日本古生物学會報告・紀事
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1941 巻 , 21 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 棋山 次郎, 中川 保
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 35-39
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    志摩電鐵迫間驛の南方330mの段地麓切取りに就いて松下進學士が先に記述し (地球18巻, 36頁), 大炊御門經輝學士が其貝類化石を同定 (地球19巻, 305頁) した。14年初夏の頃化石實習の材料を得んがため學生諸氏を連行し同地を訪れたが, 切取りが古くなつたために貝類はあまり多くは採取し得なかつた。洪積統の貝化石は注意をひき, 可成に良く調べがついて來たが, 有孔蟲化石を檢出する仕事はまだ残つてゐる。我々は其手始に志摩木場の上記産地の材料に就いて簡略に報告する事にした。同定した種は次に示す80種である。標本の不完全にして不足であるものは確定できす屬名だけを定めた。
  • 北海道・樺太より産するスズカケノキ屬 (Platanus) 化石 (豫報)
    大石 三郎, 藤岡 一男
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 40-42
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    東亜産のPlatanus化石に就いては前に遠藤誠道博士の研究が有り, P. aceroides GOEPP., P. Guillelmae GOEPP., P. sachalinensis ENDO, P. Heeri Lx. の4種を學げ夫等の産地及び地質時代について詳細に述べられ, Platanus屬は東亜に於いて新第三紀及び其以後の時代に屬する化石の未だ發見されないことゝ, 尚現生種の同定されるものが化石として存在しないことに就いて特に注意されてゐる。筆者等は北海道・樺太の第三紀層より産したPlatamsに就いて5種を檢出し得た。種名及び産地は第1表に示す。表中Platanus HeeriはO. HEER氏がソ領樺太ヅエ附近の白堊紀層より記載したもので, 邦領にはこの産出はない。Platanusの化石葉の分類は困難で, 現在40種を超える化石種中其の大部分は米國學者によつて命名されたもので, 米國の化石Platanusの葉型の多様性を認めるには充分であるが, 直ちに北米に於いてのみ特に多種存在したと考へるのは危險であらう。Platanusの化石葉は大別して次の4葉型群に分けられる。
  • 北海道・樺太第三紀層産ウリノキ屬 (Marlea=Alangium) (豫報)
    大石 三郎, 藤岡 一男
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 43-45
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    ウリノキ屬 (Marlea ROXB.=Almgium LAM.) の化石は未だ本邦は勿論東亜より報告されてゐない。然し本屬は東亜屬と稱してもよい植物で現在東亜に廣く且つ多種分布してゐる。即ち支那及南亜にはAlangium salviifolium WANG.(香港・海南島), A. Faberi OLIV. (四川・廣西), A. Kwangsiensis MELCH.(廣西), A. Schweliense W. W. SMITH.(雲南), A. Ohinensis (LOUR.) (河南・江西・廣西・游江・安徽・四川・雲南・貴州・編建・廣東・甘粛・東南アジヤ), A. Kurzii CRAIB.(海南島・香港・江蘇・湖北・安徽・廣西・渤江・タイ國・トンキン・ジヤバ), A. rotundifolium BLOEMB.(河南・江西) 及びA. platanifolium HARMS (江西・湖北・江蘇・四川) が分布する。
  • 杉山 敏郎, 岡野 寛
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 46-50
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    本邦には三葉蟲類の尾部が北上及び阿武隈兩山地の二疊紀から夫々知られ, 大體廣義のPhillipsiaに同定せられてゐた。最近此外に石炭紀・泥盆紀及びゴトランド紀層からも夫々發見せらるゝに至つた。本報告では北上の中里統から産出したPhacopsの尾部の記載をした。この標本は狹義のPhacopsに同定され, 殊にP.latifronsに酷似する諸性質を帯びてゐる。この泥盆紀産の三葉蟲の報告は本邦では初めてである。
  • 小林 貞一
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 51-57
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    最近徳田貞一博士より安徽省淮南九龍崗産の化石の寄贈を受けたので研究結果
    Blackwelderia monkei (WALCOTT)
    Drepanura premesnili MONKE
    Teinistion lansi (MONKE)
