日本古生物学會報告・紀事
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1937 巻 , 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 島倉 巳三郎
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 98-103_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1935年の初め, 山形縣飛島沖10mの海底からドレッヂされた木幹化石を, 東京水産講習所の新野助教授から送付せられたが, 調査の結果Ficoxylonに屬する新種であるから茲にその記載を試みた。
    該標本は散孔材で, 導管は大きく單獨又は數個結合し, 穿孔は單一, 單位面積 (1mm2) 中に2~5個分布する。切線状柔組織よく發達し, 1~6細胞幅の異性射出線を有し, その縁邊細胞及び垂直柔細胞中には結晶を含むイデオブラストがあり, 所謂“Ficus-type”の材である。既知Ficoxylon (及びFicus) 5種及び現生Ficus屬數種 (調査し得た材5種, 其他は文獻による) と比較するに柔組織の幅及び性質に於て可なりの相違があるので新種と認めFicoxylon angustiparenchymatosumなる名を與へた。
  • 金原 均二
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 104-109_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    茲に記載したのは渡邊技師によつて天鹽油田から採集せられた資料に就いてである。この化石の一部は既に渡邊技師の報文中に發表せられ, 且野村, 大塚, 畑井の諸學士によつて檢せられたものであるが, 特に上記の諸氏の許可を得て敢て記載を試みたのは, 僅か乍ら新種を含み, 又化石としてその産出を未だ知られぬ種もあるばかりでなく, 化石による地層對比の基になる一つのデータたり得ると信ずるからである。
    總數僅かに26, 中種名を決定し得たものは22種, 甚だ貧弱な動物群だが, 所謂北海道の上部第三紀層が從來考へられて居た様に鮮新統であるといふ考へと矛盾しない性質を有する。
  • Curt TEICHERT
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 110-113
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ロレンツ氏の原品を再研究の結果同氏の巻貝と考へたる山東産の本種はMaruyamaceras 諸種と同屬にして, 從つてMaruyamceras KOBAYASHI, 1931はPolydemia LORENZ, 1906のsynonymとなり, 且つPolydesmiaは巻貝に非ずして, 頭足類に屬する。Polydesmia LORENZ, Polydesmia canaliculata LORENZの屬的, 種的性質を記し, 本種とP. peshanensis (KOBAYASHI) との相異を記す。
  • 金原 均二
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 114-119_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    地質調査所の所藏する標本の中の數種を選んで記載を試みた。
    1) Melongena sazanami (新種)
    技師佐藤源郎學士は「高梁」圖幅地質調査に際し多くの新第三紀貝化石を採集せられた。蒐むる所悉く植月津山兩統に屬する地層からである。中國地方新第三紀層の一般たる周知の如くVicarya callosa JENKINSを伴へる暖海性動物群を含める事であるが, 茲に記載するメロンゲナも亦その分布は「印度-太平洋區域」に限つて産する暖海屬である。佐藤學士によつて獲られた此新種は特徴ある漣状の縲状彫刻を具へ, ジャブの始新統より産する1種に近似する。
    2) Turritella (Haustator) sakakurai (新種)
    眞岡統の長島貝殻層及び布禮頁岩層は北海道の幌内統及び常磐の淺貝砂岩に對比され得る動物群を含むが, 荒貝噴倒岩層をへだてて上位にある本斗統の最下部たる八眺嶺硬質頁岩層は一般に化石に乏しい。三菱鑛業の坂倉勝彦學士は南樺太南名好川上流からTurritellaの1種を本硬質頁岩層から採集せられて筆者に贈られた。之を檢するに縲塔極めて秀でた特異な1種である。類似した種若しくは近縁の種は我國からは未だその産出を聞かない。
    3) Cuspidaria (Cardiomya) makiyamai (新種)
    東大地質教室に槇山教授採集によるCuspidariaが保存せられてある。常磐地方によく發達する淺貝砂岩層より産した化石で, 亜屬Cardiomyaに屬する。Cardiomyaは米國加州の始新統に甚だ多く發見されるのは注意を惹くが, 更に注意すべきはジャマイカ (Jamaica) の漸新統より産するCuspidaria. craspedonica DALLに酷似する事である。
  • 淺野 清
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 120-123_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    日本産Elpidiumの種の數は, 現在10種知られてゐるが, 中1種は, 北海道の瀧川層, 樺太の圓山砂質頁岩層, 並に仁瀧層から多數産出する。北米西海岸の更新世から報告されてゐるE. oregonense CUSHMAN and GRANTに甚だ近いが, 臍部形態の相違に依つて, 別種と考へ, E. ezoense n. sp. なる名稱を興へた。本種は, 常にPecten takahashii YOKOYAMAに伴つて産出することから鮮新世有孔蟲と考へられる。尚ほPecten takahashiiの産地で本有孔蟲の發見されない箇所もあるが, それは今後發見の見込があるものと信ぜられる。
  • 金原 均二
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 124-129_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    地質調査所技師飯塚保五郎氏は北海道中央部惠岱別油田の地質を調査せられた際に若干の貝化石を採集せられた。之を檢するに總數22種, 中現棲種は半ばを超えない。同技師による地層細別は, 下より惠岱別暗灰色頁岩層, ニナラ頁岩質砂岩層, 信砂硬質岩層, チパペリ砂質頁岩層, 北龍砂岩層である。
    惠岱別暗灰色頁岩層は最も化石に富むが, 總數は至つて少い。大體下部より上部にわたって, 北海道中部の川端-追分兩統に封比せらるゝ如くである。
  • 馬 希融
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 130-133_1
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    著者は矢部教授及び尾崎金右衛門理學士に依て山東省博山の西・姚家峪斷層の東より採集し來たれる1三葉蟲化石を精査せし處, 此標本は南鮮中奥陶紀織雲山層産のOgygitoides屬に所屬するものにして, 此屬の模式種O. raymondi KOBAYASHIとは頭鞍及び中軸の外形と特性等の點に於て識別し得るを以て新種と認められ, 茲にOgygitoides yabei MAの新名を附したり。尚其の化石を含む所謂濟南石灰岩は南鮮織雲山層並に北米Black River limestoneに對比し得ることを論じたるものなり。
  • 島倉 巳三郎
    1937 年 1937 巻 8 号 p. 134-136
    発行日: 1937年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    昭和11年9月12日, 平壤第77聯隊營庭の工事中2株の直立化石樹幹が發見され, 筆者は平壤中學校の黒木勝氏よりその材料を送られた。此等の薄片を作つて鏡驗すれば, 假導管の放射面には圓形の重縁孔紋が1~2列に對状に配列し, クラズレーも明瞭, 射出線の各分野には1個稀に2個の大きな圓形乃至長楕圓形のアイポーレン (Ei-poren) がある。柔細胞並びに樹脂道はない。此等の構造は平壤中學校の有名な化石林を構成してゐる樹と全く同一であるから, 本材料をPhyllocladoxylon heizyôense SHIMAKURAに同定する。此の結果, 平壤の化石林は中學校のみならずもつと廣い範圍に亘つて存在してゐたものと考へられる。
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