1948年4月筆者の一人, 湊は四國佐川周邊を短日ながら踏査する機會を得たが, 其の途次, 同行の井尻正二と共に横倉山に新たなる
Halysites石灰岩を發見した。是より以前, 矢部長光・杉山敏郎により横倉山より既にゴトランド紀石灰岩の存在が確認されてゐるけれ共, 其の位置は同氏等の報文にもある如く, 横倉山東南の斜面であり, 今囘のものは, 横倉山頂上の北方に當る, 楠神部落西南方, 標高約500mの澤の中に見られるもので, 從來未記録なので茲に報告する次第である。
此の石灰岩は一般に白色緻密であるが僅かに赤色を帯びる部分があり多數の珊瑚類を含む。目下, 調査中であるが, 其の中には
Halysites kitakamiensis Sugiyama
Heliolies bohemicus Wentzel
などが檢出される。詳細は別に報告したい。
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