    の3種を識別し得, 此の地に崗山階の分布する事が判明した。安徽省定遠・鳳陽から知られて居る寒武系層序は此の地方から, 現在知られて居る最良のものであるが, 此の内には自山崗は知られて居ない。定遠・鳳陽地方の層序に關して私見を述べ, 更に安徽北部・江蘇北部の寒武奥陶系層序に關する事實を摘要し, 更に安徽北部・江蘇北部・山東西部の震旦系に關する事實を綜括し, 震且紀には李南・遼東地向斜の南方に1盆地が存在した事を明かにす。此の盆地を3省名に因み。山江安 (Shankiangan) 盆地と命名する。震且紀少くとも其の前半には本盆地と該地向斜との間には東南より凸出せる牛島があつたが, 震且紀末に向ひ, 此の半島の尖端は次第に沈降し, 寒武奥陶紀になると, 山東の灘泝線以東のみが水面上にあつた。奥陶紀古地理上に於ける秦苓-京城線の意義に關しては既に私見を發表した處であるが, 茲に本線の南側にある揚子江下流には, 沃川地向斜の寧越型の寒武系が期待される事に言及す。
  • 鈴木 好一
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 58-61
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    最近長尾巧教授より贈與された領石群層産の貝化石2箇を研究した所, 外形及び殻歯はUnio屬, 特に東亞産U. douglasiae GRIFFITH and PIDGEON群のものに一致するが, 殻表の放射状彫刻は狭義のUnio屬のものとは著しく異り, 寧ろHyriinaeに屬する南米産諸屬Diplodon, Prisodon等, もしくは朝鮮・満洲の下部白堊系産Trigonioides kodairai KOBAYASHI and SUZUKIのそれに酷似することを知つた。又Parreysia屬のあるものも本化石に類似した放射状彫刻を有することがあるが, 通常外形及び殻歯によつて容易に區別される。よつて本化石に基いてUnio屬中に1新亞屬を設立し, 此化石種をUnio (Nippononaia) ryosekiana SUZUKI, 新亞屬・新種, と命名する。
    尚此化石の産地は, 徳島縣羽ノ浦町古毛か山中地溝帯中か不明になつたとのことであるが, 何れにせよ下部白堊系物部川統の下部, 所謂領石群層中に産したものであることだけは確であらう。
  • 江口 元起
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 62-65
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    比律賓各地には第三紀の各時代に互る, 珊瑚石灰岩が廣く發達して居る事が知られ, 一方砂岩頁岩層中には孤生珊瑚の存在が知られて居る。現在の珊瑚類は珊瑚礁地方として, 古くより著名でL. A. FAUSTINO 氏某他の研究があり, 特に其の南方Sulu海には世界の海で最も豊富な深海珊瑚産地がある (Siboga st.95)。然るに化石珊瑚類は未だ凡ど調べられて居ない。
    珊瑚石灰岩層に對し, 深海珊瑚層とも稱す可きはMindanao島に知られた所謂Banisilan formationでFlabellum distinctum MILNE-EDWARDS et HAIME (Fl.cf.australe MOSELEY), Balanophyllia sp., Fungia (Cycloseris)sp. 等があり, 叉Masbate島よりF. distinctum,
    Odontocyathusspiniger MARENZELLER (O. coloradus SMITH), を含む地層がある。Heterocyathus aeguicostatus MILNE-EDWARDS et HAIME (H. parasiticus SEMPER, H. philippinensis SEMPER), Heteropsammiaovalis SEMPERは1872年C. SEMPER氏の化石として報告せる種で恐らく同様な地層であらう。其他保存状態良好でない材料で圖示又は簡單に記載されたCaryophyllia? Montlivaultia? Pattalophyllia?等の2, 3の孤生珊瑚もある。
  • 江口 元起
    1941 年 1941 巻 21 号 p. 66-68
    発行日: 1941年
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    鹿兒島市外吉田村附近の含植物化石凝灰岩層の調査中, 遠藤誠道博士は多敷の海棲生物化石を採集された。其の中にDeltocyatllus orientalis DUNCAN及びHeteropsammia cf. ovalis SEMPERの2種の遊離孤生珊瑚がある。前者は吉田村鵜木より, 後者は吉田村桑の丸よりの材料で, 何れも小形で砂底又は泥質海底に遊離して生活する種である。H.Cf.ovalisは磨滅して正確な鑑定は困難であるがD. orientalisは青森縣沖より蘭印地方, 印度洋, 大西洋にまで分布する興味ある種で化石としても鮮新統以後の各地に知られる。附近では大島郡喜界島の琉球石灰岩の異相とされる石灰質砂層中に最も多産する。新産地として, 分布が興味を索くので現在の各地の水深を特に記した。
    孤生珊瑚の様に密集して石灰岩を形成する代りに分布が廣いから今後各地の海成層中に知られるものと信ずるひ又地層の對比には案外價値あるものがある。
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