プロジェクトマネジメント研究報告
Online ISSN : 2436-2123
Print ISSN : 2436-2115
1 巻, 1 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
巻頭言
研究報告
  • –EVMの基本的な指数と指標のみによる意思決定の研究ノート–
    泉澤 聖一
    2021 年1 巻1 号 p. 2-7
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    EVMの数種類ある基本的な指数と指標は、コストとスケジュールの計画と実績を比較追跡することが一般的な目的である。一方で、プロジェクト・パフォーマンスの現状評価や今後の予測情報をプロジェクト・マネジャーに提供して、必要な戦略策定と意思決定を促す手段でもある。本研究ノートは、事例研究を基にした、プロジェクト・マネジャーや、コスト・マネジメント報告書をさらに有用に活用することに関心ある人達向けの、簡潔な解説である。実際に中止を意思決定した失敗プロジェクト事例から、EVMデータと完成時総コスト見積り(EAC)として称されるプロジェクトの最終コスト予測を、評価するための三つのシンプルなEVM分析手法を解説する。

  • –自治体での社会課題解決に向けた具体的プロセスの調査準備–
    浦田 有佳里
    2021 年1 巻1 号 p. 8-12
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    デジタル庁の創設、COVID-19後の社会、社会全体が変わっていくことを多くの人が感じている。SDGsやSociety5.0などは、地方に広がっている。自治体や行政において、地域課題の解決は重要である。自治体は多くの施策を進めているが、社会課題には多様なステークホルダーを巻き込み進めていくことが必須になっている。利害関係があるステークホルダーの合意形成を行う方法としてマルチステークホルダープロセスの適用が必要である。本報告書では、マルチステークホルダープロセスの適用について、具体的なプロセスを策定するために地域や自治体での事例を調査し、課題点を抽出し、関係者へのインタビューを行うためのインタビュー項目を作成する。

  • 除村 健俊
    2021 年1 巻1 号 p. 13-18
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    コロナ禍の環境で大学では遠隔授業が導入されている。遠隔授業が時間や距離を超えて授業を行うことができる特性を利用し、現役の社会人が授業の中で講演を行う特別講義に、社会人にも参加してもらった。特別講義の中では、講演に加え、学生と社会人が話し合いを行う時間も設定した。このような授業形態で学生と社会人がどのような感想を持ったかを調査、分析した。その結果、このような授業形態の効果や改善点、さらに産学連携を強化するリカレント教育の確立に向けた知見が得られたので報告する。

  • 小山 恵一郎
    2021 年1 巻1 号 p. 19-24
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    企業では、DXへの取り組みが進んでいる。市場や技術が急速に変化する中、この実現には、デジタルによる新規ビジネスと全社の変革が必要である。本稿では、DXを進める企業における、PMO組織のあり方、PMOの機能、PMOのコンピテンシーを考える。PMOがDX推進の役割を果たすためには、従来の機能やコンピテンシーの拡張が求められる。このために、PMOは自己変革をすることが必要である。

  • –ポートフォリオ/プログラムを考慮した成否の定義–
    河村 智行
    2021 年1 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    SDGsが示す持続可能な社会の醸成のために、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が必要である。DXの浸透に伴い、プロジェクトと組織(ポートフォリオ/プログラム)の関係が今まで以上に強まると言われている。しかし、プロジェクトの成功/失敗はプロジェクトのみにフォーカスして論じられるケースが多く、ポートフォリオ/プログラムも考慮されるケースは多くない。本研究は、DXプロジェクトを対象にポートフォリオ/プログラムを含めた多様な観点で成否を定義し、評価を試行した。試行の結果、プロジェクトのみならずポートフォリオ/プログラムも考慮した評価では、従業員の意識、および組織の投資の仕組みと言った根本的かつ全体最適につながる改善課題に至ることが確認された。本研究より得られた成果を活用することで、今後、増加が期待されるDXプロジェクトの改善に寄与することを期待する。

  • –ニューノーマル時代に立ち向かうPMOの新潮流–
    遠藤 猛, 神崎 修一
    2021 年1 巻1 号 p. 31-36
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    一口に“PMO”と言っても、その実態はさまざまである。ある組織ではPMOは特定プロジェクトを支援するため、または別の組織ではPMOはプロジェクトマネジメント・プロセスを標準化するために存在する。これは、組織がPMOを導入する背景・経緯や目的がその組織の戦略に応じて異なり、その結果としてPMOのミッションやスコープ、形態、規模などに違いが出てくるためである。組織ごとにPMOが多種多様であることにより、導入する機能の優先順位やPMOを支える人材の確保など、抱える課題も組織によってさまざまである。本書では、このようなさまざまなPMOを幅広くとらえ、昨今のビジネスアジリティや組織アジリティを実践するPMOのあり方を考える上で、経営層や実務者の皆様のご参考になることを目指し活動した結果を報告書として纏めたものである。

