建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
2 巻
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  • 馬場 敬三
    1994 年 2 巻 p. 1-10
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    “経営資源を如何に効率的に使い建設を遂行するか?” が建設マネジメントの目的である。ここにおいて経営資源を効果的に使うと言うことは生産性を高めることに他ならない。従って, 建設マネジメントにおいて生産性の占める意義は極めて大きい。生産性が低い産業の宿命として数々の問題が建設界におこる。しかし, 根本的な生産性の問題を無視して, 発生する事態の予防手段のみの研究では, 解決策は見出せない。建設マネジメント上, 重要な生産性ではあるが, 実際の算定は容易には出来ない。従って, 建設マネジメントの各種の現象例えば個別の技術の有用性を評価する指標として現在の生産性は使えない。それ故, 建設の生産性の本質を分析して, 現在の定義算出手法の特性等を把握して, 生産性を建設マネジメント上の各種の活動や手法の基準としたい。さらに, 建設界にとって生産性自体の向上が大きな課題で, 修正された生産性の概念から, その向上の場を単なる施工分野のみに限定せず, 企画, 計画設計, 施工, 維持管理に至るまでのプロジェクトのライフサイクルにとらえ, その具体的な向上策を論じた。
  • 阿部 賢一, 佐橋 義仁, 山田 孚, 栗原 誉志夫, 廣谷 彰彦
    1994 年 2 巻 p. 11-22
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    わが国の公共工事の制度改革が本格化している。公共工事標準請負契約約款も国際化へ対応すべく見直し検討の時期にきている。平成6年1月、わが国政府は、「公共事業一入札・契約手続き改善に関する行動計画」を決定して、発表した。海外建設業者の参入に対応するアクション・プランである。わが国の契約図書はいままで国内建設業者を対象として作成されてきた。今後は海外建設業者も視野に入れ、契約上の紛争を未然に防止する必要があろう。本論文は、わが国の公共工事約款、米国連邦政府約款およびFIDIC約款を比較することにより、海外の公共工事約款内容・実情を調査し、さらに国際工事におけるFIDIC約款修正版の運営状況も考察したものである。
  • 阿部 賢一
    1994 年 2 巻 p. 23-36
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    平成5年末の中央建設業審議会建議は、わが国の公共工事における履行保証の主流である「工事完成保証人」廃止の方針を打ち出した。これに伴い、建設省は、平成6年6月、履行保証制度研究会を発足させ、12月中に報告書を取りまとめることとなった。その研究の主題となっている米国のボンド制度について、その内容、実際の契約不履行に伴うボンドの適用事例、ボンド・ビジネスの現状等を分析する。さらに欧州の工事保証制度にも視野を広げて、英国、フランス、ドイツの工事保証システムにも言及する。それらを踏まえて、わが国の工事保証制度への適用と問題点及び提案の考察を行う。
    わが国の公共工事の履行状況を把握し、入札・契約制度の改革の全体の枠組みの中で、合理的な、費用対比効果を考えた時代の変革に柔軟に対応する工事保証制度を確立する必要がある。また発注者の業者選定責任および履行保証費用負担を明確にする必要がある。
  • 山本 聡, 河合 豊彦
    1994 年 2 巻 p. 37-44
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    昨今の公共土木工事においては、新技術・新工法の導入、規模の拡大など積算情報・業務が質的・量的に大幅に増大している。また、現在の積算体系については精緻な積み上げ方式となっているため積算業務に多くの時間と労力が費やされ、積算体系、積算システムの抜本的な改善が必要となってきている。建設省が制定している積算基準については各自治体がこれを基本とし、積算しているのがほとんどであるため、全国べースでの対応が必要となってきている。そこで、本稿の新土木工事積算システム (以下「新システム」という。) の開発では、土木積算業務をより効率的・合理的に行うために工事工種の体系化 (設計書構成の統一等) と合わせ、最新のコンピュータ技術を導入した積算システムを全国的な観点から構築することを目的に検討を行い、そのシステム内容等について報告するものである。
  • 下村 一樹, 落合 辰巳, 山本 幸司
    1994 年 2 巻 p. 45-52
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    当社では、昭和62年から原価管理システムが一部の現場に導入され始め、その後、平成4年より積算システムを導入した。しかし、これら2つのシステムは単独で稼働しており、(見積→実行予算→原価管理) という業務の中で、見積と実行予算は積算システム、原価管理は原価管理システムを使用するため、実行予算書と電卓を持って原価管理システムに再度データの修正・入力を行っていた。
    そこで、以下に示すような目的を持っコンバートシステムの開発を行った。
