プロジェクトマネジメント研究報告
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巻頭言
研究報告
  • -プロジェクトの継続的パフォーマンス分析をする拡張手法の研究ノート;Part 1 -
    泉澤 聖一
    2026 年6 巻1 号 p. 2-9
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    アーンド・バリュー・マネジメント(Earned Value Management: EVM)において,コスト残作業効率指標(To-complete Cost Performance Index: TCPI)は,低パフォーマンスの下で残作業を当初予算内で完了するために必要な効率を示す指標として用いられてきた.しかし,TCPI数式には構造的かつ数理的制約が内在し,プロジェクトの多視点かつ継続的時系列分析の分析が困難であるため,実務において十分に活用されていないのが現状である.本稿では,この制約を回避し,プロジェクト進行中のパフォーマンスを多視点かつ継続的に分析評価する強化手法を紹介する.また,シミュレーション視覚化図示による戦略的分析例も紹介する.これにより,継続的なパフォーマンス改善に向けた戦略的意思決定を支援する知見と洞察の情報を提供する.

  • -プロジェクトの継続的パフォーマンス分析をする拡張手法の研究ノート;Part 2 -
    泉澤 聖一
    2026 年6 巻1 号 p. 10-17
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿と同時に投稿した先稿Part 1では,アーンド・バリュー・マネジメント(Earned Value Management: EVM)の枠組みの下で,当初予算内で完了するのに必要なパフォーマンスを示すコスト残作業効率指標(To-complete Cost Performance Index: TCPI)に注目し,その指標を多視点かつ継続的に評価・分析する強化手法を紹介した,Part 2となる本稿では,Part 1で得られた分析情報を統計的確率リスク情報につなげて,従来の基本的EVMデータ分析情報と時系列で統合化する.その統合化した情報をシミュレーションに視覚化図示したうえで,多視点かつ継続的に評価分析することにより,プロジェクトの回復可能性や成否を戦略的に見極める包括的方法論を提示する,この研究により,プロジェクトの継続的パフォーマンス改善の戦略的意思決定に必要な知見と洞察の情報を提供する.

  • -2024年度のチーム結成時の事例-
    三好 きよみ, 細田 貴明
    2026 年6 巻1 号 p. 18-26
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    東京都立産業技術大学院大学は,主に社会人を対象とした専門職大学院であり,専門職学位取得のための必修科目としてProject Based Learning (PBL)型の教育を行っている.PBL活動は主に遠隔環境にて実施されおり,チームワーク促進が課題となっている.そこで,メンバー間の相互理解とチームワークの促進を目指し,チーム結成時に,レゴ🄬シリアスプレイ🄬 (LSP)を活用したワークショップを実施した.ワークショップ後のアンケート調査からは,参加メンバーのワークショップへの高い満足度に加え,自己理解・相互理解の促進,及びPBL活動への動機づけの向上が確認された.本論文では,2024年度のPBLチーム結成時に実施した LSPメソッドを活用したワークショップの概要,及びその実践事例からLSPメソッドの有効性について報告する.

  • -プロジェクトマネジメント学習を支援するAIティーチングアシスタントの実装可能性-
    大島 直樹
    2026 年6 巻1 号 p. 27-38
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    教育における生成AIの導入は,従来の教育手法を大きく刷新し,学習者個々のニーズや進捗に合わせた個別最適化を支援する.本論文では,2022年11月のChatGPT公開から2025年6月までの期間を対象に,高等教育における生成AI活用の変遷を3つのフェーズに整理し,実際のAIティーチングアシスタントの開発と大学院教育における導入事例を紹介する.特に,Difyを用いたRAG機能付きAIエージェントとNotebookLMの比較を通じて,プロジェクトマネジメント人材育成へ応用できる革新的教育手法としての可能性を検証する.また,RAGを導入することで組織独自のプロジェクトマネジメント資産を安全に形式知化し,内部の知見を効果的に活用する基盤となる学習システムの構築が可能になり,マネジメント教育におけるパラダイムシフトが期待される.

