日本古生物学會報告・紀事 新編
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1990 巻, 159 号
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  • 高木 俊男
    1990 年 1990 巻 159 号 p. 541-553
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    本邦の中新世および鮮新世より産する特異な形態をもついわゆるPitar属に含められてきた貝化石の検討を行い, 宮城県仙台市の竜ノ口層から産するPitar sendaica Nomuraをもとに新属Gigantocallistaを提唱する。本属は著しく大型でよく膨らんだ厚い殻, 重厚な〓板, 独特の〓歯等で特徴づけられる。Gigantocallistaは, その形態的特徴(特に〓板, 〓歯)が中新世に広く産するNeogenella属に良く類似し, 前者は後者から派生したことが強く示唆される。また, 本属の分布は鮮新世のいわゆる古仙台湾に限られることや, 共産する貝類化石も本属と同様の時代的, 地理的分布を示すものが著しく多いことから, Gigantocallistaは, 鮮新世の竜ノ口動物群の地理的・環境的な特異性を示すものと考えられる。
  • 児子 修司
    1990 年 1990 巻 159 号 p. 554-561
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    南部北上山地の岩手県大船渡市鬼丸採石場に露出する下部石炭系日頃市層のH2部層(ビゼー世)から頭足類を含む多様な軟体動物化石群を産出することが, 同採石場の西村智, 金野敏両氏らの採集標本により明らかになった。本論では, 3新種を含むオルソセラス目の頭足類5種を記載した。それらは, Mooreoceras kinnoi, sp. nov., Neocycloceras (?) sp., Adnatoceras onimarense, sp. nov., Dolorthoceras (?) sp., Sueroceras nishimurai, sp. nov.で, 東北日本からの石炭紀オルソセラス目頭足類産出の初記録となる。
  • 堀 利栄
    1990 年 1990 巻 159 号 p. 562-586
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    西南日本のチャート及び泥岩からなる連続層序断面において放散虫化石の垂直分布を調査し, 4群集帯と4亜群集帯を最上部トリアス系から中部ジュラ系下部の間に設定・記載した。記載した化石帯は, 下位よりParahsuum simplum群集帯及びその4亜群集帯(Subzones I-IV)と, Mesosaturnalis hexagonus群集帯(新提唱), Parahsuum (?) grande群集帯, Hsuum hisuikyoense群集帯である。アンモナイト化石帯と直接対応のつく北米やトルコのデータとの比較により, 各群集帯の年代は, Rhaetian/HettangianからBajocianまでの間にそれぞれ位置づけられる。新たに設定したMesosaturnalis hexagonus群集帯は, Parvicingula属(広義)の出現や多様な小型塔状Nassellariaの産出で特徴づけられ, 西南日本だけでなく北米においても本群集帯に対応する化石帯が識別される。
  • 永井 ひろ美, 水谷 伸治郎
    1990 年 1990 巻 159 号 p. 587-602
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    中部日本美濃帯のチャート, 珪質頁岩, マンガン炭酸塩岩から得られたEucyrtidiellumとオレゴン州のSnowshoe層最上部試料中のそれを研究して次の結果を得た。前期ジュラ紀後期から後期ジュラ紀にかけて, この属には18種が認められる。そのうちEucyrtidiellum disparile, E. unumaense, E. pustulatum, E. semifactum, E. ptyctumの5種が最も多い。これらの種は形態的にお互いに深い関連をもっていて, はじめにE. disparileからE. unumaenseへの変化にみられるような腹部の殻構造の変化, ついで, E. unumasenseからE. pustulatum, E. semifactumを経てE. ptyctumにいたる変化にみられるような腹部の表面皺壁の発達という2段階からなる逐次変化過程を示す。Snowshoe層の上部バソニアン統からは専らE. pustulatumが見出されることから日本のジュラ紀層についての生層序学的対比を試みた。すなわちUnuma echinatus群集帯は上部バソニアン統よりは下に, またDictyomitrella (?) kamoensis-Pantanellium foveatum群集帯の下部は上部バソニアン統に対比される。2新種Eucyrtidiellum disparileとE. semifactumを記載し, 関連種についても検討した。
  • TATSUO OJI
    1990 年 1990 巻 159 号 p. 603-606
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
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