日本古生物学會報告・紀事
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1935 巻 , 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 大炊御門 經輝
    1935 年 1935 巻 1 号 p. 1-4_2
    発行日: 1935年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    英文欄に記載した四種の中 Mysella paula (A. ADAMS) は鈴木, 高井兩學士に依る千葉縣多古町附近の洪積層からの報告があり, Nassarius gemmulatus (LAMARCK) は神奈川縣長井町大木根から鈴木學士に依つて報告されてゐるが, 他の二種Mactra dolabrata REEVE及びSearlesia simosensis n. sp. は未だ關東地方の洪積層から知られてゐなかつた。
    Searlesia simosensisS. fuscolabiata (SMITH) に比べて螺層はあまり脹れず, 殻口は狭い。S. hokkaidonis (PILSBRY) に似てゐるが殻は該種の様に細長くなく, 螺塔は低い。S. japonica YOKOYAMAは本種より殻が頑丈で, 螺状彫刻が一層顯著である。
    S. simosensisを除いた他の三種は何れも現生種で, 特にN. gemmulatus (LAMARCK) の分布は廣く珍らしいものではないが, 關東地方の洪積層の化石では稀な方である。
  • 大塚 彌之助
    1935 年 1935 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1935年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    日本産Serripes屬は全體で7種知られてゐる。即ち
    (1)Serripes groenlandicys(BRCGUIÈRE)(北海道, 北極洋, クェベツク)
    (2)Serripes laperousii (DESHAYES)(北部日本, ベーリング海峡, アラスカ)
    (3)Serripes notabilis SOWERBY (日本海現生, 新潟縣鮮新統)
    (4) Serripes pauperculus (YOKOYAMA)(島根縣中新統)
    (5) Serripes fujinensis (YOKOYAMA)(島根縣中新統)
    (6)Serripes yokoyamai OTUKA (福島縣中新統)
    (7) Serripes sp. of KURODA (信濃中部第三系)
    上記の内 (1),(2),(3) は現生種で, 何れも化石としても報ぜられてゐる。(4),(5),(6)(7) は第三紀の化石としてのみ知られてゐる。(6) は新種で,(7) は稍々不完全な標本である。(4),(5), は横山博士の記載にかゝるもので, それらはCardium屬及びMactra屬として報ぜられてゐる。(7) は黒田徳米氏の報ぜられたもので, 新種の疑がある。(6) は最近須貝貫二氏が福島懸耶摩郡山ノ郷村荻野に露出する灰色凝灰質砂岩 (通稱緑色凝灰岩と稱してゐるが眞の意味の緑色凝灰岩ではない) から採集されたもので, 之は新種の様に見える。この新種は吹の様なものである。
    Serripes yokoyamai OTUKA (新種) 標本は一左殻片と數個の不完全な殻片とである。
    殼は大きく, 膨り, 圓き三角形を呈し, 不等側, 前端圓く, 後端は縦に裁られてゐる。腹縁は廣く圓く彎曲してゐる。殻の表面は, 殻質の保存されてゐるところは, 多くの鈍い放射状の肋を有し之は殻の表面の前部では明であるが, 中央部又は後部では不明瞭である。殻頂は稍々膨らみ前方へ向つて彎曲し, 背縁の中央部に位してゐる。第1標本高さ70mm, 長さ77mm, 厚さ (一殻片) 23mm, 第二標本高さ64mm, 長さ71mm, 厚さ (一殻片) 18・5mm.