  • –ポートフォリオマネジメントとハインリッヒの法則との親和力–
    下池 季樹
    2021 年1 巻1 号 p. 37-42
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    昨今の建設・環境系の代表的な問題事例である笹子トンネル天井崩落事故や豊洲市場問題(土壌汚染)について、起きた事例の問題点を考察すると、安全面(意識や活動)の不足に起因している。いわゆる、安全文化が弱かったと推定される。その安全文化の向上を図るため、上位マネジメントであるポートフォリオマネジメント導入の有効性について述べる。その導入では、ポートフォリオマネジメント、プログラムマネジメントおよびプロジェクトマネジメントをわかりやすく一般的な建設会社の組織に置き換えた。さらに、各マネジメント間のリスクの影響/関与や、ハインリッヒの法則の考え方を適用し、考察することにする[1][2]。

  • –PMBOK®ガイド建設拡張版をとおして–
    下池 季樹
    2021 年1 巻1 号 p. 43-46
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    建設産業は少子・高齢化の進展に伴う従事者不足等の課題がある中、これらの課題解決に必要な手法と考えられるプロジェクトマネジメントついて、どうすれば建設産業に普及できるのか考えてみた。

    PMBOK®ガイド建設拡張版[5](以下、「拡張版」)が日本語化されたが、これはプロジェクトマネジメントが建設産業に普及される好機である。また、拡張版によればPMBOK®ガイドには記載されていない「プロジェクト安全衛生・セキュリティ・環境(HSSE)マネジメント」や「プロジェクト財務マネジメント」についてのプロジェクトマネジメント的な知見を得ることができる。特に『安全衛生・セキュリティ・環境』はIT産業でも注目されているキーワードであり、IT産業との垣根を越えた融合が図れる好機でもある。

  • –大学生の発想によるプロジェクトマネジメント・ワークショップの実践–
    奥田 智洋, 沖原 理沙, 加藤 美宣
    2021 年1 巻1 号 p. 47-52
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」であると定義されている。この独自性があり、また有期性があるが故に、プロジェクトの進行においてマネジメントが非常に重要な要素になっている。自分たちの会社のプロジェクトや支援しているお客様先でのプロジェクトにおいて、マネジメントの経験が少なく推進が難しいということをよく聞く。しかしながら、私たちがこれまで生活してきた中で知らず知らずのうちにマネジメントということを実際に経験してきているのではないだろうか。今回の取り組みは、学生にフォーカスを当て、学生がプロジェクトマネジメントを学び、学んだプロジェクトマネジメントを下の世代(中学生や高校生など)に伝えるとしたら、どのように伝えていくのかを、学生自らが主体となって企画、実行、そして振り返りまでを実践するものである。

  • 高橋 正憲, 稲葉 涼太
    2021 年1 巻1 号 p. 53-58
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    国連が提唱するSDGs事業に地方自治体または企業が取り組むとき、プロジェクトを立ち上げたが円滑に推進できないケースがよく見られる。その主要な原因は、SDGs事業の計画がトップダウンで論理的に進まないことにある。この点について我々はすでに開発してきた「ソーシャル・プロジェクトマネジメント手法」をベースにして、2つのメソッドを提案する。一つはリーンスタートアップのアプローチの応用により仮説検証を繰り返して事業計画の最適化を進めるプロセス、もう一つはロジックモデルを活用して多様なステークホルダーの合意形成を図るフレームワークである。

  • 北岡 忠, 森 博一
    2021 年1 巻1 号 p. 59-62
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    PMO研究会では、PMOのあるべき姿の研究や、PMO実践に関する情報発信などの活動を通して、会員自身の研鑽・スキルアップ・情報交流、最終的には日本のPMOの発展・拡大に貢献することを目指している。

    本稿では、事例/実践ワーキンググループのPMO研究における研究目的、研究対象、研究成果を報告する。

    最近2年間においては、リスクマネジメントに着目して研究を行っている。今回、研究成果として、発注者側企業と受注者側企業のリスクマネジメントの違いを分析し、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の新しいビジネスモデル創出に向けた課題を提示し、双方のPMO組織変革へのアクションを提言としてまとめた。

  • –1on1による心理的安全性確保と組織生産性について–
    杉原 秀保
    2021 年1 巻1 号 p. 63-67
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    コロナ感染症の影響でニューノーマルな生活様式が浸透し、リモートワーク・在宅勤務・ワーケーションと働き方の多様性が広がり、プロジェクトメンバーの対面コミュニケーションの機会が減少している状況にある。このような環境変化を踏まえプロジェクト活動においても新たな時代に合うチームビルディングのあり方を見直す必要性が生じている。特にリモート勤務をベースとしたプロジェクト活動では直接顔を合わせる機会が減少し、表情や視線等のノンバーバルコミュニケーションが不足することでプロジェクトメンバー間の人間関係が希薄化し互いの認識ギャップから生産性低下等の問題が生じてしまう。このような問題に対処するためニューノーマル時代にプロジェクト現場で対処する方法を模索する。

