環境工学研究論文集
Online ISSN : 1884-829X
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  • 高橋 直樹, 佐藤 佳央, 石橋 良信, 韓 連煕, M. T. Rahman, 真野 明
    2008 年 45 巻 p. 1-8
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    嫌気性条件下における地下水へのヒ素溶出を助長する種々の物質の影響を実験的に調査した.その結果, リン酸系の物質は化学的特性からヒ素溶出に強く影響することが判明した. 特に有機リンの代表として添加したトリフェニルボスフィンではコントロールに対して630倍の溶出濃度がみられた. また, アンモニアのようなpH値がアルカリ側にある物質の添加でも顕著なヒ素溶出が認められた. 一方, 微生物の作用について考察するとともに, 微生物の特定を試みている. また, 地下水流動解析の一助のために帯水層中の化学平衡時の分配係数を求めた.
  • 李 衡峻, 増田 貴則, 細井 由彦
    2008 年 45 巻 p. 9-17
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    農地は非特定汚染源の1つであり, 粒子態物質の流出が多いと予想される. 本研究では, 汚濁物質を形態別に分け, 水田を主体とする農業小流域から流出する粒子態物質に着目して流出特性と負荷量を明らかにすることを目的とした. 調査の結果, 灌漑期中でも農作業時期によって汚濁物質の流出は大きく異なり, 特に代かき・田植え, 中干し前半に粒子態物質の流出が多かった. 対象流域へ流入する負荷量と流出する負荷量の差から, 正味流出負荷量を求めた結果, SSとT-P, PPは流量の減少にも拘らず流出量が多く, TN, PNは時期によってマイナスの値を見せた. モデルを利用して雨天時の流出負荷を把握した結果, 灌漑期の降雨量が大きな影響を与えることが分かった. 晴天時と雨天時の結果から算定されたSS, T-N, PN, T-P, PP原単位はそれぞれ785, 16.9, 3.9, 6.7, 3.3kg/ha/yrであった.
  • 岡安 祐司, 鈴木 穣
    2008 年 45 巻 p. 19-28
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    流域で発生する栄養塩類の流出機構を明らかにするために, 生活系の汚濁物質発生特性 (トレーサー物質 (ナトリウムイオン, カリウムイオン) 及び溶解性栄養塩類の実態) を調査した. さらに, 流域における汚濁発生量総量に対する生活系汚濁と畜産系汚濁の比率が異なる2流域を対象に, 非潅漑期の晴天時にトレーサー物質と溶解性栄養塩類の実態調査を行い, これらの物質の流達特性を把握した. その結果, 生活系汚濁の割合が大きな流域では, 河川中のトレーサー物質及び溶解性栄養塩類濃度は, 生活排水が基底流により希釈されるとすることで解釈が可能であった. 一方, 畜産系汚濁の割合が大きな流域では, 同様の解釈はできず, 畜産系と考えられる, 生活系以外の汚濁物質の混入が示唆された.
  • 花本 征也, 杉下 寛樹, 山下 尚之, 田中 宏明, 宝輪 勲, 小西 千絵
    2008 年 45 巻 p. 29-37
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では、水環境中での医薬品類の挙動を把握することを目的とし、河川を流下中の医薬品類の濃度の減少が一次反応に従うと仮定して一次反応定数により濃度の減少の評価を行った。まず、淀川水系を対象とした調査により、上流と下流の負荷量の差を把握し、流下時間を用いて、河川を流下中の医薬品類の減少速度を減少係数で評価した。次に、実験室での分解実験により、医薬品類の減少速度を減少係数で評価した。両者を比較した結果、ketoprofen, azithromycin, diclofenac, levofloxacinなどの物質については、河川中での減少速度が実験室で行った分解実験による減少速度よりも大きな値を示しており、生分解やSSへの吸着以外の機構 (光分解や底泥への吸着など) による濃度の減少が示唆された。また、分解実験により、河川によって生分解性が大きく異なっていることが示唆された。
  • 永矢 貴之, 白石 芳樹, 笙瀬 明日香, 鬼束 幸樹, 東野 誠, 高見 徹, 東 均, 秋山 壽一郎
    2008 年 45 巻 p. 39-50
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では, 五ヶ瀬川水系大瀬川を対象とし, 仮想的な掘削断面をいくつか想定し, 平面二次元流況解析モデルを用いて平水時における流況解析を行った. 河村の提案したアユ, オイカワ, カワムツおよびウグイに関する水深, 流速および底質の選好曲線を利用し, これらの魚種の生息適正値を各仮想断面について予測した. 続いて, Simpsonの多様度指数を用いて各仮想断面における多様度指数を比較した. また, 同様の解析モデルを用いて洪水時における流況解析を行い, 計画高水時における治水効果を評価した. 最後に, 魚類の利用可能生息場面積, 魚類の種多様性, 治水効果および河道の安定性を総合的に考慮した最適な河道断面の選択手法を提案した.
  • 坂本 淳一, 松本 治彦, 羽田野 袈裟義, 天野 卓三
    2008 年 45 巻 p. 51-58
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    河川感潮部では, 底質を構成する微細な粒子が有機物を多量に含んでヘドロ化し, 貧酸素化や硫化水素の発生による悪臭などの問題が生じている. 河川感潮部の水質浄化対策を検討するには, 底質の移動に影響すると考えられる底面せん断応力を見積もることが必要になる. 本研究では, 河川感潮部の現地観測により塩分と濁度のフラックスを評価し, その時間変動特性を調べるとともに, 一次元非定常流計算から得られる運動方程式中の各項の評価をもとに底面せん断応力の評価を試みた. その結果, 底面せん断応力は, 水面勾配の影響と塩水先端部が通過する時間帯の流れ方向の密度勾配の影響を受けることが推定された.
  • 綿谷 慎一, 中野 陽一, 今井 剛, 中井 智司, 西嶋 渉, 岡田 光正
    2008 年 45 巻 p. 59-64
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    太田川の洪水防止のために設けられた太田川放水路は平常時には維持水量が流されているが, 本川が増水すると, 増水した水が放流される. 放流前後では流動環境が大きく変化するため, 汽水干潟は増水の影響を強く受ける. 本研究では放水路の増水による汽水干潟への影響を調査した. その結果, 土壌の掘削とベントス個体数の減少の面から増水の影響がみられたが, それらの程度は増水の規模やパターンによって異なった. 2006年の水位5.57mの増水では表層10cm程度の土壌流出が認められた, また, 2005年の水位8.01mの増水では, 表層25cmに存在したマクロベントスの約50%が減少した. 増水によって干潟土壌の流出やマクロベントスの減少が起こっても, その後回復していくことがわかった.
