日本古生物学會報告・紀事
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1936 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 徳永 重康, 高井 冬二
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 25-29_2
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    青森縣上北郡七戸町天神林にて約30年前用水路開鑿の際更新統中から發見されたものである。當時同一動物體に屬すると思はれる頭骨, 下顎骨, 象牙, 尺骨, 脊椎骨, 肋骨等多數發掘されたが, 皆四散し僅かに右象牙, 第一後臼歯付右下顎骨, 左尺骨, 及び二, 三の骨片が東京農業大學に保存されて居る。
    地質は金原均二理學士の調査に依るもので其報告は筆者の一人徳永が地學雑誌2月號に掲載した。其結果によれば象含有層の年代は上部更新世に屬すといふ。
    Palaeoloxodon aomoriensisTOKUNAGA and TAKAI
    下顎骨に附著せる第一後臼齒の咀嚼面は長楕圓形をなす。前後の「タロン」及び12の稜を有す。咀嚼面に於ける長さは126mm, 幅は第五稜にて47mm, 齒冠と咀嚼面との間の高さは第十二稜にて96mmである。よく磨削された稜は著しき菱形をなし, 其中央部は前後に突出し各尖端部は (特に第五, 第六稜に於て) 互に接近する。本種は日本に普通なPalaeoloxodon namadicusの何れよりも稜の形は菱形を呈する。琺瑯質の皺は非常に強く, 稜の厚さは1.9-2mmある。100mmに含まれる稜數は9.5である。
    猶ほ下顎骨中にあつて未だ磨削の域に達して居らない第二後日齒の破片數個がある。
    門齒は殆んど完全にて長さ710mm, 直徑中央部にて52mm, 根元にて65.5mm, 屈曲率は直径800mmの圓周の一部に相當する。右牙である。
    下顎骨は烏喙突起, 踝状突起, 縫合部及び内側片の全部缺損して居る。
    尺骨は長さ310mmにて, 鶯嘴突起は破損して居る。
    第一後臼齒の大いさ, 100mmに含まれる稜數及び左尺骨の大いさ等より本種は從來日本及び外國に於て發表されたPalaeotoxodon屬に比し小型の象である。上部鮮新世, 或は下部更新世に印度より渡來したる後日本に於て數種の象に分化したのである。100mmに含まれる稜數が本屬の時代を表はすものと假定すれば, 本種は上部更新世に屬するものと想像され, 其點に就ては金原學士の地質調査の結果と何等矛盾しない。
  • 坂倉 勝彦
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 30-38_1
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    Microporina articulataCellaria borealis (BUSK)として屡々報告された棘口癬蟲で,FABRICIUSによりGroenlandから最初に記載されたものである。F.BORG[2]によるとarctic,borealに分布する種とされてゐるが太平洋では更に南方まで擴がつてゐて東側ではQueen Charlotte Is.,Vancouver, Californiaに,西側では北千島に知られてゐる。更に津輕海峡からMicroporina japonica CANU & BASSLERとして記載されたものも後述する如く同物異名と考へられ分布は一層擴がる。他方化石としての産出は筆者の知る限り現在まで全然ない模様である。
  • 野村 七平, 畑井 小虎
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 39-42
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    辻田幹一氏送附の琉球那覇市附近産化石を檢するに, 石灰岩を母岩としてThyasira nipponica, Pecten praesignis, Coronula diadema其の他數種貝類, ウニ等が混在するを知つた。産地の層位關係が不明ではつきりしたことは言ひ兼ねるが上記三種の從來の産出記録に重點を置くならば石灰岩層ではあるが之を所謂琉球石灰岩とするよりむしろ島尻層群 (鮮新世) として考へたい。
  • 藤本 治義, 長島 乙吉
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 43-45_1
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    昭和十年八月長島は臺灣の東岸より太魯閣峡に沿つて西方へ合歡山峠を越へて脊稜山脈を横断した。其際畢祿巡査駐在所の西方約1kmの地點にて埔里層に夾在される石灰岩に海百合の莖と思はれる化石を發見した。其後長島が此附近で採集せる材料につき藤本の粗査せる處其の中にCamerina sp., Glomospira sp? 等の化石を發見した。此のCamerina石灰岩は粘板岩及砂岩の互層中に夾在され, 此等の地層は矢部教授と半澤理學士の埔里層と稱せるものに相當し, 又古く下部粘板岩系とされてゐたものに當る。矢部教授と半澤理學士は南部の高雄州で此の埔里層中からCamerina sp. 其他の始新世の標準化石を發見され埔里層の地質時代を中新世より古く, 化石を含有する部分は始新世とされた。筆者等のCamerina sp. の發見は此の埔里層の始新世説を證據立てる一新事實を加へたことになる。
  • 馬 廷英
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 46-49_2
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    現代造礁珊湖の成長率は水温に對し, 一定の關係を有し水温の増高につれ成長率が速い即ち高温地方に於ける年成長は低温地方より長いことは筆者によつて發見された所である。同種又は同屬の各地又は各國の成長の長短より泥盆紀の氣候を推想し尚一歩進み其の時代に於ける歐亞大陸の赤道區域を尋出し出來得んば大陸移動の是非を判斷しようと思ふ。
  • 淺野 清
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 50-51
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    神奈川縣鎌倉郡村岡村産化石有孔蟲研究の結果, 8種の新種を發見, 此等の記載は, 別報に於て提唱せんとするも, その中の1種は, 既に記載されたる如何なる屬にも所屬せざることを知れり。依つて此種の爲に新屬Pseudononionを樹立し, Pseudononion japonicum ASANOを以つて模式種とす。茲に其の新屬, 模式種を記載し, 其の屬の含るべきNonionidae科中の位置を論じたものである。
  • 小林 貞一
    1936 年 1936 巻 3 号 p. 52-61
    発行日: 1936年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1. 此の類の科の名稱Ribeiridae KOBAYASHI 1933 Eopteridae MILLER 1889に改め, 2 RibeirellaTechnophorusの共に獨立せる屬なることを述べ, 3. Ribeiria?prosseri Clarkeは此の類に屬せず本種を基本種として二枚介の新屬Schizopectenを樹立し, 4. 南米ボリビア産のTechnophorus otaviensisを記載す。5. 中下部寒武利紀フオーナ中に於いてはHeraultiaの最もRibeiriaに近似する點より此の類がEopteridaeの祖先型系統に近きものと思考す。6. Eopteridaeは上部塞武利亞紀に於いては東亞, 中下部奥陶紀に於いては北はシベリア, 南はタスマニアに發見され, 太平洋兩測に廣く分布し, 中上部奥陶紀に於いては大西洋兩側に多く, 南は南米ボリビアに發見される。7. 中下部寒武利亞紀にVolborthellaあり, 眞正頭足類は上部塞武利亞紀以降に發展すること, Eopteridaeの系統發達と類す, 寒武利奥陶紀のフオーナ中には或時期には太平洋區域に, 次の時代には大西洋區域に發展するが如き態の系統發達をなすもの其の例に乏しからず, 茲に頭足類, Eopteridae, Dikelocephalidaeの三例を擧げて其の一解釋に及ぶ。
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