作業療法の実践と科学
Online ISSN : 2433-8451
Print ISSN : 2434-5806
6 巻, 4 号
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  • 松本 武士
    2024 年 6 巻 4 号 p. 94-105
    発行日: 2024/11/29
    公開日: 2024/11/29
    ジャーナル フリー
    セクシュアリティは人のアイデンティティの中核的要素であり,健康や作業と関連している.作業療法において対象者の性的指向と性自認(Sexual Orientation & GenderIdentity;以下,SOGI)を理解・尊重することは重要である.本稿で論じるのは,性の多様性の基礎知識,SOGI/LGBTQを取り巻く社会状況,SOGIと健康,SOGIと作業,インクルーシブな作業療法のためのフレームワークやグッドプラクティスである.すべての領域の作業療法士は,性の多様性に関する知識と気づきを高め,インクルーシブな作業療法を実践する必要がある.
  • 森元 隆文, 島田 清貴, 石井 貴男
    2024 年 6 巻 4 号 p. 106-116
    発行日: 2024/11/29
    公開日: 2024/11/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,コンサルテーション・リエゾン精神医学(以下,CLP)のなかで作業療法士が行っている実践の内容を明確にし,今後のCLP における作業療法の実践と研究への示唆を得ることを目的にスコーピングレビューを行った. 5 つのデータベースを用いて英語論文と日本語論文を検索しスクリーニングを実施した結果6 件の論文が特定され,せん妄患者に対する作業活動や身体活動を用いた介入,自殺企図者に対する作業活動を用いた個別介入や心理社会的治療の実践が明らかになった.一方で,研究自体の数が不足しているため,せん妄や自殺企図のみでなく,その他の疾患への作業療法士の介入事例を集積し知見をまとめていく必要性が示唆された.
  • 回復期リハビリテーション入院患者での検討
    伊藤 佳奈, 長山 洋史, 田原 正俊, 髙橋 香代子
    2024 年 6 巻 4 号 p. 117-127
    発行日: 2024/11/29
    公開日: 2024/11/29
    ジャーナル フリー
    対象者の心理的側面に焦点を当てた自記式の評価尺度としてOPAを開発し,脳卒中片麻痺患者49名を対象に信頼性と妥当性を検証した.構造的妥当性は探索的因子分析で主因子法を用いた結果,本尺度が1因子10項目の構造であることが確認された.内的整合性にはCronbachのα係数を用い10項目全体がα=0.881となり基準値を満たした.また再検査信頼性は項目2の自己肯定感を除き有意な相関が認められた.さらに併存的妥当性を検証した結果OCAは中等度の相関,EQ-5D-5Lは弱い相関を得た.OPAは信頼性と妥当性ともに良好で項目数も少なく簡便であるため,対象者の能動性を評価する尺度としての使用が期待される.
  • 佐藤 飛友悟, 大柳 俊夫, 金谷 匡紘, 仙石 泰仁
    2024 年 6 巻 4 号 p. 128-136
    発行日: 2024/11/29
    公開日: 2024/11/29
    ジャーナル フリー
    パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)患者は歩行リズムが不安定となり転倒リスクが高い.本研究ではPD 患者の歩行リズムの不安定さに関連する要因を明らかにすることを目的に,予備的実験としてPD 特有の運動症状を評価するMDS-UPDRS Part Ⅲとの関連について検討した.分析の結果,PD 患者の歩行リズムとMDS-UPDRS Part Ⅲの総得点,およびサブカテゴリ―の主に静的・動的な姿勢制御能力を評価する「軸症状」の間で高い相関が認められた.この結果より,PD 患者の歩行リズムの不安定さはPD 特有の運動症状と関連があり,特に姿勢制御能力の低下が強く影響することが示唆された.
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