  • 川向 有希子, 颯田 尚哉, 立石 貴浩
    2008 年 45 巻 p. 65-71
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究ではロマツナへの臭素酸の影響を評価するために, 対イオンがカリウム (K) とナトリウム (Na) の場合における生育障害について検討した. その結果, KBrは草丈や乾燥重量に成長抑制作用を示さず, 促進効果のみを示した. 臭素酸による成長掬制作用は濃度に依存して強くなった. KBrO3場合1mg/Lの低濃度では, Kの成長促進効果によりコントロールよゆもコマツナは成長するが, NaBrO3の場合では同じ濃度でも成長阻害を引き起こすことが分かった. 成長掬制割合は, KBrO3において高い正の相関性を示し, 回帰直線が得られた. 一方NaBrO3においては, 対数関数の方程式と良い一致を示した.
  • 西田 一也, 古澤 由美子, 岡崎 大輔, 君塚 芳輝
    2008 年 45 巻 p. 73-80
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 魚類の棲息環境としてのワンドの機能とその経年変化を明らかにすることを目的とし, 1996-2008年に江戸川下流の本流および2つの人工ワンドにおいて, 魚類および環境条件の調査を行った. その結果, 掘削・造成したワンドは, モツゴ・カダヤシ・メダカといった小型で游泳力が小さく, 定住性が強いと考えられる魚類の棲息場となること, コイ・ブナ属といった魚類の繁殖・成長の場となることが推察された. 一方で, 経年的な土砂堆積による水深の減少によって, その機能は低下する可能性が考えられた. ただし, 再掘削によって棲息や繁殖の場としての機能が回復することが示唆された. 今後の課題として, 人工ワンドにおける魚類の棲息・繁殖に与える要因を精査することが考えられた.
  • 池上 裕輔, 野村 宗弘, 長濱 祐美, 中野 和典, 西村 修
    2008 年 45 巻 p. 81-87
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    海草コアマモは, 潮間帯に生息する底生動物相の多様性を増加させる機能を持つことが知られており, コアマモ場造成に向けてコアマモの生育状況と環境因子との関係およびその理由を明らかにする必要がある. 実際にコアマモが生育している現地では, 様々な環境因子が複合的に作用しており, どの要因がコアマモの生育に影響しているかを判断するのは困難である. そこで本研究では, 異なる干出時間, 異なる底質の条件下でコアマモの室内育成実験を行い, 生育の違いを比較した. その結果, コアマモは非干出域で生長がよいことがわかった. また, 底質の違いによって, コアマモの生長に一定の傾向は認められなかった. したがってコアマモの生育に対しては, 干出時間の方が底質の違いよりも影響することが示唆された.
  • 長濱 祐美, 大罵 理照, 吉河 秀郎, 根元 謙次, 西村 修, 木村 賢史
    2008 年 45 巻 p. 89-95
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    1983年以降海岸侵食が発生している三保半島外海域において, 海岸侵食が沿岸海洋生物へ与える影響を検討した. その結果, 長期的な海岸侵食に伴って, 重力流の卓越した海底環境を形成していることが示された. さらに, 連続的な重力流の発生は, 海底地形変化の著しくない25m付近においても活発に海底堆積物を移動させ, 粒状有機物の堆積が起こりにくい沿岸環境を形成していると示唆された. これらの海底性状は, 底生動物の餌資源が乏しいだけでなく, 一次遷移的な生物移入が繰り返されている脆弱なハビタットを形成し, 底生動物相を貧弱化していると推測された. さらに, 底生動物を餌資源とする底生魚類に対しても, 初期成長や再生産を通じて資源減少を招いている危険性が示唆された.
  • 萩原 淳子, 関根 雅彦, 藤井 暁彦, 尾添 紗由美, 渡部 守義
    2008 年 45 巻 p. 97-102
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    ナルトビエイのアサリ摂食音を解析し, 他の生物による摂食音と区別してナルトビエイによる食害を検出する技術を開発することを目的とする. ナルトビエイとカニがアサリを食べる時の音と映像を記録することに成功した. その音の解析結果から, ナルトビエイが特徴的な洗濯板のような歯を用いてアサリを圧壊する時の1破砕音 (ショット) は複数のパルスを含み, カニが爪を用いてアサリを割る時は1ショットに1つのパルスを含む傾向があった. このことより, 1ショットに含まれるパルス数3をエイとカニを判定する条件とすれば, 1ショットあたり48%の確率でエイの識別に成功した.
  • 増田 周平, 野村 宗弘, 坪根 史佳, 千葉 信男, 藤本 尚志, 中野 和典, 西村 修
    2008 年 45 巻 p. 103-112
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    漆沢ダム湖におけるアオコ発生メカニズムについて, 漆沢ダム湖の既存の文献調査と現地調査により検討した. 文献調査の結果, アオコ発生年と非発生年における表層水温の平均値は, それぞれ22.3℃, 17.4℃であり, アオコ発生年に高かった. 藍藻類は, 珪藻類, 緑藻類と比較して水温, TN, TP, TN/TP比が高いときに優占化した. この傾向は, 文献調査と現地調査で一致した. また, 藍藻類の発生は, PO4-Pの枯渇によって引き起こされると考えられた. PO4-Pの枯渇は, 春先の珪藻類の増殖と, 珪藻類の取水にともなう系外排出, 沈降により引き起こされると考えられた. また, 河川の出水にともなう流入量の増加は, 緑藻類の発生を引き起こした. その理由は, 湖内環境の不安定化およびPO4-Pの供給と考えられた.
