建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
10 巻
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  • 澄川 啓介
    2003 年 10 巻 p. 1-8
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    社会資本整備は、国の社会経済の発展を通して、国民の生活と生産活動を支える。整備の事業は、比較的巨額な公的・民的資源を必要とし、事業執行の諾否を検証・決定するまでの認知段階と事業を実体化する執行段階を踏んで実施される。資源の多くは、事業の設計と施工を含む執行段階に投入されるので、そこでの活動の効率性と透明性を最適化することが、事業に対する国民の合意と支持に大きく関わる。事業執行には、多くの利害関係者が関わると共に、自然条件などが想定と異なる不測事象 (unforeseen site conditions) が発生するので、事業成果を産みだすエンジニアリング技術に加えてその適用を監理するマネジメント技術が求められる。海外で多用されるFIDICの契約形態は、不測事象を許容しつつその対処を、施工者のクレームを通して、発注者・施工者に加えてエンジニアを入れた三者執行形態によって監理することが、効率性と透明性を最適化する仕組みとしている。日本は、官を主体とした二者執行形態によって、経済大国と呼ばれる高度成長を達成して来たが、内外の環境変化にその形態が則さないと認識されつつある。世界の中の日本として、日本の比較優位を活かしつつ、三者執行形態を含む契約形態の改善を図ることが、特に途上国の社会経済成長を支援しつつ、相互依存による日本経済成長の持続に貢献すると考えられる。
  • 渥美 雅裕, 遠藤 真一
    2003 年 10 巻 p. 9-17
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    ロックフィルダムの建設にあたっての多くの技術的な課題を解決しつつ、工程、品質、コスト等の管理を最適化する方法として、独立した施工管理者 (CMR) と契約するマネジメント技術 (CM) の活用を検討し、現在、森吉山ダム、胆沢ダムにおいてモデル事業を実施している。今後、継続的なモニタリングを通じ、モデル事業における確実な品質の保持、徹底したコスト縮減の推進、施工全体の透明性の向上、適切なコスト管理の推進等、期待される効果について、確認・評価を実施していく予定である。
  • 立花 潤三, 春名 攻
    2003 年 10 巻 p. 19-28
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、世界的に環境・資源保全への取り組みが活発化している状況において、我が国では、大量消費、大量廃棄の社会システムに起因する最終埋立場の不足、排出される一般廃棄物の多様化、処理の高度化や投資財源の大幅削減といった状況のもと、合理的・効率的な一般廃棄物処理システムの再構築の必要性が高まっているのが現状である。
    このような背景のもと、本論文ではまず、一般廃棄物処理システム整備における大きな課題である、嫌悪施設である一般廃棄物処理施設の建設における住民合意形成の進め方に関する検討及び処理施設建設の反対要因に関する分析と、処理施設自体の整備方針や建設位置により住民の合意度を算定する数理計画モデルを構築し実証的に検討を行っている。
    また、単独自治体では不可能であった高度な処理の実現を目指した広域連携による合理化・効率化に関する検討及びその大きな課題である自治体間の費用負担割合に関して、ゲーム理論を用いた数理計画モデルを構築し合理的な均衡解の導出を行っている。
  • 中山 東太, 湊 隆幸
    2003 年 10 巻 p. 29-38
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    最近、インフラ事業の民営化について様々な議論がなされ、実際に民営化が進められている。公営企業は、競争がなく効率が悪い、サービス意識が低いなどと言われるが、効率化する方法としては、民営化せずとも優れた経営者のもと公的企業のままで民間手法を取り入れる方法もある。本論文の興味は、運営主体を公営から民営に移行することは、国民にとってどんな価値があるのだろうかという点にある。
    本研究では、公営と民営の資本コストの違いを明らかにし、運営主体が異なる場合のインフラ事業が生み出すキャッシュフローの価値を評価し、民営化によって価値が生まれることを示した。実際の公営都市ガス事業を民営化することで、公営事業者に7億円、民間事業者に2億円の利益が発生するという例を示した。
  • 鈴木 温, 西野 仁, 山口 真司
    2003 年 10 巻 p. 39-48
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, ダム事業の移転者を対象に意識調査を行うことにより, 実際の合意形成の場面において, 情報提供や住民意見の反映といった手続き的な公正さが事業者への信頼や合意結果の納得度の形成に与える影響を実証的に検証した. その結果, 手続き的な公正を肯定的に評価した人々の事業者への信頼度, 移転に対する納得度は, ほぼ全ての評価指標において最も高かった. 一方, 手続き的公正評価において「わからない」や「ふつう」と回答した人々の事業者への信頼度, 移転納得度は否定的に評価した人々のそれより往々にして低かったことから, 手続き行為自体を認知されることがまず重要であると言える. また, 相関分析の結果, 移転の納得度は事業者への信頼度, 情報提供度, 説明の仕方の各指標と有意な相関があった. 一方, 信頼度は納得度の他, 情報提供度, 情報正確性, 意見の反映と有意な相関があった. 情報正確性, 意見の反映は, 事業者に対する信頼の醸成を通じて間接的に納得度に働きかけていると考えられる.