  • 中田 孝一
    2026 年6 巻1 号 p. 39-48
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿は,AI開発における実践的フレームワークであるCPMAIと,規制枠組みであるEU AI Actに対応した行動規範を統合するモデルを提案する.このフレームワークは,AIプロバイダーが法的要件を単なるコストではなく,責任あるAI開発を通じた競争優位性として捉えるための体系的な指針となる.これにより,倫理的で信頼性の高いAIシステムが市場に受け入れられ,長期的なブランド価値の確立につながる.今後は,このモデルを継続的に更新し,実社会での適用を検証することが課題となる.

  • -アトキンソンの期待価値モデルとPMBOK🄬 Guideに基づく統合的アプローチ-
    大木 孝
    2026 年6 巻1 号 p. 49-55
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は,非営利・ボランティアプロジェクトにおける参加者のモチベーション持続性という,人的資源マネジメントの課題に焦点を当て,特に金銭的報酬に依存しない社会人ボランティアプロジェクトを対象とし,プロジェクトマネジャーが直面する動機づけの動態を深く理解し,効果的な戦略を体系化することを目的とする.分析枠組みとして,行動への動機づけを「期待」と「価値」の積で捉えるアトキンソンの期待価値モデルを採用する.さらに,エクレスらによる知見に基づき,価値要素を達成価値,内在的価値,道具的価値に分解するとともに,動機づけを阻害する「費用(特に精神的ストレスや機会損失)」の概念を導入し,モチベーション低下要因を多角的に特定する.加えて,PMBOK🄬 Guide 第6版におけるチーム育成・管理の知見を参照し,行動科学に基づく理論と標準的実践との有機的な連携を探る.本研究は,PMI会員自身が直面する「報われにくさ」という課題に光を当て,内発的動機に強く依存するプロジェクトの人的資源管理に新たな視座を提供し,プロジェクトの価値実現に貢献することを目指す.

  • 下池 季樹
    2026 年6 巻1 号 p. 56-65
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    東京湾トレイルとは,日本の玄関(成田空港・羽田空港・横浜港)が面する東京湾は最高の観光価値,東京湾は都市住民にリクリエーションの場として親しまれている,湾岸にはすでに多くの海浜公園や自然保護地区も点在している.例えば横浜山下公園や葛西臨海公園の沿道は優れた遊歩道になっている.このような優れた海岸地区をこれまでは点であったが、この点を歩道や自転車道としてつなぎ線とする事業である.この東京湾トレイルの実施計画をポートフォリオ/プログラム/プロジェクトマネジメント(タイトルおよび以下,PPPM)を導入し検討する.まずは,三浦海岸付近を「(仮称)東京湾岸のインフラおよび名建築を見ながら歩く旅」をテーマとしたウォーキングの実施を進める.

  • -Agentic AIシステム時代の開発とガバナンス手法の検討-
    小林 功, 川田 米太郎, 内藤 睦博
    2026 年6 巻1 号 p. 66-75
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    AIシステム開発は,従来のウォーターフォール型管理ではデータや学習過程の変動に対応しきれず,多くのプロジェクトが失敗に終わっている .特に,AIが人間とは異なる得意・不得意を持つ「でこぼこな能力境界(Jagged Frontier)」や,自律型AIの台頭による透明性の欠如が大きな課題となっている .そのため,決定論的な「建築」モデルから,確率論的な「育成」モデルへのパラダイム転換が不可欠である.

    本論文は,AIを「建築」ではなく「育成」の対象と捉え,本番運用を成長のスタートとする「V1構築」と,そこからデータフライホイールを回す手法を提唱する .ガバナンス面では,AI監査エージェント,HITL,データ品質管理,倫理委員会を組み合わせた「4つの防衛線」モデルを提案している .AIの確信度に応じて人間の専門知識を介入させるワークフローにより,安全かつ効果的にプロジェクトを推進する方法論を示している.