  • 作野 裕司, 松永 恒雄
    2008 年 45 巻 p. 113-119
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本論文は分光反射率データを用いて, 汽水湖 (テストサイトは宍道湖) の高クロロフィルa濃度 (Chl.a) の推定精度を評価することが目的である. 研究の結果, 筆者らが過去に提案した宍道湖モデルのChl.a推定精度は5.9μg/l (RMSE) と見積もられた. また, 世界各地の水域で提案されている高Chl.a推定モデルを宍道湖に適用した場合, 「700nmと675nm」及び「705nmと675m」の反射率比とChl.aの相関が高かった (RMSE: 約6μg/l).さらに今後打ち上げ予定の衛星GCOM/SGLIセンサでは「530nmと670nm」の反射率比を使えば, 約7.2ug/lの誤差 (線形モデルの場合) でChl.a推定が可能である.
  • 今井 剛, 村上 奉行, 樋口 隆哉, 関根 雅彦
    2008 年 45 巻 p. 121-129
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では, 閉鎖性水域において底層部へ高濃度酸素水を供給することにより, 底層部を好気化・浄化することを目的とした. また, 閉鎖性水域の水質環境が高濃度酸素水の底層部への拡散およびその水質改善に及ぼす影響についても確認を行った. 山口県内の黒杭水源地において, 異なる水質環境 (温度躍層形成初期および温度躍層形成約1ヵ月後) で高濃度酸素水を導入し, 高濃度酸素水の到達状況およびその導入効果を確認した. 高濃度酸素水は温度躍層形成初期において, 底層部へ選択的に拡散・定着することが確認された. また, その導入により底泥からのリン溶出も抑制できた.温度躍層形成約1ヵ月後において, 高濃度酸素水製造装置内での褐色フロックの発生による好気化範囲の減少が確認された. このことから, 高濃度酸素水は温度躍層形成初期から導入する方がよいことがわかった.
  • 牛島 健, 嶋 国吉, 山崎 幸司, 柴田 敏明, 大嶋 光男, 矢沢 賢一
    2008 年 45 巻 p. 131-137
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    ダム湖底で越冬したMicrocystisは, 翌春に再浮上してアオコの発生に寄与していると考えられている. しかし, 再浮上のメカニズムは未解明の点が多い. そこで本研究では, 越冬Microcystisの再浮上に影響する可能性があると思われる, 物理的要因以外の環境要因を網羅的に扱い, 培養試験によってそれぞれ影響の有無を調べた. その結果, 次の結果を得た.(1) 光の有無, 強弱に関係なく再浮上が見られた.(2) 溶存酸素の高い条件でも低い条件でも, 再浮上は見られた.(3) 水温上昇は底泥からの再浮上に影響すると考えられ, その閾値は10℃-15℃の間に存在すると推測された. 以上より, ダム湖においては, 水温上昇が越冬の再浮上を支配する主要なファクターの一つと考えられた.
  • 佐藤 洋平, 伊藤 歩, 舘 紀昭, 佐々木 貴史, 相澤 治郎, 海田 輝之
    2008 年 45 巻 p. 139-145
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    重合核Alイオン存在下での珪藻の生息に及ぼす共存金属イオンの影響を検討するために, Ca, MgあるいはZnとの共存下において, Nitzschia paleaの培養試験を行った. Zn単独の場合では, その濃度が0.2mg/l以上の条件でNitzschia paleaへの阻害作用が確認された. Al単独の場合では, 重合核Al画分濃度が0.4mg/1以上でNitzschia paleaへの阻害作用がみられたが, 0.03mg/lのZnとの共存下では, 重合核Al画分濃度が0.1mg/lと低い場合でもNitzschia paleaへの明らかな阻害が生じ, 複合的な影響が示された. 一方, CaあるいはMgとの共存は, 重合核Alイオンの影響を緩和することが示されたが, 実際の河川では, 両金属の濃度が低いため抑制の度合いは低いと考えられる.
  • 佐々木 史織, 藤井 学, 伊藤 紘晃, 真砂 佳史, T. David WAITE, 大村 達夫
    2008 年 45 巻 p. 147-155
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    鉄はMicrocystis aeruginosaの増殖に重要な微量金属である. 藻類の中でもM. aeruginosaは, 閉鎖性水域で大量増殖を起こし, 毒素を生成することから全世界で問題になっている. ある種の海洋性藻類について, スーパーオキシド (O2・-) による細胞外での鉄の還元が鉄摂取に重要である可能性が示されているが, 藻類の鉄摂取におけるO2・-の寄与に関しては一貫した結果が得られていないのが現状である. 本研究では, M.aerugiosaの増殖と鉄摂取にO2・-と鉄の形態が及ぼす影響を検討した. 培地内でのO2・-濃度と溶存態無機第一鉄濃度の増加が, 比増殖速度と細胞内鉄濃度の上昇をもたらしたことから, O2・-及び鉄の形態が, M. aeruginosaの増殖に影響を及ぼしていることが示唆された.
  • 塩入 万莉子, 武田 文彦, 千葉 信男, 野村 宗弘, 中野 和典, 西村 修
    2008 年 45 巻 p. 157-162
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    アレロパシー効果は栄養素に影響を受けることが確かめられているが, 藻類の増殖に関する既往の評価手法においては栄養素が制限因子とならないよう添加するため, 栄養素の影響を除外できない. そこで本研究では供試藻類Microcystis aeruginosaが栄養素を必要とせず増殖できるバイオアッセイ手法を開発し, その手法を用いてポリフェノールのアレロパシー効果へ及ぼす栄養素の影響を調べた. また, アレロパシーメカニズムについての検討を行った. その結果, pyrogallic acid (PA) は細胞に直接作用するアレロパシー効果を持ち, 栄養素が存在すると効果が強化されることが明らかとなった. またPAは光合成阻害作用を持つことが確かめられた.
  • 武田 文彦, 塩入 万莉子, 野村 宗弘, 中野 和典, 西村 修
    2008 年 45 巻 p. 163-168
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    褐藻アカモクSargassum horneri抽出物とアカモク培養液の海洋性珪藻Skeletonema costatumに対する増殖抑制効果について, 栄養素条件に関係なく供試藻類が最大比増殖速度μmaxを示す新バイオアッセイ手法と既往の手法を比較した. その結果, 既往の手法の評価では新手法に比べ抑制効果が過小評価されたが, その原因は既往の手法では培養期間が長いことと, 試験水への栄養素添加による化学物質の抑制効果の低下にあると考えられた. 特に, 栄養素が供試藻類の増殖を制限しないよう試験水への栄養素添加が不可欠であった既往の手法による評価では化学物質の影響を正しく評価できていないことが明らかになり, 栄養素添加を必要とせずに抑制効果を評価可能な新手法は化学物質の生態影響評価に有効であると考えられた.