  • 嶋田 善多
    2003 年 10 巻 p. 49-60
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    より良い社会資本整備に向けて品質, 費用, 時間及び環境の観点から総合的にプロジェクトをマネジメントし, 社会資本の持つ便益をより早く国民に提供する必要がある. 近年, 環境保護という観点から合意形成の遅れや事業に対する制約が生じ, 建設事業を長期化させる一因となっている. 今後, 建設マネジメントにおける時間管理は, 事業工程の確保のみならず事業価値の低下防止及びコスト縮減を図るうえで重要性を増すものと考える.
    電源開発 (株) 奥只見発電所増設工事では希少猛禽類保護も含めた自然環境への配慮から厳しい工期制約や条件変更を求められて, 放水路工事は計画工期を延長せざるを得ない状況に至ったが, 施工性を重視した設計合理化を図り工程確保の見通しを得た. 本稿では, この事例をもとに建設マネジメントを行なううえで, 運営・維持管理まで考慮した時間管理概念の重要性について事業者の観点から述べる.
  • 浅野 誠, 出口 近士, 吉武 哲信, 横田 漠, 佐多 孝徳
    2003 年 10 巻 p. 61-72
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    密集市街地で施行される土地区画整理事業では地区内のほとんどの建築物が移転の対象になる。このような地区で仮換地の指定を行って順次、直接移転方法により移転を進めていけば事業期間が延伸し、間接費が増加するために事業費の増大を招くことになる。事業期間を大幅に短縮するために、仮住居を前提として一団の建築物を同時に撤去して工事を行い、整地が完了した後に再築を行うといった集団移転方法を用いる事例が多い。しかし、集団移転方法は曳家工法が適用できないので、この方法を多用すれば再築工法が増え、その結果、移転費が高額になるといった事業費と事業期間の競合問題がある.また、事業期間の短縮の長短に応じて一団の集団移転範囲の領域を決定するが、これらの関係を定量的に表現しすることが困難であった。
    本稿は、筆者らが提案した施工計画立案システムに新たに集団移転方法の考え方を導入して大幅な事業期間の短縮を行い、事業期間の短縮に伴って変動する事業費と集団移転範囲の領域を求める。そして、期間と費用の間の競合問題を解決して事業費が最小となる施工工程を求め、その工程における集団移転範囲の領域を決定するPMシステムを開発するものである。次いで、このシステムを仮想プロジェクトに適用して、事業費、事業期間、集団移転範囲等の要素間の関連性や出力結果の妥当性を検討した。その上で、既成市街地内の住宅戸数密度の異なる2つの実プロジェクトに適用して、実用性を考察した。
  • 高橋 裕輔, 奥谷 正, 青山 憲明
    2003 年 10 巻 p. 73-82
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    めまぐるしく情報が往来し変化のスピードが加速している現代社会において少子高齢化や環境問題等の新たな施策ニーズへの柔軟な対応を実現し、行政サービスの質と効率の向上を図るためには、国土交通省の職員自らが既存の知識を共有・活用し、新たな知識や価値を創造していくことが重要である。また、時間や空間による制約を乗り越えて組織横断的に必要な知識を効率的に共有・活用するためには情報技術の活用が効果的であり、その適切な活用のための技術を向上する必要がある。本研究では、このような問題意識に基づき、既存の知識の共有、交換とそれによる新たな価値の創造についてナレッジマネジメントの理論的な背景を理解するとともに、地方整備局国道事務所に対するヒアリング調査や民間企業における類似の取り組みに関する調査を通じて、国土交通省の事務所における知識の蓄積、共有、交換及び利活用を推進するための考え方を提案し、さらに具体的な実施方法に関する概念設計を行った。
  • 西堀 元朗, 原田 博志, 高野 伸栄
    2003 年 10 巻 p. 83-92
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    建設業において、近年急速にISO9000sを認証取得する企業が増加している。特に北海道においては、全国的に見ても際立ってISO9000s認証取得件数が多くなっている。その背景には、ISO9000sを認証取得することにより公共工事の受注が有利になるから、という企業側の判断がある。しかし、導入はしたものの、その後に各種の問題が発生し、その対応に苦慮している企業も多いと言われている。このような状況をめぐり、各種の調査が行われているが、問題の実態が必ずしも十分に解明されているとは言えない。ISO9000sにおいては、方針を立てる経営層、方針に基づき管理運営する管理層、品質を作り出す作業をする現場層など、各立場の「責任と権限」が明確に区分されている。本研究はこのことに着目し、建設業内の各層が同じ問題に対しどう意識し、どのような対応の違いがあるかを明らかにしようとした。そのため、同一企業内の「経営」「管理」「現場」の3層に個別にアンケート調査を行った。その結果、「経営層と管理層」は比較的似ているが、「現場層」はこれとは異なる傾向を示している部分が多く、特に運用上の問題の所在や導入したシステムのメリヅトに対する評価は大きく異なる部分があることがわかった。
  • 矢吹 信喜
    2003 年 10 巻 p. 93-102
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    出来高部分払い方式を我が国の公共工事に試行した際に抽出された課題に対して, 情報技術を応用した対応の方向性を検討し, 出来高部分払い方式に対応した総合的なシステムを提案した. その中で, 出来高資料や検査資料の作成等にかかる作業量増加の課題に対しては, プロダクトモデルとプロセスモデルをリンクさせた4D-CADシステムによる効率化が重要であると考えた. そこで, 本研究では, 出来高部分払い方式に適応する4D-CADシステムのモデルを検討し, プロトタイプシステムを構築した. 仮想的で簡単なトンネル工事を例題として, プロトタイプシステムを適用させて, 本方法の実用性, 適用性を検証した.
