建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
7 巻
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  • 内々価格差分析を中心として
    木下 賢司, 福田 至
    1999 年 7 巻 p. 1-12
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    日米の建設コスト構造の違いを立体的に理解するためには、平均的な内外価格差の算出とともに、両国の地域内価格差-いわゆる「内々価格差」についても把握することが重要である。これまで我が国では、個別資材の物価等は都市別に調査がされているものの建設コストトータルとしての内々価格差については、調査や試算がなされていなかった。
    本論文では、資材費、労務費といった工事構成要素ごとのコストを比較し、それらを積み上げることにより両国の建設コストの内々価格差について試算し、地域差の観点から日米の建設コスト構造について比較考察した。
    その結果、工事費トータルでみると、米国では地域差が非常に大きい (最大1.75倍) のに比べ、日本では地域差が小さい (最大1.23倍) ことが明らかになった。日本では、個々の資材の単価にはかなりの地域差があるが、資材合計ではそれらがある程度相殺されるほか、資材費と労務費とで相殺される部分もみられた。一方、米国では、資材費は日本と同様に各資材の地域差が相殺され、合計で地域差が小さいが、労務費等の格差は非常に大きく、全体として地域差が大きいことが明らかになった。
    内々価格差の観点からみた日米の建設コスト構造の違いは、資材費よりも労務費に起因するところが大きく、均質な社会構造 (特に労働市場構造) 等による影響が大きいものと考えられる。
  • 木下 賢司, 福田 至, 大田 泰二
    1999 年 7 巻 p. 13-20
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    海外建設資材のなかには、価格や品質の面で国産品より優れたものも少なくないが、その十分な活用には至っていないことから、このメリットを積極的に活用することを目的に官民で海外建設資材活用のための取組みが行われている。海外建設資材活用のための取組みには、建設省及び関係公団で行われてきた輸入資材活用モデルエ事等の発注者サイドの取組みや、各建設業界団体で行われているその利用に関する実態調査等の受注者サイドの取組み等があるが、海外建設資材の活用については、発注者および受注者の課題について考えると同時に、その調達に関わる商社 (代理店)、メーカー、及び流通産業も含めた資材調達システム全体を視野に置き考えることが重要である。
    本稿は、これらの海外建設資材活用のための取組み結果を分析し、市場原理に基づく資材調達システムの観点から、海外建設資材の活用に関する可能性と課題についての考察を行ったものである。
  • 盛武 建二, 遠藤 茂勝
    1999 年 7 巻 p. 21-32
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    公共事業の効率的な執行が求められる中で, 会計検査において, 予算の執行や施策, 事業の実施状況などのすべてから一部を検査対象として選び, 正確性, 合規性, 経済性, 効率性, 有効性などの観点から検査を行っている.
    本稿では, 検査に沿って記述されている事例から, 戦後に実施された公共工事に対する会計検査について建設プロジェクト実施過程の各分野にわたって検査内容, 指摘内容の移り変わりを分析した。
    分析結果をみると, 昭和30年代は施工, 40, 50年代は積算, 施工, 60年代以降は設計, 積算, 契約, 施工とそれぞれの年代で各分野の問題点を取り上げているほか, 公共事業のストックに着目して事業の効率性, 有効性の観点からの評価を積極的に行っている.