    Serripes yokoyamai OTUKAは Serripes notabilis SOWERBY とその外型極めて類似するが, 前者の殼頂は背縁部の中央に位するのに, 後者のものは前方に偏し, 背縁の3分の1前方にある。
  • 遠藤 誠道
    1935 年 1935 巻 1 号 p. 9-25_2
    発行日: 1935年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    此論文は鹽原化石植物群の研究を根據として論じたものである。
    鹽原化石植物群の地質時代は次の事項により第四紀更新世のものであつて第三紀時代の植物群ではない。則ち鹽原化石植物群には絶滅種の割合が非常に少ないこと, 第二遠隔なる地方に現生する要素を缺くこと。第三かへで科植物の掌状分裂葉の數は地質時代が近世に近づけば近づく程多數のものが認められる。而して鹽原化石植物群のかへで科中には第三紀時代に産出しない11葉以上の掌状分裂葉をもつAcer japonicum THUNB.(はらちはかへで) 等があること, 第四層位上及び地形上の對比から第四紀更新世のものと考へるのが最も適當であること, 等から見て是は第三紀時代のものでなく第四紀更新世の植物群である。
    次に鹽原化石植物群の指示する氣候は現在より餘程寒冷であつたものと見なければならない。則ち鹽原化石植物群を埋藏した當時の鹽原湖の海面よりの高度は500米乃至600米であつたと推論すべき十分な證據があるのに同化石植物群は現在本州中部に於て1500米附近の高度のところか, 又は北海単中南部に繁茂する植物群に彷彿たるものである。また植物の葉縁は氣候に關係して變化するものであるが, 鹽原化石植物群の葉縁の状態は現在の北海道の植物群に類似して居ること等から考察して, 當時の此地に於ける年平均温度は現在より攝氏五度乃至五・五度低かりしものと見なければならない。
  • 小林 貞一
    1935 年 1935 巻 1 号 p. 26-42
    発行日: 1935年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1) 尾崎金右衞門氏のマンチュロセラスの記載を英譯し、2) 其の原品に對する余の觀察を記す。先づ其のセプタのホロコアニティツクなることを證し、體管の腹側に腹側隆起が存在し、之をendosiphobladeの貫通すること、3) endosiphuncleがendosiphotubeとendosiphuncular segmentsとよりなり、内臓は前者を限りとし、後者は生物の生長に伴ひ後方に殘されたる沈澱物の充填部にして、生物はendosiphuncleを通じて外界と通じゐたるものに非ざること、及び尾崎氏の管状窩はendosheathを構成せるstereoplasmの再結晶に依つて生じたる二次的構造なることを述ぶ。
    4) 東亜の所謂Piloceraを眞のPuocerasと比較し、其の識別六項目を數へ、東亜のPilocerasを屬としてPiloceras s str. より分離し、之に對して、尾崎氏の屬名を採用し、其の基本型としてPiloceras wolungense KOBAYASHIを選び、屬の記載を訂正す。
    5) ハイヤツトの分類を難じ、新たなる立場より系統分類を立て、附表 (第49頁) の如き系統を提案する。
    本論文を通じて提唱されたる新科、新屬、新種は次の如し。
    Manchuroceras OZAKI em. KOBAYASHI
    Manchuroceras endoi KOBAYASHI
    Troedssonella KOBAYASHI
    Protocyclocera tidae KOBAYASHI
    Manchuroceratidae KOBAYASHI
    Wolungoceratidae KOBAYASHI
    Baltoceratidae KOBAYASHI
    Troedssonellidae KOBAYASHI
  • 長尾 巧
    1935 年 1935 巻 1 号 p. 43-45
    発行日: 1935年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    A name Desmostylus mirabilis nov. is proposed for the remain recently acquired from a tributary of the Keton-gawa in Japanese Saghalin, which, the writer thinks, represents a species distinct from D. hesperus MARSH and D. japonicus TOKIJNAGA and IWASAKI, the two well established species of the genus. It has a much larger skull with a narrower parietal region and a smaller internoanterior column ofthe last upper premolar than the Oregon form and differs from D. japonicus in being provided with a broader M2 and a smaller P4 in the upper jaw and a broader M2 in the lower. The columns of the lower M2 are in the new species 7 in number instead of being 6 and those of the upper M3 seem to be less slender.
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