  • 滑川 達, 吉田 健
    2003 年 10 巻 p. 103-110
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、プロジェクトスケジューリング問題のための遺伝的アルゴリズム (GA) の新たな構成方法を提案する。そこでは、GAによる解探索の範囲を実行可能解集合の中でも特に局所最適解集合のみに限定させることにより、多目的関数が設定された問題に対しても高精度の解を効率的に求められるスケジューリングアルゴリズムを構築した。さらに、例題ネットワークを用いて、既存のGA構成法や山崩し法との比較計算を行った。
  • 中井 卓巳, 龍 明治, 大西 有三, 大津 宏康, 西山 哲, 東川 直正, 石田 秀成, 廣田 光秀, 宮本 毅
    2003 年 10 巻 p. 111-118
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    昨今では土木構造物の建設・維持・補修・更新を含めて, その費用・便益を総合的に評価する方法論として, 土木構造物のインフラ資産評価・管理という概念が注目されるようになってきた. 成熟型社会における道路構造物の維持・補修・更新の最適化という課題に対処するためには, その資産の評価・管理という概念を導入することが必要になる. このような概念を導入する基礎として, 構造物の性能や機能水準を的確に把握するいわゆるモニタリング手法の開発が不可欠な要素となる. この効率的なモニタリング技術として様々な手法が挙げられるが, この中で本研究は, 精密写真測量手法を取り上げ, その構造物の維持点検手法への適用性について論じた. 具体的にその適用性を示すため, 供用中のトンネルにおいて, 実証実験を行い, 精密写真測量の土木構造物 (トンネル) への適用性を確認した結果についても述べる.
  • 織田澤 利守, 四辻 裕文, 小林 潔司
    2003 年 10 巻 p. 119-128
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 公共事業の関連主体間における合意形成の不備に起因する事業の遅延リスクがもたらす経済損失を明示的に考慮した事業評価手法を開発する. 事業の遅延は, 合意形成に要する期間の長期化や財政的な問題に因ることが多い. こうした場合, 事業実施主体にとって, 事業の完成時期は不確実であり, 事業遅延による経済損失が発生する可能性 (遅延リスク) が存在する. 本研究は, 事業の遅延リスクを合意形成の達成段階を示す指標を用いて表現する. その上で, リアルオプション理論を導入することにより, 事業の実現可能性を考慮した合理的な事業評価手法ならびに投資意思決定ルールを提案する.
  • Tsunemi WATANABE, Kriangsak CHATANANTAVET
    2003 年 10 巻 p. 129-140
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    An attempt is made to evaluate performance of concrete practices in terms of quality using relationship among three factors: concrete practice scores, influential degree of concrete practice to concrete properties, and important degree of concrete properties in concrete structures. Results show that performance of concrete practices in five public building projects in Thailand was neither excellent nor disastrous. Typical problems were in the curing process, both in delay in curing and insufficient curing periods. For column, the separation problem due to placing process was also serious. It seems that concrete practice may be much improved with minor attention.
    External coordination problem among parties is a most serious managerial problem perceived by practitioners.
    Fundamental reasons for poor practice are lack of proper knowledge and low beliefs in the benefits of observing standard. Thus, concrete practice training programs are effective to improve knowledge and enhance concerns of practitioners, particularly headman. Strong beliefs, high levels of concern and sufficient knowledge of players, together with more systematic concrete practice procedures provided by managerial levels are keys for better quality practice.