    多くの事例において, 予定価格の根拠としての積算基準, 構造物の設計基準, 施工の妥当性・適正性の面から, 発注機関に対しコスト縮減を図らせたり, 適切な品質管理を行わせていることなどを確認した.併せて, 技術者が公共工事に携わるうえでの技術審査の留意点についての考察をした.大きな転換点を迎えている公共事業では透明性, 客観性, 競争性を確保するため, 事業の実施過程, 事業評価に対する説明責任 (accontabihty) の充実が求められており, 会計検査においても評価手法の確立に着手しつつある。
  • 木下 賢司, 高野 匡裕, 加藤 和彦
    1999 年 7 巻 p. 33-40
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    設計VE方式は、公共事業において積極的に民間技術力を活用するための手法として導入されている。本方式はプロジェクトの上流段階である設計時に技術提案を求める手法であり・コスト縮減等について大きな効果轄事業を発揮することが期待されている。建設省直においては、平成9年度から本方式を導入しており、9年度には8件が試行された。ここでは、平成9年度の試行案件について、アンケートおよびヒヤリング調査を行い、現状での効果および課題についての分析を行った。効果については、コスト縮減の観点から、VEの導入段階 (設計時、入札時、施工時) における縮減効果、VE検討の実施プロセスと縮減効果及びプロジェクトの特性によるVE効果について検討を行った。今後の課題として、コスト縮減効果に対する評価、VE提案内容の活用、提案者に対するインセンティブの付与等について検討を行つた。
  • 木下 賢司, 高野 匡裕, 小澤 一雅, 山川 裕嗣, 田中 達也
    1999 年 7 巻 p. 41-51
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    我が国では、発注者が工事に要求される技術水準および建設企業の技術力を評価し、発注時の企業選定に反映させるシステムを採用している。工事の技術的難要求技術水準および企業の技術力は、工事の易度、難易度の高い工事への対処能力とそれぞれ関連し、工事の技術的難易度の適切かっ実用的な評価システムの確立が課題となっている。
    本論文では、完了工事を対象としたアンケート調査を実施し、施工に精通した熟練技術者が認識する工事の難しさへの影響要因を調査分析し、工事の技術的難易度に影響を及ぼす主要な要因につい的て難整理した。さらに、各要因が工事の難しさに及ぼす影響度合いの調査データから、工事の技術易度の分析・評価を実施した。その結果、工事の技術的難易度は工種により有意な差が生じており、「工種」および「当該工事の条件および特性等、工種以外の要因」により工事の技術的難易度が表現し得ることが明らかとなった。
  • 藤島 博英, 小林 康昭
    1999 年 7 巻 p. 53-62
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    建設分野全体の体質改善をはかるという観点から、平成5年 (1993年) に中央建設業審議会建議で、入札・契約方式改革の基本方針が示され、大規模な公共工事については入札制度の多様化が進められることとなって5年が過ぎた。
    そこで、わが国の公共工事における入札制度の実態を特に地方自治体について調査を行い、多様化の一つとして試行されている一般競争入札制度の促進の可能性を、一般競争入札の導入を妨げているとされる「事務量の増大」、「不良・不適格業者またはダンピングによる落札の恐れ」等の要因を中心に検討を試みた。
    その結果、地方自治体で最も活用しやすい方法として、一般競争入札の中で特に入札後資格審査付き競争入札が最も現実的なものであると考え、それを導入した場合に考慮すべき点について考察した。
  • 秀島 栄三, 小池 則満, 山本 幸司
    1999 年 7 巻 p. 63-70
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    建設残土の不法処分が社会問題化して久しい。残土を適正に処理するには、規制を課すだけでなく技術的条件、経済的条件の整備が重要である。特に複数の地域が共同体制を組んで処理をすれば排出量と受入量のアンバランスが是正されやすくなり、-地域で閉じて行うよりも適正な処理が期待されよう。そこで本研究ではまずゲーム理論にもとつくモデルを定式化し、多地域間で均衡的に成立する共同体制をゲームの「提携」として示す。しかしながらこのような共同体制、それに参加する各地域の個々の利益に基づいて形成され、より広域的な適切性は追求されない可能性がある。これに対して、民間企業が、均衡結果としての共同体制よりも広い地域にわたって残土処理プロセスの一部を担い、各地域から料金を徴収して採算を得るだけの利益確保できるならば、ビジネスとして成立するとともに社会的にも望ましい。そこで、このような新規事業を民間企業が行うことの成立の可能性について上述のモデルを用いて検討する。