  • 佐々木 司, 渡部 徹, 三浦 尚之, 真砂 佳史, 中村 哲, 大村 達夫
    2008 年 45 巻 p. 169-177
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    途上国における感染リスクの指標として, 微生物に感染した際に体内で産生される血清抗体に着目した。カンボジアの農村において住民の血液を採取し, ヘリコバクター, カンピロバクターおよびアデノウイルスに対する血清抗体IgGを検出した。その抗体陽性率にもとづくリスク評価の結果, この村落ではカンピロバクター感染症の流行が近年起こっていないこと, 住民のほぼ全員が生後5年間でアデノウイルスに感染していることがそれぞれ明らかとなった。ヘリコバクター感染症については, 年間感染リスクが8-10%であり, 大腸菌群濃度が1個/mL以上の不衛生な水を利用していることが有意なリスク因子であることが分かった。住民の多くは井戸水由来のヒ素に曝露されていたが, ヒ素曝露による抗体産生への影響は確認されなかった。
  • 奥村 千恵, 真砂 佳史, 佐野 大輔, 植木 洋, 大村 達夫
    2008 年 45 巻 p. 179-186
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では, 酵素を用いたウイルス誘出手法 (Enzumatic Virus Elution法) よにる, カキ中腸腺からの新しいウイルス 誘出技術を開発した. 中腸腺試料にポリオウイルスを添加し, 3種類の酵素を用いた処理を試みた結果, 脂質分解酵 素であるリパーゼで処理することで, 酵素を使用しない場合と比較して検出効率が0.13%から9.6%へ74倍に改善された. ウイルス検出の各操作過程の中では, ウイルス誘出操作でのウイルス粒子の損失が最も大きく, 酵素の有無によらず 定量PCRでの阻割はほとんど見られなかった. また, リパーゼによる処理を行うことで, 冬期, 春期に採取したカキ 試料によらず, 安定した高効率の回収率が得られた. 以上よりリパーゼを用いたEVE法は, カキ中腸腺中のウイルス 量の季節変動を評価する手法として非常に有用であるといえる.
  • 中尾 江里, 中野 和典, 野村 宗弘, 千葉 信男, 西村 修, 渡邉 節, 中村 朋之, 畠山 敬
    2008 年 45 巻 p. 187-194
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では畜産地帯に流域をもつ宮城県内の2河川を対象として, 糞尿由来細菌及び環境常在細菌の薬剤耐性獲得の実態を検証した. 糞尿由来細菌の指標細菌として腸内細菌及び腸球菌を, 環境常在細菌の指標細菌として一般細菌及びシュードモナス属細菌を選定し, アンピシリン (ABPC), カナマイシン (KM), オキシテトラサイクリン (OTC), クロラムフェニコール (CP) の4種類の抗生物質に対して中間耐性を示す細菌の出現率を調べた. 調査により, 薬剤耐性を獲得した糞尿由来細菌の流出の実態だけでなく, 自然耐性による環境常在菌の薬剤耐性獲得の実態と, 人為的な糞尿汚染と環境常在細菌の耐性獲得の関連性が示され, 薬剤耐性菌が環境中に広く存在している実態が明らかになった.
  • Rahul R. UPADHYE, Daisuke INOUE, Tomonori ISHIGAKI, Kazunari SEI, Mich ...
    2008 年 45 巻 p. 195-202
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    Eubacterial communities and bacterial pathogens occurring in the leachates collected from three full-scale landfills in mesothermal area of Japan were analyzed using DNA microarrays targeting approximately a thousand eubacterial and pathogen species/groups. The leachate samples showed almost similar eubacterial compositions with marginal variations. Comparison of the results with precedents suggested that the predominant eubacterial populations in the landfills may be generally similar in East and Southeast Asia, irrespective of the climate zone. Analysis of the bacterial pathogens showed that the three leachates included a total of 44 species/groups of bacterial pathogens and 26 species/groups including Francisella, a frank zoonotic pathogens causing a serious health risk, and other high-risk pathogens were commonly found. In addtion, the 2 leachate samples from the landfills, where organic wastes such as sludge and raw garbage were mainly disposed, had 15 specific pathogens. It was suggested that sludge can increase the variation of the pathogens occurring in landfill leachates. Overall, results of this study posed some insights into the underlying microbial ecology in the landfill and the possible microbiological health risks associated with the landfill leachate.
  • 榊 あや, 奥山 加代子, 中村 寛治
    2008 年 45 巻 p. 203-210
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    特定細菌としてCupriavidus necator KT1株を利用して, 河川水中に生息する細菌群集に対する影響を回分実験により評価した.KT1株を, 河川水の全細菌数に対して1, 10, 50%の割合で添加し, 土着細菌群集構造への影響を無添加系との比較により解析した. その結果, 添加されたKT1株の16S rRNA遺伝子は, 試験開始後5日目で著しい低下が観察され, 細菌群集構造は短期間に回復することが示された. そこで, 河川水にKT1株を高濃度に添加して捕食者の有無を調査した結果, 黄金色藻網に属するべん毛虫が本細菌を捕食することが明らかとなり, 細菌捕食性の原生動物が, 外来細菌放出の際の自然生態系保全に重要な役割を果たしていることが推察された.
  • 栗栖(長谷川) 聖, 濱 理貴, 花木 啓祐
    2008 年 45 巻 p. 211-217
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    植物中に発現するGST (glutathione-S-transferase) 活性と, 曝露大気との関連を評価し, 大気汚染の評価ツールとして, 植物中GSTが利用可能か検討した.植物葉を扱う上で, タンパク質抽出効率及び, GST活性測定温度を検討し, 最適な測定条件を得た.また, 沿道および喫煙室内にポトス (Epipremunum aureum) を設置し, これらの葉及び根中にてGST活性の測定可能性を検証した. 特に, 喫煙室内に長期静置した試料葉において, 対照に比べ, 有意に高いGSTが得られたことから, バイオマーカーとしての利用可能性が示唆された. 今後, 植物種, 環境条件や生育条件等, 様々な影響因子の詳細な検討が必要と考えられる.