  • 後藤 忠博, 山口 真司, 小路 泰広, 伏見 聡
    2003 年 10 巻 p. 141-150
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    公共事業実施のアカウンタビリティ向上のためには、不確実性を考慮した事業評価の必要性が強調されている。評価手法については感度分析を中心に検討が進められており、事業の採択時評価や再評価、事後評価等、事業実施の実態を反映する手法が検討されている。一方、これらの事業評価の評価項目には、事業実施時におけるコストや事業期間も含まれており、不確実性を考慮した事業評価の実施により、事業の進捗管理のあり方と密接な関連づけが必要になるものと考えられる。
    本稿では、事業評価の視点からみたリスクマネジメントのあり方について基礎的な考察を行う。まず、不確実性を考慮した事業評価が実施された場合の事業評価の結果とプロジェクトマネジメントの関連性について、事業実施に伴うリスクの観点から考察する。次いで、事業評価を行ったときに、個々のリスクがどのような形で事業全体の評価につながるかについて、簡単な数値事例で説明する。この結果から、事業採択時に公表された費用対効果分析の結果と、コスト管理等の事業マネジメントの各段階での整合を図ることが可能となる。
  • 盛武 建二, 芦田 義則
    2003 年 10 巻 p. 151-162
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    英国の政府建設調達においては, 官民パートナーシッブデザインビルド, プライム契約, パートナリングなどの方法が採用され, 成功を収めている。これらの方法は発注者, 設計者, 元請負者, 下請負者, 供給者が協働することを基本とする方法であり, 英国会計検査院も支持する方法である。しかしながら, これらの方法は我が国の伝統的な公共工事の実施システムとは異なるものである。
    本稿は, 英国の新しい政府建設調達システムとは何かを明らかにすることを目的とする。このため, 最初に, 最大規模のPFI事業である海峡トンネル鉄道連絡線での事例を含め, 英国の新しい調達システムを概観する。次に, 英国の新しい調達システムの核心とも言えるパートナリングと価格合意の方法について, その概念, 内容などに関して考察を交えて明らかにするとともに我が国への教訓や導入可能性について考察する。
  • 盛武 建二, 芦田 義則
    2003 年 10 巻 p. 163-172
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    1994年のレイサム卿の報告書は, 建設工事において競争入札により最低価格者を契約の相手方とする伝統的な方式は価格に見合う価値をもたらしてはいないとして, その状況を改善するための処方箋を示した。以来, 英国ではレイサム卿の勧告に基づく対応が政府及び建設産業界でとられ, 様々な新しい調達方式や建設マネジメントの技術が現実の公共工事で採用されて来ている。英国での新しい取り組みが建設パフォーマンスの改善に有効であるならば, 伝統的な方式だけが公共工事の調達方式ではないということを実証したことになる。この点に着目して筆者等は英国の建設パフォーマンスの改善に関する調査を行った。調査結果を踏まえ, 本論文では, 英国の建設パフォーマンス改善の取り組みの歴史と内容並びにその成果について明らかにし, また, 伝統的方式と英国の新しい方式の差異について考察するものである。
  • 高瀬 達夫, 小山 健
    2003 年 10 巻 p. 173-180
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年全国の各自治体において公共施設整備事業をPFI事業として行う事例が見られるようになってきた. しかしながら今後都市再生事業にともない, その1つの柱となる交通施設の再整備に対して民間資金及び民間経営手法を導入する必要性が出てくるであろう. そしてこのPFI事業には主な手法として独立採算型とJV型及びサービス購入型の3つが挙げられている, 一方で交通施設整備事業は大きな社会的便益をもたらすが, この社会的便益はこれまで直接的に影響を受ける (与える) 主体の効果についてのみ論ずるものが多かった. しかし近年では自動車利用による大気汚染, 騒音や交通事故等が問題視されており, これらの外部費用の削減効果を社会的便益に含む事例が多くなってきた. こうしたことを踏まえて本研究ではLRT整備事業において, PFI事業として考えた場合の採算性を地域社会にもたらされる社会便益を考慮に入れながら比較検討を行った.
  • 中浜 俊介, 湊 隆幸
    2003 年 10 巻 p. 181-190
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、民間資金を活用したインフラ整備事業手法が世界中で活発に用いられてきている。例えば、英国で提案されたPFI (Private Finance Initiative) は、日本でも多くの事業が計画・実行されるようになった。このような事業では、民間事業者に全てを任せるのではなく、いかに事業特性に応じた公的サポートを政府が提供するかが重要となる。実際に、公的サポートとして、補助金や助成金または最低収入保証など、様々なスキームが適用されている。
    本研究では、民間事業者の事業採算性の立場から、収入スキームのサポート価値を「オプション」として捉え、その定量的評価法を議論する。本論文では、まず、それぞれの公的サポートが、原資産とオプションの組み合わせに分解できることを示す。次に、オプションに分解されたサポートを要素として、その組合せによって事業キャシュフロー特性に応じたスキーム構築が可能であることを論じた。
  • 尾崎 哲二, 下池 季樹, 藤長 愛一郎, 渋谷 正宏, 岩永 克也, 三村 卓
    2003 年 10 巻 p. 191-206
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    近年, 企業などにより土壌汚染調査対策 (以下, 環境修復事業) が進められている. しかし, この環境修復事業が我が国において経験のない事業であり, その対策に高額な費用がかかることや多くのリスクをともなう事業であることが明らかになってきている. 一方, CM方式による建設事業のマネジメントはアメリカをはじめとする海外から導入され, その透明性やコスト削減など発注者をサポートする新たなマネジメント方式として注目されている. 今回, 環境修復事業にCM方式を導入し, これらの課題に対応できないかとの観点から調査研究をおこなった.
    まず, 環境修復事業およびCM方式についてレビューし, これらを踏まえ環境修復事業を推進している地方自治体および民間会社にアンケート調査をおこなった.次に, 環境修復事業におけるマネジメントおよびリスクマネジメントの事例を紹介した.その結果, CM方式の適用には多くの課題が残るものの期待できるところがあり, 我が国なりのCM方式を確立していくことの可能性を見出すことができた.