  • 春名 攻, 滑川 達
    1999 年 7 巻 p. 71-82
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地方都市における宅地開発プロジェクトでは大規模な土地開発をともなうケースが多く、宅地価格を左右する総事業費のなかに占める造成費を低減化することが事業計画上で大きなウェイトを占め、そこでの低コスト化の努力がプロジェクトの成否に大きな影響をもってくることになる。
    本研究では、これまでの研究成果である「地方都市における大規模な土地開発事業におけるプロジェクトプランニングを合理的に実施するシステム論的方法」の検討過程をより効果的で効率的なものとするため、事業採算性の鍵を握る造成費の変動に強い関わりを持つ地形設計の方法を中核的システムに据えた土地開発計画CADシステムへと改変するための開発研究を行ったものである。そこでは、地形高を計画変数として、大きく分けて次のような3つの段階によって構成した。すなわち、まず地形データベースへの入力が中心となる対象地形情報のモデル化を行う段階、高低差を判断基準として物理的・技術的な要件を確保するとともに、概略的に運土作業の効率性を追求することにより、造成方針代替案を絞り込む段階、さらには、絞り込まれた代替案群に対して、より詳細な造成工事の経済性の追求を行い、この意味ある代替案群を造成費用及び地形形状の観点から評価して、その結果を視覚情報としてアウトプットする段階に分けて各段階の具備すべき要件と開発課題を明確化した。そして、それぞれのシステム化の検討をとおして、宅地開発プロジェクトプランニング支援としての土地開発計画CADシステムの開発を行った。
  • 春名 攻, 馬場 美智子
    1999 年 7 巻 p. 83-92
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、滋賀県草津市を対象として、地域住民の余暇・スポーツ活動拠点となるアーバンリゾート施設建設の事業化に関して、都市開発問題という観点から種々考察を加えるとともに、数理計画モデルを用いた分析を通じて評価・検討を行った。ここでは、拠点施設開発と交通体系の関係に焦点をあて、問題となっている地域内の交通施設の整備問題を解決し、より効果的な土地開発プロジェクトを計画するための検討を行った。ここでは、事業採算性、地域開発効果、住民の生活水準の向上などの評価視点から多角的に分析し、これらにもとづきプロジェクト案を総合的に評価した。また、地域開発プロジェクトの事業化において近年問題となっている財政問題の解決策の一つとしての民間活力の導入・活用という方法に着目し、民間企業立地に伴うビジネスチャンスの拡大方策に関して考察するとともに、その方策の適用による開発プロジェクトの事業可能性の増大化についての検討も行った.以上のように、本研究では, 数理計画モデルによる分析を通して構想計画段階における開発プロジェクト計画化の方法のに関する考察と、計画内容総合的評価・検討を通して事業化に関わる種々の意志決定のための客観的な判断情報を提供するためのシステム的なアプローチをめざした。
  • 藤村 秀樹, 溝上 章志, 柿本 竜治
    1999 年 7 巻 p. 93-102
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    中央政府および地方公共団体の財政事情の逼迫化を契機として, 社会基盤整備の方策を見直す動きが見られるが, 開発利益を見込んだり, 民間活力を生かしたような費用負担システムは存在しない. よって, 効率的な社会基盤整備が円滑に推進されない面があり, 実務者の間では, 社会に合意が得られるような公正で公平な費用配分方式の開発が強く求められている. 筆者らは, 複数の事業主体により実施される公共基盤整備や新しい事業手法の導入に際し最も問題となる費用配分法として, 新たに合意形成型費用配分法を提案している. どの配分法は, 従来の分離費用身替り妥当支出法などでは考慮できなかった関係者の意見を集約する機能を備えている. 本研究においては, 北九州市の第二若戸連絡道路プロジェクトを対象として, 評価委員会を組織し, 実際のプロジェクトを対象に配分解の試算を行い, 提案した費用配分法の有用性をゲーム論の立場から検証したものである.