  • -パーソナル・コンピテンシーを組織的に組込む大規模ITプロジェクトマネジメント-
    中島 聡, 田中 良輔, 市川 将昌
    2026 年6 巻1 号 p. 76-83
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    当社および外部での長年の経験に基づくと,大規模ITプロジェクトを成功に導くためには,PMIのPMBOKガイド[1]をベースにプロジェクトマネジメントを体系的に整備し,プロセスを明確に規定して取り組むことが不可欠である.しかし同時に,PMIのPMCDF[2]で整理されているパーソナル・コンピテンシー*1もまた重要な要素である.前者は多くの事業会社で実践されている一方,後者は十分に実践されておらず,組織的な取り組みとして定着させることは容易ではない.本研究事例では,大規模プロジェクトの成功確度を高めるために必要となる考え方を整理し,報告する.

  • -行政組織の変革に向けたプロジェクトマネジメントの価値提案-
    渡辺 恵士朗
    2026 年6 巻1 号 p. 84-91
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    少子高齢化, 人口減少, 人件費の高騰等により, 行政組織における変革(トランスフォーメーション)はもはや不可避となっており, 特にデジタル技術による変革(DX)に大きな注目が集まっている.

    行政DX実現のためには, 不確実性に対処し価値創出につなげていくために, デジタルに関する知識だけではなく, プロジェクトマネジメントに関する知識・スキルが必要になってくる.

    行政組織におけるプロジェクトマネジメントへの誤解を解消したうえで, 行政組織でよくある困りごと, 課題を解決するひとつのカギとしてプロジェクトマネジメントを提案する.

  • 浦田 有佳里
    2026 年6 巻1 号 p. 92-99
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    地方自治体において,職員数の減少や採用の困難があるなか,行政内部や地域のデジタル化が必須になり,脱炭素などの環境問題への対応も重要になってきている.そのような外部環境・内部環境の変化から進められている現在の自治体における人材育成状況について紹介する.また,人材育成を進めるなか,新たな技術の出現や国の方針の策定など,さらなる外部・内部の環境変化もあり,新たな人材育成の取り組みの必要性も見えてきている.そのような変化に対応する自治体の今後の人材育成・研修について提案する.

  • -ある日突然のガン告知からの入院・ガン全摘手術・治療対策の半年後に,復活をめざす10kmジョギングの挑戦的プロジェクトの実践と教訓-
    勝連 城二
    2026 年6 巻1 号 p. 100-108
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    DX時代の多くのプロジェクトにおいて,直面するまれではあるが致命的なトラブル,つまり想定外の出来事(未知の未知:マネジメント予備)が発生した場合,PMが求められる重要なスキルは何なのか?根本的な対策案を生み出すテクニカルスキル,プロジェクト存亡の機に対して重要となる顧客対応の実践,さらには,大変なプレッシャーやストレスに打ち勝つPMのリーダーシップとして突破力が必須と考えられる.つまり,高度なテクニカルスキル,戦略的顧客(ビジネス)対応力及びPMのパワースキルの発揮が求められる.この想定外のトラブル発生に対する突破力は,特にPMのパワースキル:EQ(自己認識力,共感力,感情のコントロール力)向上なしでは,何も前進せず,難局を克服できない状況に陥ることをこれまで学んできた.

    本報告では,想定外のトラブル発生に対して,自分自身が直接体験した出来事である全く予想外の“ガン告知”を事例として,ガン治療から健常者生活への復活の期限を6か月,仮想PMとして復活への決死の覚悟の挑戦的プロジェクトを立ち上げた.ガン対策方法の決定,入院,ガン全摘手術,治療実施からの復活の意味で定義した“10kmジョギングの達成”を目標として定め,挑戦的プロジェクトの実践とそこから獲得した教訓,気づき,EQ向上の検証及び学びとしての自己実現の意味について報告する.