  • 小路 泰広
    2003 年 10 巻 p. 207-213
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    PFI (Private Finance Initiative) では、従来の事業方式と比べて事業に係る様々なリスクを民間に移転し、効率化へのインセンティブを確保することによりVFM (Value for Money) を高めようとする。今後導入が期待される「土木インフラPFI」では、自然的社会的条件が多様で投資規模も大きく事業期間も長いことなどから、適切なリスク分担も諸条件に応じて大きく変化する。インフラPFIでVFMを向上させるためには、多様な条件に的確に対応し、明確な根拠に基づくリスク評価・分担の方法論の確立が不可欠である。
    またPFIでは、従来と比べて多種多様な分野の企業や専門家が参画し、契約に基づいて適切な役割とリスクの分担を実現していく必要があるが、専門分野や業種によつてリスクの考え方や分担方法についての認識が異なり混乱が生じる恐れもあることから、リスクとその分担方法についてそもそも論から積み上げて体系的な整理を行っておくことは有益であろう。
    そこで本稿では、PFIにおけるリスクの概念を整理し、その分担のあり方を明確にするために、いくつかの論点を提示したうえで、望ましいリスクの定義を提示し、適切なリスクの分担とその実現方法について考察する。
  • 溝口 宏樹, 齋藤 守, 谷口 拓也
    2003 年 10 巻 p. 215-224
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    「出来高部分払方式」は、短い間隔で出来高に応じた部分払や設計変更協議を実施する方式であり、諸外国の公共工事では一般的に行われている。国土交通省では、平成13年3月から、2件の工事で初めての試行を開始し、この試行工事の約1年間にわたるモニタリングを通じて、効果及び課題を検証した。また、出来高に応じて部分払を行っている諸外国 (ドイツ・オランダ・イギリス) の公共工事における工事代金支払・契約・検査等の方法について、現地ヒアリング等による実態調査を実施し、各国の制度と我が国の制度の違いを明らかにした。
    その結果、より双務性の高い設計変更、受発注者のコスト意識の向上、請負者・下請業者への工事代金の速やかな流通による経済効果の早期発現、受注者の財務状況の改善、工事の品質や受発注者の技術力の向上等の効果が期待されること、一方で、効率的な検査方法への改善等の課題があることを明らかにした。また、我が国の公共工事における出来高部分払方式の今後の効果的・効率的な実施方法等について、その方向性を示した。
  • 青木 俊明, 鈴木 温, 西野 仁, 八田 武俊
    2003 年 10 巻 p. 225-232
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本稿ではインターネットを活用して、公共事業のイメージと行政の信頼性について調査した。その結果、公共事業のイメージは全体的に好ましくないことが分かった。情報源別にみると、マスメディア参照者と広報・パンフレット参照者では公共事業の必要性に関する認識が大きく異なっていた。また、実体験者の方が全体的に公共事業に対して厳しい認識を持っていた。一元配置分散分析を行った結果、広報・パンフレット参照者のイメージは他の情報の参照者に比べて有意に高いことが分かった。さらに、共分散構造分析を行った結果、イメージ、特に、事業の妥当性と手続きの公正さの認識が信頼形成の重要要因であることが分かった。以上より、公共事業の信頼を回復させるためには、事業の妥当性だけではなく、手続きの公正さについてもアピールするとともに、住民の視点に立って現場での対応を改善していく必要があることが示唆された。
  • 崔 金栄, 小林 康昭
    2003 年 10 巻 p. 233-242
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    現在、中国の建設産業は、従来の社会主義経済から自由主義的な市場経済への転換と、WTO加盟に伴う市場の国際的開放という大きな歴史的な変革の時期を迎えている。 こうした変革が大きな刺激剤となって、中国は著しい経済成長を見せ始め、設備投資や社会基盤整備も活発化している。 こうした動きを支える建設制度は目下、社会主義的な仕組みから市場経済的な仕組みへ転換の途上であり、過渡時期に特有な様様な問題が発生している。
    本研究は、建設制度の中核である入札制度について、中国で行われている内容、手順、管理などの現状を概略的に捉えて考察したものである。
  • 荒井 俊之, 溝口 宏樹, 竹内 恭一
    2003 年 10 巻 p. 243-250
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    昨今、公共事業を実施するにあたっては、透明性や説明責任の確保が重要な課題となっている。また、高度成長期を通じて大量に建設された土木構造物を適切に維持管理し、さらに必要な社会資本整備を着実に進めていくためには、成果重視・顧客重視の行政運営の視点に立ち、より一層のアカウンタビリティの向上と、効果的な社会資本のマネジメントを推進していく必要がある。そしてそのためには、社会資本ストックの量や状態を的確に把握し、適切に評価することにより、これをマネジメントツールとして活用することが求められる。
    本稿ではこれらの課題に応えるために社鎖本の管理に会計的視点を取り込んだ「インフラ会計」を構築することが必要であることを述べる。そして、「インフラ会計」の構築には、社会資本ストックの量や状態を適切に評価することが不可欠であるため、既往の社会資本ストックデータの課題を整理するとともに、事務所等で管理する台帳等をべースに、一部のインフラ施設についてストック評価額の推計を試み、今後の課題を明らかにした。