  • ANDRIANISA Harinaivo Anderson, 伊藤 歩, 三浦 洵一, 相澤 治郎, 海田 輝之
    2008 年 45 巻 p. 219-224
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    ヒ素で汚染されていない都市下水を受容する下水処理場から採取した活性汚泥を, 高濃度の亜ヒ酸を含む無機培地で継代培養した後, 平板培地上に生じたコロニーから2種類の細菌を分離し, それらの亜ヒ酸酸化能力の確認と16SrDNA塩基配列に基づく系統解析を行った. その結果, 分離株の一方は亜ヒ酸の酸化能力を有し, Ensifer adhaerensと99.9%の相同率を示した. もう一方の分離株については亜ヒ酸の酸化能力が確認されず, Microbacterium keratanolyticumと99.5%の相同性を示した. 分離された亜ヒ酸酸化細菌による亜ヒ酸酸化に関して, Michaelis-Menten式に基づく反応速度解析と有機物共存の影響について検討した. その結果, 最大反応速度とMichaelis定数はそれぞれ1.74×10-9μg/cell/minと415μg/1あでり, 有機炭素源としての乳酸ナトリウムの添加量が高いほど亜ヒ酸の酸化速度が増大することが分かった. 以上の結果から, 活性汚泥から分離した亜ヒ酸酸化細菌のヒ素汚染水処理への適用可能性が示された.
  • 佐藤 弘泰, 小貫 元治, 味埜 俊
    2008 年 45 巻 p. 225-232
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    活性汚泥中の微生物群集解析を行なうにあたり、DNAの抽出・精製のためにコストや時間を費やしている。ここでは簡便なDNA抽出法として、超音波破砕を行なうことを検討した。活性汚泥試料を超音波破砕と千倍-一万倍程度の希釈を行なうことで、精製を行なわずともPCR (Polymerase Chain Reaction) 法にかけることが可能であることがわかった。また、同一活性汚泥試料を用いて本手法およびビーズビーティング法を用いた市販の抽出キットで抽出・精製したDNAに対して16SrRNA遺伝子の部分塩基配列を対象としてT-RFLP解析を行い、T-RFLPのパターンを比較した。両者は多少の違いはあるものの、本法でも多くのピークを得ることができ、目的によっては適用可能であると思われた。非常に簡便な手法であり、今後、さらに検討を加えることで、手法として確立していくことが望まれる。
  • 末岡 一男, 小貫 元治, 佐藤 弘泰, 味埜 俊
    2008 年 45 巻 p. 233-240
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    安水処理活性汚泥中の好気性フェノール分解細菌を培養に頼らない分子生物学的な方法で特定することを試みた.ここではRNAを対象とした安定同位体標識法 (RNA-SIP法) を用いた. 人工安水を処理する活性汚泥に, 回分的に13C標識したフェノールを投与した. 6時間好気的に培養した後, 活性汚泥からRNAを抽出し, 超遠心操作によって13C標識されたRNAを分離した. Terminal restriction fragment length polymorphisms法とクローニング法とシーケンシング法を組み合わせて, フェノール由来の13Cを同化した細菌の16SrRNA部分塩基配列を解読した. その結果, Thauera属, Halomonas属, Marinobacterium属に分類される細菌とPropionibacterium属に近縁な細菌が好気性フェノール分解細菌と考えられた.
  • Kazuyuki SUZUKI, Takeshi YOSHIOKA, Yoshiro ONO
    2008 年 45 巻 p. 241-249
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    This study is an attempt at development of low-cost and effective technologies for leachate treatment using cover soil. A mixture of Andisol and waste iron powder was selected as cover soil for adsorption of heavy metals in landfill leachate. Batch adsorption experiments were performed to assess the performance of Andisol and waste iron powder for heavy metal adsorption under various conditions (pH, temperature, etc.). The adsorption of heavy metals on both adsorbents was well described using the Freundlich isotherm equation model. Andisol and waste iron powder have high adsorption capability. For pH 4-6, the Freundlich constant KF of both adsorbents remained almost constant. The Freundlich constant KF, which reflects the adsorption capacity, increased with increasing temperature to 35, 3 K. Thermodynamic parameters were calculated. The thermodynamic parameters of both adsorbents showed the endothermic and spontaneous nature of the process. Using these results, it was concluded that the mixture is useful as cover soil for removal of heavy metals from leachate under oxidative condition. Column adsorption experiments were performed using the mixture for determination of kinetic parameters under a dynamic adsorption process. The Bohart and Adams model showed a better fit for Cu, Pb, and Zn. In the bed depth service time (BDST) model, the adsorption capacity N0 and rate constant k are obtainable.
  • 山下 泰志, 水谷 聡, 貫上 佳則
    2008 年 45 巻 p. 251-257
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    一般廃棄物の焼却主灰と焼却飛灰を試料として洗浄処理と, カラム試験, アベイラビリティ試験を行い, 洗浄処理と長期的な溶出挙動の関係を把握した. 洗浄処理は, 液固比や溶出時間よりも洗浄回数を増やすことで効率的に溶出を促進させることができた. カラム試験においては, 可溶性塩類のNa, Ca, K, Cr, や有機物指標のTOCでは, 洗浄処理を行うことにより, カラム試験における累積溶出量は1/2-1/10程度まで抑制された. したがって, あるCdについては, 効率的な洗浄除去は難しかった.
  • 武田 信生, 高岡 昌輝, 大下 和徹
    2008 年 45 巻 p. 259-270
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    火葬場から排出される有害物質の実態を調査し, 排出抑制策を検討することを目的とし, 4箇所の火葬炉にて, 排ガスや灰中の塩素化・臭素化ダイオキシン類, 水銀, 六価クロムなどの測定を行った. その結果, 排ガス中ダイオキシン類は, 算術平均で0.42ng-TEQ/m3N (O212%換算) であり, この結果から, 排出インベントリーは最大1.1g-TEQ/年と試算され, 現在の試算値の1/5程度まで低減されていると推定された. 排ガス中水銀は, JIS法ではほとんどが定量下限以下であったが, 形態別水銀連続分析では過去の調査と同様に歯科アマルガム由来と考えられるHg0が大きな寄与を占めることが確認された. 灰中の重金属は, 全試料で六価クロムの溶出量が, 土壌環境基準の180-1200倍となり対策が必要であると考えられた.
