation. The chloroplast-nuclei were isolated from the purified chloroplasts following lysis with Nonidet P-40. The results of Southern and northern hybridization analyses suggested that not only structure, but also DNA synthesis and transcriptional activities of the chloroplast-nuclei might fluctuate during the cell division cycle of C. reinhardtii. Thus, the chloroplast-nuclei of C. reinhardtii may provide an ideal system for analyzing the structure-function relationships of DNA-protein complexes.
  • 金子 康子
    2000 年 12 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:発芽の過程でエンドウ種子中の幼芽を構成する細胞は、細胞内のプロテインボディやリピドボディに含まれる貯蔵物質を急速に分解・利用して、光合成などの機能を担う細胞へと発達していく。この間予想される、ダイナミックな細胞内構造の移動、分解、構築の様相を観察することを目的として高圧凍結法を試みた。凍結状態は試料によって一様ではなかったが、良好な凍結像が試料断面の大部分、厚さ約0.2mmにわたって得られることもあった。通常の化学固定像と比較して、全ての膜構造は滑らかで、細胞質や細胞小器官の基質の密度が高かった。また、膜の種類による電子密度の違いが顕著であった。吸水直後に細胞膜の内側を一面に覆っていたリピドボディが、数時間の間に発達中のプラスチドを取り囲む位置に集団で移動する様子が観察された。活発に移動していると推測される細胞内構造の付近に、多量の小胞体やマイクロフィラメントの束が存在していた。
  • 許斐 麻美, 釜澤 尚美, 高木 智子, 大隅 正子
    2000 年 12 巻 1 号 p. 20-31
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:加圧凍結試料の凍結置換剤に、極低濃度のオスミウム酸または酢酸ウラニウムを添加したことにより、試料に高いコントラストが得られ、S.pombeの免疫電顕試料における微細構造の観察が可能となった。とくに0.01%オスミウム酸-アセトンは、細胞壁や細胞骨格を明瞭に可視化し、一方、0.1%酢酸ウラニウム-アセトンは、オスミウム酸に比べて細胞質を良好に保存し、生体膜構造を明確にした。この方法により、従来の免疫電顕法では困難であった同一試料上での微細構造の観察と物質の局在の解析が可能になった。
  • 植田 勝巳
    2000 年 12 巻 1 号 p. 32-38
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:単細胞緑藻Micrasteriasでは、細胞分裂後生じる隔壁は膨れて半球、3葉、5葉となり、各小葉には更に成長過程で小突起が形成されて親半細胞と同型となる。子の半細胞の体積増加は、細胞壁の壁圧減少による吸水力増加の結果、水が細胞内に入ることにより起こる。僅かに高張な培養液中では、子の半細胞の体積増加は止まるが、細胞壁の形成は進行し、小型細胞を生じる。小型細胞は多くの場合、親半細胞と全く異なる形態をとる。このような異形小型細胞からも、常に正常な子の半細胞が生じる。2細胞を中央小葉で融合させたdouble cellを作り、そこから無核細胞その他を誘導し、核・細胞質の細胞突起形成への関与についても調べた。生長中の子の半細胞では突起の谷間になる部分で、原形質膜と細胞壁は強く結合していることが分かった。この結合によりこの部分へはゴルジ体由来の小胞が取り込まれず従って成長が起こらず突起の谷間になる可能性が高いことが示唆された。微小管は小葉が膨れて球形となるのを抑える位置に出現した。Micrasteriasの複雑な突起形成は、原形質膜と細胞壁の接着性と微小管の出現位置で説明可能と思われる。
  • Kohji Hasunuma
    2000 年 12 巻 1 号 p. 39-51
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Summary: An in vitro system to analyze light signal transduction inducing the morphogenesis of perithecia was developed. A crude membrane fraction prepared from wild type(band)mycelia was mixed with [γ-32P]ATP and irradiated with blue light for 1 sec at 0°C. Five sec after illumination, the reaction was stopped and the proteins were separated by SDS-polyacrylamide gel electrophoresis. The increase in the phosphorylation of 15 kDa protein was detected and the increase lasted till 15 sec after illumination. The 15 kDa protein was purified, identified to be nucleoside diphosphate kinase and designated to be NDK-1. The cDNA and genomic DNA for NDK-1 were isolated. A mutant with no phosphorylation activity of NDK-1 was detected among wc-1 strains as a double mutant. The mutation designated psp(phosphorylation of small protein)was separated from the wc-1 and mapped on LGVR. Wild type and psp formed perithecial beak at random places of perithecia in darkness. Under directional light parallel to the solid medium the wild type perithecia formed the beak facing upward. However, under the same light condition psp formed the perithecial beak at random places on the perithecia. The cDNA for NDK-1 isolated from psp was sequenced. We found that ndk-1 gene in psp included Pro 72 His replacement, and finally psp was determined to be ndk-1Pro72His mutation.
