上部白亜系浦河統下部階に属する双葉層下部の礫岩層から産した
Yabeiceras orientale TOKUNAGA and SHIMIZUの完模式標本は, 東京空襲の時に残念ながら焼失したとみなされる。そこで原産地からさらに標本を得ようと努力してきた。数年前に小畠は小型の幼殻を得ていた。最近前田の引率した巡検旅行中に, 佐藤が幸にも成年殻の化石を採集した。これらについてくわしい古生物学的記載を行ない,
Yabeicerasの類縁関係について論述する。同属の幼年殻は
Forrosteriaに似た点がある。また
Eborceras BASSE, 1946は
Yabeiceras TOKUNAGA and SHIMIZU, 1926のシノニムである.
F.も
E.も従来Barroisiceratinaeに入れられている. 記載した標本は九州大学に保管する。
1965年に矢部長克先生は数えの88歳になられます。謹んでお祝いし, この小著を先生に献げます
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