    (1) 積算データを原価管理データにそのままコンバートすることにより、2つのシステム相互間のデータに関連性をもたせる。
    (2) 原価管理システムへの実行予算データ入力作業の省力化を図る。
  • 春名 攻, 抱江 卓哉, 三好 浩樹, 姫野 勝一
    1994 年 2 巻 p. 53-64
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    集客性, 採算性の考慮を含めた事業経営の問題は、(地方) 都市再開発プロジェクトの構想立案にあたり、大変重要な位置を占めると考える。この問題は、再開発事業構想計画案策定作業上、計画内容や事業手法との関わりあいも強く、プロジェクト実施主体・事業手法や資金調達等、多様・多層的検討を必要とする複雑かつ困難なものである。しかし、このような検討を充分におこなわず、計画案の初期条件の設定を誤った場合、開発後の経営努力によるプロジェクトの収支を改善する余地はかなり限定されると考えられる。そこで本研究では、事業採算性, 再開発効果 (経済・経営的), プロジェクトの整備戦略, の3視点に着目し、これらの先取り的検討をおこない、構想計画案を評価することで、より手もどりが少なく実現性の高い計画案策定のための方法論の構築を試みたものである。対象地には、近年開発計画が多く見られ、かつ、都市部に比べ、開発を成功に導く要因の内、「集客性」が特に大きなウェイトを占めると考えられる地方都市を取り上げた。
  • 春名 攻, 山田 幸一郎, 滑川 達
    1994 年 2 巻 p. 65-76
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文は、従来から組み合わせの数が膨大となり実用レベルでの適用が不可能とされていた工程計画におけるPERT/MANPOWER問題に対して、ネットワークトポロジー理論を導入することによって、効率的かつ合理的な最適解法を開発することができた。ネットワークトポロジー理論に基づく手法やアルゴリズムは本研究において開発したものであり、工程ネットワークにおける技術的順序関係と管理的順序関係の2つの順序関係を、グラフ理論で扱われているカットセットの概念を利用することにより、トポロジカルな写像関係として整理することができるものである。なお、本論文では、このPERT/MANPOWER問題を、複種類の資源に制約が与えられたときのような、一般的な場合に対して工期を最小にするスケジューリングの問題として定式化している。
  • 和田 かおる, 飯田 進一, 山本 幸司
    1994 年 2 巻 p. 77-84
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    パイプライン敷設工事や電線の地中化工事, 道路補修工事等のように道路を占用して行う工事では工事対象道路を通過する交通に大きな影響を与える。特に道路の片側全てを占用して工事を行う場合、通過交通は交互通行を強いられる。このように交互通行を行う場合、ガードマンや仮設信号によって交通制御が行われるが、人件費の高騰等から仮設信号により安全に効率よく交通を処理することが望ましい。しかしながら、従来の仮設信号では信号現示時間が固定されていることから、刻々と変化する道路交通を効率的に制御するこは困難である。そこで、本研究では交通量の変化に応じて信号機の現示パターンを自動的に変化させ得る動的制御を提案し、信号制御システムを開発するためのシミュレーションモデルを構築する。
  • 花安 繁郎
    1994 年 2 巻 p. 85-96
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    建設工事では毎年多くの労働災害が発生しており, これらの災害を防止することは建設事業を円滑に進める上で重要な課題である。建設マネジメントの中で安全管理は, 建設工事遂行に当たっての重要な管理システムの一つとして位置づけられている。労働災害統計の調査, 分析に関する業務は, 災害に関する基礎的情報を提供し, これにより問題点の把握や安全対策を設定したり, 安全研究の方向性を定めるなど, 安全管理での意志決定に重要な役割を果たしている。本研究は, これまで行われてきた労働災害に関する統計学的分析研究について, 特に確率統計学的分析研究を中心にその歴史的変遷を概括することを試み, また, その調査結果をふまえ, 今後の労働災害統計分析研究が進むべき方向性とそこでの課題を考察したものである。
  • 山本 聡, 村椿 良範, 野口 勉, 藤井 友行
    1994 年 2 巻 p. 97-106
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    土木構造物の施工に際しては、多数の労務を必要とするが、最近の労働者不足等を背景に、施工の自動化・機械化をはじめとした施工合理化による省人化・省力化のニーズが高まっている。このために設計の実務の段階において、土木構造物に要求される機能を満足する範囲内での構造物の形状の単純化や構造寸法の規格化等の配慮や工夫が従来にも増して必要となっている。このような観点から、建設省において長年にわたって取り組んでいる土木構造物標準設計のコンクリート構造物全般について、施工合理化に関する問題点等を整理し、設計の立場から考えられるコンクリート構造物に係る各種の施工合理化策を提案した。さらに、施工合理化策を取り入れた試験施工を実施して、省人化、作業環境の改善および工期短縮の度合の評価等を行い、場所打ち方式の逆T式擁壁、L型擁壁を対象とした設計基準 (案) を作成するとともに、それに基づく標準設計図面の素案を作成した。