  • 小池 則満, 深井 俊英
    2003 年 10 巻 p. 251-258
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、工事現場に対するイメージアップを図る試みがなされ、工事現場についても完成予想図などの様々な掲示板がたてられなど、工夫がなされている。本研究では、工事現場におけるイメージを住民がどのように考えているか、略画テスト法とよばれる手法を用いて調査した。略画テスト法とは、人物画のイラストを用いて会話形式で意見をたずねる方法で、通常の質問方法よりも被験者の本音を引き出せるといわれている。アンケート用紙の配布は、名古屋市内の2小学校区に対して投函配布、郵送回収方式で行った。その結果、工事現場のイメージは決して良好とはいえないこと、特に公共事業の必要性に関する疑問を多く抱かれており、工事掲示板においては、工事の目的や効果を明示することが強く求められていることがわかった。
  • 大内 雅博
    2003 年 10 巻 p. 259-267
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    貨幣指標ではなく構造物の量から建設投資を定量化することを試み, わが国の建設投資を国際比較により特徴づけた。建設した構造物の量の指標としてセメント消費量を採用し, 日本および世界各国について現在の建設需要と変遷, そして過去からの累積量を定量化した。わが国における現在の一人当たりの建設投資は欧米諸国と比較すると明らかに多いことが分かった。これは欧米諸国よりも後から起こった経済成長によるものであるが, 建設投資のピークが30年間近くも継続していた点は特徴的である。また, 投資の累積量の点でも日本は多い方である。一方, 東アジアや東南アジア諸国との比較では, わが国の現在の建設投資は決して多い方ではないことが分かった。わが国における累積量に占めるこの30年間の投資の割合は欧米先進国と比較して圧倒的に多く, 近い将来補修補強が必要な構造物の量の増加が, どの国も経験したことが無いほど多くなる可能性があることを指摘した。
  • 大内 雅博
    2003 年 10 巻 p. 269-276
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    各地域への投資を定量的に示すことが建設投資の妥当性を議論する際の大前提である。建設投資の定量的な指標として, 従来から使用されている貨幣指標ではなく, 最も一般的な建設材料である生コンクリートの出荷量に着目し, 各都道府県の生コンクリート消費量から建設投資の地域差の定量化を行った。西暦2000年度における各都道府県の生コンクリート出荷量について, 人口密度と単位面積あたりの消費量とが極めて相関係数の大きい一次関数で回帰できることが分かった。単位面積あたりの消費量を消費密度と定義した。回帰一次関数の切片と傾きを, それぞれ人口密度がゼロの場合の生コンクリート消費密度, そして人口密度の増分に対する生コンクリート消費密度の増加量の比と定義した。これら2つの値を, 生コンクリート消費量ひいては建設投資の地域差を定量表現する指標として定義した。生コンクリート消費量を民需と官公需とに区分し, それぞれの消費密度と人口密度との関係からそれぞれの地域差を定量化できた。
  • 契約形態とリスクマネジメント
    高崎 英邦, 山口 真司, 鈴木 信行, 村上 清基, 村上 和史
    2003 年 10 巻 p. 277-285
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は、建設産業をより発展させ、また社会に貢献していくためには知識集約型化する必要があるという立場で、知識集約型化するための課題を検討し、その中で特に契約形態とリスクマネジメントに焦点を当て、現状の理解と今後のあり方について考察することにある。
    まず、社会や住民の要求事項に対応するために知識集約化が必要なことを明らかにする。次いで、知識集約的側面から見た建設産業の実状を概観し、そして知識集約型に進化するための基本的課題を抽出し考察する。その基本的課題のうちから、知識集約型化するに最も優先度の高い一つとして「契約形態とリスクマネジメント」を取り上げ、国内および欧米の実態を概観し、それが知識集約型化に必要な理由、建設プロジェクトの工事段階におけるリスク抽出 (リスク特定)、今後の契約形態とリスクマネジメントのあり方などについて考察する。
  • 高橋 明子, 神田 直弥, 石田 敏郎, 中村 隆宏
    2003 年 10 巻 p. 287-296
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    建設作業現場における災害事例の分析を行い, コミュニケーション・エラーの発生過程とその背後要因を検討した. 建設業における労働災害に関する報告書約800例のうち, コミュニケーション・エラーが要因となって発生した50事例を対象に, バリエーションツリーを用いて分析を行い, 60のコミュニケーション・エラーを抽出した. それらをコミュニケーションのプロセスモデルを用いてパターン化した結果, コミュニケーション・エラーは「記号化・メッセージ型」「媒体型」「理解型」の3つのパターンに分類された.さらに, 「記号化・メッセージ型」は「独断作業型」「設備不備型」「計画不備型」に細分化された. また, 各パターンについて, バリエーションツリー上の変動要因と説明欄から背後要因を抽出し分類した結果, パターンごとに異なった背後要因の特徴が見られた.
    最後に, コミュニケーション・エラーの各パターンの発生過程やその背後要因を基にした事故防止対策案について検討した.