  • Alonso Montero, Yasumasa TOJO, Takayuki MATSUO, Toshihiko MATSUTO, Mas ...
    2008 年 45 巻 p. 271-278
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    The final disposal ratio of mixed construction and demolition waste (MCDW) remains high in Japan, while progress has been made in the recycling of other construction and demolition waste. Sorting facilities are expected to play an important role in better management of MCDW. In this study, the feasibility of sorting facilities for the separation of material and of pretreatment for fmal disposal was investigated by conducting a batch experiment at a real operational facility. The material flow of each output fraction was determined based on the mass distribution and on analysis of the ignition loss and metal content. The separation of organic matter and ferrous metal achieved by the sorting process was excellent; almost 70% was separated out for recycling and did not go for disposal. Although the distribution ratios of heavy metals, such as Pb and Zn, sent to landfill were still high, their content little changed from the condition of the original mixed waste. The process of sorting MCDW achieved reduction of mass for disposal, reduction of the organic load directed to the landfill, and the diversion of iron from MCDW to recycling.
  • 小池 淳司, 山口 由美子, 細井 由彦
    2008 年 45 巻 p. 279-287
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    日常生活に伴って生じた一般廃棄物は, 自治体が定める処理計画に沿って処理が行われている. また自治体には, 廃棄物処理法により一般廃棄物収集, 運搬及び処分に関し, 手数料の徴収が認められている. この条項を根拠に, 手数料制を導入している自治体が増加し, 特に, ごみ袋有料化制度は多くの自治体で導入が進んでいる. 本研究では, 近年多くの自治体で導入されているごみ袋有料化制度のような一般廃棄物収集有料化の計量厚生分析を行う. 具体的には, 家計の行動モデルに家計内処理作業の概念を取り入れるため家計生産関数を考慮した応用一般均衡モデルを構築した. そして, 実証分析のため, パラメータキャリブレーション手法の開発を行った. 鳥取県内の自治体がすべてごみ袋有料化を実施した場合の実証分析をおこなった結果, 一般廃棄物収集有料化は, 廃棄物排出量削減効果があり, 厚生水準も最も高くなることが定量的に把握できた.
  • 高橋 克幸, 佐藤 大樹, 内藤 潤, 向川 政治, 高木 浩一, 藤原 民也, 颯田 尚哉
    2008 年 45 巻 p. 289-294
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    パルスパワーを用いた水中放電および, 誘電体バリア放電 (DBD) によって生成したオゾンによる汚水浄化を試み, AcidRedl, AcidBhle64の脱色について比較検討を行った. 水中放電は, 重畳ブルームライン型パルス電源を用い, 水中に設置された線対平板電極に高電圧パルスを印加し生成した. オゾンはパルス電圧で同軸円筒型DBDリアクタを駆動し, 1500ppmの濃度で生成した. AcidRedlは, オゾン処理によって30分程度で脱色することができたが, 水中放電方式では吸光スペクトルのシフトが生じ, 完全な脱色には至らなかった. AcidBlue64は, オゾン処理の方が水中放電方式に比べ, 1.1倍程度脱色効率が高かった. また, 全有機炭素 (TOC) 評価では, オゾン処理によって20%程度除去された.
  • Qiong ZHANG, Takaya HIGUCHI, Masahiko SEKINE, Tsuyoshi IMAI
    2008 年 45 巻 p. 295-300
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    Palygorskite, which is one of magnesium aluminum silicate, was investigated as adsorbent to adsorb ammonia gas in this study. The palygorskite was pretreated with HCl, HNO3 or NaOH with different concentration, temperature and reaction time. Raw palygorskite and pretreated ones were characterized with specific surface area by Brunauer-Emmett-Teller method, crystal structure by X-ray diffraction and metal dissolution by inductively coupled plasma-optical emission spectroscopy. Adsorption experiments were carried out at room temperature with an initial ammonia concentration in the range of 150-3000 ppm in nitrogen carrier gas. The adsorption capacity of ammonia was investigated by the 10% breakthrough time. The results showed that palygorskite had excellent adsorption property for adsorbing ammonia. The sample HCl-352 pretreated with 3 mol/l of HCl at 50°C for 24 hours had the highest adsorption capacity of 17.2mg/g.
  • 木村 功二, 藤井 滋穂, 田中 周平, 邸 勇, 野添 宗裕
    2008 年 45 巻 p. 301-308
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では、近年注目を集め始めている残留性有機フッ素化合物PFOS、PFOAおよびその類縁化合物6種類に着目し、粉末活性炭による吸着除去特性を検討した。単成分系での各物質の吸着特性は、炭素鎖が長いものほど高く疎水性による吸着である可能性が示唆された。吸着平衡定数KはPFOS: 198.19、PFOA: 64.97であった。8成分混合系ではPFDA、PFDoA、PFOSの3種類で吸着性が高く、単成分系と比較して吸着量が20%しか低下せず、他のPFHxA、PFHpA、PFOA、PFNA、PFHxSでは50-90%低下した。琵琶湖水を溶媒とした8成分混合系では、溶存有機物に吸着が阻害されPFOS、PFHxSで超純水中と比較して除去率が約60%低下し、PFHxA、PFHpA、PFOA、PFNA、PFDA、PFDoAでは不規則な濃度変化を示しほぼ除去されなかった。
  • 安藤 直哉, 松井 佳彦, 松下 拓, 大野 浩一, 佐々木 洋志, 中野 優
    2008 年 45 巻 p. 309-315
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    天然有機物質 (NOM) の除去方法の一つとして活性炭による吸着がある. 本研究では, 粉末活性炭とそれをさらに粉砕した微粉化活性炭を用い, NOM, そのモデル物質であるポリスチレンサルフォネート (PSS) 及びポリエチレングリコール (PEG) を対象とした活性炭吸着実験を行った. その結果, 活性炭の微粉化により, NOMの平衡吸着容量が増加することが分かった. さらに, 平衡吸着容量の増加は, 高分子量になるほど増加率は大きくなるが, 物質によりその増加率に違いがあることが示唆された. モデルシミュレーションにより, 微粉化に伴う吸着除去性の増加に寄与する因子は物質により異なることが示され, PSSのように平衡吸着容量の増加の寄与を大きく受ける物質や, PEGのように活性炭比表面積の増加の寄与を大きく受ける物質があることが分かった.