  • 木村 康博, 竹内 佐和子, 吉田 恒昭
    1999 年 7 巻 p. 103-110
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    我が国は戦後、急速に社会資本を蓄積させてきたが、今後は様々な事情から社会資本整備の財源は非常に限られているといわれている。しかしながら、現在のところデータに裏付けられた現状把握及び将来予測の例は乏しい。本研究では、社会資本整備をフローではなくストック形成として捉え、その地域間、分野間、及び時系列の配分過程を明らかにした。そして、社会資本を生産活動を行うための一要素であると仮定し、社会資本の生産力効果の推移を分析した。その結果、1970年以降、その数値は低下傾向にあることが示された。また、行政投資額に占める用地費や維持補修費、更新費等の割合を明らかにした上で、今後の財政状況により我が国が如何なるストック水準を確保しうるか将来予測を行った結果、我が国が2025年度以降に新たな社会資本ストックを形成することは非常に困難となることが示された。
  • Chunlu Liu, Yoshito Itoh
    1999 年 7 巻 p. 111-118
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    In recent years, it has been widely recognized that the transportation infrastructure construction is highly correlated with the economic development, especially in developing countries. The quality and quantity of transportation infrastructure systems have a direct bearing on economic growth. Bottlenecks in the provision of transportation infrastructure facilities can severely retard the growth in all economic sectors of a country or a region. Therefore, the developing countries are facing the challenges of updating and expanding their infrastructure facilities so that the economic growth will not be retarded from the lack of infrastructure construction. This research focuses on modeling the relationships among economic development in terms of the growth rate of the gross domestic product and the transportation infrastructure construction in terms of the growth rates of lengths of various transportation modes using the statistical data reported from government agencies. These relationships are helpful for making decisions on transportation infrastructure construction and investment policies both within the transportation modes at the regional level and among regions of a country for a specific transportation mode.
  • 桝山 清人, 安孫子 義昭
    1999 年 7 巻 p. 119-128
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    現在、土木施工管理技士の受験資格は1級・2級とも、学歴および建設現場実務経験により、異なっている。
    本研究では、工業高校・農業高校の高校生を対象として土木施工管理技士に関する建設資格の設問を柱として、学校のカリキュラム、進学・就職、建設業界についてアンケートによる意識調査を行った。
    高校生全体の6割以上が建設会社を希望をしているのにも関わらず、その仕事内容についてはあまり把握していないことが調査結果から得られた。また、早期に資格の情報を与えることによって高校生、就職先、資格取得が密接に関わってくることがわかった。
  • 野城 智也
    1999 年 7 巻 p. 129-140
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    日本では、1970年代においてCM方式が建築プロジェクトにおいて試行されたことがある。本論文は、1970年代の試行事例を基点に、1990年代におけるCMの多様な展開を通観したうえで、マネジメント機能の観点から「日本型CM」の特徴をマネジメント機能に着目して考察したものである。本論文では、1970年代の試行事例について分析を、どのような理由でCM方式が定着しなかったかを明らかにした。続けて、1990年代になって再びCM方式に対する関心が高まった理由について考察を加えた。これを踏まえ、「日本型CM」の典型として、二つの類型を仮説的に提示した。一つは、企画・設計段階においてVM・VEを通じて透明なサービスを提供しつつも、施工段階においては、日本のゼネコンがもつ設計及び施工の統合能力を活用するという類型である。もう一つは、逆に、企画・設計段階では、効率化がはかられるものの、施工段階では、ワークパッケージの細分化して分離発注し、コストの透明性を高めていくという類型である。これらは、日本の建設生産特有の因子を反映したものであり、マーケット・セグメンテーションのなかで、それぞれ存立意義を持ちえるプロジェクトの実施方式であると考えられる。
  • 島崎 敏一
    1999 年 7 巻 p. 141-148
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    日本では, 建設産業における透明性の確保, コスト削減などが焦眉の急となっている.これに応えるために, 建設省は, 2004年から直轄工事の施工を建設CALS/ECによって行うとしている.CALS/ECが導入されると, 一般には, 組織のフラット化が進み, さらにフラット化した組織でスピードを重視したマネジメントをしないと, 個人も企業も生き残れないといわれている.しかし, このような派生的な影響について, フラットな組織とピラミッド型組織のマネジメント上の特性に関する定量的な比較研究はほとんどなされていない.建設CALS/EC導入の派生的な影響には, 多くの側面がある.本研究では, 派生的な影響に関する定量的研究の第一歩として, 組織に必要な人数, 情報取扱量, 情報伝達所要時間, 情報伝達時のエラー発生率について, フラットな組織とピラミッド型の組織についてモデル化し, 比較し, 解析をする.