  • 北條 哲男
    2003 年 10 巻 p. 297-304
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    労働災害についての現状と建設分野における労働災害の特徴を分析した後、各産業分野におけるヒューマンファクター面からの災害防止対策への取り組み状況を紹介した。建設業においては、不安全行動型の災害が多発しており、ヒューマンエラーに至る背後要因を明らかにしてヒューマンファクター面に重点をおいた対策を講じる必要性を指摘した。分析する一手法としてインシデント調査法 (ヒヤリハット調査) があり、大学において建設実習を行なう学生を対象として事例収集を実施した。調査項目は、主にヒューマンファクター・設備類・作業方法の要因に着目して行い、「ひやり」「はっと」事例の類型や頻度について整理し、非熟練作業者の行動様式や心身機能の特徴を分析した。このような調査は事例が少ないため、更に数年継続することによりデータベース化し、非熟練者あるいは若年作業者への対策を講じることが、今後の建設産業の安全性の向上に結びつくものと考えられる。
  • 岡本 俊彦, 小林 康昭
    2003 年 10 巻 p. 305-312
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    従来より我が国では、建設マネジメントに関する能力は、実社会に出てから実践で体験しながら習得するものと考える傾向が強かったため、大学等の高等教育機関ではマネジメント教育に関する認識力紙かった。
    しかし、建設産業を取り巻く環境は時代とともに変化し、実社会が建設技術者に求める能力の多様化が進んでいるため、高等教育機関での建設マネジメント教育の必要性が議論され始めている。
    そこで、筆者らは学ぶべき内容や方向性などを明らかにするために、これまでに実施されたアンケート調査の結果をもとに、実社会のニーズに動機付けた建設マネジメント教育の構築を試みた。実社会を4つのグループに分類して個別のニーズを探ると共に、高等教育機関における授業実態調査、日本人が留学時に学習した授業項目の調査、欧米の教科書の内容調査などの結果から、広く求められている建設マネジメントの授業項目を整理した。さらに、足利工業大学卒業生の就職先とそこで望まれる教育内容をもとに、各大学のおかれた状況における建設マネジメント教育の構築の方向付けについて言及した。
  • 内木 昭太, 高瀬 達夫, 小山 健
    2003 年 10 巻 p. 313-320
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    ゴミの分別収集が長野市でも本格的に行われ始めてから, その処理能力的には進歩を遂げたものの, ゴミの発生量は増加の一途をたどり, 大量のゴミ・廃棄物が発生し廃棄場所の不足や不法投棄といった事態が大きな社会問題となってきている. 一方, 温室効果ガスの排出問題については, 1997年に開催された地球温暖化防止京都会議 (COP3) を機に, 地球温暖化防止の視点から, 二酸化炭素を中心とする温暖化ガスの排出抑制について住民の意識レベルが高まりつつある今, 地域レベルから現状を認識し, 発生の要因を探ると共に解決策を考えていくことが重要である.
    そこで, 本研究では長野市を対象として, ゴミとCO2排出の共通要因である家計消費支出を用いた, 可能性回帰分析によってゴミ排出量予測モデル式を求めた.さらにファジィ数量化I類を用いゴミおよびその処理する際に発生するCO2の排出要因の分析を行うとともに, 要因分析の結果を反映させたゴミ排出量の可能性回帰分析についても解析を行い精度の高い実用的な可燃ゴミの排出量予測式を求めることができた.
  • 藤川 雄輝, 高瀬 達夫, 小山 健
    2003 年 10 巻 p. 321-330
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    我が国における大量生産・大量消費社会というシステムの下流で, 廃棄物処理や温室効果ガスを中心とする環境負荷物質の排出が社会問題となってきている.
    近年, ゴミの問題については, 各地方自治体によって分別収集が本格的に行われ始め, また一方, 温室効果ガスの排出問題についても, 地球温暖化防止の視点から, アイドリングストップなどの温暖化ガスの排出抑制運動が活発に行われ, 一般の人々の関心を集めるようになってきている. この様に住民の意識が高まりつつある今, 地域レベルからこれらの問題に取り組んでいくことが重要である.
    そこで, 本研究では, 長野市の一般家庭を対象として, ゴミ排出と, 温室効果ガスの中でもその大部分を占める二酸化炭素 (CO2) 排出の両問題について解析を行った. ゴミと温室効果ガス問題の共通要因として, 家計消費支出に着目し, 可能性回帰分析によってゴミ排出量予測モデルの構築とまた, LCAのインベントリ手法により, 一般家計消費に関するCO2排出量の算定を行った. またそれらをもとに, CO2排出量を目標削減値に抑制するためには, ゴミの量はどの程度削減されなければならないか, すなわち, CO2排出量抑制下での可能なゴミの許容排出量について解析を行った.
  • 永田 尚人, 山本 幸司
    2003 年 10 巻 p. 331-338
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    1995年に発生した阪神・淡路大震災では、地震発生直後から交通渋滞が発生し、緊急・復旧活動が妨げられるなど様々な問題を発生させた。さらに, この地震では大量の家屋が全壊, 半壊し, それら家屋の解体および廃棄処分に伴う膨大な量のがれきが発生し, その処理過程において環境問題や交通事故の多発などの社会的な問題が顕在化している.