  • 服部 賢, 小地沢 俊宏, 渡辺 悠介, タンドカール マダン, 久保田 健吾, 李 玉友, 原田 秀樹
    2008 年 45 巻 p. 317-324
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    DHSリアクターの最大の特徴はスポンジ担体が空気に曝されているため, 曝気が不要であるということである. 本研究は常温・無曝気運転で高濃度アンモニア性窒素含有人工廃水を処理することによりDHSリアクターの硝化能力を把握することを目的とした. 約1年間の実験期間は4つのphaseに分けられ, アンモニア負荷を段階的にあげた. アンモニア負荷が2.00kg-N/m3/dのとき, 最大アンモニア除去速度1.78kg-N/m3/d, アンモニア除去率90%を得た.さらにこのとき最大酸素利用速度66g-O2/kg-VSS/hを示した. アンモニアはリアクター上部から除去されており, 各stageに保持された汚泥の硝化活性を調べると平均0.67kg-N/kg-VSS/dであった.
  • 谷口 涼子, 井口 晃徳, 多川 正, 山崎 慎一, 荒木 信夫, 井町 寛之, 山口 隆司
    2008 年 45 巻 p. 325-331
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    化学合成樹脂のひとつであるPVAを含有する廃水の効率的な分解を目的とし, 本研究はUASB-DHSシステムを利用した. 水質分析によりPVA含有模擬精練工程廃水の処理特性を, 16SrRNA遺伝子を標的としたクローン解析により, 本システム内に存在する微生物群集構造を調査した. CODcr, およびBOD除去率の結果から, UASBリアクター内は優占的に易分解性有機物が処理されていることが推察され, 後段DHSリアクターでは難分解性であるPVAの分解が選択的に行われると考えられた. またPVAの重合度を調べた結果嫌気環境下でもPVAの解重合が行われていることがわかった. クローン解析の結果UASB汚泥ではBacteroidetes門に属するクローン配列が優占的に検出された. またDHS汚泥からは, PVA分解菌とされるAlcaligenes.sp, Xanthomonas.spが検出された.
  • 李 名烈, 日高 平, 津野 洋
    2008 年 45 巻 p. 333-339
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    カーボンニュートラルのバイオマス資源である生ごみや下水汚泥からの資源回収が, 地球温暖化防止や資源循環の重要性から見直されている. 高温嫌気性消化より処理効率の向上を目指して, 超高温酸発酵槽を組み込んだ嫌気性消化工程を開発するために, 生ごみのみ, ならびに生ごみおよび下水汚泥の混合基質を対象として実験室規模の反応器で連続運転および回分式実験を行った. 高温酸発酵槽に比して超高温酸発酵の場合, タンパク質の可溶化で特に有利であり, 超高温酸発酵に高温メタン発酵を組み合わせた場合, メタン生成や安定性の面から有用であることが示された. 回分式実験を行ったところ, 超高温条件下で微生物による反応が活用されていることが示され, 熱処理以上の処理効率が得られていると判断された.
  • 小松 和也, 安井 英斉, 李 玉友, 野池 達也
    2008 年 45 巻 p. 341-348
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    近年, 下水汚泥処理方法として嫌気性消化が見直され, その効率を向上させるための研究開発がなされている. 嫌気性消化の効率が向上し有機物の分解が多くなると, 汚泥内に残存する無機物の割合が多くなり, その溶解析出挙動がプロセス性能に与える影響が大きくなる. しかし, 嫌気性消化における無機物の溶解析出挙動は, 反応の複雑さなどから, モデル化の試みはこれまでほとんどなされていない. 消化汚泥内の全無機物ではリンの占める割合が高く, 溶解性成分ではPO4-P, Ca, Mgが大部分を占めることから, 消化汚泥内のリン化合物の組成に着目した既往の知見において, 析出化学種の溶解度を考慮するとともに, 投入汚泥成分からのCa, Alの放出速度を補正することによって, 投入汚泥の性状や消化槽の運転状況から無機物の溶解析出挙動を推測できる数学モデルを作成した. モデルにより導出した消化汚泥の溶解性Ca, Mg, PO4-P濃度は実測値をよく再現していた.
  • Boyang LI, Takaya HIGUCHI, Masao UKITA, Tsuyoshi IMAI, Masahiko SEKINE
    2008 年 45 巻 p. 349-353
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    Biowaste, the separately collected organic fraction of municipal solid waste, can be reused for soil conditioning after composting. In this study, a series of field investigations was conducted on human health essential minerals, Ca, Fe, Mg, Mn, Zn, Cu and toxic heavy metals, Pb, Cr, Cd in soil which have been amended with biowaste composts only or amended with chemical fertilizer plus lower composts. The results show that the biowaste compost applications likely led to the increases of mineral elements in soils for Ca, Mg, Mn and Zn excluding some exception. It was also found that biowaste compost applications have shown the tendency of the increases of bio-available forms of Fe, Mn and the reverse situation for Mg. Comparison of supply ratios (SR = bio-available content/total content×100%) of all elements in compost-amended and no amended soils showed that the leachability of Fe, Mn, Zn, Pb was slightly increased by biowaste compost application, and less changed for other elements.
  • Takahiro Imai, Daisuke Sano, Yoshifumi Masago, You Ueki, Kensuke Fukus ...
    2008 年 45 巻 p. 355-360
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    河川水やカキ等の水環境由来サンプルと感染性胃腸炎患者由来糞便を同一地域において約4年間に渡って収集し, ノロウイルスカプシドタンパク質遺伝子を検出, 解読した.さらに解読された塩基配列にコードされたアミノ酸配列における変異に着目し, その多様性を評価した.得られたノロウイルスカプシドタンパク質遺伝子配列は, GII.2 (7配列), GII.3 (25配列), GII.4 (41配列), GII.5 (5配列), GII.6 (1配列), GII.10 (3配列), GII.11 (2配列), GII.14 (10配列) 及びGII.15 (1配列) の各遺伝子型に分類された.このうち世界中で感染性胃腸炎を引き起こしている遺伝子型であるノロウイルスGII.4のカプシドタンパク質遺伝子にコードされたアミノ酸配列について, 本研究で得られた配列をプロトタイプ (Bristol株) と比較したところ, 第8残基のアラニン, 第9残基のアスパラギン, 第15残基のアラニン及び第54残基のアスパラギンにおいてアミノ酸置換が確認された.保存性の高い領域の遺伝子配列だけでなく, そこにコードされたアミノ酸配列に着目することで, 人間社会におけるノロウイルスの動態を探る上で追跡すべき重要な遺伝子領域を絞り込むことが可能となった.
