我が国における大量生産・大量消費社会というシステムの下流で, 廃棄物処理や温室効果ガスを中心とする環境負荷物質の排出が社会問題となってきている.
近年, ゴミの問題については, 各地方自治体によって分別収集が本格的に行われ始め, また一方, 温室効果ガスの排出問題についても, 地球温暖化防止の視点から, アイドリングストップなどの温暖化ガスの排出抑制運動が活発に行われ, 一般の人々の関心を集めるようになってきている. この様に住民の意識が高まりつつある今, 地域レベルからこれらの問題に取り組んでいくことが重要である.
そこで, 本研究では, 長野市の一般家庭を対象として, ゴミ排出と, 温室効果ガスの中でもその大部分を占める二酸化炭素 (CO
2) 排出の両問題について解析を行った. ゴミと温室効果ガス問題の共通要因として, 家計消費支出に着目し, 可能性回帰分析によってゴミ排出量予測モデルの構築とまた, LCAのインベントリ手法により, 一般家計消費に関するCO
2排出量の算定を行った. またそれらをもとに, CO
2排出量を目標削減値に抑制するためには, ゴミの量はどの程度削減されなければならないか, すなわち, CO
2排出量抑制下での可能なゴミの許容排出量について解析を行った.
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