岡山・鳥取県境の人形峠附近には, かなり有望なウラン鉱床が発見されて多くの注目を浴びている。この附近に発達する第三系からは保存の極めてよい植物化石が多産するが, ことにブナの化石葉は産出した全個体数の約50%をしめ, この化石値物群の組成は現在の本邦におけるブナ林の植生に近似している。これらのブナ化石葉の大部分 (340個) は.奥津春生が仙台附近の中新統上部から記載した
Pagus pataeocrenalaに同定される.筆者はこれらの多数のブナ化石彙の中で.比較的保存のよい125個について葉形術数・側脈数などを測定し, 現生のブナの葉についての同様なる計測値などと比較・検討して.この
F. Pakernrrnala と各所の現生ブナとの類縁性について論じた。
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