    各地域で策定されている地域防災計画には, 実践的な対応能力について記載されているものが少なく, 切迫性が指摘されている東海地震のような広範囲に被害が及ぶ大規模災害に対して, 都道府県境を跨いだ広域的な協調による災害対応が大きな課題となってきている.
    本研究では、復興期におけるがれきの輸送について, 道路交通のネットワーク解析を基にした方法論を提起するとともに, がれきの想定需要量を考慮したがれき運搬について基礎的な分析を行ったものである.
    さらに大規模災害における広域応援の在り方についての提言を行うことを目的とする.
  • 高橋 健二, 大津 宏康, 大西 有三
    2003 年 10 巻 p. 341-348
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    豪雨は, インフラ構造物に重大な損失を引き起こす自然ハザードである. 道路等に隣接する斜面の破壊は, 住宅地域での人身, 家屋に対する被害だけでなく, 道路利用者に対する機能喪失をもたらすことになる. 本研究は, これまでの研究の知見に基づき, 自然災害のハザード要因として, 降雨を対象とした斜面破壊により発生する社会経済学的損失の評価に基づく, リスク評価手法について提案するものである. さらに, 本手法を実際の国道網に隣接する斜面に適用し, そのリスク評価結果に基づく, 斜面補強の優先順位付けの基礎資料としての事例についても示すものとする.
  • 安藤 良輔, 市川 昌, 大角 直
    2003 年 10 巻 p. 349-360
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究においては, 既往の評価指標を整理した上, 岐阜県飛騨地域を例にした中山間地域の特性及び地域住民の意見を踏まえた評価指標の構築を行った。これにより, これまでの費用便益分析マニュアルによる全国一律の経済性に重点をおいた評価では, 評価しきれなかった道路に対しても評価できるものを提案できた。
    また, 各々の評価項目に対し, 具体的な評価指標を整理して実際に評価に用いたことで, 今後の道路評価に対する一適用事例として成果を挙げることができた。
    さらに, 評価においては様々な分野の評価者を設定し, 偏りのない評価を行うことができた。特に, 地域住民における意見を幅広く取り入れ, 本評価において大きく意見を反映することができた。地域住民参加型評価手法を確立する意味においても, 今後の公共事業評価の一助となる方法を提案できた。
  • 山本 徹, 関 文夫, 吉田 篤史
    2003 年 10 巻 p. 361-368
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    国民の社会資本へのニーズは、社会資本整備の進捗に伴って国民が求める「豊かさ」に質的な変化がみられ、公共投資に関する国民の意識は変化している。国民のニーズは経済効率重視のハード主体の公共投資から、環境や福祉などを重視したソフトを含めた「ゆとりや豊かさ」の実現と変化している。
    高度経済成長を支えてきた社会資本整備の施工者である日本の総合建設会社は間接部門を持たない外国のゼネラルコントラクターと違い、技術研究所などの技術開発部門を有しそれを活用するエンジニアリング能力も備えている。現場施工管理においては、組織としての技術支援を得ることにより確かな技術的判断をもって問題解決にあたっている。さらに技術部門は机上の研究活動からだけでなく、豊富な現場経験からのノウハウを集積しその技術力を蓄積している。
    本書では、従来の総合建設会社の施工管理部門 (Constructor) と工学的技術部門 (Engineer) の融合に加えて「ゆとりや豊かさ」を提供するために意匠設計能力を有するランドスケープ技術部門 (Designer) を設けて三位一体として活用する「総合技術監理システム」によるランドスケープデザインで、地域との合意形成に貢献した施工実施例を紹介する。
  • 岡村 美好, 遠藤 隆夫, 青沼 茂樹, 秋山 孝男
    2003 年 10 巻 p. 369-374
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    公共工事の品質確保には, 発注者・設計者・施工者が三位一体となったTQM (Total Quality Management) が要求される。しかしながら, 国家公務員倫理法が施行されてから, 発注者 (公務員) と設計者や施工者との距離が遠くなり, 三者の連携が難しくなってきている。そこで,(社) 土木学会関東支部ブランチの山梨会では, TQM研究会と称した発注者・設計者・施工者による技術討論会を開催してきた。
    本報告では, TQM研究会の概要, および技術討論会で議論された建設プロジェクトにおける問題点と今後の課題について報告する。
  • 橘 義規
    2003 年 10 巻 p. 375-378
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    高度成長期に多数建設された社会資本ストックの老朽化が進む中、これらのサービス水準を効率よく維持するために、管理の分野においてもマネジメントシステムの導入が進められつつある。しかしながら、日本の社会資本の大多数を管理する自治体では、種々の制約から導入に取り組めていないのが現状である。本論では、既存施設に求められる機能を効率的に発揮させるために長期的な計画に基づいて維持管理を実施する「既存施設マネジメント」の導入に向けた課題を技術的な側面 (ハード) とマネジメントを実施する組織 (ソフト) および人 (ハート) の3つの側面からとりまとめたものである。
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