理学療法とちぎ
Online ISSN : 2434-2300
Print ISSN : 2186-4861
8 巻, 1 号
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講 座
原 著
短 報
  • 小林 薰, 柊 幸伸
    2018 年 8 巻 1 号 p. 21-23
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/31
    ジャーナル フリー

    [はじめに]大学生の1日の総座位時間と運動有能感の関係を検討した.[対象と方法]学部生489 名を対象とし,運動有能感尺度の得点と座位時間を調査した.[結果]座位時間別による運動有能感尺度の平均得点は,4 時間未満,4 ~ 8 時間未満,8 ~ 11 時間未満,11 時間以上の順に,42.0 ± 7.9 点,40.2 ± 9.0 点,38.5 ± 9.0 点,32.2 ± 11.3 点であり,4 時間未満と8 ~ 11 時間未満および11 時間以上,4 ~ 8 時間未満と11 時間以上との間に有意差が認められた.[考察]1 日の総座位時間が8 時間を超えると運動有能感が得にくい可能性が示された.[結論]運動有能感は運動の習慣化に影響を及ぼすことから,まずは座り過ぎから脱却することの必要性が示唆された.

症例報告
  • ―脳卒中片麻痺を“片”麻痺で片付けることへの現状打破―
    五月女 宗史, 竹沢 友康
    2018 年 8 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/31
    ジャーナル フリー

    [はじめに]脳画像から機能解剖学的アプローチによる評価および介入を施行.[症例紹介]左内包後脚および放線冠の高齢女性脳梗塞患者.初期はSIAS50点,SIAS-M1-1A,4-3-3,起居要介助,歩行はFAC1,FIM65点.[経過]皮質脊髄路および皮質橋網様体路損傷を認め,運動麻痺および非麻痺側運動機能低下がみられた.一部装具使用し課題指向型トレーニングにより,最終はSIAS64点,SIAS-M3-2,4-4-4,起居自立,FAC3,FIM92点.[考察]皮質橋網様体路を賦活,予測的姿勢制御機能を改善し,両側機能改善および歩行再建に至った.麻痺側下肢支持性を保障し,非麻痺側機能低下緩和により麻痺側機能改善に至った.[結論]脳機能解剖学的評価および課題指向型アプローチの意義は高い.

  • 神野 愛, 貞清 秀成, 林 孝拓
    2018 年 8 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/31
    ジャーナル フリー

    [はじめに]通所リハビリテーションを利用する脊髄小脳変性症の1症例に対し身体組成評価を実施し,1 年間の経過を追った.[症例紹介]60 代,女性,脊髄小脳変性症発症17年後から当通所リハビリテーション利用開始となった.[経過]身体組成では,1年間で四肢骨格筋量,体脂肪率の増加を認め,体幹筋量のみ減少を認めた.運動機能では,握力,膝伸展筋力は向上し,歩行速度は低下した.[考察]本症例における体幹部筋肉量の変化は通常の加齢変化と異なる経過をたどることが示唆された.[結論]脊髄小脳変性症における身体組成変化には加齢変化に加え疾患の影響が反映される可能性がある.

  • 塩谷 雄司
    2018 年 8 巻 1 号 p. 37-39
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/01/31
    ジャーナル フリー

    [はじめに]脚長差がありランニング時に仙腸関節に疼痛を発症した症例に対し,運動連鎖の観点から理学療法を行った.[症例紹介]30代,女性,ランニング時に右仙腸関節に疼痛が出現し当院受診,側弯症と診断された.[経過]初期評価では,静止立位で右骨盤後傾位,踵骨外反角度が左右比較で右が小さく,右M-StからT-Stでの骨盤右後方回旋の増大がみられた.介入として踵骨外側にパッドを貼付したところ,歩行時の骨盤右後方回旋の増大の減少,疼痛が改善した.[考察]踵骨外反へのパッドの貼付によって,距骨下関節が回内誘導され,運動連鎖の破綻が改善し,歩容と疼痛の改善に繋がったと考えられる.

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