  • 高橋 正憲, 藤井 新吾
    2021 年1 巻1 号 p. 68-73
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    東日本大震災からの復興プロジェクト支援の経験から、社会課題の解決を目的とするプロジェクトマネジメント手法の必要性を痛感した。社会課題への取組みには多様なステークホルダーが関係し、その要求事項が多岐にわたるため合意形成が難しい。そのような困難を克服するため、デザイン思考のアプローチをベースにしたプロジェクトマネジメント手法を構築し、実際の社会的プロジェクトにおいてその有効性を確認した。

    この手法を個人のパラレルキャリアまたはセカンドキャリアのデザイン、および企業のCSV活動ないしSDGsビジネスの企画の方法論として提言する。

  • 山本 和男, 芳賀 和郎
    2021 年1 巻1 号 p. 74-78
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    リスク・マネジメント研究会は、2005年からPMI日本支部の下で活動している。研究会は基本的にプロジェクト・リスク・マネジメントに焦点を当て、リスク・マネジメントに関するメンバーの知識とスキルの両方を拡大してきた。また、PMI日本フォーラム、リスク・マネジメント・セミナーなど、さまざまな機会を通じて、研究成果を幅広く世の中へ伝えることに価値があると考えている。この報告書では、リスク・マネジメントに関する研究会での15年間の活動内容を振り返る。また、研究テーマがどのように受け継がれてきたか、PMI日本フォーラムで発表した内容を振り返る。

  • –コンテキストに応じた多様性のあるアプローチの提言–
    成田 和弘
    2021 年1 巻1 号 p. 79-84
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    PMI日本支部 アジャイル研究会の実施した2020年度のアジャイル プロジェクト マネジメント実態調査 [1]では、「アジャイルソフトウェア開発宣言(以下アジャイルマニフェスト)」は着実に定着していたが、アジャイル経験者が「アジャイル」を友人や同僚に薦める可能性を問うネット・プロモーター・スコア(以下NPS)は-15と過去2番目に低い値であった。これは、アジャイルマニフェストに多く人が共感したにもかかわらず、アジャイルを推奨しなかったことを意味する。NPSに影響を与える要因を分析したところ、所属組織の主要なプロジェクトマネジメント・アプローチの違いが大きく影響し、特に「特定のアジャイル手法を前提とせず、自分の組織の手法を開発している」グループのNPSが抜群に高いことが明らかになった。この実態調査および分析結果を報告するとともに、組織におけるアジャイルの効果を引き出すためには、「コンテキストに応じた多様性のあるアプローチ」が良い方法であることを提言する。

  • –開発を可能にする方法の模索–
    神庭 弘年
    2021 年1 巻1 号 p. 85-91
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    プロジェクト・マネジャー(以下PM)能力の訓練と向上を目指して、コンピテンシー概念に基づくユニークなフレームワークをRADAFモデルと名付けて開発した。ポスト・コロナ、DX時代といわれる中、個人の能力開発が組織のパフォーマンスに大きく影響するものとして再認識されていることもあり、RADAFモデルを作り上げるまでの経緯を紹介し、試行錯誤や改訂の経緯が、人材開発に関心のある方の参考になればと願う。人は変われる、行動能力は向上できると確信し次ステップへの課題も述べる。

  • –その成否の鍵は、成功率51%の挑戦的プロジェクトにおけるタレント・トライアングルの実践だった!?–
    勝連 城二
    2021 年1 巻1 号 p. 92-97
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    DX時代の大きな変化の中で、従来の考え方と手法のままではもはや時代に通用せず、企業において経営改革、組織開発、働き方改革が急務の中で、プロジェクト・マネジャー(PM)として、さらには個人としての自己変革が求められている。破壊的なデジタル技術による変化に対応するためにPMとして、PMCDフレームワークベースのタレント・トライアングルの実践を通して、成功率51%などの困難な挑戦的プロジェクト等に取り組むことが必要なのである。そのプロジェクトの体験の中から、多くの気づきと教訓が得られ、その結果、PMとしての従来のマインドセットからのシフトを実現し、“プロジェクト・マネジャー(PM)の自己変革”とDX時代に生き残るためのPMのマインドセットを獲得することができる。

  • 井芹 薫, 齊藤 毅, 中村 正伸
    2021 年1 巻1 号 p. 98-102
    発行日: 2021/03/29
    公開日: 2022/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    「日本においてアジャイルの普及を阻むものは何なのか?」この問いの答えを探求すべく、PMI日本支部は2018年に明治大学との共同研究プロジェクトを立ち上げた。2019年から2020年前半にかけて実施した先行研究調査と探索的事例調査により、「日本でアジャイルを進める上での諸問題」の階層構造がより鮮明に見えるようになってきた。本報告書では、我々が直面している障害が「どうなっているか」を、学術と実務の二つの視点で俯瞰する。

編集後記
編集委員
feedback
Top