理学療法とちぎ
Online ISSN : 2434-2300
Print ISSN : 2186-4861
9 巻, 1 号
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講 座
短 報
  • 沢谷 洋平, 柴 隆広, 広瀬 環, 佐藤 美穂, 伊東 郁, 石坂 正大, 小野田 公
    2019 年 9 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/28
    ジャーナル フリー

    [はじめに]各身体機能評価において実施可能割合を算出し,介護度や測定肢位による実施可否を明らかにすることを目的とした.[対象と方法]通所リハビリテーションを利用している134 名に対し,各身体機能評価の実施可能割合の算出と,介護度の高低,座位・立位の測定肢位による2群間での比較を行った.[結果]実施可能割合の上位3 項目はMNA-SF,握力,MPT,下位3 項目は身体組成,片脚立位,CS30 であった.介護度の高低と座位・立位の測定条件による実施可否に有意な差を認めた.[考察]介護度の高低による身体機能や,座位・立位の運動の難易度が結果に影響を及ぼした可能性がある.[結論]幅広い身体機能の対象者に共通した評価項目には,座位が望ましいことが示唆された.

調査報告
  • —国際医療福祉大学大田原キャンパスでの検討—
    韓 憲受, 久保 晃, 丸山 仁司
    2019 年 9 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/28
    ジャーナル フリー

    [目的]本学理学療法学科新規卒業者の就職地域と就職先における20 年間の分布を明らかにすることである.[対象と方法]20 年間の就職先について出身地域に就職する比率を中心に地域別,年度別・就職先の種類別に分析した.[結果]20 年間の出身地域就職率は48.7%であった.就職地域は,栃木県を中心に上位10 位の地域が90.1%を占めた.種類別には病院関係が91.6%で最も多かった.[考察]約半数が出身地域で就職する傾向であった.就職地域は栃木県と近隣地域に集中し,大学の地理的位置の影響が大きいと考えられた.就職先の割合は病院関係が最も高かった.[結論]約半数が栃木県を中心に出身地域で就職していた.主な就職先は病院関係であった.

  • ―中学生硬式野球チームにおける2 年間の縦断調査より―
    内田 拓実, 伊澤 一彦
    2019 年 9 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/28
    ジャーナル フリー

    [はじめに]小学時代の肩・肘障害の既往が中学での肩・肘障害と関連するかを調査した.[対象と方法]当院にて行われた検診に2 年続けて参加した中学生24 名を対象とした.小学時代の肩・肘障害の有無により健常群(6 名)と障害群(18 名)に分類し,2 群間の背景因子・身体機能を比較し,さらに2 年時の障害発生率を比較した.[結果]身体機能と背景因子は障害との間に関連がみられなかったが,障害群は18 名中11 名(61%)が中学入学後にも肩・肘障害を発症し,健常群は肩・肘障害を発症しなかった.[考察]定量的な要素以外の因子が肩・肘障害と関連している可能性が示唆された.[結論]小学時代の肩・肘障害は中学での肩・肘障害発生と関連する.

症例報告
  • ―左大腿骨転子部骨折後の高齢患者におけるシングルケーススタディー―
    坂口 裕介, 足立 亜美, 佐藤 友紀, 小川 貴大, 平野 新治朗, 田中 祈, 今泉 優, 沼尾 真誉, 長谷川 聡子, 蒲澤 寿明
    2019 年 9 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/28
    ジャーナル フリー

    [はじめに]水中運動においてバランス運動と筋力強化運動の効果を検討することを目的とした.[症例紹介]80 代,女性,左大腿骨転子部骨折後に観血的整復固定術を施行した.[経過]ABデザインで水中のバランス運動(1 週間)と筋力強化運動(1 週間)の効果を1 週間毎と,水中運動1 回毎の前後で比較した.測定項目は,Functional Reach test,Timed Up and Go test,10 秒椅子立ち上がりテスト,大腿四頭筋筋力,Functional Independent Measure とした.1 週間毎の結果で,バランス運動でバランス能力の指標,筋力強化運動で筋力の指標が改善した.[考察]水中運動におけるバランス運動の特性と筋力強化運動の特性があり,効果が異なる.[結論]治療目的に応じて水中運動を選択できる可能性がある.

  • —シングルケーススタディーでの検討—
    田中 祈, 坂口 裕介
    2019 年 9 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/28
    ジャーナル フリー

    [はじめに]Functional Independence Measure(以下FIM)の運動項目が自立していない,変形性膝関節症(以下膝OA)により立ち座りに介助が必要な高齢の症例に対し,水中運動を実施し効果を検証した.[症例紹介]80 歳代男性,両膝OA に対し両側の人工膝関節置換術(以下TKA )を施行し,立ち上がりに介助を要していた.[経過]水中にて疼痛軽減下での運動を行えた.関節可動域(Range of Motion:以下ROM)と,筋力に向上が認められ,立ち上がりとFIM が向上した.[考察]浮力と温熱効果により動作時の疼痛が軽減し,立ち上がりの反復練習が可能となったため,立ち上がりが改善した.[結論]温泉を用いた水中運動は立ち上がりの改善に有用な可能性がある.

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