  • 日詰 雅博
    2000 年 12 巻 1 号 p. 52-59
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:裸子植物において,通常の染色体観察に加えてクロモマイシンA3とDAPIを用いる蛍光分染法とin situハイブリダイゼーション法により染色体を解析し,次の結果を得た。中国産トウヒ属Picea koraiensisとP. crassifoliaの染色体をFISH法により解析することにより,両種の染色体構造が類似していることが明らかとなった。カラマツ属13タキサを蛍光分染パターンにより6グループに分ることができた。カラマヅ属に特異的な基部DAPIバンドに局在する縦列型ATリッチ重複DNAを同定し,この配列が本属に共通して含まれることを明らかにした。イヌマキとソテツに,XY型の性染色体が存在した。マツ属のアカマヅとクロマヅにおいて,蛍光バンドに局在するDNAについて解析を行い,蛍光バンドと局在する塩基配列との関係を明らかにした。これらのDNAをプローブとする多色FISH法をアカマツとクロマツに適用することにより,染色体同定が可能であった。さらに,種間で同祖染色体の同定が可能であり,詳細な種間の染色体比較が可能になった。
  • 稲田 のりこ
    2000 年 12 巻 1 号 p. 60-67
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:老化は、発生の最終段階として、植物体の中の遺伝的プログラムの下に厳密な制御を受けて進行する過程である。我々は老化機構の解明を最終目的とし、先ず老化の開始から進行の過程を組織・細胞レベルで明らかにして来た。生活環が短く、構造が単純なイネの子葉鞘を主に材料として用い、その一連の解析の結果、自然老化と通気組織形成という二つの異なるタイプの細胞死の進行過程が詳細に明らかになった。組織レベルでは両者の進行パターンは大きく異なるが、細胞レベルでは、オルガネラDNAの分解や液胞崩壊などの極初期・また最終段階の主要な過程が、両者で同様に観察された。これらの結果は、全ての細胞で同一の死のプログラムが働いており、その進行が周囲の環境から大きく影響を受けていることを示唆している。
  • 唐原 一郎
    2000 年 12 巻 1 号 p. 68-78
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:カスパリー線は、その名の由来でもある19世紀のドイツの植物学者Robert Casparyによって存在が世に知らされた。以来、根における物質輸送の要としての機能とその重要性については明らかにされてきた一方、発達の仕組みについては余り調べられておらず今でもよくわかっていない。しかしその発達は植物生理学の視点のみならず植物形態学の視点からも興味深く、特にその芸術的ともいえる網状構造は、植物形態学を志す者にとって挑戦的でさえある。カスパリー線の形づくりについては、まだまとめるというほど十分な知見が蓄積しているとは言えないが、ここでは、これまでの知見を整理しながら、その形が私たちに示す課題を現代の視点で捉え直し、実験形態学的試みを含めて、それに対する様々な角度からの試みを紹介する。
  • 2000 年 12 巻 1 号 p. 82-88
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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