  • 一柳 晶子, 小山 恵一郎, 冨田 寛, 西原 真仁
    2026 年6 巻1 号 p. 109-118
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    プロジェクト成功には人材マネジメントが不可欠である.本研究では,プロジェクト人材に関する課題のAI活用による解決手法を探求する.人材課題を「スキル定義」「評価」「育成」「アサイン」の4領域に分類・モデル化し,AI活用に必要なデータ構造化と特徴量の整理を行った.さらに仮想シナリオによる生成AIツール検証を実施し,有効性と考慮点を明らかにした.主な成果は,プロジェクト人材に関する課題のモデル化とAI活用のためのデータ構造・特徴量設計の体系的整理である.加えて,生成AIツールの試行を通じて実践的活用におけるプロンプトエンジニアリングの重要性を確認した.

  • - バックキャスト思考法における「制約条件の設定」とシンプルクエスチョン -
    堀尾 洋人
    2026 年6 巻1 号 p. 119-126
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    VUCAワールドに適応するため, PMI日本支部PM創生研究会は「起承転結」型PM個人モデルを提唱した.従来のプロジェクトマネジメント業務でなじみ深い「転・結」(計画・実行)に対し,アウトカムに繫がる「起・承」(発想・概念化)の能力は, その内容がなじみにくいという課題があった.前報[4]では「起・承」の能力はバックキャスト思考法に関連していることを示したが,実際のプロジェクトマネジメント業務でどのようにその思考法を活用すればよいのかという課題が残った.本研究は,バックキャスト思考法のプロセスを先行研究に基づき明確化する.そして,その最初のプロセスである「制約条件の設定」に焦点を当て,シンプルクエスチョンの手法を用いて『真の制約』に到達することを示す.また,実際のプロジェクトマネジメント業務でのシンプルクエスチョン活用を考慮し,生成AIの力を借りて実験を行った.

  • -変革を動かすスキルとふるまいを『PMO実務ガイド』から探る-
    森 紳太郎, 荻布 厚, 冨田 寛
    2026 年6 巻1 号 p. 127-133
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は,日本の製造業におけるプロジェクトマネジメント・オフィス(PMO)を「コミュニケーション・ハブ」として再定義し,『PMO実務ガイド』[1] に示されたコンピテンシー・フレームワークを参照軸として,製造業PMOに求められる行動様式と能力開発の方向性を整理するものである.日本の製造業は,長年にわたり業務効率の最大化を追求してきた歴史を有しており,その過程で事業・機能ごとの縦割り構造が固定化されてきた.また,日本文化特有の階層社会や曖昧な言語表現,ベビーブーマーからZ世代に至る価値観の多様化など,文化的・世代的要因に起因するコミュニケーションの壁も存在する.こうした構造的・文化的・世代的な壁を前提として,本研究ではPMOが果たすべき4つの役割(橋渡し役,アライメント形成者,調整者,意思決定支援者)を提示し,13項目からなるコンピテンシーを抽出した.さらに,それに基づき,自己認識・開発計画・学習・フィードバックの4段階から構成される能力開発モデルを提案する.

  • 端山 毅
    2026 年6 巻1 号 p. 134-143
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    PMI日本支部の会員数は2021年8月以降,一本調子で増加している.従来,フォーラム参加者やPM Award投票者のアンケートなどから傾向を推定しようとしていたが,会員増の背景を見極めることは難しかった.今回,PMI Inc.が管理しているPMI日本支部全会員のデータを入手し,今後の支部施策の方向を決める上で参考になる傾向を探索した.主に年齢,業界,PMP資格保有者の動向について分析した.若年層の会員が増加していること,IT業界所属の会員数は増加しているものの比率が低下しており,業界の多様化が見て取れた.また,PMP資格取得を目指して入会する会員が顕著に増加している.合わせて,今後体系的,多面的,継続的に分析するために,会員データを匿名加工情報にする方法についても考察する.

