作業療法の実践と科学
Online ISSN : 2433-8451
Print ISSN : 2434-5806
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 山崎 竜弥, 藤井 啓介
    2025 年 7 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2025/02/28
    公開日: 2025/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    生活支援体制整備事業では各市町村で生活支援コーディネーター(以下,生活支援Co)の配置が義務付けられているが,生活支援Coの役割を担う作業療法士(以下,OT)の実践報告は乏しい.目的は,OTの筆頭著者が行った地域における間接支援の実践を報告することである.本実践では静岡県袋井市A地域包括圏域を対象とし地縁組織や住民リーダーへ間接的な支援をすることで,徒歩圏内への体操会場の整備,身近で買い物ができる環境整備に繋がった.本実践よりOTは作業療法の対象を組織,住民まで幅広く捉え,作業を利用し,環境に働きかける職種として地域に必要とされるサービスを間接支援によって開発していくことができると考える.
  • 白木 望, 田島 明子, 齋藤 佑樹
    2025 年 7 巻 1 号 p. 8-19
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    男性独居高齢者の日常的な作業の意味・機能・形態から被援助志向性の要因を考察した.対象:男性独居高齢者3名.方法:日常的で大切な作業の意味・機能・形態について個別的・半構造的インタビューを実施し、被援助志向性は尺度とインタビューにて把握した.結果:3名とも被援助志向性は回避的傾向を示したが、「体操」「町内会や老人会での仕事」「凧作り」などの作業を行い、それらを通じて他者の関与に意味を見出していた.考察:被援助志向性には、自己に対する否定感や自分らしさを失う作業経験の回避、さらに日常的で大切な作業を介したソーシャルキャピタルの影響が関与している可能性が示唆された.
  • 池知 良昭, 小野 健一, 井上 桂子
    2025 年 7 巻 1 号 p. 20-25
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    終末期がん患者の作業療法は,患者にとって重要な作業を支援するが,患者の状況により,希望聴取が困難なため,介入方針が立案しにくい.今回,介入時の終末期がん患者に対する作業療法士の実践自己評価尺度(SROT-TC)にて,円滑に介入方針を決定できたため報告する.事例はA氏,90歳代,男性,悪性黒色腫,転移性骨・肝腫瘍であり,自宅療養中,疼痛にて入院となった.予後は日~週単位と言われ,A氏は心身が衰弱し,希望聴取が困難だった.SROT-TCにて他職種や家族と情報共有が必要であることが分かり,情報共有にてA氏にとって仕事が重要な作業であったため,仕事に関する会話を導入し,A氏の意欲向上に繋がった.
  • 杉野 達也, 池知 良昭, 青木 佑介
    2025 年 7 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    今回,自宅退院を目標に機能回復を中心に作業療法を実施したが,介入効果が乏しく難渋した進行がん患者を経験した.進行がん患者のリハビリテーションでは急性期であっても患者の状態に応じて,機能回復アプローチからQOL 優先のアプローチへの転換が必要であり,柔軟に対応が不可欠である.そこで終末期がん患者に対する作業療法士の実践自己評価尺度(SROT-TC)を用いることで,患者本人や家族のナラティブから思いを汲み取り,目指すべき目標を焦点化した.そして作業療法の役割を整理し,他職種と協働することで,円滑に実践することができた.
feedback
Top