  • 北島 正章, 遠矢 幸伸, 松原 康一, 原本 英司, 宇田川 悦子, 片山 浩之, 大垣 眞一郎
    2008 年 45 巻 p. 361-370
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    ヒトノロウイルスは、細胞培養系が確立されていないため、消毒処理に対する耐性について十分な知見が得られていない。本研究では、ヒトノロウイルスに近縁で細胞培養可能なマウスノロウイルスを用い、水道水中のノロウイルスに対する塩素消毒の有効性を検証した。マウスノロウイルスの塩素消毒耐性はポリオウイルスよりも低く、3mg/L・minの遊離塩素消毒で99.99%(410g) 以上不活化された。また、ヒトノロウイルスとマウスノロウイルスの遺伝子の残存率は同程度であった。これらの結果から、ノロウイルスの塩素消毒耐性は他の腸管系ウイルスと同等以下であり、十分な塩素消毒が施された配水システムにおいてはノロウイルスが感染力を保ったまま末端給水栓まで到達する可能性は低いことが示唆された。
  • 原本 英司, 與那城 雄司, 秋葉 道宏, 橋本 温, 森田 重光, 浅見 真理, 国包 章一
    2008 年 45 巻 p. 371-377
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    水道水源である利根川中流域の支川を中心とした7地点を対象とし, 河川水中のクリプトスポリジウムとジアルジアの汚染実態の解明を試みた。河川水10Lを検査した結果, クリプトスポリジウムは91%(21/23), ジアルジアは78%(18/23) の試料から検出され, 最大濃度はそれぞれ790個/10Lと37個/10Lであった。単離したクリプトスポリジウムの遺伝子型は, Cryptosporidium suisが48試料 (8株) と最も多く, C.andersoniが5試料 (4株), C.pig genotype IIが2試料 (2株) およびC.meleagridisが1試料 (1株) となり, 単離試料の88%(49/56) がヒトへの感染例が報告されている遺伝子型 (C.suis, C.meleagridis) であった。
  • 笹島 康宏, 吉村 千洋, 李 富生
    2008 年 45 巻 p. 379-387
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    河川の病原ウイルス濃度が土地利用や河川水質とどのような関係にあるかを解明するために, 岐阜市およびその周辺の都市河川の20地点でF特異RNAファージおよび菌体表面吸着ファージ濃度を2007年-2008年の冬季に調査した, その結果, 大腸菌ファージ濃度は農地で最も高く, 次いで都市, 森林の順であった. ただし, 下水処理水が流入する区間の濃度は都市部より低かった. その結果, 中核都市では下水道が整備されている中心部で病原ウイルス濃度が抑えられているが, その周辺の農地と住宅が混在するような地区では濃度が高い可能性が示唆され, 水環境における病原微生物の管理に対して面源汚染としての評価の必要性が示された.
  • 上村 基成, 荒木 信夫, 濱口 威真, 山崎 慎一, 珠坪 一晃, 山口 隆司
    2008 年 45 巻 p. 389-398
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    2つのUASB槽と接触酸化槽から構成した新規の都市下水処理システムにおいて, システムの窒素除去を担う, 第2UASB槽内の脱窒素細菌の群集構造解析を行った. 集積培養とPCR-DGGE法を組み合わせた解析において硫黄脱窒素細菌ではThiobacillus denitrificansが, 従属栄養的脱窒素細菌はAcidovorax avenaeがそれぞれ存在していることが判明した. また, 系内には硫酸塩還元細菌が共存しており, 第2UASB槽内で硫細黄菌の酸化還元サイクルが発生していた. DAPI染色細胞に対する水素資化性硫酸塩還元細菌, 硫黄脱窒素と従属栄養的脱窒素細菌の割合の比は, 2.6%: 2.8%: 6.6%であった. 第2UASB槽のCODcr, 硫黄および窒素に関する物質収支から推定したエレクトロンフローでは, 全窒素除去の82%を硫黄脱窒素細菌が, 18%を従属栄養的脱窒素細菌が担っていた.
  • 田辺 泰人, 金田一 智規, 尾崎 則篤
    2008 年 45 巻 p. 399-405
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 実下水処理場の活性汚泥がベンゼンおよび多環芳香族炭化水素類 (PAHs) を分解可能であることを示すとともに, 分解に関与している微生物群集を明らかにすることを目的として行った。ベンゼン, PAHsを唯一の炭素源として活性汚泥を培養した後, 集積培養系に対して16SrRNA遺伝子に基づく群集構造解析およびMAR-FISH法を適用することで優占種がベンゼンやPAHsの分解を行っているかを検討した. ベンゼン培養系ではAcinetobacter sp., ナフタレン培養系ではBetaproteobacteia, Gammaproteobacteriaに属する細菌, フェナントレン培養系ではGammaproteobacteriaに属する細菌がそれぞれ分解に関与している可能性が示された.
  • 原田 宣男, 李 富生, 伊藤 真弥, 片峯 由裕, 吉村 千洋
    2008 年 45 巻 p. 407-414
    発行日: 2008/11/28
    公開日: 2011/06/27
    ジャーナル フリー
    河川水域に生息する微生物は, 河川生態系のみならず河川水質にも大きな影響を及ぼす重要な因子である. 本研究では, 長良川の河川水と河床堆積物を対象とし, 本川3地点, 支川7地点の調査を行い, 平板培養法による生菌量と, リアルタイムPCR法による全細菌量を比較検討した. その結果, 河川水中では流下過程で細菌密度が高くなり, 河床堆積物中では細菌密度に大差が見られなかった. 微生物量は調査地点ごとに異なり, 水質の特徴を反映していると考えられた. 全細菌量と生菌量の関係は, 調査地点と調査日ごとによって異なり, 各地点における水質の違いや季節的影響を受けることが示唆された.
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