日本古生物学會報告・紀事
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1937 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 大炊御門 經輝
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 1-6
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    嘗て長尾教授に依つて報告せられた北海道石狩郡當別村獅子内の貝化石に就いて述べてある。
    採集數71種, 内斧足類36, 腹足類34, 腕足類1。斧足類及び腹足類70種の中同定し得たものは54種で, 他の16種は微小な貝で恐らく新種と思はれるものも含まれてゐるが, 是等に就いては目下調査中であるから將來更に報告することにしたい。
    長尾教授の報告せられたものと合すると獅子内の貝化石は69種になり, その大部分は現在北日本に棲息してゐる。從つて本貝層の堆積當時の水温は今日の北海道のそれと大差なかつたと思はれる。
  • 畑井 小虎
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 7-11
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    現生並に化石腕足類の殻が多少canals又はtubesにより横貫され, 更に上方に擴がつて表皮層 (Periostracum) を通ぜずにlamellar layerにて止まると言はれる。之等の孔は種々の型に分類される。大別すれば單純型と分岐型とである。
    之等の孔は, 學者により感覺器, 食道管, 水管及び呼吸器であると言はれて居るが未だ其の機能は決定されない。然し筆者はTerebralalia coreanicaに於ける自身の觀察並に函館高等水産學校の田村正助教授の實驗より呼吸器であると信ずる。
    Punctationは或著者は種の識別に役立つものとし, 又genetic seriesを示すものである。と説ける學者もある。詳細は後日食表の豫定であるが此所に署しいものゝ一部を擧げて見るに, 1) impunctateの殻を有するものはRhynchonellidaeのものに多く, prismatic及びcapillary structureが良く觀察される。2) punctateの型は2型が容易に決定されradial ribsを有する殻は一般に分岐型で, 有しないものは單純型である。
    筆者は是による分類をより一層精密に行へば此の孔のみで屬並に種を決定し得る可能性あるものと思ふ。
  • 鹿間 時夫
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 12-14_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    下野葛生の裂罅堆積物より産した, 多分ニツポンムカシジカに屬する左附前骨上部と右成體角の基部を掲ぐ。附前骨は海綿組織に於ける骨腫性の増骨と骨髄内部の腫瘍 (病因不明) 性病竈及び髄腔隔壁の壊死を生ず。墺國洪積統産鹿附前骨の病骨に類似す。角は痩型にて屈曲し, 分叉部に假骨を生ず。幼期に於る生殖腺機能障害, 營養不良, 運動不足等の新陳代謝不全による造骨作用の不完全に起因する病的畸形及び或は骨折部の假骨形成にて, 阿部余四男氏の廣島地方より報ぜられたる現棲日本鹿の畸形と似たるものならん。座骨に對し骨幹の傾く現象は, ムカシ鹿及びアルデ鹿屬に於ける原始的形質の如し。本報は本邦最初の病骨化石の記録なり。
  • 畑井 小虎
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 17-26
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    現在腕足類の分類に對して比較的に重要視されなかつた形態學的形質が實際には重要性を帯びて居ると思惟される。即ち殻の前部並に側部接合の形状及び嘴の屈曲の性状, 並に此等の相互關係によつて屬並に種の識別される場合が寡くない。
    研究は現在進行の途中にある故, 其結果に就いては未だ論及し得ないが, 2, 3の重要性ありと思はれるもの及び其の例等に就いて記した。
  • 岡田 彌一郎
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 27-29
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    昭和5年5月に發行された “地球” に, 京都帝國大學槇山次郎博士及び君塚康治郎學士が, 長野縣樽ノ澤の1200米の地點から採集された蛙の化石に就き發表された。その結論としては, 該標本はアカガヘル屬Ranaに含まるるものであるが, 種名が判然しないとの事であつた。筆者は同教授の御厚意により, その標本を拜見する事が出來たので, 之れを現存する本邦に最も普通なるトノサマガヘルRana nigr.nigromaculataH. 及びヱゾアカガヘルRana temp. tmporariaL.両種の, 本化石標本と略ぼ同體長のものの骨骼をとり相比較したるに, 化石標本はトノサマガヘルよリヱゾアカガヘルに, その骨骼標徴が似てゐることを知つた。然し該標本はほぼ同體長のヱゾアカガヘルに比し, 頭蓋骨の長さ及び幅が小で, 且つ前後両肢が著しく短いものである。依つて之れを新種としRana architemporariaと命名する。本研究を進むるに當り, 文獻閲覧の便宜を與へられた, 徳永重康博士に謝意を表する。
  • 槇山 次郎
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 30-32
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    Types in taxonomy are coming up for discussion. There are at least 240 names of different sorts of types, without taking words in another side of biology and in printing into account. Of these some number being synonyms or homonyms will be given up. Statements or outlines of such special names of types have been changed frequently by later writers. To make simpler the words used in J. R Z. N. are only offered and if needed a short account on the special quality of that type may be given. The simple word “type” will do enough in all cases, for example, it is clearly pointing type species when it is used respecting a genus. Holotype and paratype are the necessary words, while topotype, hypotype, lectotype and neotype may be used sometimes as well.
  • 矢部 長克, 杉山 敏郎
    1937 年 1937 巻 6 号 p. 33-38_2
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    本邦沿岸及び南洋諸島産現棲標本及び琉球群島の琉球石灰岩産出化石標本合せて約50個に就いて調査した結果Tubipora musica LINNÉ及びTubipora purpurea LAMARCKを區別することが必要となつた。前者は珊瑚管が細く, 密集し且棚板が數多く密集し, 尚その個々が廣く發達するのを特性とし, 後者は反對に管太く, 相互の距離遠く, 棚板が不充分に且つまばらに發達してゐる。尚前者の1型として管の切斷面が八角形を呈するものがある。これをTubipora musica forma sulcataと稱することにした。何れも熱帯亜熱帯の淺海に繁殖するもので, 後種は前種よりも遙に北方まで其分布區域を延ばしてゐる。即ち小笠原父島までも分布してゐる。
    在來印度-太平洋より7種が區別されたが實際は上掲の2種に合せることが出來よう。HICKSONは全部同一種に包含すべきものだらうと言ふて居たが, 化石を取扱ふ者にはmusicapurpureaの2種を區別することが必要の様である。
    Tubiporaの化石は在來甚だ記録に乏しい。FELIXがチモールの鮮新層からT. purpurea (=rubiola QUOY et GAIMARD) を報告したことがある。本邦では琉球群島所々の琉球石灰岩からT. Purpureaが發見された。著者等が今迄でT.musicaの名で載録したものが即ちそれである。
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