[はじめに]リバース型人工肩関節置換術(Reverse Total Shoulder Arthroplasty:以下,RSA)と肩甲下筋および広背筋移行術を同時施行した症例に対する約8ヵ月間の理学療法を施行した効果を報告する.[症例紹介]70歳代,女性.広範囲腱板断裂により外来リハビリテーション開始するが,介入後も疼痛や肩関節可動域(自動)に改善がみられず,RSAと広背筋移行術を同時施行された.[経過]移行した広背筋を肩内旋から外旋に機能変換させるため,肩最大挙上位での外旋運動や各肢位での運動学習を実施し,術後約8ヵ月の介入で良好な成果を得た.[結語]RSAと広背筋移行術を同時施行した症例において,移行した広背筋を肩内旋から外旋への機能変換が重要であると考える.