  • 今津 雅紀, 西 淳二, 長峯 洋, 泉谷 泰志, 宇野 昌利
    1999 年 7 巻 p. 149-156
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本論文においては, トンネル施工時における施工支援業務の効率化をめざして, トンネルに適用可能なトンネル施工マネジメントシステムを整備し, 今後の適用に関する課題をさぐることを目的としている.そこで, トンネルに関する報告書や発表文献のデータベース化をはじめ, トンネル施工マニュアル・現場管理の電子化, 現場ホームページ等からなる支援ツールを整備した.また, これらのシステムに対する新しいトンネル情報ネットワークのありかたを探るとともに, 今後必要な付加機能について述べ, トンネル経験豊富な技術者にも役立つシステムとしている.
  • 奥谷 巖, 神出 幸治, 津江 誠
    1999 年 7 巻 p. 157-164
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、進化アルゴリズムにすみ分けと協調という二つの操作を付加し、プロジェクトスケジューリング問題を解く方法について検討している。各作業の開始時刻を要素とするベクトルを個体と定義したとき、複数の親個体からタンジェント関数を使った単純な変換より子個体をつくり、優秀な個体群を選び出して次世代の親個体にするという基本操作を行う中で、距離が近く劣位にある個体を淘汰するというのが最初のすみ分けの操作であり、これによって広範囲の効率的探索が可能となる。また、協調的進化段階では、すみ分けで最後に残った個体が交配を重ねてよりよい一つの個体をつくるという操作がなされる。実証的検討においては、まずモデル中の各種パラメータの最適設定を行い、その値を用いてタブー探索法との相対比較の中で有効性確認を行っているが、対象とした5つのスケジューリング問題中3つの問題においてより有効な解探索に成功している。
  • 春名 攻, 滑川 達, 伊藤 壮央
    1999 年 7 巻 p. 165-176
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究においては、PERT/MANPOWBR問題を含む大規模工程ネットワークへの工事用資源の配分問題の最適解を効率的に導出することができる解法アルゴリズムの開発を行った。本研究では、これまでPERT/MANPOWER問題、さらには最適投入量決定問題も内含した工事用資源の配分問題に対して、既存のPERT系手法とは異なる観点から各問題を定式化し、最適解が理論的に確実に求められる方法を明らかにしてきた。ここでは、以上のような理論的成果から得られる最適性の保証を保持しながら、DPの計算過程に新たな処理を追加することにより、計算量の削減を図り、実際レベルの大規模計算にも耐え得る最適解法を開発した。そして、この解法を大規模工程ネットワークへ適用することにより、操作性の向上を実際に確認した。
  • 齋藤 耕一, 櫻井 成一朗, 熊田 禎宣, 鈴木 壽
    1999 年 7 巻 p. 177-182
    発行日: 1999/11/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    不均一地盤においては, 比較的均一な地盤に対する沈下理論の適用可能な領域が微小区画に限られている.その上様々な未知の沈下要因に起因する個々の微小区画間の相互作用を無視できないことから, 対象とする地盤全体の沈下予測は困難となる.それゆえ, 従来の施工計画では専門家の勘や経験に頼らざるを得ないのが現状である.専門家の施工計画を詳細に分析すると, 実測値による均一区画よりも広範囲の区画を均一区画と経験的に見なしていることが少なくない。これは均一地盤の定義を緩めて, 地盤沈下という観点から再定義していることに他ならない.すなわち, 専門家は, 実測値では均一でない場合でも, 同一の施工の下では同一の沈下履歴をもつ区画こそが均一区画であると再定義していることに他ならない.本論文では, 同一の施工の下で同一の沈下履歴をもつ区画を疑似均一領域と呼び, 疑似均一領域を同定することによって, 施工方法および各区画の沈下許容予測率の範囲を同定し適切な施工計画を立案する。本手法では, 専門家への依存を軽減することによって, 経験のすくない専門家でも施工計画を立案することができる.
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