  • 小澤 一雅, 袴田 英宏
    1994 年 2 巻 p. 107-116
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は, コンクリート構造物の建設における施工の合理化を評価する手法を開発することを目的としたものである。施工性に優れた施工を工期が短く, 現場に必要な作業員が少なく, 各作業に特殊な技能を必要としないものであるとの認識に立ち, 施工性指数を算定する方法を提案した。安全性については, 建設にかかわる人間の死亡災害のみを取り上げ, 各作業中に事故が発生する確率に基づいて, 安全性指数を算定する方法を考案している。これらの評価指標を用いて, 断面が中空の橋脚を例として取り上げ, 4つの施工法を比較評価した。
    普通コンクリートを締固め作業が不要の自己充填コンクリートに代えただけでは, 最大15%程度施工性が向上するが, スリップフォーム工法や埋設型枠工法と組み合わせると最大75~85%程度と大幅に施工性を上げることが可能となり, 安全性も向上する結果が得られた。これらの評価を貨幣単位に換算することで総合的に施工の合理化を評価する手法についても提案している。
  • E. S. とC. G. からのアプローチ
    春名 攻, 竹林 弘晃, 迫間 幸昌
    1994 年 2 巻 p. 117-126
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、都市周辺における土地造成開発事業は、経済のバブル崩壊後の不況にもかかわらず、慢性的な都市中枢機能の過度集中にもとつく人口過密や住宅不足などの問題により、相かわらず盛んに行われている。土地造成工事計画を行う際には、周辺環境に与える影響を最小限に抑え、安全かっ迅速、経済的に工事を行うため、工事計画のマネジメントにおいても、さらなる高度な管理技術が要求されている。一方、E. S.(エキスパートシステム) を用いた人工知能技術や、C. G.(コンピュータ・グラフィックス) 技術の発展もめざましく多くの分野で適用事例が増加しており、土木分野にも有効な対応策と考えられるようになってきている。
    そこで本研究においては、大規模土地造成工事を対象に取り上げて、そこでの工事計画問題についての考察を行うとともに、それぞれに適したアプローチの方法について従来の研究成果をもとに検討を加えた。そして、この検討にもとづき、工法選定のためのエキスパートシステムと、コンピュータ・グラフィックスを積極的に活用することによって、合理的な土地造成工事を実現するための施工計画の策定を念頭においた計画システムの開発を行った。
  • 春名 攻, 大音 宗昭
    1994 年 2 巻 p. 127-138
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    沖合人工島造成工事の護岸工事を対象にして、総合的な施工管理システムを設計し実施した経験をもとに、施工管理システムの設計法として順序立てて整理してみた。最初に護岸工事における主な施工管理要因を抽出し、ISM (Interpretive Structuring Model;翻訳的構造モデル) 的整理を行った。これによりシステム構造としての階層性と、施工管理要因間の関連関係を見出した。またWBS (Work Breakdown Structure;作業下方分解構造) 方式により護岸工事を分解・整理した上で概略工程計画を作成し、施工管理要因による施工管理上の課題を確認した。次に階層性を考慮し、施工管理上の課題に対応するサブシステムを持った施工管理システムの概略構成を案出した。概略構成は複数のサブシステムから成立し、機能分担をしている。更にそれぞれの機能をSADT (Structured Analysis & Design Technic;構造分析および設計手法) 方式で整理することにより、発注者、受注者の業務に仕分けした。
    以上のような分析の手順を整理し若干の考察を加えて施工管理システム設計フローとして示した。
  • 山岳トンネル工事現場のシステム化に関する研究 (その2)
    春名 攻, 北角 哲, 五十嵐 善一
    1994 年 2 巻 p. 139-148
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    山岳トンネル工事については、今後の大断面施工、急速施工に向けて、機械化・ロボット化等が研究されているが、今のところコスト面から考えてNATMをベースとした工法に勝るものはないというのが実情と考える。この場合、切羽前方の地質予知を含めた切羽の管理をいかに合理的に行うかという問題が、工事の成否の分かれ目となると考える。
    一方、建設業においては、受注競争激化の中でコストダウンを強いられ、現場管理要員の削減という問題に直面している。
    そこで、マルチメディア・システムやコミュニケーション技術を援用し、トンネル切羽管理に伴う業務を省力化するとともに、切羽の岩盤の状態を合理的に判定するためのシステムを開発し、運用実験を行った。
    運用実験の結果、本システムは、切羽管理関係業務の省力化に十分寄与するとともに、岩盤判定のための客観的な情報を迅速に提供し得るものであることが確認された。
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