理学療法とちぎ
Online ISSN : 2434-2300
Print ISSN : 2186-4861
4 巻, 1 号
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症例報告
  • 竹沢 友康
    2014 年 4 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/03/11
    ジャーナル フリー

    ウエルニッケ脳症を発症し,失調症状を呈した症例を担当する機会を得た.本症例の理学療法評価を通して,足趾形態・足部構造の異常に着目した.失調症状の治療において,足部に対して物理的手段を用いて力学的負荷や相互作用を変化させることは重要であるが,それのみならず,足部の機能改善は姿勢,歩行の安定化にも必要不可欠である.そこで,本研究での臨床指標を足部形態,矢状面,前額面からの立位姿勢とし理学療法アプローチを行った.その結果,足部形態・足部構造の改善,立位姿勢の安定化が認められた.原疾患の治療のみならず,2 次的障害の予防を見据えた理学療法アプローチが必要であると考える.

  • 小野田 公, 霍 明, 丸山 仁司
    2014 年 4 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/03/11
    ジャーナル フリー

    上腕二頭筋への振動刺激が関節位置覚に及ぼす即時効果を明らかにすることを目的とした.若年健常男性10 名を対象とした.関節位置覚検査法である同側肢での再現角度について実施した.対象者は閉眼し,肘関節屈曲60°,90°,120° の3 条件を開始位置として設定後に10 秒間保持および記憶させ,肘関節0° まで戻した.被験者は自主的にそれぞれの開始位置まで肘屈曲運動を行い,その角度を測定した.介入方法として小型モータを用いて,上腕二頭筋腱に振動刺激を行った.介入前後に同様な測定を行った.すべての関節位置覚検査の各設定角度の測定値において上腕二頭筋腱刺激前後に有意差は認められなかった.振動刺激前の1 回目の値と振動刺激後の1 回目の値では,120° において有意な低値を示した.上腕二頭筋腱を振動刺激することにより関節位置覚が過少評価する傾向が示唆された.

  • 木村 和樹, 貞清 香織, 石坂 正大, 久保 晃
    2014 年 4 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/03/11
    ジャーナル フリー

    本症例は両変形性膝関節症を呈して右人工膝関節全置換術を施行された症例であった.二階に玄関,一階に浴室がある自宅に住んでおり,自宅退院にあたり階段昇降のHOPE・NEED があった.当院に転院時は歩行器での移動が可能だが,左膝(非術側)の膝折れが認められ歩行が不安定であり,前方降段は不可能であった.降段動作として後方降段の練習・指導を行った結果,膝折れなく動作可能となった.1 カ月後の退院時には両手T-cane にて病棟歩行自立となった.既往に2 型糖尿病があり肥満体質のため減量目的の栄養指導を行った.退院後,自宅の階段昇降可能になり浴室までの移動が可能となった.

  • 髙根澤 潤貴, 倉品 渉, 伊澤 一彦
    2014 年 4 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/03/11
    ジャーナル フリー

    投球動作では,骨盤回旋運動に連動して身体近位部は投球方向に移動し,手部は後方に残るlagging back 現象により,肩関節外旋運動が生じている.肩関節最大外旋角度に不足を認めた投球障害肩の一例に対し,肩関節の柔軟性拡大の他,投球時の骨盤回旋運動増大を図った結果,肩関節最大外旋角度の増大を認めた.投球運動連鎖の起点である骨盤回旋運動とこれにより生じる肩関節外旋運動,肩関節水平屈曲運動は互いに影響していることが考えられ,肩関節最大外旋角度が投球動作評価の一指標となることが示唆された.

  • 貞清 秀成, 相馬 康子, 大塚 久美子, 貞清 香織, 金子 純一朗
    2014 年 4 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/03/11
    ジャーナル フリー

    廃用症候群を呈した高齢者に対する運動療法や栄養管理について継時的な報告はなく,効果も明らかとなっていない.今回廃用症候群を呈した高齢者を2 年間の介入を通し,栄養状態の指標として血液生化学データからアルブミン値を調査した.また,筋力と相関のある大腿周径と栄養状態を反映する下腿周径を測定し,栄養管理と運動療法を実施した.その結果,栄養管理により栄養状態が改善し,運動療法により大腿および下腿の周径は増加し,歩行速度やADL が向上した.廃用症候群を呈した高齢者に対して栄養管理や運動療法はADL の向上や歩行速度の向上の効果があることが示唆された.

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