  • 三木 章義, 稲葉 涼太
    2026 年6 巻1 号 p. 144-152
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    過疎化や高齢化など様々な地域課題を自治体は抱えている.それらの地域課題の解決に向け,多くの民間団体がソリューションを発表している.課題を解決し社会のサステナビリティを確立するにはソリューションの有効性を更に高める必要があり,地域課題というニーズと民間団体のソリューション(シーズ)のマッチング手法が重要なキーとなる.本論文では,地方創生SDGs官民連携プラットフォームに掲載されている地域課題を題材に,現在発表されているソリューションの地域課題解決の有効性から地方自治体の真のニーズを分析した.自治体が認識する地域課題解決には財源の問題点が大きいことに着目し,地域課題の真のニーズは別のビジネスモデルであると考えた.1)ニーズとシーズのマッチングには,ニーズを細かく分けることが必要である,2)アクターを追加しビジネスモデルのスコープを拡げることは重要成功要因である,の2つの仮説を立てた.地域課題の1つを題材に机上にて仮説の検証を行うことにより,ニーズとシーズのマッチングの確率を上昇させるよりニーズ・ミートするソリューションの企画方法を研究した.

  • -知識創造理論実践のすすめ-
    成田 和弘
    2026 年6 巻1 号 p. 153-161
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    PMI日本支部アジャイル研究会が2025年3月に実施した「アジャイルプロジェクトの実態」に関するアンケート調査では,組織のアジャイル導入済み44.8%と一昨年の水準まで回復する一方,拡大傾向は鈍化し現状維持が増えている.アジャイル経験者のNPSは-20と相変わらずマイナスが続き,「常にアジャイル手法を取り入れた開発を行いたい」との回答はわずか7%で,「ケースバイケースでアジャイル手法を取り入れた開発を行いたい」が82%と大多数を占めることがわかった.この背景には,日本企業がアジャイルに向く「新規ビジネス創出」に消極的な実態も影響しているように思われる.本稿はアジャイルの源流である「知識創造理論」に立ち返り,「共通善」を目指した,ミドルアップダウンによる「二項動態経営」の実践を提言する.

  • -交流ネットワークからソーシャル・キャピタルへ-
    高橋 正憲, 野尻 一紀, 鬼塚 祐代, 大久保 剛
    2026 年6 巻1 号 p. 162-171
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    2022年から進めてきた交流ネットワーク構築の研究を総括し,その具体的成果物として生成AIを活用して作成した多世代交流パターン・ランゲージの実効性を検証し,本研究の成果をさらに発展させて社会問題解決プロセスのマネジメント手法の可能性を確認した.成果物を有識者のワークショップによってブラッシュアップし,プロトタイプを形成して連携先実務家によって試行テストを行ってきた.本研究の次の段階として,ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の醸成を促進しウェルビーイングの向上を図る取り組みを検討する.

  • -マネジャーの意思決定能力の維持・向上にむけて-
    三五 大輔, 一柳 晶子, 桒野 哲兵
    2026 年6 巻1 号 p. 172-181
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    プロジェクトマネジメントへのAI導入が,マネジャーの意思決定能力に及ぼす潜在的リスクを説明する.AIによる高度な分析と予測への過度な依存は,マネジャーが自ら状況を洞察し,経験に基づき判断する機会を奪い,その能力を低下させる危険性を有する.特に,AIの判断過程がブラックボックス化することで,予期せぬ事態への対応力が著しく削がれる可能性がある.この問題に対し,AIを意思決定の主体ではなく,あくまで人間の判断を補助する補佐役として明確に位置づけることの重要性を指摘する.そして,AIと共存する時代において,人間が最終責任者として思考し続けるための,新たなスキルセットと継続的な訓練の必要性を示す.

  • 阿部 笑子
    2026 年6 巻1 号 p. 182-192
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿は,組織の規模・文化・戦略に応じて最適なPMO(Project Management Office)を設計・導入するための実践的アプローチを提案する.日本企業の事例やアンケート調査をもとに,PMOの形態・機能の選定ポイント,導入・定着・発展のステップ,直面しやすい課題とその克服策を体系的に整理.第4世代PMOの要件や,継続的改善・アジリティの重要性についても考察する.

編集後記
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