左右反転めがね着用時に頭を動かすと,視野が激しく揺れ動いて知覚されることは,"視野の動揺"の名で知られている.一般に,この視野の動揺の方向は,頭の動きと同方向で2倍速であると報告されている.しかし,本実験Iで,頭の動きに伴って視点も動かすなら,動揺方向は頭の動きとは逆方向と知覚される強い傾向のあることが示された.さらに,実験IIにおいて,頭の動きと視野の動揺とが逆方向であるという知覚は,それが反転めがね着用初期であるにもかかわらず,自らの頭の運動方向を事実とは逆方向に動いていると誤知覚することと対応していることが明らかにされた.
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